ウサギ君やその器用さを寄越しなさい
と、まぁそんな感じで「そのつぎ」お楽しみください
【三】
翼の完成(二)から三ヶ月経ち胴体部分の作成が終わった。動力とウサギを保護する事が目的の物だ。
「ココとココを繋げて…と。そしたらココを…」
ウサギは一つ一つ確認しながら胴体部と翼を繋げていく。
「よし、繋がった。これで動くはず…」
ウサギはそう言い動力部のロックを外す。
「まずはゆっくりでもしっかり…丁寧に…」
ウサギは胴体部の中で身体を固定しハンドルを握る。そして地面と平行になるように身体を動かすと足下に来た板をゆっくりと脚で押し込んだ。
『あの時動かなかった翼が広がる』
ウサギが力を緩めるとまた板は上がってくる。そしてまた脚で押し込む。今度はさっきよりも力強く。
『翼が持ち上がる』
そしてまた緩め三度ウサギは板を押し込む。
『持ち上げられた翼は羽ばたきウサギは地面を離れる』
はずだった…が、ウサギの見る景色は変わらない。翼の羽ばたく音の代わりに聞こえたのは何かが砕け壊れる音だった。
今回動力部として使われたのは木材だった。そしてウサギはまだ幼い頃に月を目指し、ただ上に、上にまっすぐ跳ねていた。その結果ウサギの跳ぶ力は強くなり、動力部がその力に耐えれなかったのだ。
「壊れたのは…板と軸か…今は大丈夫だとしても木材での繋ぎ方も考えないと危ないかもしれない…」
ウサギは考える。踏み込むという動作はウサギにとって最善だったはずだ。誤ったのはその力ならばそれに耐えられる物を造るしかない。
「木材は組み方を変えてみるとして…軸と板が思い付かない…」
ウサギが考えていると
「木じゃないとダメなの?」
「うーん…ある程度軽くないと難しいかな…って何時の間に⁉︎」
彼女はイタズラが成功したと言わんばかりの笑みを浮かべて
「何時の間にかに決まってるじゃん」
とはぐらかす。
「でもそっかぁ…重いと浮かびにくいもんね」
「そうなんだよ…軽くて丈夫なもの…軽く散歩しながら考えてみようかな」
「そうだね。焦っても仕方ないもんね」
ウサギは仕方がないと溜息を吐きつつ出かける準備をし始めた。
【四】
さて、息抜きに散歩をしてはみるが…
「うーん…石の中をくり抜いて…でもなぁ…」
うん、ウサギ君…一旦辞書で「息抜き」を調べてみようか。
「ウサギ君もうちょっとゆっくりしようよ…」
「ん?あー…ゴメン」
ウサギはゆっくり深呼吸をして頭を切り替える。
「なら、何をしようか…」
ウサギは呟く。
「うーん…丘に行ってみるのはどう?少しは空に近くなるし」
彼女が応える。
「そうだね。それに丘の上はきっと涼しくて過ごしやすそうだし」
少し遠くに見える小高い丘は今のような暑い時期には程よく涼しい風が吹く。彼らは涼しい丘の上を目指して歩き始めた。
「おや、ウサギ君お出かけかな?」
もうすぐで丘の麓というところでウサギは声をかけられた。
「あ、ラビットおじさん。今日はちょっと息抜きしようと思ってね」
声をかけたのはそこそこに歳をとった「ラビット」という兎だった。
「そうかそうか。ずっと飛ぶための機械と睨めっこしても出来るわけじゃないからね」
「うん、まぁね。それにさっき軸と板の強度が足りなくて動力部が壊れちゃったから材料も考えないと…」
「なるほど…硬くて軽いものが必要なわけだね」
ラビットはウサギよりも長く生きている。そして様々なことを経験している。なので
「うーん…木の種類も考えてみたらどうだい?木によって硬さも違うからね」
こんな知恵、発想も出てくる。
「木の種類…そっか。ありがとう!ラビットおじさん!」
ウサギはラビットに礼を言い帰ろうとした。が、今日は息抜きだと思い出し一度深呼吸をすると
「でも今日は息抜きだから明日から頑張るよ」
と、また丘を登るために彼女と歩き出した。
「気をつけて行くんだよ」
ラビットは笑いながら送り出した。
楽しんでいただけましたでしょうか
ウサギ君ワーカホリックってあだ名付けられるんじゃないですかねいつか…w(因みに私は付けられかけました)
友達に見せたのはもう1話分(【三】とか【四】1つ分)なので次の話から時間がかかると思います(言い訳)
それではまた