冬の街にて、人斬り異聞   作:はたけのなすび

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では。


巻の二十一

 

 

 

 

 首元の血と服の汚れは襟巻きで隠し、色が変わった髪は帽子で隠した。

 本当ならば、服までも変えたかったのだが、時間が無かった。

 元々堪忍袋の緒が切れかけのケイネスである。約束の時間に遅れれば、何を言われるやらわかったものではない。

 傷に障らない可能な限りの速さで急ぎ、というか最後辺りは以蔵に抱えて走ってもらい、ぎりぎり正午には廃工場に滑り込んだ。

 

「結構。約束の時間通りだったな。アサシンのマスター。ああ、サーヴァントは外で待たせておきたまえ。この先は、マスター同士の話し合いだ」

 

 ケイネスの声は断固としたものである。

 ちらりと、以蔵と視線を合わせる。

 舌打ちして、以蔵は霊体となり、その気配は外へと出て行った。白もついていく。その近くにランサーの気配もある。

 ランサーと以蔵とは、建物の外で待つこととなった。

 

 一方、ソラウのみを側に引き連れたケイネスは、目の下に隈こそ作っていたが意気軒昂という面構えである。

 これは一体、何がわかったのだろう。

 

「結論から言おう。……聖杯とは本物の奇跡を齎す代物であった」

「は?……あの、この冬木の聖杯とは、魔術によって造られた巨大な礼装に過ぎませんよね?真なる聖杯であるなら、聖堂教会が監視などという悠長なことはせず、奪いに来ていると思います」

「だろうな。私もそう思っていた。所詮、この世の内側での願いしか叶えられぬ願望器。私にとって重要なのは、そこに纏わる武名のみだった」

 

 かけたまえ、とケイネスは言う。

 コンクリート打ちっ放しの廃工場と、時計塔の講義室を間違えているかのような物言いだったが、それだけ没頭しているということだろう。

 ともかく、そこらの崩れたコンクリートの平たい塊の上に繍は座った。

 それを見届けてから、ケイネスは興奮気味に続ける。

 

「だが、それは誤りであった。冬木の聖杯戦争の儀式とは、根源の渦に至る為のものだったのだよ!」

「根源に?……可能なのですか?」

「極めて完成度の高い技術に、論理が用いられているのだ。可能性は十二分にある!七騎の守護者に見立て、七騎のサーヴァントを呼び寄せる!座へと還ってゆこうとする彼らの魂で以て孔を穿ち、根源へと至ろうという試みであったのだよ!」

 

 ケイネス・エルメロイ・アーチボルト、大興奮である。

 深夜テンションと大発見が組み合わさって、完全に感情の振り幅がおかしくなっているらしい。

 正気に戻ったあと、優雅でなかったと頭を抱えるだろうなと思った。

 

 が、繍とて元時計塔の学徒。

 ケイネスの言いたい事は大体わかった。

 つまり、聖杯とは万能の願望器ではなく、魔術師の悲願である、根源への到達を行えるアーティファクトであったというのだ。

 

 万物の源である根源への到達は、数多魔術師の悲願だ。彼らの多くは、それを目指して世代を重ね、秘術を編み出す。

 だが、根源へと至った者は存在していないとさえ言われている。

 それだけ難度の高いことであり、そして同時に到達した者は()()()()()()とされているのだ。

 根源に至った者は世界の脅威となり、世界の意志によって弾き出されるとか、抑止力が動いて消されるとかなんとか言われているが、ともかく現状、根源の渦へと辿り着いて戻ったと証明できる者は、この世にいないのである。

 だが、辿り着くだけでも、魔術師にとっては偉業だ。そのために生命を落とすことを厭わない者とて、珍しくない。

 到達の為の、十分な可能性がある道筋が見えただけでケイネスがこうなるのも無理はない。

 

 翻って、その話を聞かされた繍はと言えば。

 

─────へぇ、それは凄いなぁ。

 

