「先生はいつお父様におあいになったのですか?」
親友の娘兼可愛い教え子のメリーちゃんが言う。
メリーちゃんはめちゃくちゃ可愛い。どんぐらい可愛いかというとノーマルな人がイケナイ扉を開けるくらい。僕は半分くらい開けた。
「おっ?メリーちゃんてば僕の事知りたくなっちゃったのぉ?えっち♡」
「聞きたいと思いましたがいまので9割くらい聞きたくなくなりました」
ん〜毒舌ぅ!なんていいながらメリーちゃんを抱き上げる。こうしてみると本当にあの2人にそっくりだなぁ…
大きな青い目とサラサラとした髪質はシルヴィ譲り。光が当たるとキラキラと様々な色に輝く髪と仏頂面はリアム譲りだ。
メリーちゃんを抱っこして壁に寄りかかるように座る。必然的にメリーちゃんが三角座りの体制になる、けど大丈夫!さっきまで鍛錬してたからパンツスタイルだよ!汗臭いかもしれないけどごめんね!僕ちゃんと汗拭いて香水かけといたよ!
「んーとねーまず、僕とリアムは〜…僕がこっちに来てからすぐだったから6歳くらいの時からの付き合いかな」
「つまりかれこれにじゅむぐ」
「歳が分かっちゃうことやめよ?僕もいい加減身を固めなきゃいけないことを自覚しちゃうから。」
べべべつにモテないとちゃうわ!むしろモテモテだよ!ただ…彼女よりもリアムとかメリーちゃんを優先して振られるだけなんだもん…
「ぷはっ!じゃあどうでもいいので早くなれそめを教えてください。」
「酷いこと言うなぁ…まぁいいや」
「ほわんほわんガブガブ〜」
「噛まれそう…」
「
「
そう言って周りの人子供達は石を投げてくる。
毎日毎日飽きもせずよくやるなぁって思ってたよ。
僕はハーフだった。
フランスとイタリアの。
当時はまだアメリカやインドとの戦争で負けたばかりだったフランス人はピリピリしていたんだ。
そこに
当然当たり散らされる。家に帰るたびに悲しそうな顔をする母を見るのが嫌なので石を投げるのはやめて欲しかった。
「死んじまえ!このクソ野郎!」
「クソはお前らだろ」
そんな時だった。リアムが現れたのは。
彼は後ろから背中を蹴飛ばした。
逆光であまり顔は見えなかったけど、ふわふわした綺麗な髪だなぁ…天使様かなぁなんて思ってた。
「うわぁ!やべぇ!仮面野郎がきた!逃げろ!ボコボコにされるぞ!」
石を投げてたやつはワァワァ騒いで逃げていった。
「大丈夫か?」
「うん。」
間近で見るととても綺麗な顔立ちをしている。
とっても綺麗で思わず
「天使様…」
って言っちゃった。
「は?」
何言ってんだこいつって顔されたけどね!
「俺はリアム。お前は?」
「へ?」
「名前だよ名前!」
「あっと…えっと…ガブリエル…です、」
同い年くらいの子供に名前を聞かれるなんて初めての事だったから何事かと思った。
「いつもああなのか?」
「うん。」
「ふーん、
「え?何?」
「なんでもない。お前家どこらへんだ?」
「ここから10分くらい歩いたところ。」
「じゃあ一緒に帰るか。」
僕はもうリアムがなんて言ったか分かんなかったね。
「へ?」
「明日からお前と一緒に居てやる。」
「は?」
「帰るぞ」
僕の手を掴んでリアムはズンズン進んでくからぽかんとしてたよ。
「リアム…くん。えっと…僕と友達になってくれる…?」
「リアムでいい。よろしく頼む。」
その時はとっても綺麗な夕日だったんだ。僕らが真っ赤になるくらいのね。
その日以降から毎日リアムが僕の家に来て一緒に遊んだ。
リアムの家はとっても裕福で、リアムはとっても頭が良くて、リアムの両親はとっても優しかった。
貴族の子供なのに平民の友達を作っても、いい友達になってくれとかあの子をよろしくねとか。リアムの家に連れてかれた時は場違いすぎて気絶するかと思ったよ。
10を超えてからはリアムの家に行ってリアムに勉強を教えてもらったり、フェンシングを教えてもらった。
外国人の父さんをリアムのとこの会社で雇ってくれた時はほんとに助かったよ。
あとは…そうだな…
ああ、そうだ15歳くらいの時かな。
僕はずっとリアムが大好きだったんだ。
だから意外と真面目に告白した事があるんだよ。
男同士はおかしいって?うん、まぁそうだけどね。あれだよ若気の至り。
9本のバラの花束を持って、うちに来たリアムに、
「大好きだよ、リアム」
って言って渡したんだよ。
そしたらさ、リアムってはどう返したと思う?
