※この物語は二次創作です   作:おーり

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書き貯めてたから連続投稿


俺は悪くねぇ! 俺は悪くねぇ!

 嫌だー、死にたくなーい! こんなところに来なけりゃよかったー!

 そんな感じで、さっきまで意気揚々だった学生たちが、一瞬のスキを突かれて死んでゆく。

 そんな戦場に、碌な保険も働かせずにブッコミ噛ますのがこの社会の常識であるらしい。

 それにしたって後悔に至るまでのスパンが音速。

 頭の回転早すぎませんかねぇ……。

 

 エリートと銘打たれた上位ランカーですらこの扱いである。

 うっわー。とドン引きで、盗撮映像の扱いに困る俺がいた。

 

 

「まあ、ふつうにこれを一般に流したら、社会構造に欠陥があることが露呈して崩壊するか、悪質なデマとしてなあなあのうちに処理されるか、の二択だなァ」

 

 

 あががががg、とムッシャムシャされてゆく学生たちを眺めつつ、購買で入手した最安値の携帯食料をバリムシャアと貪る俺。

 支給される生活費は一律なので、何を購入するかは本人の判断に任される。

 ようこそ、実力主義の教室へ!

 

 シェルターの外側には監視カメラなんかの設備は無いので、こんな映像も残るわけも無いのだが、そこはそれ、蛇の道は蛇的な抜け道を模索するのはどんな社会にでもいらっしゃるので、そういう裏サイトをググって出てきた。

 ひょっとしたら滞空回線的なモノが存在してても可笑しくないのだが、そんな風に技術も発展してるならそもそもこんな犬死にを許可するわけもないから無いのだろう。

 仮になんらかの企みがあるのだとしたら、やはり世界レベルで詰んでいるのだが。

 

 

「おお、救出された。生き残り1名かー、ヒデェ話だ」

 

 

 生き延びたのがクーデレ系美少女なので、何某かの差配のようなものを感じずにはいられない。

 ヒロイン選抜試験でもやってたのかコイツら。

 

 良かったね、で済ますくらい呑気に構えてはいられない。

 下手をすれば遠くない未来に自分もこんな戦場と言う名の廃棄路へブッコミである。

 産業用家畜だってまだマシな未来だぞ。

 マジで正気なのかな、この世界。

 

 

 ☆

 

 

 ばーんえっじ、とかいう技でアルスくん吹っ飛んだ!

 

 教官、いや『先生』か。

 先生は確か肉体的ダメージが精神的ダメージに変換される、とか説明していた気がするのだが。

 それってどういう原理なの? という疑問もあったけど、ダメージを負うっていう概念がなんだか何処か現実として受け止められていないようにも伺えるな。

 まるでみんなでVRゲームに臨んでいるような、そんな感覚だ。

 衝撃として受けたベクトルがそのままなのに、それはダメージとして判定されません。

 そんな風に、何処か変なところに【管理者】が居そうな、質の悪い感覚。

 ……最終的に魔物討伐に行かせるんだから、命を削る感覚くらい味合わせておくべきじゃないのか?

 安全配慮と擁護は別物でしょうに。

 

 

「さぁ、次はあんたの番よ!」

 

 

 俺のことを『お友達枠』とでも認識しているのか、アルスくんに突っかかっていたテスなんとかって女子がこっちに刀を向けている。

 きっとこいつは乱世に生きてる。

 

 いや、可笑しいでしょうよ。

 俺、ランキング最下位だよ? このひとクラス内じゃ最上位らしいじゃない。

 4桁で4000番台とかって頭おかしいレベルだよ。

 なんでこんな組み合わせになったんだよ、誰だよ組ませたの死ねよ。

 

 

「ランキングが低いことは恥ずかしいことじゃないわ、でもね、それを理由にして努力しない方が、もっと恥ずかしいのよ! それを周囲の所為にしているアンタに分からせてあげるわ!」

 

 

 ……実際、転生している自覚しか無い辺り、問題は自分じゃなくて周りにしか無いのだけどなぁ。

 あとこの世界が『問題』なのは本当に俺の所為じゃねえよ。

 

 とりあえず、魔法の扱いも知らない俺は、このあとめちゃめちゃ斬り捨てられた。

 

 

 ☆

 

 

 ぬわぁああああああんつかれたもぉおおおおおおおん!

 ってな感じで、斬り捨て御免された衝撃のままに床へ転がって突っ伏す。

 

 冗談じゃねーよあのお貴族様括弧笑い。

 俺が弱いのはこの世界に転生してる所為だよ、努力の差とか関係ねーよ、何にもわからないやつをフルボッコにしてそんなに楽しいのかよチクショウ死ねよ。

 

 そんな感じの愚痴も、言葉にしてもただの弱者の戯言だ。

 世間の意識が変動しでもしない限りは、鼻で笑われて見限られる。

 世界を変える一助にもならない、ただの負け犬の遠吠え。

 

 あんさぁ……、なんなん? なんでこんな大変な思いしとるん?