 感想など、これだけであった。

 カミに仕える家の末は、根源の渦にさっぱり興味がないのだ。

 佐保家の教えとは、人の条理の外にある者の驚異から、人を守ること。

 カミと人の縁を守り、人を守って自らも生きるのが教えであり、世界の外側に興味はない。

 佐保家が在るべきは、常に世界の内側とそこに生きる人々の側なのだ。

 そもそも、この世すべてを司る真理を知ろうなど、カミの領域である。仕え人が手を出していい類ではないのだ。

 

「根源……。つまり聖杯戦争の勝者は、そこに至ることができるのですね?」

「そういうことになるだろう。御三家の連中が、これだけ拘っていたのも頷ける。如何に凋落しようとも、聖杯戦争を手放さなかった理由も知れた」

「でもその事情を、ボクたち外様のマスターが、知らされていないのは?」

「万能の願望器という謳い文句で魔術師を呼び寄せ、七つのクラスを埋めるためだ。必要な儀を行うために必要なのは、七つのサーヴァントの魂のみだ。本来ならば、闘争すらも不要だろう」

「万能の願望器を巡って行われる殺し合い、という文句も嘘ですか」

「始まりは恐らく、殺し合いの必要はなかったのだろう。だが、今や御三家とて殺し合いに積極的だ。この第四次聖杯戦争において、本来意図されていた闘争のないやり方で、聖杯降臨の儀がなることは最早あるまい」

 

 それを吐かされた臓硯は、どうなったのだろう。ケイネスの手腕は知っているから、恐らくもうまともな精神は保っていまい。

 聞こえのいい言葉で呼ばれ、踊らされたのは、ケイネスもウェイバーも同じだ。

 またもプライドを刺激されたケイネスに、容赦の二文字があるとは思えない。

 

「……しかしロード。今、七騎のサーヴァントと仰いましたよね?聖杯戦争で脱落するのは、自らのサーヴァントを省いた六騎なのではありませんか?」

「いや、七騎で間違いはない。令呪とはな、最後に己がサーヴァントを自害させるための絶対命令権なのだよ。七騎の魂が揃っていなくば、聖杯は根源へ至る孔を穿つことはできない」

「それ、は……」

 

 では、サーヴァントは単なる贄に過ぎなくなる。

 願いが叶うからとサーヴァントを呼び出しておきながら、聖杯戦争の仕立て役は最初から彼らを騙していたのだろうか。

 

 死にとうない、という以蔵の声が耳に蘇る。

 

 彼も、謀られていたのだ。

 誰に、というのは微妙なところだが。だって、繍もサーヴァントが聖杯戦争の為の贄だとは知らなかったのだから。

 騙すのは許さんと言っていたから、これを知ったら激怒間違いなしだ。

 ケイネスがランサーと以蔵を遠ざけた理由もわかった。確かにこれは、サーヴァントには聞かせられない。

 

 だが、ケイネスは横でこの会話を聞いているソラウの目が、氷より冷たいどころか、鬼女のようになっていることに気づいているのだろうか。

 明らかにランサーに岡惚れしている彼女の前で、アレは生贄なので根源に至るためには犠牲にするし、自分はそれに何の痛痒も感じないと、言ったも同然である。

 ソラウに、これは聞かせていい話ではないだろう。多分、深夜テンションで完全に判断を間違えている。

 

 元師匠の色恋沙汰に巻き込まれるのは、勘弁だったが、流石にこれは言い繕いをせねば不味いと本能が叫んでいた。大して寒くもないのに、冷や汗が止まらない。

 

「ロード。ではあなたは、このまま聖杯戦争を勝ち抜き、根源に至る所存ですか?……でも、根源に至れば還っては来られないという話では?」

「で、あろうな。だが、根源への到達は我らの悲願である。その為ならば、現世のことなど……」

「心残りは本当にないのですか?……例えば、ソフィアリ嬢との正式なご婚礼もまだでしょう」

 

