次の日の朝アプロディアに恭子達の迎えを頼み、自室でパイロットスーツに着替えてから食堂で朝御飯を食べる。
お茶を飲みゆっくりしていると、格納庫に小型挺が着艦した音が聞こえたので、食器や湯呑みを片付けて格納庫へ向かう。
格納庫に着くと恭子達が機体を見ながら話し合っていた。
昨日と違い3機の色が変わっているのだから、恐らく自分達が乗る機体じゃないかと話し合っているのだろう。
そんな恭子達に春水は話しかける。
春水
「皆さんおはようございます」
挨拶を聞き、恭子達は春水のほうを向き挨拶を返した。
全員
「おはようございます」
春水
「それでは昨日と同じく更衣室に行きましょうか」
春水が恭子達に背を向け更衣室に向かって歩き出そうとしたら、佳織から声を掛けられる。
佳織
「ちょっと待て、今日は強化装備を持ってこなくていいとは言われたが更衣室に行く意味はあるのか?」
佳織の質問に背を向けたまま答える。
春水
「昨日も言ったと思いますが皆さんのパイロットスーツはこちらで用意してありました。強化装備を着るということで使いませんでしたが、今日は皆さんにはパイロットスーツを着て訓練してもらいます。では行きましょう」
春水は歩き出し、恭子達も更衣室へ向け歩き出した。
更衣室に着き恭子達は中に入る。
春水
「スーツの着方はアプロディアに聞いてください。ではシュミュレータールームで待ってますね」
シュミュレータールームで待つこと数分
恭子達が部屋に入ってきたので、今日の訓練内容を説明するがその前に恭子が話しかけてきた。
恭子
「このスーツは身体にぴっちり張り付かないのですね」
春水
「はい、着心地が悪いですか?」
恭子
「いえ問題ありません。確かにこれなら身体の輪郭はそこまで気にならないですね」
春水は恭子の話を聞き、昨日の強化装備を着た恭子達の姿を思い出してしまい顔が赤くなっていた。
そんな春水を見て佳織がニヤニヤしていたが、
春水は咳払いをして今日の訓練の説明をする。
春水
「今日の訓練は別々に分かれて行います。まず崇宰さんと如月さんは10時迄操縦訓練をおこない、その後は訓練終了迄戦闘訓練をやってもらいます。唯衣ちゃん達は12時迄操縦訓練をおこない、午後から射撃訓練をやってもらいます」
恭子
「戦闘訓練とは具体的に何をするのですか?」
春水
「最初に射撃訓練、格闘訓練、回避訓練をおこないその後、BETAとの実戦を想定した模擬戦をおこないます。尚、模擬戦のBETAは実戦を想定しているので攻撃してくるのでその事を理解してください」
恭子
「わかりました。中尉もよろしいですね」
佳織
「はい、問題ありません」
春水
「唯衣ちゃん達は大丈夫?」
唯衣
「問題ありませんが、1つだけ質問してもよろしいですか?」
春水
「いいよ。何か気になることでもあったかい?」
唯衣
「私達は格闘、回避訓練をやらないのですか?」
春水
「言い方が悪いけど、今はまだ操縦技術が低いから機体をもっと扱えるようになってからかな。但し午前中の訓練結果次第では戦闘訓練に変わるかもしれない」
唯衣
「……わかりました」
春水
「では訓練を始めましょうか」
各々昨日使った機械に入り訓練を始める。
恭子、佳織は昨日機体特性を掴んだのか動きに無駄がなく、機体を自由に動かしていた。
唯衣達は先程の春水の言葉で火がついたのかぎこちないながらも機体を動かしていた。
春水はモニターを見ながらアプロディアに話しかける。
春水
「アプロディア、土曜日に政威大将軍との会談があるがやはり何か献上品があったほうがいいかな」
アプロディアが姿を表し、春水に答える。
アプロディア
「そうですね。相手の信頼を得るのであればあったほうがいいと思います」
春水
「だよな。………アプロディア、アクシズにあるアークエンジェルにバウを8機搬入してくれ。色は紫1機赤7機で頼む。アークエンジェルの色はそのままでいい。土曜日の夜に舞鶴基地から1キロ離れた日本海に潜水させておいてくれ」
アプロディア
「了解いたしました」
アプロディアが姿を消した後、モニターを見ながら春水は会談について考える。
春水
「とりあえず助力を得るための献上品はいいかな、最悪軍属になっても構わないけどその代わり独立部隊にしてもらおう、機体や技術を全部渡せってなったらその時点で諦めようかな」
2時間後恭子達が一息つくため訓練を止め休憩に入った。
休憩室に移動した恭子達に春水が話しかける。
春水
「では休憩が終わったら崇宰さんと如月さんは戦闘訓練に入りましょうか。その際指示を出すので俺も自分の機体で中に入ります」
恭子
「そういえば霧島さんは御自分の機体があると仰っていましたね」
春水
「はい」
佳織
「あのバウじゃないのか?」
春水
「違います。全く構造が違う機体ですから戦いかたは参考にはならないと思います。では準備があるので先に行きますね」
数分後恭子達が休憩を終え、訓練を再開するのを確認後
春水はシュミュレーターを起動し中に入った。
少し離れた位置に現れるようにしたので恭子達の元に飛行しながら向かう。
恭子達は春水に気づきこちらを見て待っていた。
春水は恭子達が乗るバウの近くに降り、話しかける。
春水
「お待たせしました」
恭子
「それが霧島さんの本来の機体ですか?」
春水
「はい。これが俺の愛機ラファエルガンダムです。」
佳織
「見た目が全然違うんだな」
春水
「見た目もそうですが武装も全く違います。じゃあそろそろ戦闘訓練を始めましょうか。唯衣ちゃん達はあと2時間操縦訓練頑張ってね」
唯衣、上総、志摩子、安芸、和泉
「わかりました(わ)」
唯衣達が訓練を開始したのを確認し恭子、佳織に訓練の説明をする。
春水
「では射撃訓練を開始します、先ずは相手が止まった状態で射撃してもらいます。次に相手が動いた状態で同じように射撃してもらいますが、命中率が低いと相手はずっと止まったままなので注意してください。あ、あと2人は
自由に動いて構いません」
恭子
「わかりました」
佳織
「わかった」
春水
「では突撃級のBETAを出現させますので現れたら訓練開始です」
春水はそう2人に言い、空中に移動後BETAを出現させた。
現れたBETAに2人がビームライフルを収束、連射と使い分けながら次々と撃ち抜いていく。
佳織より恭子の方がどうやら命中率が高いようで倒すスピードが早くBETAが移動を始めた。
少し遅れて佳織の方のBETAも移動を始めた。
春水
「動き出し迄随分早いな、これ射撃訓練いらなかったかな?」
2人は動き出したBETAを機体を動かしながら撃破していくが流石に動きながらだと命中率が下がりなかなか倒せなくなっていた。
春水
「ライフルだけじゃなくミサイルやグレネードなども使って構いませんからね」
恭子と佳織はその後2時間射撃訓練を続けた。