戦隊ファンの僕の行方不明の親友が艦これの世界に居た事を超絶巨艦の艦娘にTS転生して知りました 作:マガガマオウ
僕……ボイジャーが艦隊これくしょんの世界に来てから、早くも数週間が経とうとしている。
最初の頃は演習場?みたいな所で色々な訓練を受けていた、だけどもそもそもが空想の産物がモデルの僕だから……結果は、察してくれるかな。
「……あの提督さん?」
「……なんだ明石?」
「その……一応、戦艦の艦砲射撃訓練用の的を用意したつもりなんですが……。」
「うむ……。」
僕の後ろで、付き添いの紅と明石さんが唖然としている。
無理ないよ……だって、標的の的を貫通するどころか溶かしてしまってるんだから。
ゴーゴーボイジャーの主砲ボイジャーキャノンは、劇中で見る限りレーザー砲だったしやっぱりと言うか何というか、僕の主砲からもレーザーが照射されてしまった。
しかも、威力を押さえてもそこそこの破壊力があって……そりゃ、一度は凍結されるわけだよ。
それで、他にも何か機能は無いかと調べた結果……各ビークルに相当する艤装が着脱出来たり、そのまま航空機や輸送艦として使えたり、僕自身も水中で自由に活動出来たりした訳だ……まぁ、水中に関しては飽く迄潜って動けるだけで戦闘は出来ないんだけど。
こうなってくると運用をどうしようかと、紅と明石さんあと知的なメガネが似合う人……大淀さんだったけ?その三人で話し合っている最中だそうだ。
「あっ!ボイジャーおはようございます!」
「うん、おはよう吹雪ちゃん。」
前の世界ではコミュ障で内向的だったけどこの世界に来てからは随分外向的になった気がする、鎮守府に所属してる艦娘さん達がフレンドリーだからかな?
「ボイジャーさん聞きましたか?」
「ん?何を?」
その内の一人で駆逐艦の吹雪ちゃん、セーラー服の似合う子で一人でいるとよく話しかけてくれる良く気の回る子だね、おっと!自分語りだけで吹雪ちゃんの話も聞いておかないと。
「最近、この鎮守府のまた資材が少なくなってるって話です。」
資材は今の僕も含めるすべての艦娘の糧とも呼べるものだしそれを使って艦娘は勿論のこと装備も作られる、この鎮守府を動かしていく上で無くてはならない物だ、それが少なくているのは死活問題だと言わざる負えない。
待てよ?確か昨日にも……。
「それって昨日も睦月ちゃんたちが取りに行ってなかったけ?」
「はい、その時も結構粘って結構多く回収したはずなんですけど……。」
……紅の奴、さては建造に溶かしたな?後で取っちめに行くか。
僕の幼馴染は少し余裕ができると一つの事にのめり込んでしまうタイプの浪費家だ、普段は節制してけど一旦タガが外れるとあれよあれよつぎ込んでしまうのだ、そうなった時にストッパーになってたのが僕だったんだけど……居なかった仕方ないか、僕自身は丁度今はフリーの身だしね。
そうと決まれば善は急げだね!いざ行かん執務室へ!
「紅!」
「うぉ!」
勢いよく戸を開けたからかな?紅が驚いた表情をしている。
なんで提督と呼ばないかって?僕は他の艦娘と違って愛称で呼ぶように言われてる、紅にはそっちの方が慣れてるからだそうだよ、艦娘になってから僕と紅の関係は上司と部下な訳だけど基本的にはこれまで通りに接してくれってお願いもとい命令されちゃったからね。
「何だよ玄かぁ~脅かすなよ……。」
「脅かすなよ、じゃないよ!」
だから偶に注意しに行くのも僕らからしたら日常風景だったりする。
「……何、怒ってるんだよ?」
心当たりがないって顔だね紅、じゃあはぐらかされるも面倒だから直球でいきますか……。
「聞いたよ紅、資材……無駄遣いしてるって⁉」
「うっ!それは……。」
おぉ!一気に顔色が変わったよ、相変わらず素直な性格だね君は……僕が生まれ変わる前で紅がこっちに世界に来る前までよく見た顔だよ、この顔の時は何かしらの理由がある時だったかな?