 熱に浮かされ切っていたケイネスの瞳が、ぴしりと固まる。

 そうなのである。

 この生粋魔術師は、生粋魔術師にらしからぬ一途さで、許嫁に惚れ抜いている。

 優秀な子を得るため、家名を高めるため、情のない婚姻を結ぶことが珍しくない魔術師婚活事情において、とても稀有な御仁なのだ。

 要は、ケイネスは惚れた弱みでソラウにだけは強く出られない。

 そういう人間味があるから、繍はケイネスを嫌いになれない。

 

 ただ、ケイネスがソラウに己の想いを真っ正直に告げているのかと言えば。

 誠に残念ながら、否、なのである。

 元弟子としては、口下手も大概にして頂きたい。いい歳して思春期か、と一度くらいツッコミを入れさせろ。

 何でも容易く手にしてきたが故に、手に入らないものの口説き方がわからないとかいう箱入り息子ぶりを、要らないところで炸裂させないで欲しいものだ。

 

「ロード、ソラウ嬢に想いも告げず、本国で神聖な婚前の誓いもせず、根源へと旅立てますか?憂いは、本当にありませんか?ソラウ嬢を妻と呼べる日を、アーチボルトの御曹司が心待ちにしていると、時計塔学徒の界隈で噂になっていましたよ」

「いや……それは……しかしだね……」

「些か下世話な物言いになりますが、あなたがたは初夜もまだでしょう?ロード、想いも遂げずにそれでは、あなたが長年胸に秘め、積もり積もらせてきた恋心は、どこへ行けばよいのでしょうか?」

「す、少し黙らんかね!シュウ・サオ!そもそも、君のような未婚の、それも由緒正しき家の子女が、し、初夜だなんだと人前で口にするとは何なのかね!少しは恥じらいを持ち給え!」

 

 咎めるところはそっちか、と繍は、茹で蛸になった育ちの良い元師匠の様子に驚く。

 残念ながらと言うべきか、繍は良家は良家でも、中身は旅の間で色々と擦れてしまっている子女なのだ。

 

「わかりました。黙ります。……ですが、ロード。このまま聖杯戦争を続けて、仮に根源へ至ったとしましょう。……それで称賛されるのは、この術式を組み上げた御三家ではありませんか?エルメロイ家は、尻馬に乗っただけ、完成されていた術式を掠め取っただけ、とも取られましょう」

「……うむ」

 

 黙りますと言ってから、繍は更に言葉を重ね、それから口を閉ざした。

 目の前でぐるぐると瞳を動かして、ソラウ、と愛する女の名を呟いている茹で蛸ケイネスを、繍は頬杖ついて見ていた。

 これで少なくとも、聖杯戦争の儀式を完成させようと思いにくくなるだろう。

 

 言うだけは、言った。

 

 彼の横のソラウは、少なくとも鬼女の形相ではない。よほど混乱しているのか、こちらもほんのり赤くなった頬を手で押さえている。

 こういう顔をしたら可愛いものだと、自分よりほんの少し歳上の、まだ少女の瑞々しさが残る美しい女性を見ながら、思った。

 そしてそういう感想しか出ない自分は、つくづく、まったく、可愛くないのは間違いない。

 

 ともあれ、通り一辺の礼儀しか言ってこなかったろう魔術師然とした婚約者に、実は魔術師の悲願達成を思い留まらせるほどに惚れられていると知り、少しでも燃え上がっているソラウの恋心が鎮まればいいのだが。

 惚れた腫れたは繍にはよくわからないが、彼らに関して言えば、何処までも事実しか言っていないのだ。

 

「……せ、聖杯戦争の真の形は以上だ。だがまだ、気になることがある」

 

 ようやく調子を取り戻したらしいケイネスが、咳払いしつつ言った。

 今更取り繕っても、ケイネスの威厳はとっくのとうにブロークン・ファンズダ厶している。

 が、元弟子は素直に頷いた。

 