 普通はこういうお話ってチートが粗目立つモノじゃないの?

 下克上にしたって、ガチの下積みが大変なモノを読む人いないでしょう?

 こういうのは隠された実力者がやれやれしかたねえな、みたいにヒロインを助ける、そういう小噺があって映えるんじゃないの?

 お貴族様括弧笑いってヒロイン級と違うの? 一応は美少女だよ?

 ツンデレヒロインにしたって、今のところ暴力しか受けてねーよ。

 暴力系ツンデレで名を馳せた島田さんだってもっと可愛いところあったよ。

 転生とか、マジでしたくなかった!!!

 

 

「だ、だいじょうぶ……?」

 

 

 ぐでたまみたいに全力でへばっていると、そんな声をかけられる。

 なんだか一文の中に既に矛盾が見られるけれどそれはさておき、こっそりと声の主を伺うと前屈みになった女の子が豊満で重そうな乳房をふたつ、だっちゅーのと強調している姿が。

 フム……、花柄か……。

 

 

「フッ、愚問だ。この程度なんということもない」

 

「えっ」

 

「え?」

 

 

 すぐさまシャッキーン、と立ち上がったはいいモノの、何故か疑問符のような感嘆を吐かれて空気が凍る。

 改めて見直すと、覗き込んでいた女の子の視線の先にいるのは読書をしているアルスくんで、どうやら俺に言ったわけでは無いらしかった。

 女の子と、アルスくんと、何故か来ていたテスなんとかさんの視線が無言で俺に集まる。

 

 ……。

 なんだよそれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

 

「え、えっと、そうなんだ、あはは……」

 

 

 再度蹲った頭を抱える俺に、優し気な彼女の言葉が今では悲しく空虚に刺さる。

 同情は辞めろぉ! 同情するならそのほんわかおっぱいで慰めてくれぇ!

 

 

「フゥーン、この程度、ねぇ……?」

 

「ウソですめっちゃいてぇ! あーあー、これはアバラがイっちゃったかなぁー!?」

 

「身体ダメージは無いはずだが……」

 

 

 おだまりよアルスくん!

 このままだと俺がテスなんとかさんにケンカ売ったことになっちゃうじゃん!

 どっちかというとコミュ障なキミの発言の方が尾を引いてるのだからね!?

 

 

「フン。やる気のないやつにいつまでも関わっていられないわ」

 

 

 と、鼻を鳴らすテスなんとか。

 そんなこと言うんだったら初めっから突っかかってくんなよ、サイコパスかよおめぇ。

 

 

「そんなことより、次はアンタの番よ。その性根を鍛え直してやるんだから!」

 

「そんなことより次はキミの番じゃないのか。呼ばれているみたいだぞ?」

 

「えっ、あっ、ほんと? じゃ、じゃあいってくるね! フィア、あんまりアルスくん苛めちゃ駄目だよ!」

 

 

 現在進行形で無視というイジメを受けたフィア……テスなんとかさんに、むしろ逆に煽るような発言でコートへ小走りで去って行くおっぱいちゃん……。

 ……で、あの子の名前なんていうの? 今のところ花柄とおっぱいしかイメージ無いよ?

 

 

「あ、アリスが言うから、今日のところは勘弁してあげるわよ」

 

「そうか。それは有難いな」

 

 

 アリスちゃんね、覚えたわ。

 それにしたってまた煽るような言葉をチョイスするぅー。

 ちょっと男子ぃー、女の子に対する発言じゃないわよォー?

 まあ、テス何とかさんは先に突っかかってきたから仕方ないけど、女子ってどういうところに居ても優遇されるよな。

 むしろ男子にこそ発言権無いよな。

 そんな思惑のままに、テス何とかさんがメンチ切るみたいな目つきでアルスくんを睨み始めておりましたので、ぼくははなしをかえることにしたのです。

 

 

「あっ、アルスくん! あのアリスちゃんがやった魔法なに!? なんか相手の攻撃反射したよ!」

 

「アレは【反射(リフレクション)】……いや、【乱反射(リディクション)】だな。属性は光だ。通常の地水火風氷雷とは異なる、稀有な属性だ」

 

 

 まさかあの子が光属性だったとは……、と意外にも説明してくれたアルスくんだったが……。

 

 

「……アルスくん、りでぃくしょん、ってなんぞ?」

 

「ん? 乱反射、と言ったはずだが……」

 

「いや、『乱反射』なら『イリーガルリフレクション』って英訳したはずじゃなかったっけ。リフレクション、が英訳なんだから新語造っちゃ駄目でしょ。D、どっから来たの。あと乱反射ってのは光なんかが明後日の方向にバラバラになることを指すはずだから、真っ直ぐ打ち返してたあの魔法は普通に反射してたんじゃダメなん?」

 

「……」

 

 

 無言で本を読み直し始めた。

 なんだよもう。

 

 




なろうの方でオリジナルを毎日投稿してた
ちょっと緩い感じの奴をね
それの反動みたいなもん

あっちもよろしくー
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