転生先はマブラヴ トータルイクリプス   作:Laura

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12話

全員で朝食を食べ食休みしていると恭子が昨日宇宙にあがるためにプトレマイオス2に起きた現象を聞いてきた。

 

恭子

「霧島さん、昨日宇宙に来るためにアプロディアさんに指示を出したあと急激に艦の速度が速くなったのと、艦の前方に発生したあの緑色の光はいったい?」

 

その質問が気になるのだろう、佳織達が春水を見ている。

 

春水

「その質問に答える為にはまず艦の動力について説明しないといけないですね。少し長くなりますけど構いませんか?」

 

恭子達が頷いたのを確認し、春水はアプロディアに頼みモニターに映像を流しながら説明を始める。

モニターには円錐形の物が映し出されていた。

 

春水

「これは太陽炉又の名をGNドライブと言います。それがこの艦の動力で、あの緑色の光はこのGNドライブ内で作られるGN粒子とよばれるものです。この粒子は機体の動力になる以外にも電子機器に影響をあたえ、通信機器やレーダーを無効化します。尚、GNドライブは半永久的にGN粒子を発生させるためエネルギー切れは無いと言われていますが、GNドライブ内で発生するGN粒子の生産量が決まっているので、粒子を消費しすぎると機体の性能が下がってしまうので戦闘では粒子量に注意しないといけない」

 

唯衣

「GNドライブ……半永久的に稼働しているだけでも凄いのに電子機器まで無効化するなんて……」

 

佳織

「粒子を半永久的に生産するんだろう。ドライブ内の容量を超えたらどうするんだ?外に放出するのか?」

 

春水は首を振り

 

春水

「いえ、機体にはGNコンデンサーとよばれる物がありGN粒子を蓄積させ戦闘に役立てています。コンデンサーがあれば粒子不足になりにくくなります」

 

恭子

「動力が凄いのは分かりましたし緑色の光の正体も分かりましたが、何故宇宙に向かうさいに艦の前方に発生させたのですか?動力、通信機器無効化以外にも使い道があるのですか?」

 

春水

「あの時トレミーの前方に発生したGN粒子は宇宙に向かうさいに発生する空気との摩擦が軽減するかもしれないから発生させました。まあ本来の使い方かわかりませんが」

 

上総

「本来の使い方ではない?」

 

映像が変わりモニターにはGN粒子を纏ったプトレマイオス2が映りビームを弾いていた。

 

春水

「GNフィールド……本来圧縮した粒子で機体を覆うように発生させるバリアをこう呼びます。GNフィールドはビームや実弾兵器、近接攻撃を無効化出来ます。只、機体のGNドライブに強度が左右されるのでフィールドの強度を超える一撃やGN粒子を纏った実体剣で攻撃には弱いです」

 

志摩子

「あの光線級のレーザーはバリアを貫くのでしょうか……」

 

春水

「いやそれは大丈夫だよ。シュミュレーターで何度もGNフィールドでレーザーを受けたから」

 

安芸

「…嘘……え、本当に?」

 

和泉

「な、何故受けたんですか?」

 

春水

「そりゃ今と違ってあの時はまだド素人だったから操縦技術が全然なくて、回避出来ないからフィールドを使ってしのいだりしてたからね」

 

恭子

「そういえば霧島さんの機体は緑色の光を放出していましたね」

 

春水

「はい。只、フィールドを発生するとGN粒子を大量に使うのであまり多様し過ぎてもいけないですが」

 

唯衣

「バウには搭載できないのですか?」

 

春水

「機体の作りが全く違うのと元々バウの作られた世界とGNドライブが存在した世界が違うから難しいね」

 

唯衣

「そうなんですか……」

 

春水は霧島達を見た後、一息つくか確認する。

 

春水

「次の説明する前に少し休憩しますか?」

 

恭子

「いえ大丈夫ですので説明を続けて下さい」

 

佳織達も頷いているので次に進む。

又モニターの映像が変わり、赤く光ったラファエルガンダムが映し出された。

 

唯衣

「あれは確か霧島さんの機体ですよね。でも色が違う?」

 

佳織

「機体が赤く発光しているのか?」

 

春水

「TRANS-AMシステム」

 

モニターを見ていた恭子達が春水を見る。

 

春水

「あれはGNドライブ並びにGNコンデンサーに蓄積されている高濃度に圧縮したのGN粒子を全面解放させることで赤く発光しています」

 

恭子

「解放するとどうなるのですか?」

 

春水

「モニターを見てください」

 

恭子達がモニターを見ると、映し出されていたラファエルガンダムが残像を残す程のスピードで動き回っていた。

 

安芸

「は、速い」

 

佳織

「目で追いきれん……」

 

春水

「全面解放したことで赤く発光し、機体の性能を通常の3倍にまで一定時間引き上げることができます。しかし、時間がくるとシステムが解除され元に戻りますがGNドライブとGNコンデンサー内の粒子が大量に消費されるため、機体性能が低下するのでここぞというときに使用する切り札です。尚、俺の機体はGNドライブ並びにGNコンデンサーが改良されているので性能が低下しますが多少改善されています」

 

春水は映像を消し、モニターを見ていた恭子達に休憩することを告げる。

 