「あの蟲は、大聖杯の場所を漏らした」

「大聖杯?」

「聖杯戦争には、二つの聖杯がある。一つが小聖杯。こちらが、所謂『願望器』となり、万能の願いを叶えるために争う者が欲するはこちらだろう。小聖杯はどうやら、戦争の度にアインツベルンによって鋳造され、冬木に運ばれていると思しい。約二百年に渡る過去三回の聖杯戦争の中では、これが破壊されたため、失敗に終わった事例があるそうだ」

「アインツベルン……。では、あのセイバーのマスターを装っていたホムンクルスと、何か関係はあるのでしょうか?」

「恐らくはな。だが、肝心なのは大聖杯だ。これは、冬木の霊脈から力を吸い取り、溜め込み、こうしてサーヴァントを呼ぶための要となっている。……だがこれは、小聖杯のように何度も造られている訳ではない。街外れの寺院……柳洞寺とかいうそこの地下にある大洞穴に、据え置かれているそうだ」

「据え置き型なんですか?」

「君が思い描いているような盃のカタチではなく、聖杯降臨のための術式が、洞窟には組まれているのだよ。ユスティーツァ、などという名前をあの蟲は何度も口走っていたがな。それが恐らく、大聖杯の造り手であるらしい。このユスティーツァなる魔術師がアインツベルンの指揮を執り、聖杯戦争の始まりを創った祖、なのだろう」

 

 ユスティーツァ、と知らぬ魔術師の名を繍は舌の上で転がした。

 もうとうに亡くなったのだろうか、それとも大聖杯と共に生きているのだろうか。魔術師ならば、生きている可能性もあるが。

 

「聖杯戦争が進み、サーヴァントが脱落していけば、小聖杯に魂が一次的に溜まって行く。七騎が溜まった時点で、大聖杯が降臨するのだ。この溜まった魂が、『座』へと還って行こうとするときに世界に開く『孔』。これを通じて、最後のサーヴァントのマスターは根源に至る。……そういうからくりであったのだよ」

「確かに、筋は通っていますね。ですが、それではサーヴァントの願いとは完全に叶わないのでは?」

「そうではない。この世の内側の願望を叶えるだけならば、六騎分の魂で事足りよう。聖杯戦争を儀式として成功させずに、ただ小聖杯を万能の願望器として使いたいならば、己のサーヴァントを自害させる必要はない」

 

 そうか、と思った。

 言葉が切れた繍を、ケイネスは瞳を細めて見やる。

 

「君は、随分と己のサーヴァントに拘っているようだな。彼の願いを叶えるために参戦しているのか?」

 

 真面目な声だった。

 これはもう隠しても仕方ないな、と繍は諦めた。

 

「そうですね。ボクの家は、根源に興味がありません。万能の願望器を使いたい、というほどの願いも、特にボクにはありません。そもそも、『渦』はカミの領域です。ボクたちはあくまで人理のためにと生きる者で、それを良しとしてきた家です。そこの領域に至るのは烏滸がましい、とどうしても考えてしまうのですよ」

「ふむ。極東の地ではそのような考え方も生まれたか。では、君たちの家は魔導の探求者ではなく、人理の守護者に近いのだな」

「そうですね。ボクが、というよりも、ボクの家の話ですが」

 

 軽く肩をすくめる。元師匠の眼力は、やはり侮れなかった。

 

「では、些か下世話な話だが聞かせてもらおう。……シュウ・サオ。君は、あのサーヴァントに惚れでもしたのかね?」

「は?」

「使い魔風情にそこまで入れ込むには、それ相応の理由があるだろう。まして、君はまだ若い娘で、あの使い魔は若い男の姿をしている。惑うこともあろう」

 

 実際、間近でサーヴァントに恋心で入れ込んでいる者がいるマスターとしては、実に妥当な考え方である。

 これには、正直に答えることにした。

 

