俺と私の日記帳   作:竹俣 兼光

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生でタンゴ見てきました。

あのお尻と足を撫でくりまわしたいと思いましたまる


"英雄"になった日

「我らが強き同胞(とも)よ!戦え!そして勝つんだ!これより始まるは戦争では無い!虐殺だ!」

 

「「「「オオオオーーーー!!!!」」」」

 

戦場に益荒男供の雄叫びが響く

 

「俺に続け!」

 

飛び出したのは一際大きな黒馬に乗った男

 

名をメーガス・グランツ

 

その戦いはアルジェリア軍2万に対してフランス軍1万という、勝敗の分かりきった戦いだと思われた。

 

「何故だ!銃が当たらない!」

「剣が届かない!」

「大砲が壊された!」

 

「「「悪魔だ!あれは人では無い!」」」

 

一人で5,000以上の兵を殺した

血に濡れた

赤い"悪魔"

 

「あの人は本当に人間か!?」

「恐ろしく強い!」

「殺す姿でさえ美しい!」

 

「「「天使だ!神がフランスへと遣わしたのだ!」」」

 

一人で5,000以上の兵を裁いた

神が地に遣わした

黄金に輝く"天使"

 

 

相反する評価は、見方を変えればどちらも同じ

 

加護を与え(望みを叶え)

 

裁きを行い(対価を望み)

 

魂を連れて行く(魂を奪って行く)

 

 

ただ一点違うとすれば

 

強く美しい天使か

 

酷く恐ろしい悪魔か

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

逃した敵軍を追いかければ、いつのまにかもう1人になっていた

 

「お前で最後ね。」

 

残った1人を切り捨て、自軍の方向へ向かう

あー疲れた、身体中生臭いから早く風呂に入りたい。汗でベトベトもする…

 

「!」

 

まだ残りがいたのか?

こっちに敵意を向けている者が近くにいる。しかも、近くまで俺が気付かない程の手練れだ

 

カージュから飛び降り、

「カージュ、お前は先に帰っていて。俺も後から行くよ」

そう言って尻を叩き、走らせる

「お願いだ。彼女を撃たないでくれ。」

 

カージュが見えなくなって、木陰から出てきたのは赤い服で褐色の肌の男だった。

 

「貴様がメーガス・グランツだな?」

「ああ、そうさ。俺がメーガス・グランツ中将だ」

「ひとつ、聞きたいことがある。」

「どうぞ」

「何故、お前は存在する(・・・・・・・)?」

何故とは?

いや、分かっているとも。俺は、メルセデスであって、メーガスでは無い。存在しないはずのものなのだ。

じゃあ何故存在するか?

我思う、故に我あり(Je pense, donc je suis)

それだけ言って、俺はサーベルを抜いた

「デカルトか…すまない。愚問だったな」

赤い服の男は手に双剣を持ち、駆け出した。

 

速い。恐ろしく速い…が、追いつけないわけでは無い

俺も、サーベルで攻撃をいなすがどうしても向こうの方が手数が多いのだ

 

防ぎきれない刃が切り傷をつけていく

 

隙を作るには今はこれしか出来ない。うん、仕方ない!

 

相手のスカした顔に、思いっきり

 

 

唾を吐いた

 

「なっ!」

 

「おっとごめんごめん。ちょっと力んじゃったんだ、許してねん」

キャピッとなるべくウザくなる様な事をする。するとあら不思議、切れて単純な動きに…なんねえな。

 

「…勝てば官軍、負ければ賊軍だ。私は別に気にしていなければ、それで怒りはしないさ」

「わー大人だねぇ。可愛く無いなぁ」

 

また斬撃のラッシュが来るけど、慣れてきた。ここは一発、返しとくか。

 

「そぉれ!!」

 

剣の側面を殴って起動をずらす。そのまま無防備な腹にヤクザキックをかました

 

「大丈夫ぅ?君って斬撃も軽いし、体重も軽いし…ちゃんとご飯食べて筋トレしてる?簡単に内臓にダメージ入っちゃったでしょ」

筋肉なさすぎぃ〜

 

「生憎だがこの体は成長しないのでな!」

 

成長しないの?