春水

「とりあえず休憩にしましょう。質問は休憩後に聞きます」

 

 

10分後

 

春水

「さて皆さん質問はありますか?」

 

恭子が佳織達を見て頷いてから春水に話しかける。どうやら休憩中に聞きたいことを纏めて恭子が代表して質問するみたいだ。

 

恭子

「聞きたいことをはたくさんありますが私達がすぐに理解出来ないと思いますから、私達に自身に関わることを聞きます」

 

春水

「確かにすぐに理解するのは難しいと思います。崇宰さん達に関わることが何なのかは分かりませんがどうぞ」

 

恭子

「では、私達がバウではなくGNドライブ搭載機に乗ることは可能ですか?」

 

春水

「……可能ですが何故そんなことを聞くのですか?バウでは駄目なのですか?」

 

恭子

「バウはとても良い機体です。世界中の戦術機では全く歯が立たないでしょう」

 

春水

「では何故?」

 

恭子

「生き残るため、ひいてはBETAに勝つためです」

 

春水

「なるほどしかしGNドライブ搭載機は独立部隊のみで使用する予定です。この技術はどの国にも渡すつもりはありません」

 

恭子

「では霧島さんの独立部隊に配属されれば乗ることが出来るのですね」

 

春水

「しかし崇宰さんや如月さんは既に部隊に配属していますよ。いきなり現れた俺の部隊に配属されることはないでしょう。それに崇宰さんは五摂家なんですから余計にありえませんよ」

 

恭子

「それについてはもう心配ありません。既に殿下に頼みましたから私と如月中尉は独立部隊に配属が確定です」

 

春水

「…………は?」

 

春水は恭子の言葉をすぐに理解することが出来なかった。

恭子と佳織は自分達が所属している部隊にいずれは戻ると思っていた。

しかし既に配属が確定していると言った。

春水が呆けていると恭子が話しかける。

 

恭子

「配属が決まってるので私達は乗ることに問題はありませんよね?」

 

春水

「……え………あ、はい」

 

言質を取った恭子は続けてとんでもないことを言い出した。

 

恭子

「それに唯衣ちゃん達も既に配属しているのも同然ですから問題ないですよね?」

 

春水

「え、いや、それは流石に……」

 

唯衣達はまだ軍人ではなく訓練生であり学生であるから、流石に無理だと春水は思ったが、恭子が続けて告げる。

 

恭子

「唯衣ちゃん達は戦術機に乗る前からMSで訓練しているのですよ。卒業までここで訓練したらどの部隊の衛士にも負けないでしょうし、実力的にも問題ないでしょう。独立部隊に配属するのが早いか遅いかの違いだけですからGNドライブ搭載機で大丈夫ですね」

 

恭子の言葉を聞き、唯衣達を見ると皆真剣に春水の目を見ている。

春水はそれを見て諦めに近いながらも少しだけ抵抗してみた。

 

春水

「……しかしまだ唯衣ちゃん達の操縦技術では乗りこなせないのではないですか?……バウに慣れてからでも遅くないと思いますが……」

 

恭子

「確かにそれでもいいかもしれませんが慣れてからでも乗り換えるより、早めに高性能GNドライブ搭載機に乗って慣れた方がいいと思います」

 

春水

「………わかりました」

 

春水の言葉を聞き唯衣達は喜んでいたが、春水は女性には口で勝てる気がしないと身に染みてわかった。

春水はアプロディアに機体生産の変更を告げる。

 

春水

「……アプロディア、袖付きの生産はどうだ?」

 

アプロディア

「今現在昨日指示を受けてから生産に取りかかり3機出来たばかりです」

 

春水

「そうか……では袖付きの生産を中止。代わりにスサノオを1機、ガデッサ3機、ガラッゾ3機頼む。色はスサノオの白色の部分を蒼に。ガデッサは1機はリヴァイブカラーで残りの2機はヒリングカラー。ガラッゾはヒリングカラーをベースに白色の部分を赤にするのが1機、山吹にするのが1機残りはそのままで構わない。動力は疑似GNドライブからGNドライブに変更しておいてくれ」

 

アプロディア

「了解しましたがそれでは地球への帰還が遅れてしまいますが……」

 

春水

「それはしょうがないだろう。機体の補充に来たのに何も積まないわけにもいかないから。連絡は崇宰さんにしてもらうから構わない」

 

アプロディア

「わかりました。では、生産に……」

 

春水

「ちょっと待った。アプロディア、疑似GNドライブからGNドライブに変えるが粒子の色は緑色じゃなく橙色に変更出来るか?出来るのなら俺のラファエルも変更頼む」

 

アプロディア

「変更は可能です。では全機粒子の色は橙色に変更しておきます」

 

春水はこれで今からアクシズの生産ラインにGNドライブ搭載機が生産開始されるんだなと漠然と思っていた。

アプロディアに指示が終わった春水に恭子が話しかける。

 

恭子

「霧島さん、とりあえず機体の説明と同時にシュミュレーターで訓練をしたいので移動しませんか?」

 

恭子達は新しい機体に胸を踊らせているのか楽しそうにしていた。

春水はそんな恭子達に連れられシュミュレーター室に向かうのだった。

 

 


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