「フェルナン・モンテゴ陸軍中将と申します!」
恨めしい
「此度の作戦、共に出来る事、嬉しく思います!」
憎らしい
「そうですか。私も貴方はとても優秀な人だと聞いています。貴方の働きに期待しているよ。」
この視界に入る
瞳が
髪が
顔が
この耳に入る
声が
心音が
呼吸が
俺に感じられる
奴の存在が
全てが
俺の殺意を燃え上がらせる
どうやって殺してやろうか
俺が殺すか?
どうやって?
首を切る?
滅多刺しにする?
毒でも与えるか?
首を釣らせる…?
あぁ、
もっとあいつを惨めに殺すならばどうする?
「ねぇ、フェルナンくん。君は優秀で、腕がたつ事を見込んで頼みがあるんだ」
「アントウェルペン城近くの町へ潜入して欲しいんだ」
「大丈夫、俺もしっかり変装して行くからさ!」
「シャッセ将軍!砲撃用意、完了致しました!」
「構わん、撃て」
将軍と呼ばれた男はパイプを咥え、腕を組み、
ざわざわと騒がしい駐屯地
幾人かの兵は小さなテントで何かを話している
「おい、やっぱり大元帥がいらっしゃらない」
「ほかに誰がいない?」
「フェルナン中将が」
「その二人だけだ」
「どこに…?」
「………まさか。」
「予想がつくのか!?」
「言え!」
「まさかだが、大元帥、また勝手に情報収集に行ったのでは?」
「「「…またか…」」」
1人は深いため息
1人は頭を抱え
1人は諦めた顔をしていた
〜数刻前〜
町に…といってもオランダ軍が占領したせいで殆ど人がいないが…着いた
「ここからは別行動だ。」
「分かりました」
「情報が集まり次第、あの酒場に行ってくれ。もしかしたら俺は時間がかかる可能性があるんだ」
「はい。それではご武運を」
「君もな」
せいぜい苦しんでくれよ?
フラフラと町を歩き、酒場や路地裏を見ていく
数個目の路地裏で酒を飲みすぎたのか、蹲っている兵士がいた。蹲り、よく見えるようになったうなじ目掛けて足を振り下ろす。しっかりと首が折れるまで踏み続ける
ベキリと折れた感覚が足から伝わった
服を剥ぎ取り、少し離れたところに服を置き、先ずは顔をナイフで刻む
そのまま手近に転がっている木箱の中に押し込めればいい
あとは軍服に着替え、少しの血を服につけて、城に走る。
遠くから走ってくる男がいた
城の門番に息を切らしながら
「はっ、はっ…報告、です!フランス軍、中将、フェルナン、が、すぐそこの町に!あいつが、あいつに、1人、殺されちまった!他にもいるのかもしれない!もう俺たちは包囲されてるのかも!」
「何!?将軍に伝えなければ!」
「貴殿のお陰で早く気付くことができた。門は開けておく。中に入ったらしめてくれ」
「分かりました。報告、お願いします」
ちゃんと殺してやってくださいね?
走っていく門番2人を眺めながら呟き
くるりと踵を返した
コツコツと軍靴を鳴らし近づいてくる影がある
それは見慣れた軍服
ずっと殺していた敵国の軍服
いくら銃を撃てども当たらない
ひらりひらりと
風に舞う葉のように
するりと避けていく
「き、貴様何者だ!」
深く被った軍帽から見えるのは三日月のように歪んだ口のみ
「俺はーーーー」
「ただいま!ちゃんと情報盗ってきたよ!」
「あ"あ"ああぁぁぁぁ!!!!やっぱりぃぃぃ!!!」
「またフラフラフラフラあっちこっち行きやがって!」
「盗ってくる情報は素晴らしくても貴方の行動は素晴らしくない!」
「何でトップが行ったんだよ!」
「わーみんな怖ーい!体力無駄に消費しちゃうよ?」
「「「誰のせいだと!!!!」」」
「んー、俺のせいかな!」
もう全てを諦めたような顔の面々は、一つ、心に決めた
(こいつはやべえ奴だが、これに対して心配するのはバカらしいからやめよう)と
それだとしても、鬱憤は晴れない
ならば、
「「「カージュの姉さーん!大元帥お願いしまーす!!!!」」」
鋭い嗎は、カージュにとって、了承の意である
「待って流石に俺死んじゃう死んじゃうやばいまじ待って落ち着こう潰れる砕ける内臓もう吐きたくない無理無理無理やめて怖いよそっと押し倒すのも怖い待ってやめてまじでやめて!」
曰く、彼は腹筋のみで1tの重さに耐えられるらしい
「ねぇ、大元帥、一緒に行ったフェルナン中将はどちらへ?」
「うん?まだ帰ってないの?可笑しいね?情報掴んだらすぐに帰るように行ったのに…」
「…そのうち戻ってきますよね」
フェルナン・モンテゴ
享年43歳
職業
軍人
死因
オランダ軍からの砲撃
最後はゆっくり一人で死にな
お前なんかに近づこうとはしたくないが
それでも俺はお前が許せない
だからお前は
死んで地獄に堕ちろ
◀︎月〆日
やっと、やっと殺せた
これならメリーとエドモンのしあわせをじゃまするやつはいなくなったよ
早くでておいで