え?キモいって言いそう?言われてたら僕大泣きだわ。
正解はね、
僕の贈った花束から4本のバラをとって、
「愛の告白はごめんだな」
って残りの5本のバラを渡して来たんだよ。
かっこ良すぎない?
ねえ、俺の親友かっこ良すぎじゃない!?
…はい…ごめんなさい。静かになります…だからシルヴィにバラさないで…
あと?うーんあとは…そうだなぁ…
僕が軍人になった理由とか?
まぁ、アレなんだけどね。
ただリアムの事を守りたかったのがあるし、リアムがいるこの国を守りたかったんだよ。
だって僕の愛してる大事な親友がいるんだもん。あとは母さんと父さんがいるからかな。
親は二の次なのかって?うん。リアムの方が大事。
リアム>>>【超えられない壁】>>両親>>>>>その他
だったからね。
石投げてたやつ?さあ?軍人になってたら死んでるんじゃない?
笑顔が黒い?
何を言ってるのさ。いつもと変わらないピュアっピュアなガブリエルお兄さんだろう?
お父様と同い年だろって…そうだけど…父親と同い年はお兄さんじゃない?
ごもっともです。
というかまぁ軍人になったメインの理由はそれじゃないんだよね。
何かって?
立場が上の方になると社交パーティーに参加出来るんだよ。
結局はリアムに会うためなんだよね!
やー大変だった。
早く昇格する為にひたすら敵の大将ばっかり首獲ってたの。
もー血塗れだし鬼だ悪魔だ言われるし。
良いことはリアムが昇進祝いに一緒に酒飲んでくれる事だけだよ。
他ぁ?うーんうーん?何があるかな…
逆にメリーちゃんは何が聞きたい?
…え?喧嘩?喧嘩かぁ…うん、したよ。
えっとね、いつ頃だっけ…?まだ10代だった時なんだけど…
僕が軍人になって間もなく、フランス革命戦争が起きた。
僕はもちろん軍人だから戦ったんだけど、腹に鉛玉打ち込まれちゃってね。
そしたらさ、リアムってば
「お前が死にかけるなら軍から抜けろ。」
なんて言うんだよ?どれだけ温厚な僕だってプッツンしちゃうでしょ?
「なんで親友のはずのお前が俺のことを否定するんだよ!」
ってキレて怒鳴っちゃって…
「否定なんてしてない!」
「してるだろ!だからお前は…!」
「うるさい黙れ!お前なんか親友じゃない!大嫌いだ!」
「ああそうかよ!僕だっておまえみたいのと別れられて清々するわ!」
最初は僕の事心配してくれてたんだけどさ、撃たれて、すぐに戦えなくなっちゃったからさ…ちょっと気が立ってたんだよ…
でもでも、リアムが言葉足らずなのもいけないよね!ね!
そんで僕とリアムとで殴り合いの大げんか。転がりながらもひたすら殴って。
もうボロボロで立ち上がれなくなってから、2人とも大泣きしながら、
「ごめん…ごめんね…本当は僕…リアムの事大好ぎだがら"ぁ"!嫌いにならないでぇ"!!」
「すまん…言葉が足りてなかった…すまない。俺とお前は親友だから……。大切なんだ…傷付いて欲しくない…」
そんなこんなで仲直r
《両思いのバカップルだ》
ばっ!?
いやいやいや、嬉しいけどね!?
流石にそこまでじゃ…ない…よね?
無言で首を横に振らないでよ!
えぇ?だからかな…なんかリアムとシルヴィの結婚が決まってから、
「てっきりガブリエルとかと思ってた」
とか周りから言われてたの。
うん?シルヴィとのこと?
………うん、そう、だね、
…シルヴィと出会ったのは22、3位の時なんだけど、急にリアムが
「彼女が出来た。」
とだけ手紙を送ってきたんだよ。
それで、居てもたってもいられずに素早く休みを入れて、リアムに会いに行く旨を伝えて、凸しに行ったんだ。
第一印象は清楚な深窓のお嬢様って感じだった。
「僕は認めない!そんなんじゃリアムも子供も守れないだろ!」
今思えば訳わかんないキレ方だよね。なんで母親が旦那もまもるんだよ。
「馬鹿かお前は」
「馬鹿で良いよ!せめて俺のことを倒せるくらいじゃないとダメ!」
そんな
「うぐっ!」
そのまま倒れた僕にシルヴィは
「これで認めてもらえますね?」
ってにっこりしてた。
怖かった。
そろそろこれくらいにしておこうか。
もうすぐお茶の時間だろう?
お話はこれでおしまい。
また今度ね。
バラの花言葉は愛。
9本のバラは[いつも一緒に居てください]
5本のバラは[あなたに出会えて幸せです]
棘のないバラは友情