では。
仰々しい気配と見た目ではあっても、繍の持つ短剣は殺傷能力という点では然程ない。
やたらと重く、造りは古く、振り回すには向いていないのである。以蔵に言わせると、とんだ見掛け倒しというやつだ。
それでも取り出したのには、この短剣にしか切れないものがあるからだった。
「岡田さん、手出ししないで。桜たちのところにいて」
「あん?」
「お願い」
じ、と見つめると以蔵は舌打ちをして一歩引き下がり、桜を庇うように立った。
その後ろでは、桜がなんとか立ち上がっていた。
擦りむいた膝からは血がたらたらと流れていて、白い頬にも擦り傷がついている。
凛とイリヤも同じように小さな怪我をしていて、鮮花に至っては気絶して倒れたままだ。
すべて自分のせい、とまで自惚れる気はない。
それでも四年前に
怒りはまだ、繍の中で収まらない。
四年前の自分への怒りと、今日は出し抜かれかけた自分への怒りで、心がごうごうと燃えている。
目の前の言峰は、驚いているように見えた。
「どうしてボクがここにいるのか、わからないって顔をしているね。そうそう、君の人形が撃った弾は、ちゃんとボクに当たっていたよ」
「……ならば何故、貴様は『佐保繍』として生きていられる。あれは……」
「起源を強制的に覚醒させる弾、だろ?切嗣さんの起源弾と、荒耶の術の組み合わせといったところかな」
あの小川マンションで言峰の人形が繍に打ち込んだのは、魔弾だった。
命中した者の起源を強制的に覚醒させるという代物。確かに、正しく効けば繍には致命的だっただろう。
「ボクは……ボクたちの起源は『器』だからな。覚醒させられたら堪らない」
佐保の家の者は皆、そうだ。
魔術師ふうに言うところの魔術属性も『器』なら、起源も『器』。カミの依り代として成立していたころの名残は、家が廃れても起源となって受け継がれている。
しかし、『器』はそれだけではただのカラ。伽藍洞でしかない。
中に何かが注がれることによって、ようやく『器』は『器』としての役目を果たすことができるようになる。
ちょうど、空っぽの杯に魂を注いでいくことで完成していった冬木の『聖杯』のように。
だが、ヒトはモノにはなれない。
完全に起源に立ち返ってしまった佐保の家の者は、本当にただの依り代、ただ空っぽのモノとなる。
カミが降りる器としては完成品であっても、人としては死ぬに等しい。
「ボクの起源、よくもまあ見抜いたね。手を貸したのは誰?荒耶?」
「どうでもよかろう。……何故、貴様は呑まれなかった」
「ああ、それはね。これだよ」
とんとん、と空いている手で繍は顔に残る赤い痣に触れた。
魂に貼り付いた聖杯の泥の残滓がカタチとして現れた、呪いの疵である。
「ボクの魂に貼り付いてるこれは、ボクが壊れるのが嫌だったみたいだ。呑まれる直前に、めちゃくちゃな痛みを発して正気に引きずり戻して来たんだよ。要するに、呪いの上書きかな」
実を言えば、今も焼けた鉄板を押しつけられているような痛みが、顔の半分を覆っている。
だが、その痛みのお陰で正気でいられたわけで、文句を言っていられない。死ぬほど痛いが、死にはしないのだから。
「馬鹿な、アンリマユが貴様を助けただと!?」
「助けたという意識はないだろうね。ボクは別に、こいつと何も話してない。ただ、ボクを通して、あるがままに同じ世界を見せているだけさ」
冬木の聖杯を汚染していた『
繍は泥の中に落ちたときに、それを知った。彼の、今は亡き過去を見た。
だから、呪いの欠片が魂に貼り付いたときも、引き剥がそうとはしなかった。
見たかったものも、欲しかったものも、『彼』にはあった。
『彼』が失ったものを、繍は何ひとつ還してやれないけれど、新しいものを見せることならできる。
それ以外に、繍には『彼』を弔う方法がわからなかった。
聖杯戦争の中で何度も壊れてカミに治されて、意図せずして無駄に丈夫になってしまった体なのだから、小さな呪いの欠片くらい、受け取ってしまっても平気だったのだ。
それが『彼』にとって幸福なのか不幸なのか、それすら繍にはわからない。『彼』は、凡そ意志と呼べるものすら、ほとんど剥奪されたに等しいから。
繍はただ、その欠片と共に生きているだけだ。
だが、確かに『
だから、そのための目であり、足である繍が壊れるのを望まなかった。それだけのことだった。
「泥に落ちたりしなければ、今日、確かにお前の弾丸でボクは人間として終わっていただろう」
四年前の言峰の企てで、泥に転落したりしていなければ、『
そう告げると、言峰は嗤った。罅が走ったような、歪な嗤いだった。
「己の企てを阻んだのが、他ならぬ四年前の私だったとはな。それとも、あれを取り込んで尚生存していた貴様の化け物ぶりを見誤っていたということか」
「そういうことだ。普通に殺しておけばよかったんだよ。四年前のお前ならできたんだから」
「おい」
以蔵の手刀が、軽く脳天に落ちて来た。
じとり、と桜の視線も気のせいか背中に突き刺さる。さすがに少し言い過ぎたと、繍は舌をちろりと出した。