「やっぱり君ってさ、人…生者じゃないよね。なんて言ったら…うーん…魔力の塊?」

 

「ほぉ、それに気づくか。では自己紹介をしよう。私はエミヤ。正義の味方になれなかった男だ」

正義の味方…

そりゃ誰でも一度は憧れる。けれど彼…エミヤが言うのはまた違う

彼は俺を殺しにきている。何故存在するのか?という質問から、俺は存在してはいけない人物なのだろう。じゃあ何故魔力で出来た彼が来るのか?…俺が世界にいてはいけないならば殺しに来るのは世界だ

「そして貴様を殺す男だ」

そう告げるエミヤは殺したくないのだろう。瞳に映る決意が揺らいでいる

「そんなに嫌なら"世界"の言う事なんて聞かなきゃいいじゃん」

「それが出来ているならば俺がここにいるはずがないだろう!」

 

瞳を見れば分かる。数え切れない程の人間を殺したのだ。守りたい人間を、その双剣で

 

「よし、分かった!俺が君を殺せば君は俺を殺さずに済むよね!」

「!…フッ…面白い、やれるものならやってみろ!」

 

 

そう言って、彼は双剣を投げた

なんか嫌な予感がした俺は全力で後ろに飛んだ

 

 

「どわぁ!?ナニソレ!?爆弾!?」

 

ニヒルに笑う彼はいつのまにかまた双剣を構えていた

 

「うげぇ…君遠距離も近距離も出来るとか…やな奴だね」

「軽口叩きながらも私の攻撃がほぼ当たらないそちらの方が"やな奴"だと思うが?」

 

お喋りをしながらも避け続ける

あー怖い怖い。さっきから髪の毛がちまちま切れてくのがやだな…女にとって髪は命なんだぞ!(メル)は男だけど

 

 

「うわっと!酷いな君!俺の綺麗な顔に傷つけるとか!」

「否定はしないが、普通は自分で言わないだろう…」

「何言ってんのさ、あの子とおんなじ顔なんだから綺麗に決まってるでしょ!」

お返しはきっちりする派代表の俺としてはやっぱり顔にやりたいな…

一度離れると、また爆発する双剣が飛んで来た

ただし、今度はただ避けるだけじゃなく、こっそり小さく折れた木の枝を拾う。丁度よく爆発で砕けているのがそこらに散らばっているしね

 

また打ち合いをし、強めに剣を弾いて、木の枝を投げつける。

 

顔スレスレに投げると一瞬だけ視線がズレるのだ。投げた勢いのままに、目に指を突き立てる

 

ぶちゅりと何かが潰れた感覚と、暖かい液体が手を伝う感覚が分かる

 

指を引き抜いて直ぐに後にそこから離脱すれば、さっきまで居た場所に、幾多もの剣が刺さっていた

 

「こっわ!危な!てか君武器多すぎでしょ!ずるい!」

 

「私としては平気な顔をして人の目玉を潰す人間の方が恐ろしく思えるがな。…しかし…ふむ、私では君は殺せないようだ」

「そりゃね、6歳の時から鍛錬してる俺が負けたらダメでしょ」

 

彼に近づいて、袈裟懸けに斬り捨てる。すると膝をついた彼から光の粒が出始めた

 

「すごい綺麗だね。幻想的だ」

「ふん、そう言う人間には会ったことが無い」

「じゃあ俺が初めてだね」

「皮肉も理解出来ないのか」

「うーん、ほら、俺ってポジティブだから」

「だろうな…だが、油断大敵だ」

 

俺の背後に剣を召喚したんだろうが、流石に違和感は感じていた。さっとしゃがみ込めば、頭上を飛んでいく剣が見えた

 

「危ないでしょ!もう…でもその心意気は気に入った!今度は味方側として出てきてよ、面白そうだし」

「それも悪くなさそうだ」

「考えといてね。それじゃ、バイバイ。エミヤくん」

 

全身が光の粒になって消えてしまった。少し残念に思うけど、なんとなくまた何処かで会えそうだし、期待しておこう

 

 

空はもう真っ暗で、沢山の星がキラキラと輝いていた

 

 

 

 

 

「メーガス中将!ご無事でしたか!?」

駐屯地に戻れば、部下達がわんさか押し寄せてきた

「大丈夫、大丈夫。多少切り傷あるけど大きな怪我ない…し………」

 

彼らの後ろにいる、彼女と目があった。そして俺は思った

ああ、俺の死因って馬に蹴られた事による頭蓋骨陥没かな?それとも内臓破裂かな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国に帰った俺は、エドモンが監獄島(シャトーディフ)を脱獄した事を知った

 




◉月△日





面白い子に会った。中々に強いし、是非とも一緒に戦いたくなった。エミヤくんだ。忘れないようにしっかり覚えておこう。後何ヶ月か前にエドモンが脱獄したらしい。俺が助けたかったのに…
まあ脱獄できたのはいい事(?)だし、嬉しい。



この日はここまでのようだ










書文先生が欲しい!!!!!!!!!!!!出ない!!!!!!!!!ちくしょうめ!!!!!!!!!!紅ちゃんは出たから少し許す!!!!!!!!!!!

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