「知ってる天井だ……」
窓から差し込む光に目を覚ます。ここら辺は標高が高いためずっと雪が積もっているのだろうか、朝の陽射しがキラキラと白の絨毯を照らしている。身体を起こそうと腕に力を入れると、身体に纒わり付く違和感に気づく。
「スゥ……」
目を下ろした先にはなんとギンちゃんが、わたしの腕に抱きついて寝ているではありませんか。よく観察してみると、わたしの布団に入るだけでは飽き足らずその大部分を占領し、それどころかわたしの腕に噛み跡さえ残っている始末なのだ。
「これはもう……そうゆうことだよね……?」
わたしは少しづつギンちゃんの顔へと近づいていく。長いまつ毛に凛とした顔、ギンちゃんは美人さんなんだと改めて実感する。観察を続けていると、ふと彼女が目を覚ます。
「んん……シャワーズ……? おはよう……」
寝惚けているのであろう、何時ものような張りのある声ではなく何処か甘えているかのようにも聞こえるその声に、思わず胸が高鳴ってしまう。
「お、おはようギンちゃん……よく寝たねぇ」
「なんでシャワーズがわたしの布団に……し、シャワーズ?!」
「ここ多分わたしの部屋だよぉ?」
そうなのだ、昨日ギンちゃんに案内された部屋の間取りはバッチリ覚えているためここはわたしの部屋のはずなのだ。とゆうことは、ギンちゃんが部屋を間違えたということになる。
「ギンちゃん、昨日の夜自分の部屋に行ってなかった?」
「昨日の……あ」
「あ?」
「な、何でもないのよ! お、おかしいわね昨日私の部屋で寝てたはずなんだけどー!」
挙動不審気味な気もするが、ギンちゃんは自分の部屋で寝たはずと言った。つまり、ギンちゃんが寝惚けてこの部屋に間違えて来ちゃったのかな?
「もうギンちゃんったらドジっ子なんだねぇ」
「! そ、そうね……私ったら部屋を間違えちゃったみたいね!」
「そういえばわたしの手に噛み跡がついてたんだけどギンちゃんわたしの手に噛「あーーー!!!!! そうだ私お風呂の掃除するんだった! 席を外すわね、それじゃあ!」……え?」
疾風の如く去っていったギンちゃん。一瞬身体からオーラのようなものが溢れていた気がするが恐らく気の所為だろう。ピカさんのボルテッカーみたいだったな、なんて物思いに耽る。
「今日は何をしようかな?」
また今日も、一日が回り始める。
のののののののの
「ここは……?」
旅館の中を探索しているとたくさんの機会が置かれた部屋に出た。これもしかして、前にご主人がやってゲームというものでは!
「前は見るしか出来なかったけど今ならできるもんね!」
意気揚々と椅子に座ったわたしは、ゲームをやってみ……あれ?
「画面が全然動かないぞお?」
恐らくゲームを操作するのであろうボタンやレバーをガチャガチャしても、全然画面が変わる気配はない。一体どういう事なんだろうか。
「ん? これ確かご主人がテレビで見てたえいごとかいうのでは?」
ゲームの画面に映し出された 1credit という文字がきっと何かのヒントなのだろう、しかし、なんと書いてあるか読むことは出来ない。
「エーちゃんに教えてもらっておくんだったあぁぁ……」
ゲーム機の上で項垂れる。パーティの中でずば抜けて頭の良かったエーちゃんは、ご主人がたまに教えくれる文字をある程度理解していたのだ。何故わたしも教わらなかったのかと絶賛後悔中である。
「ここはまたでいいか……」
ゲーム機を後にすべく立ち上がる。すると、ゲーム機から「お前の負けだ!」という煽り文句が聞こえてくる。
「い、いいか!逃げるんじゃないんだからな!またわたしは戻ってくるぞ!!!」
そう、これは決してバトルに負けた訳ではない。これはいわゆる次に繋げるための にげる なのだ。
「覚えてろよ!!!!」
シャワーズ は にげだした