「だが貴様に、私を殺す度胸はあるまい。この期に及んでも人斬りを下がらせ、貴様は私と己を同類のように見ている。だからこそ、四年前も殺さなかった。そうだろう?」
それなりに心血を注いだ企てが潰えたというのに、言峰は失望の色を表していなかった。
驚愕もしているだろう。憤怒もしているだろう。だがそれでも、まったく諦めていない。
それだけ、己を暴いてかつての在り方を破壊した者が憎いのか、と繍は醒めた頭で考えた。
その感情は、
祈る相手こそ違えど、祈るために祈り、生きてきたという在り方において、言峰綺礼と佐保繍に、違いはなかった。
それを破壊され、自身ですら悍ましいと思う在り方を曝け出されれば、一生かけても恨むだろう。
まして、その相手が同一にして在り方を違えた精神を持った者となれば、尚更。
「そうだね。それにボクはさ、人を殺すって言うのは、自分の中に相手の一部を取り込むってことだと思ってる。だって、一度誰かを殺したら、もうそれまでの自分と同じじゃいられないんだから。……殺しても化けて出てきそうなお前の何かを受け取るなんて、それこそ、死んでも御免だよ」
言峰綺礼が、佐保繍を同一にして異なる存在として憎むなら、繍も同じだ。
求道の果てに、周りを破滅に追いこもうとして、ただ己を癒やしてくれるだけの真理に至りたいと宣う相手など、苛ついて堪らない。
己に似ているだけに、許せない。
だが、まるで自分に殺意を向けているように思ってしまう。
つまりは、そういうことだった。
「それとも、お前、ボクに殺されたいのか?確かに、死んだらもう二度と悩むことはなくなるだろうね。逆に、お前という人間を殺したら、ボクはきっと一生思い出してはあれこれ思索してしまうんだろうさ。ボクは、そういう面倒くさい性格してるから」
だから、と繍は短剣をくるりと逆手に持ち変えた。
「
虚空に、繍は短剣を突き刺した。
青銅の刃が、深々と埋まっていく。まるで、そこに何かがあるかのように。
言峰が動こうとする。
が、その足は動かなかった。見れば、影に銀の針が突き刺さっている。
「影縫いだ。……お前、呪術師の間近で喋りすぎたんだよ。ましてここは、ボクの領域。この結界の中では、音も水も、魔力や風の流れすらも、
マンションのときのようには行かない。
行かせない、と繍は短剣を下へ引いた。
めりめりと、刃が動くにつれて空間が裂けて行く。
裂け目から覗くのは、花が咲き乱れる美しい春の野原と、その奥に佇む白壁に茅葺きの屋根を持つ、家だった。
夜の闇にはあり得ないその眩しい風景は、まさしく異界の光である。
言峰の顔に、ようやく驚愕の色が現れる。
あー、と以蔵が気の抜ける声を上げ、頭をかいたのはそのときだ。
その異界を以蔵は見たことがあった。
夢の中でではあるのだが、もう二度と行きたくも見たくもない場所である。
裂け目はみるみる広がり、辺りを飲み込む。
ほんの僅か、瞬きの間に、薄暗い路地は春の野へと変わっていた。
凛とイリヤは声も出せずに驚き、桜は目の前にひらりと翻った小さな花弁に手を伸ばした。以蔵は呆れ顔で、鮮花を肩に担いだ。
「ボクはお前に、呪いをかける」
夜闇がひたひたと迫る路地を、花咲き乱れる春の野へと転じた張本人たる繍は言った。
「
言峰が、何かを言おうとした。
だが、その口から音が溢れるより速く、繍は空間を踏み越えてその眼前に現れていた。
「
軽い言葉と共に、繍は言峰の額に短剣を突き刺す。
声のない絶叫が、美しい春の園に響き渡り、そしてふつりと消えたのだった。
#####
色々と大変なことがあった夜を越えた、次の、次の日の朝。
桜は自分でもびっくりするくらい、すっきりと目覚めた。
服を着替えて、またイリヤと凛を起こして、階段を下りる。
キッチンからは、じゅうじゅうと音がして、フライパンを振る音が聞こえていた。
その合間に、聞くと安心する声が、二つ。
「阿呆。何べん言うて聞かせりゃえいがじゃ。どういておまんはたまぁにわしより頭が悪うなる」
「言われようがひどい。あと、きみの場合は、考えるのサボってるだけだと思うんだけど」
「あやかしいこと抜かすんやないき。結局、またトウコに振り回されよったぜよ。とっとと皿出しぃ、この半病人」
「はいはい」
顔のほぼ半分、左目を隠すように白い包帯を巻いた繍は、そこでようやく桜たちに気づいたらしく、片手を上げた。
「おはよう。桜、イリヤ、凛」
「おはようございます。……繍さん、寝てなくていいんですか?」
小川マンションと、そこに絡んだ騒動が終わってから、まる一日が経っていた。
どこも怪我をしていないように見えた繍だったけれど、どうやらあの痣がひどく痛んでいたのを、我慢していただけだったらしい。
平気な顔をしていたが、痛すぎて物がまともに考えられないほどだったらしく、痛み止めの呪符ごと包帯を顔に巻いている有様だ。
以蔵の拳骨が落ちたのは、言うまでもない。
路地で放った大技の反動と合わせて、繍は以蔵によって寝床に叩き込まれ、昨日はほぼ眠っていたのだが、何故か今、キッチンに普通に立っていた。