「いえ、そういうわけではありません」

「皆無なのかね?」

「ボクはアサシンを人間としては好ましいと思っていますし、相棒として彼を信頼しています。が、惚れたかと言われれば違います」

「だというのに、君は使い魔に随分と傾いているようだが」

「魔術師ふうに言えば等価交換です。ボクは生きるために、その意志を問うことなく彼を呼び出し、彼はそれを聞き届けてくれた。その分を返すだけです。ボクたちの国の言い方で言えば、仁義を通す、とも言います」

 

 あとはまあ、どうも以蔵から漂う、そこはかとない放っておけなさとか、駄目人間感とかも契約を続ける理由にはある。

 が、それは大したことではない、と少なくとも繍は思っている。

 

「……わからんな。あのランサーも、騎士の誓いだなんだと言っていたが、聖杯を求めぬサーヴァントも、サーヴァントに何も求めぬマスターも有り得ぬのではないか?」

「ボクに関して言えば、既に願いが果たされているから、その分を彼に返しているだけ、という話ですよ。ランサーに関しては……ボクは彼の言葉を聞いたことがありませんので、答えかねます」

 

 ディルムッド・オディナの願いの何たるかは知らないが、彼はケイネスに罵倒されたとき、怒りではなく、何故わかってくれないのかという戸惑いと哀しみを表していた。

 ならば、少なくともケイネスを嫌ってはいないだろう。

 納得しきれていないふうに、ケイネスは首を捻っている。だが、これ以上の問答は無意味と判断したらしい。

 

「話は以上だ。では、これで君と私は再び敵同士となる。次に会うときは、君のサーヴァントの首級をランサーの槍が取るときだろう」

「そうなりますね。そう簡単に行くとは思いませんが」

 

 けろりと、笑顔で言い返す。こういう、後腐れのない挑発に返すのは楽だった。

 

「ちなみに、蟲翁は?」

「ああ、ついさっき殺したよ。情報を得た以上、もう興味はない。亡骸は後で教会に放り込んで、彼らの怠惰を談判するために取っているがね」

「……周到ですね」

「当然だ。神秘を隠匿し、その秘技を守ることは我らの使命だ。それすら忘れ、人を喰う怪物と化したモノを野放しにするのは許しがたい」

 

 ロードの誇りにかけて、怒るケイネスである。

 言峰神父擁する教会にかける情は、繍にも無論なかった。桜を嗤った、あの外道は大嫌いである。

 では、とお辞儀をして立ち上がる。

 そのまま工場の外へと歩み出し、日の光の下へと出、繍は目の前の光景に目をぱちくりさせた。

 

 廃工場前の無人の空地にて、向き合っているのは、以蔵とランサー。双方得物を構え、辺りには明らかに戦闘の痕跡がある。

 ランサーは眦を決して二槍を握る一方、以蔵は薄く笑って二刀を構えていた。

 が、繍を見つけるや、以蔵はあっさり刀を引いた。

 軽く跳んで繍の横に戻り、刀を鞘に収める。

 

「話は終いか?」

「うん、終わったけど。……一体、何やったんだい?」

「大したことはしちょらん。おまんの魔力に手ぇは出しちょらんきのう。ちっくとばかし、騎士サマの相手をしちょっただけじゃ。帰るぞ、マスター」

「うわちょっと、引っ張るな!」

 

 仔犬並みの大きさになっている白をなんとか拾い上げ、半ば、以蔵に引きずられるようにして廃工場を後にする。ランサーは、その場から動かなかった。

 新たに得た情報を、さてどうしようかと空を仰ぎ見る。青く澄んだ空にふと、思い出したことがあった。

 

「……そうだ。間桐雁夜と、バーサーカー」

 

 さんざどたばたして忘れかけていた、しかし窮地を救ってくれた狂戦士主従の名を、ぽつりと呟いてみるのだった。

 

 

 

 

 

 

 




色々とひどい教え子の話。
そして肝心なことを言わなかった蟲翁。

次から本当にしばらく更新止まります。
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