生前最後!
コツリ、コツリとヒールを鳴らして歩く妖艶な美女
ワインレッドのドレスが目を惹く
表情はポークボンネットに隠れて見えない
ただ、血のように赤いルージュが微笑みを浮かべていた
「もし…そこの方」
伯爵の頼みで街に買い出しに行っていた俺は、伯爵の屋敷の前で呼び止められた
「はい?…………わぁ…」
振り向けば、そこにいたのは綺麗な女の人だった
マルセイユの海を切り取ったかのような瞳が印象的だった
「ここは、モンテ・クリスト伯の屋敷で間違いないかしら?」
「えっと、はい。なんでしたら伯爵のこと呼んできましょうか?」
「いいえ、それには及ばないわ。これを彼に渡して欲しいの」
そう言って彼女が渡してきたのは手紙だった
どこの家紋も押していない、ただ【M】という文字だけの封がされている
「あの!お名前は…」
「そうね…彼にはこう伝えて。貴方達の幸せを願った女だと」
よろしくね、
そう言って踵を返した女性に、俺は声をかけることが出来なかった
「伯爵、さっき屋敷に戻る直前に手紙を渡されたんですが……」
「また下らんパーティへの誘いだろう。捨てておけ」
「はぁ…そうなんですかね…?」
「違うとでも?」
「あっ、いいえ、そんな事無いと思います。ただ、渡してきた女性が気になって…」
「使いのものでは無いのか?」
「綺麗なワインレッドのドレスを着た若い女性でした。それこそエデさんくらいの」
「親の使いだろう」
「名前も聞いたんですが、貴方達の幸せを願った女だと名乗ってました。だからなのか封の部分も家紋でなくて【M】だけなんですよね」
「……まて、その女の特徴を言ってみろ」
「えっ!?あっと…ワインレッドのドレス、ポークボンネットつけてたから分かりずらかったけど、青い綺麗な目で…肌がすごく白くて人形かと思いました。あとは…うーん…あ!髪がメーガスさんみたいな色でしたよ!」
「今すぐその手紙をこちらに寄越せ!!!」
「ひゃい!!!」
親愛なるエドモン様
お久しぶりですね、と言える身分では無いことは分かっています。貴方のことを裏切って、逃げ出してしまいました。
今更何を、とお思いでしょうが1つ2つ、伝えたいことがあるので、伝えてしまいたかったのです。
まず、私の失踪について。2つ目はアルベールについて。
失踪についてはメルが全てを知っています。ですが、彼に聞くことはできないでしょうから、同封した鍵をお使い下さい。恐らく全てがわかるでしょう。
アルベールについては、気づいているかもしれませんが、私の子ではありません。メルの子でもありません。彼が町で拾った子供です。
こんな事を言って、何がしたいのか。私にもよくわかりません。ただ、伝えたいのは心の底から貴方を愛している。それだけは何があっても変わらない、ということです。
乱文、失礼しました
ご結婚、おめでとうございます。同じ人を愛したエデさんにも、どうぞよろしく。
貴方を愛したメルセデス・モンテゴより
今、俺…私は、自分の身体にかけた魔術を解いた
体は華奢になり、背は低くなった
今、鏡に映る人物はメーガス・グランツではなく、メルセデス・モンテゴという女性だ
てっきり、魔術を解けば、それ相応の年になると思っていたけどかけた当時の見た目のままだった。
「このまま見つかったら、きっとエドモンなら気付くんだろうなぁ」
髪型をメリーと同じに切って、彼女が気に入っていたドレスを着る。手袋をつけて、ヒールを履く。髪をまとめてポークボンネットを被る。
最後に、黒いシルクのチョーカーをつければ完成だ。
手紙を持って、窓から飛び出した
誰にも見つかってはいけない
誰にも気づかれてはいけない
誰にも心配させてはいけない
手紙を託した俺は、
波の押し寄せる崖の上で
胸にナイフを突き立てて
飛び降りた
[いつも]
[本当に人は
[貴方は特にです]
[だから]
[これは
メルが、行方不明になったと聞いた。
陛下には大元帥をやめる旨を伝えてあったらしく、アルベールから聞いた。机の上には手紙と鍵のかかった本があり、手紙には俺にアルベールを頼む事、遺産の半分をアルベールに、残りを使用人の2人に与える事が書かれていた。
本には鍵穴があり、きっと、彼女の送ってきた鍵を使うのだと思う
帰り道、近くの港に人だかりあった
ただの野次馬のつもりだった
「何かあったのか?」
「あれまぁ、貴族の方でないの!やあねぇ、なんか漁をしてたら網に死体がかかったらしいのよ!」
「死体?」
「そう!きれーなドレスを着た死体!ものすごいべっぴんさんだし、海に沈んでたのに腐ってないしでふざけてるんじゃないかと思ったわ!さっきアタシも見てみたけど、よく出来た人形かと思っちゃったわ!」
好奇心が擽られて本当に、ただの興味本位で見てしまった
自分の元婚約者が、胸にナイフを突き立てて死んでいるところを
「メリー…?なぜだ!なぜお前が死んでいるんだ!!!」
周りの野次馬を突き飛ばして彼女に近づく
「メリー!なぜ!お前が…!俺は…………」
「兄ちゃんこの死体の知り合いかい?」
「元…婚約者だ」
彼女の首元を見れば、俺が初めて渡したプレゼントがあった
シンプルな黒いシルクのリボン。それをずっと着けていたいからと、チョーカーにして俺の前では一度も外したことは無かった
とめどなく溢れてくる涙は、彼女の顔に落ちていく
彼女の冷たい頬を流れる涙は、本当に彼女が泣いているかのように見せた
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