「寝てたら枕蹴り飛ばされたんだよ。確かに八割痛み引いてたけど、もう少しマシな起こし方はなかったのかな」
「甘えたこと抜かすんやないぜよ。飯の仕度くらい手伝えるじゃろ」
「ボクが甘えた事言える相手なんて、世界に君たちくらいしかいないんだけどね」
そう言いながらも、以蔵が焼いているベーコンエッグを繍はさっさと白い皿で受けていた。
「というわけで、朝ご飯だよ。トーストにベーコンエッグにサラダね。並べるからちょっと待ってて」
「あっ、わ、わたしもやります!」
「はーい、わたしも!」
「……わたしもやるわ」
「ほたえなちゅうに。元気になりよったら、おまんらはほんまに騒ぎよるの」
「五人もいて静かなほうがつまらないよ」
しかめ面の以蔵と、それを見てけらけら笑う繍を見て、桜はようやく胸の奥があたたかくなった。
ここに帰ってこられたんだと、そっと呟く。
今日もこうやって、一日が始まったことがたまらなく嬉しかった。
「で、どういうことだったんですか、繍さん?」
艷やかな黒い髪を持つ勝ち気な瞳の少女、黒桐鮮花はまずそう切り出した。
「私も気になります。説明は、して頂けますよね?」
その隣に正座した、同じく濡れ羽色の髪の、けれど鮮花よりも儚げな印象を与える、浅上藤乃と名乗った少女が言う。
昼下がりになって、桜たちの家に二人の少女がいきなり押しかけてきたのである。
卓袱台を挟んで、繍と以蔵、鮮花と藤乃は向き合っていて、桜たちは繍と以蔵の後ろでどうなることかとそれを見守っていた。
「鮮花ちゃん、体は平気なのか?」
「少なくとも、包帯でぐるぐるの繍さんよりは全然元気です」
「手厳しいなぁ」
鮮花は、言峰に誘拐されたことを全く覚えていなかった。
街にいて、ふ、と目の前が暗くなったら何もわからなくなり、次に気がついたら寮のベッドに寝ていて、ほぼ一日が過ぎていたというのだ。
「黒に送ってもらって、後でちゃんと説明しに行こうとしていたんだけど、まさか君のほうから来るとはね。……いや本当、巻き込んでしまって申し訳ない」
繍が、深々と頭を下げた。
体にも精神にも異常が一切ないことを確かめてから、そうやって鮮花を彼女の暮らす学生寮まで送り届けたのである。
監視カメラも人の目も、うまくすり抜けた狗神だったが、たった一人だけそれを見逃さなかった人がいた。
「繍さんの式神が大きくなって飛んで来るなんて、余程のことでしょう?気になって、来てしまいました」
鮮花の友達の浅上藤乃、と言った少女は、優しく微笑んだ。
だがその微笑みを見て、以蔵が思いっきり目を逸らす。
一体どうしたんだろう、と桜はちょんと以蔵の服の袖を引っ張る。こそりと、以蔵が耳打ちしてくれた。
「あの浅上は、千里眼の女なんじゃ。おまけに歪曲とかいう目で、こじゃんと遠いところからなんでも曲げよるき、やりにくいんじゃ」
「聞こえていますよ、岡田以蔵さん。その節……夏の一件ではお世話になりました」
「けっ」
どうやら、また桜の知らない間に繍と以蔵が何かの事件に関わっていて、そこで知り合っていたらしい。
「私、桜ちゃんに会ってみたかったんです。お話はたくさん聞いていたのに、繍さん、ちっとも会わせてくれないんですから」
「だってきみたち、似てるんだよ……。名前も桜と藤だし……まだ早いかなって思ってたのに……」
にこ、と桜に微笑みかけてくる藤乃を前にして、繍が頭を抱えていた。
その側では、凛も頭を抱えている。
「直死に、歪曲の魔眼……封印指定の冠位人形師、受肉した英霊に固有結界……?ふざけないでよ……この街、うちより魔境じゃないの」
「あはは、リン。そうやって悩んでたら、前来てたケイネスみたいに、額のシワがとれなくなっちゃうわよ」
「時計塔のロードが頭抱えて悩むんなら、わたしも悩むのは当たり前でしょ!」
しゃあ、と叫び声を上げる凛を桜は慌てて止めた。
その横では、繍が昨日の出来事を語っていた。時々以蔵も口を挟んでは、藤乃に微笑みかけられて口をへの字にしている。
「つまり、四年前に繍さんを殺そうとしたヤツが逆恨みして、遠路遥々追いかけて来たってわけですか」
「物凄く簡潔にまとめてくれてありがとう。そういうことだよ」
「こいたあが四年前にやいこしいことせなんだら、あがあな騒ぎにはならんかったんじゃ。しかも結局、昨日も殺しちょらんかったし」
こつん、と以蔵が裏拳で繍の額を軽く叩く。
「殺して、いないのですか?」
「ちょっと藤乃ちゃん、きみはボクのことなんだと思ってるの」
「いえ、よく岡田さんが我慢されたものですねと思いまして。刀、抜かれなかったんですか?」
「抜いたぜよ。けんどこいつが止めたき、やめたんじゃ」
「じゃあ、何したんですか?繍さんのことだから、多分ただじゃ済まさなかったんだろうけど」
「鮮花ちゃんまでボクをなんだと思ってるのかな!?」
「人格的には信頼してますよ。だって、桜の保護者ですから。人間性は少し、あれですが」
繍が卓袱台の上に突っ伏した。
そのまま、淡々と語る。
「……ボクのやったことは、要するに縁切りだよ。記憶ごとばっさりやって、二度と会わないようにしたんだよ」