「一応、使用した用途と理由を聞こうか?」
訳も聞かずに責めるのもなんだから言い訳位させてあげよう、但しそれで留飲を下げてあげるつもりも無いけどね。
「……この鎮守府が戦力不足で困ってる話はしたよな。」
「うん、現状の戦力だと突破が難しい海域があるって話だよね。」
僕が来る前この鎮守府には重巡以上の戦力が居なかったと聞いていたし、それが要因で戦艦級の建造が急務だったのも着任の時に明石さんから教えてもらっていた。
「そうだ。」
「でもさ、それって僕が建造されるまでの話だったと思ったけど?」
そう今は僕が居るだから少なくとも戦艦級の艦娘については急ぐ必要がなくなったらしい、だから何故今の資材の減りが激しいのか聞きたいんだよ。
「いや……戦力は今でも不足してる、確かに玄が来てくれて幾分かはましになったけどな……。」
紅……君は相変わらず作り笑いが下手だね、でも現状でまだ戦力は足りてないって考えてみれば当然か……。
確かに僕は普通の戦艦から見てもオーバースペック、だけどたった数で見れば戦艦が一隻増えただけで現存戦力が強化されたわけじゃない、僕を中心に艦隊を編成するにしても随伴艦のも相応の戦力がないと運用は難しいよね……。
「現在の鎮守府に在籍してる艦娘の練度はこれ以上は上げられない、だから装備を揃えようと開発に資材を回してるんだが……。」
「結果は芳しくないっと。」
「あぁ……。」
やれる事やったその上での現状か……うん、言いたい事あるけど今のは飲み込んでおくとしますか。
「事情は分かったよ、もうこれ以上は言及しない。」
「ありがとう……ごめんな玄、着任したばかりお前にこんなこと言わせて。」
あぁもう、そんな申し訳なさそうな目で見ないでよもう……内情も知らずに突撃した僕が悪いんだから。
「気にしないでよ……でもさ紅、そろそろ睦月ちゃんたちを休ませてあげないとじゃない?」
僕が来る前もほぼ毎日資材を集めていたそうだし、この前も余程疲れていたみたいで食堂の机で寝ていたのを見てる。
「そっか、そうだよな……でもこれ以上戦果が挙げられないと鎮守府が解体されるかもしれないしなぁ……。」
相当切羽詰まった内訳があったんだね、考え過ぎて眉間に皺が寄ってるよ……仕方ないここは僕の出番かな。
「ねぇ紅。」
「ん?何だ玄?」
懐かしいなこのやり取り……向こうでも勉強で煮詰まった時とか休憩しようと声を掛けるといつもこんな風に返されたっけ、何でもない事だった筈なのにちょっと会えないと懐かしく思えるんだね。
「僕に一日だけ工廠を使わせてくれないかな?」
「工廠?何か作るのか?」
工廠と聞いてツールの制作目的だと気付いてくれるとは、やっぱり付き合いが長いと意思疎通が出来ていいね。
「うん!今の紅たちにとって一番役立つ物をね!」
作るとしたらやっぱりあれだよね、さてと必要な素材はあるかな?っと考えながら工廠に向かったのは、紅と話をしたすぐ後だった。
僕がこの鎮守府の工廠に入るのは実は二回目だったりする、一回目は建造された時で二回目が今だ……。
「提督から話は聞いてます。どうぞお好きにお使いください。」
「ありがとうございます明石さん、すいません無理を言って。」
「いえいえ最近煮詰まってまして、気分を変えようかと思ってましたので丁度良かったです。」
明石さんに迎えられ工廠の兵装開発を行うスペースに通される、紅が話を付けてくれたらしい最初は断られるなって思ったけどそんな事は無く意外と快く使わせてくれた、それじゃあ始めますか!
転生した時、僕の脳内にはサージェス財団の制作した武器のデータが入っていた、所謂転生特典と云う物だろうね、その中に今回の目的の装備のデータもあったんだ、取り敢えず素材はこっちでも十分揃えられたから後は精製し加工して組み立てるだけ、似たような事は前の世界でもやったから要領は分かってるしそんなに難しくないよ、あっと言う間に完成だ。
「出来た……!」
「これは……銃?」
ずっと観察してた明石さんが横から完成した物を見て不思議そうにそう呟いた。
ふっふっふ、確かに一見すれば特殊な形状の銃だと思うでしょうだけど違うのです!
「ちょっと違います。これはサガスナイパー、探し物の時に役立つアイテムです!」
僕が作りたかった物それは、ボウケンシルバーのメインウエポン!サガスナイパー!知って通りこれは接近戦モードのサガスピアーと射撃戦モードのサガスナイパーそして高性能探知機のサガスモードを有する多目的ツールなんだ、更に言えばサガスモードの探査範囲は広範囲でこれがあれば資材集めもグッと楽になる筈だよ!
「お~い、調子はどうだって!それっサガスナイパーか⁉」
「うん!凄いでしょう!見た目だけじゃなくて機能も完全再現したよ!」
仕事の合間に様子を見に来た紅が、完成したサガスナイパーを見て驚いている。
ふっふん!どうだい僕の工作能力は!……って言いいたけど、やっぱり設計図なしじゃ完成は出来なかったからね……牧野博士はすごいや。
「凄いじゃないか!流石は玄だ、手先の器用さは転生しても健在だな。」
「まだ試作段階だし、実用化するにはデータが欲しいけどね。」
実践データは採っておきたいよね、こう言ったらなんだけど僕はこの類の物を作るのは素人だから、出来たばかりのこれをいきなり実戦で使うのは不安だよ。
「分かった直ぐに試験艦隊を編成する、ちょっと待っててくれ!」
「あっ!あと少しだけ我が儘いいかな紅?」
「……何だよ、行ってみろ。」
「その試験艦隊に、僕も組み込んでほしいんだダメかな?」
急ぎ足で執務室に戻ろうとする紅を呼び止め、要望を伝えてみる。
「やっぱりさ、最後まで責任持ちたいじゃない……自分が作った物なら尚更。」
「……分かった、考えてみるよ。」
「うん、ありがとう。」
さてとこれで少しは役に立てたかな?……いや、これからだねこれから。
かくして一人の艦娘はこの世界で己の役割を見出そうとしていた、その航路の先には何があるのかどんなログを綴るのかは本人にも未だ見えてはいない。