あの日の夜、繍の短剣は言峰の額を穿った。
だが、穿たれたのは肉でも骨でもなく、因果だったという。
「人間には皆、縁の糸みたいなものがあるんだよ。赤い糸って言ったらイメージしやすいかな?まぁ、人からはそういうものが色々と出ていて、それが結ばれないと出会えたり出会えなかったりするってわけさ」
「その糸を、切ったんですか?」
「過去の記憶と存在ごと、ね。だからもう、あいつはボクたちを認識できない。思い出せもしない。
「解呪させる気ゼロですね」
「真面目に巫女が呪ったらこんなものさ。坊主じゃないから、末代までは祟らないけど」
空っぽのまま、己が空っぽになった原因を思い出すことなく永遠に彷徨えと、繍はあの神父を呪ったそうだ。
それを聞いて桜は何故か、鬼火を思い出した。
神様からも悪魔からも、お前の居場所はないと追い払われ、天国にも地獄にも行けないまま、ずうっとこの世を迷い続ける亡霊、ウィル・オ・ウィスプ。
鬼火のウィルには、悪魔から一欠片の石炭が灯りとして与えられたけれど、自分の中にあった記憶も存在もすべて取られたあの神父には、きっとそれすらない。
可哀想、とは思えない。
ただ、あの人と繍とはそういう結末になったんだ、と受け止めた。
「温いことしおってからに。斬りゃあよかったんじゃ」
とはいえ、それに不満な人もいるわけで。
天井を仰いでぶつぶつこぼす以蔵に、繍は首を傾げた。
「死は、救いにもなるんだ。だって、二度と思い悩むこともなくなるんだから。ボク、あいつにその手の類の救いを与えるなんて死んでも御免だよ」
あいつ多分、自分が殺されても良かったんだと思うよ、と繍は言った。
「ボクは自分が殺した相手のこと、何時いつまでも忘れられない。性質が『器』だからさ、望む望まないに関係なく、なんでも受け止めてしまうんだよ。ボクは絶っ対、あいつから何かを受け止めて生きるなんて嫌だからね」
「まだ、よくわかりませんけれど……つまり、その人はもう二度と現れないんですね?」
「うん。異なる世界へ渡ろうが、違えた世界線へと繋がろうが、二度と、ね。全部全部、斬ったから」
なら安心ですね、と藤乃がとても綺麗に微笑んだ。鮮花はまだよくわからないのか、頭を抱えている。
「何か悔しいです!私、気絶してたから何も覚えてないし!一回くらい燃やしておけばよかった!」
「それはちょっと待った。きみだと、あと何十年かは経験積まないと殺される。四年越しの結界術使わないと、ボクもどうしようもなかったくらい強いんだから」
路地を異界へと転じた、あの結界術は、繍たち佐保の家の原風景とも言える場所だそうだ。
のどかな春の園にしか見えないあそこが、最初の佐保がカミと契約した土地なのだという。
だから、すべての佐保は魂にあの光景を持って生まれてくる。
「固有結界といえば、そうだね。個人の心象風景じゃなくて、一族の心象風景の具現化になるが。発動に年単位で準備がいるけれど、あの中だとボクたちは普段できないこともできる。縁切りもその一つだよ」
魔術的に凄いことなのかどうか、桜にはなんとも判断できない。
以蔵は言わずもがなで、鮮花や藤乃も首をひねっている。凛とイリヤはもう考えるのをやめたのか、ひたすら聞き役に回ることにしたのか、とても静かだった。
「経緯はなんであっても、きみを巻き込んでしまったことは、本当に済まない」
繍が頭を下げ、鮮花は腕を組んだ。
「大丈夫ですよ。結果的に、わたしは桜たちに助けてもらって無事でしたし、話を聞いてたら、繍さんたちも橙子さんに結構巻き込まれてたみたいですしね」
「……うん、そう言ってくれてありがとう」
「あ、でも迷惑料として呪術を教えてくれるっていうのも、全然アリですけど」
以蔵が露骨に引いた顔になる。
「おんしはもうトウコの弟子じゃろう」
「そうですけど、打倒式のためには手札は多いほうがいいじゃないですか!それに、藤乃も桜も繍さんから習っているのに、わたしだけ何も無しっていうの、不公平じゃありません?」
「私は……たまに相談に乗ってもらっているだけですけれど」
「浅神のお家とうちはちょっと似てるからねぇ。というか鮮花ちゃん、まだあの子のこと打倒するつもりだったんだ」
落ち込むのをやめたのか、頬杖ついた繍に鮮花は深く頷いた。
「当たり前です」
「概念でマウントの取り合い合戦するボクら相手に、概念ごと殺しに来る直死は、本気で死神なんだけどなぁ……」
繍がまたも突っ伏したときだ。
りぃん、と来客を告げる音がした。
それとほぼ同時に、扉を叩く音がする。
「噂をすれば、来てしまったようだね」
そう、あっさり言って繍は立ちあがり、すぐに二人の人間を連れて戻って来た。
着物にジャンパーを羽織ったとても美しい女の人と、黒ずくめの優しそうな男の人。
「げ、刃物女」
「なんだ、やっぱりここにいたのか、刀野郎。トウコが言ってた通りだな」
両儀式を見た途端、腰を浮かせかけた以蔵に、気軽な調子で手を上げて挨拶をしたのは式である。
その後ろには、いつもの黒ずくめの黒桐幹也がいて、鮮花と藤乃に驚いたように目を丸くしていた。
「あれ、知り合いだったのか?」
「知らん。凛とイリヤが来よった日に、街で見かけたんじゃ」
「オレは、お前らのことは知らないけど知ってる。桜の保護者だろ」
式は無造作に言って、部屋へ入ってくる。
初対面だろうに、繍は大して驚いてもいないようだった。
「小川マンションで荒耶に捕まって怪我をしたって聞いてたけど、もういいのかい?」
「ああ。あのマンション、誰がやったか知らないけど、結構ガタガタにされてたんだ。おかげで、抜け出しやすかったって話さ。トウコも体を潰さなくて済んだとかなんとか言ってたしな。それから、心配しなくても荒耶はもう現れないぜ」
それがどういう意味か、桜は聞かないことにした。
荒耶という人のことを、桜はほとんど知らないのだから。
「怪我もさ、橙子のところにあった、治癒符とかいうのをくすねたんだ。おかげでまる一日寝てたら治ってた。凄いな、アレ」
聞き覚えのある道具である。
それは確か、橙子が実験に使うとかで繍から買い取って行ったものだ。
魔術師でなくても使えるようにと作ったそれを、式はちゃっかり手にしていたのだ。
「それから、ここには結界張ってあったと思うんだけど」
「悪いな、そこの人斬りに会ってみたくなってさ。入りたくなったから殺しちまったよ。お前、魔術師だって言うなら直せるんだろ?」
「ボクは呪術師だし、直すのに半年はかかるけどね!だから直死は理不尽なんだよ、もう!」
「騒ぐなって。オレはそっちの刀野郎に用があるんだ。おまえだろ?両儀の道場に来たり来なかったりするっていう、変なヤツ」
とても楽しそうに、式は以蔵を指さしていた。
繍は呆れ顔で肩をすくめて、指さされた以蔵は間違えてニラを食べてしまったときみたいな顔になった。
「……おんし、あん家の娘か」
「ああ。偉く強いけど、心技体のうち、心の修行ばっかりさせられてる刀みたいなやつが来るって、アキタカが言ってたぜ。岡田以蔵って偽名だと思ってたが、本名だったんだな。お前、それだけ死が絡んでるのに生きてる。ってことは、強いんだろ?」
また知らない名前に、桜は首を傾げる。
多分、以蔵が行っている道場が、偶然にも式の家だった、ということなのだろうけれど。
「繍さん、僕もまだよく事情がわからないんですけど、説明してくれますか?」
「ボクにもわかってたりわかってなかったりするところがあるけど、それでいいなら」
「お願いします」
そう言って幹也が座り、鮮花がちゃっかりその隣に陣取る。藤乃はふわりとまた微笑む。
目を爛々と光らせる式が以蔵に絡み、幹也が繍と話し始めると、一気に部屋は狭くなった。
いつもは三人なのに、九人もいるのだから、当たり前なのだ。
楽しいけれど、一体どうなるのかな、と桜がふぅ、と息を吐いたときだ。
「桜、ちょっと来て」
凛が、袖をきゅっと引っ張って来た。
部屋を抜け出そうと言ってきた凛が向かったのは、屋上だった。イリヤは入り口のところで止まる。
姉妹で話すんでしょう、と桜は軽く肩を押された。
コンクリートがむき出しの、灰色の床の上に立って、凛は真っ直ぐ桜を見た。
「桜、わたし、冬木に帰るわ」
そうだろうな、という予感があって、桜は驚かなかった。
「遠坂の魔術師に、なるんですか?」
「うん。だけど、お父様とは違うやり方を見つけるの。やっぱり、わたしはお父様みたいな魔術師になりたくないし、なれないわ」
でも、凛は魔術そのものを捨てることは、できないと思ったと言う。
「綺礼が来て、すごく怖かった。魔術師の……わたしたちみたいな家の子どもが危ないって理由、やっとわかった気がするの」
「あれは……あの人と繍さんの因縁は、かなり複雑ですけど」
「なんにしても、よ。わたしはあなたを守れるくらい強くなりたいの」
「わたしを?」
凛は、こくんと頷いた。
「だって、わたしはお姉ちゃんだもの。なら妹を守らなくちゃ」
秋の冷たい風の中、凛は太陽みたいに笑っていた。
それから、きゅっとスカートの裾を握りしめて、絞り出すようにして言った。
「ごめんね、桜。あのとき一人にして。ずっと、言いたかったの」
あのときがいつのことか、わからないわけがなかった。
遠坂の家を出て行ったとき、ひとりぽっちで間桐の家に放り出された、あのときのことだ。
そ、と凛の腕が背中に回った。今自分は、姉に抱きしめられてるんだ、と桜は思う。
凛の背中に、桜も腕を回した。
あたたかくて、とても安心できて、それなのに涙がひと粒だけ瞳から流れていった。
今はこんなに幸せなのに、どうしてなんだろう。どうして、涙がこぼれるんだろう。
「何もおかしくないわよ。涙なんて、嬉しくても悲しくても流れるもの」
姉の小さな手が、今度は頭をなでてくれた。
「そういうものですか?」
「そういうものよ。わたしも今、嬉しいの。そのリボン、桜がずっと使っててくれたしね」
小さい頃に交換したリボンに触れて、ね、と凛が言う。
その背中に、銀色の髪の少女が急に現れて、飛びついた。
「ちょっとなんなのよ、イリヤ!」
「べっつにぃ。お姉ちゃんと妹っていうのが羨ましいなんて、思ってないもん」
そうは言うけれど、イリヤはぷくりと頬が膨れていた。でもすぐに、いいことを思いついた、というふうに手を叩いた。
「じゃあ、わたしはシロウを弟にしよっかな。そうしたら、リンが妹になるんだし」
「な、な、なに言い出してんのアンタは!」
「あはは、リンが真っ赤ー。ねぇ桜、とってもいい考えだと思わない?」
いたずらっぽいイリヤの紅い瞳が、きらきら光っている。
どうだろう、と桜は考えた。
「え、と……わたしは、シロウさんに会ったことないです、から……でも、姉さんを任せられるような人じゃないと」
「桜まで何言ってるのよ!アイツは!友達!いい?ただの友達だから!」
耳まで赤くなった姉はかわいいんだと、桜は初めて思った。
急に、とてもくすぐったいような気がした。胸の奥から何か、泡のようなものがのぼってきて、弾ける。
気がついたら、桜は声を上げて笑っていた。つられるようにして、凛とイリヤも笑う。
高い空に、三人分の明るい笑い声が弾けた。
「桜?」
下に続く階段に繍と以蔵が現れたときも、まだ三人で笑っていた。
「藤乃ちゃんと鮮花ちゃんが帰るから、挨拶したいかなぁと思って呼びに来たんだけど」
「笑い声がよう聞こえちょったぜよ。何ぞ、えいことがあったがか?」
白い髪の女の人と、黒い髪の男の人。
四年前から桜の側にいてくれる、背中合わせによく似た二人は、並んで首をちょっとだけ傾けていた。
顔形にひとつも似たところなんてないのに、そういう仕草だけがどうしてか似ているのだ。
多分、桜しか気づいていないことだろうけれど。
笑いすぎて滲んだ涙を拭いながら、凛が背筋を伸ばした。
「なんでもないわ。繍さん、あのね。わたしたち、もう帰ることにしたの。だから桜とお別れしてただけ」
「……そっか。雁夜さんか切嗣さんに連絡入れようか?」
「いらないわ。わたしたちなら、自力で帰れるもの」
イリヤが胸を張り、以蔵が口を開いた。
「おまん、怒ったアイリスフィールが来よるんが怖いんじゃろう」
「ち、違うもんっ!イゾーのイジワル!」
たたっ、とイリヤが駆け出した。
以蔵の横をすり抜けて、階段をあっという間に駆け下りていく。何故か、凛の手を引っ張っていた。
「イリヤ!ちょっとあんたどこ行くのよ!」
「フジノとアザカに挨拶するの!」
そのまま先に行ってしまって、桜と繍と以蔵だけが残される。繍が、ぽりぽりと頬をかいた。
「元気だねぇ、二人とも」
「はちきんなやつらじゃ。桜、行かんでえいがか?」
もちろん、桜も行く。
だけど、今目の前の二人のことも気になるのだ。拳一つ分開いている二人の間に、桜は飛び込んだ。
繍の右手と以蔵の左手を取って、間に収まる。
「あれあれ、今日は一体どうしたの?」
「なんでもないんです」
包帯で片目を隠したまま、繍は残った明るい茶色の瞳を細めていた。以蔵は、いつものように夕焼け色の片目が前髪で隠れたまま。
そして二人の手はあたたかく、乾いている。
ちゃんと、生きている人の手だった。
手を繋いでもらったまま、階段を下りる。
下では凛たちと式の声が、高くなったり低くなったりして、よく聞こえていた。
「繍さん、以蔵さん」
「ん?」
「なんじゃ」
まだ高いところにある二人の顔が、桜を見下ろす。袖をほんの少し引くと、二人とも膝をついて屈んでくれた。
たくさん笑って、心がふわふわしていたからだろう。前から聞いてみたくて、でも尋ねられていなかったことを、桜は口にした。
「二人は今、幸せなんですか?」
繍の瞳がまあるくなり、以蔵の瞳が細くなる。
ちょっとだけ時を止めてから、以蔵の手がくしゃりと桜の髪を撫でた。
「まぁ、おまんらがおって、こうやって暮らしとるんは悪うないぜよ。桜も、姉やんに会えてよかったのう」
まるで誰かの兄のようにそう笑って、以蔵は繍の方をちらりと見た。
お前はどうなんだ、と尋ねるように。
雪のような白髪のその人は、うん、と一つ大きく頷いた。
「ボクはここにいられて、幸せだよ。出会ってくれて、ありがとう」
こつん、と桜の額に自分の額を一度だけ優しく触れさせて、繍は立ち上がった。右手は、桜と繋いだままだった。
さて、と繍は言って、以蔵の方を見た。
「ところで岡田さん。式ちゃんがものすっごく君と斬り合いしたそうにしてる件について、釈明は?なんであの子に興味持たれちゃってるんだい?」
「知らん!わしのせいやないき!」
「岡田さん。黒桐さんに心配かけちゃ、だめですよ?」
「……ほんま言うようになったのう、桜」
以蔵にまた、髪の毛を少し雑に撫でられて、そのまま三人で歩き出す。
繋いだ手から伝わる温もりは過ぎ去ったいつかの日のようで、けれどあのときとはまた違う。
今は何か、あの頃よりもっと確かであたたかなものが胸に宿っているのだ。
ふいに、開けたままの屋上への扉から風が吹き込んで来て、白い髪があおられて水のように流れた。
水が流れてひとつ所に留まれないように、変わらないものなんて、何一つない。
きっといつの日か、また何かが変わって行く日がやって来るのだ。
けれど、それでもわたしは優しい今日という日を絶対に忘れないと、桜は思う。
そんな、ある晴れた秋の日の午後だった。
番外編、これにて終了です。
四年後ということで、色々豊かになった子どもがよく出る話でした。
これにて完全完結とさせて頂きます。
一年以上もお付き合い頂き、誠にありがとうございました。
たくさんの評価や感想、本当に励みになりました。
今後は、新しく書き始めたSSを更新していく所存です。
また完結記念として、もしも『佐保繍』がサーヴァントとしてカルデアへ召喚された場合の設定一覧を下記へ載せておきます。
本っっっ当に手慰みで作ったものですが、お楽しみいただければ幸いです。
では改めまして、皆様、ありがとうございました。
以下が、おまけです。
真名:佐保姫
身長:164cm
体重:51kg
出典:-
地域:日本
属性:中立・善
隠し属性:天
パラメータ
筋力:C
耐久:E
敏捷:D
魔力:A+
幸運:A-
宝具:B+
クラススキル
対魔力:C
騎乗:C
単独行動:A+
女神の神核:B
固有スキル
呪術:A+
女神の織り手:B
堅き『器』:A
概要
「アルターエゴ」のサーヴァント
両刃の剣、呪符で戦う。
人物
白と黒の二匹の犬を連れ、白絹の衣をまとい、黒い髪を結って花飾りをつけた若い女性。神霊系サーヴァントだが中身は自称人間。
佐保姫とは佐保山の神霊だが、はっきりした伝承を持たない。山と春、織物の女神として僅かな記録の中で成立しているが、人格そのものは女神ではなく、女神に仕えていた神官一族のもの。
人理焼却という自体を憂いてカルデアに参加したが、女神当人は戦いが不得手であり観察するほうが楽しいからと、女神の力だけを傘下の魂たちに押し付けた。
結果、成立したのがこの疑似サーヴァントである。
初期の人格は神官一族の性格をすべて足し合わせて平均を取ったものであり、個々の人生が統合されている。一人称が、「我ら」なのはそのため。
奈良時代から平成にいたるまでの、幅広い人間としての記憶を持つ。
多重人格ではないが、数多の人格を足し合わせた平均値なので、個我というものが薄く、どこか非人間じみていて自分自身を俯瞰している。
主である女神に遣わされたからカルデアのマスターに仕えるというスタンスであり、契約しているとはいえ、少なくとも召喚したての時点では、優先順位が女神>>マスター。
現界のための力も、その気になれば女神が賄うため、マスターに頼らずともある程度自力で顕現できる。
とはいえ、一応判断基準となっている管制人格はあり、このサーヴァントの少女然とした外見が、その人間のものである。
契約したマスターの時代と最も近い世代の人間であるため、この少女が主人格として選ばれた模様。
第三再臨まで到達すると白い髪となり、衣がシャツに細身の黒のズボン、茶色いコートという現代風なものに変化する。このときは人格が完全に外見と一致し、飄々とした明るいものに変わる。そして何故か、犬がどう見てもポメラニアンな体形になる。
ただし、常日頃は無口であり、普段はひとりでぽーっとしている。呼べばどこからともなく出てくるが、呼ばなければ出てこない。
第三再臨状態では、特定のサーヴァントたちに対して、いつもと異なる面を見せる。
特にギルガメッシュ(アーチャー)を見ると露骨にビビり、アルトリア(セイバー)とディルムッド(ランサー)やイスカンダルには敬意を表し、諸葛孔明(ウェイバー・ベルベット)を見ると遠慮なく大爆笑する。
岡田以蔵、パールヴァティー、カーマを見かけると、どこか寂しげに微笑む。
宝具
『言之葉神楽・神器招来』(ことのはかぐら・しんきしょうらい)
種別:対心宝具
ランク:B+
レンジ:5~500
最大補足:100人
女神に由来する宝具ではなく、これは器となっている少女の能力を、女神が宝具として昇華させたもの。
対面した者の心のカタチ、戦意の在り処、願いの理由を見抜き、言葉で暴き出す。
判定次第で相手は戦意喪失または狂乱状態になる。心に抱え込んだものが多い者にほどよくきき、心神喪失状態に陥る場合もある。
直接的な物理攻撃ではないのだが、理性ある者ならば例外なく対象となる。
真名を知っていなかろうが、直接相対することで相手の心根や本質を読み取る。
また、耳をふさいでも、ヒトの言葉を介しない種族でも、理性の無いバーサーカーでも、直接魂に干渉され語りかけられるため、逃れることはできない。
本来ならば、人の悩みを言葉で解きほぐし、背中を押すための神官の言霊。強制するでもなく暴くでもなく、ただそっと目を向かせて前を向く手助けをするだけのある種の話術なのだが、サーヴァントとしての攻撃力を得るため女神が手を加えたらしく、こうなった。
真名開放型ではなく、常時発動している宝具。
彼女と迂闊に口を利くと、それだけで絡め取られる。それを知っているため、カルデアでの彼女が無口で、話しかけられない限り、めったに喋ろうとしないのはこのため。
尚、本人はデリカシーが無さすぎる凶悪宝具だと言っている。
『言之葉神楽・山神万華』(ことのはかぐら・さんしんばんか)
種別:??
ランク:B+
レンジ:1~200
最大補足:200人
結界宝具。
美しく穏やかで、花咲き乱れる春の山で世界を塗り替える。
結界内では佐保姫のパラメータは大幅に強化され、彼女が敵と定めた者は弱体化する。また、準備に時間をかければかけるほど長く展開でき、避難場所としても有効。
この中では通常の佐保姫が使用できない呪術も扱えるようになる。
召喚時
「サーヴァント、アルターエゴ。召喚の命に従い、馳せ参じました。仮の真名を、佐保、と申します」
レベルアップ
・第一〜第二
「力の上昇を確認。感謝します、マスター」
・第三
「力が上がった。ありがとう、マスター」
霊基再臨1
「新たな力が開放されました」
霊基再臨2
「皆様のおかげで、さらなる力を得ました」
霊基再臨3
「よーし。ここからはボクが喋るよ。こんにちは、マスター」
霊基再臨4
「ここまで経験値貯めるの、大変だったよね。レベリングに付き合ってくれて、ありがとう」
バトル開始1
・第一〜ニ
「戦闘、開始」
・第三
「戦いだね!」
バトル開始2
・第一〜ニ
「接敵を確認」
・第三
「うわぁ…。よし、頑張るぞっ!」
スキル1
・第一〜ニ
「これですか?」
・第三
「これだね」
スキル2
・第一〜ニ
「承知しました」
・第三
「わかったよ!」
スキル3
・第一〜ニ
「いきます」
・第三
「いっくぞー」
カード選択1
・第一〜ニ
「戦います」
・第三
「やるよ!」
カード選択2
・第一〜ニ
「参ります」
・第三
「えぃっ!」
カード選択3
・第一〜ニ
「無駄です」
・第三
「倒れろっ!」
EXアタック
・第一〜ニ
「倒れなさい」
・第三
「これで、最後っ!」
宝具
・第一〜ニ
「命令受諾。宝具、展開します。『言之葉神楽・神器招来』」
・第三
「それがきみの、望みなら。……『言之葉神楽・神器招来』」
ダメージ1
・第一〜三
「くっ!」
ダメージ2
・第一〜三
「いたい……!」
戦闘不能1
・第一〜ニ
「半霊体、崩壊……します」
・第三
「ごめん…しくじった……」
戦闘不能2
・第一〜ニ
「離脱、して下さい……マス、ター」
・第三
「……きみは、逃げ、ろ」
勝利1
・第一〜ニ
「勝利しました」
・第三
「勝ったよ!」
勝利2
・第一〜ニ
「帰還しましょう」
・第三
「帰ろうか。疲れたろう?」
会話1
・第一〜ニ
「なんですか?」
・第三
「んー?なんだい?」
会話2
・第一〜ニ
「我らにはすでに仕えるべき主がいますこと、お知りおき下さい」
・第三
「もうボクが仕える相手は決まってるんだ。それを忘れないでね」
好きなこと
・第一〜ニ
「我らが願うのは、人の世の安寧だけです」
・第三
「食べて、寝て、賑やかに過ごすこと!」
嫌いなこと
・第一〜ニ
「……特、には」
・第三
「覚悟が、すごいぶっ飛んだ方向にキマっちゃってる求道者はちょっと。……ああでも、求道って覚悟を決めないと至れない者だったね…」
聖杯について
・第一〜ニ
「不要なり」
・第三
「ねぇ、あれ、バラさないの?平和的かつ可及的速やかに、バラしちゃわないのかい?駄目?……ちぇー」
第一〜ニ
絆Lv1
「なにか?」
Lv2
「我らに、何か御用でしょうか?」
Lv3
「我らと話がしたいと?……ふむ、我らは雑談には向かないサーヴァントなのですが」
Lv4
「ただ、我らの言葉を聞きたいと。はぁ、でしたら何をお話ししましょう。我らは多くの者が集まっておりますから、寝物語から講談、その他諸々語ることもできますれば。……耳年増ではありませんよ?」
Lv5
「我らはひとりではなく、ひとつの一族が寄り集まった意識の集合体。ですから、個というものには疎いのです。……でも、あなたの……あなたたちの安寧と幸せを願うこと、それは偽りなく『我』の願いです」
第三
Lv1
「んー?」
Lv2
「どうかしたの?狗でもモフるかい?黒白どっちにする?おすすめは黒だけど」
Lv3
「え、前と全然違うって?んー、別人じゃないし、人間性が戻ったってわけじゃないよ。だってボクたちは、最初から人間だから。あっちもこっちも、根本はそんなに変わらない。ただ、発露の仕方が違うだけさ」
Lv4
「おやぁ、またボクみたいなもののとこに来てくれたの?きみは、頑張り屋さんだね。たくさん話を聞いて、たくさん笑って、たくさん泣いて。……うん、いい子、いい子。きみは本当に、善い子」
Lv5
「ボクは前にね、聖杯戦争に参加したことがあるんだ。辛かったことも、痛かったこともあって、でも生きてたから、大事なものができて……。だからね、ボクはきみに、きみたちに、生きててほしいんだよ。隣に居て一緒に生きてくれる誰かがいたら、人生なんとかなるからさ。……え、誰と一緒に戦ってたのかって?……それは内緒、だよ」
特殊会話
第一〜ニ
「きらびやかな方が、多いのですね……(神霊系サーヴァント全般)」
「あの方の仰る萌えとは何なのでしょうか?(刑部姫)」
「あわ、あわわわわわ(玉藻の前)」
第三
「あなたが坂本龍馬と、お竜さんなのか。ああ、ボクはあなたたちに会ったことはないよ。でも、あなたたちを知ってる人に聞いたことがあってさ。話がしてみたいんだ。……よければ、だけど(坂本龍馬)」
「へぇ、そうか。そういうきみたちもいるんだね。凄く、綺麗だよ。え、どうして女神の中で私たちにだけ馴れ馴れしいのかって?……それは教えられないなぁ(パールヴァティとカーマ)」
「諸葛孔明ぇ!?一体何があったらそうなる!?きみはむしろマケドニアのオタクだろ!?(諸葛孔明)」
「ありゃ、君まで来たのか。末世感あるなぁ…。ともかくここでもよろしく、藤乃ちゃん(浅上藤乃)」
「そっか、当然ここにはきみも来てるよね。で、今のきみは結界を切れるのかい?……いや、やっぱり、やめておく。答えはいらないよ。なんでもないんだ。改めてよろしくな、天才剣士(岡田以蔵)」