戦隊ファンの僕の行方不明の親友が艦これの世界に居た事を超絶巨艦の艦娘にTS転生して知りました   作:マガガマオウ

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海原に轟く

「それじゃあ、くれぐれも安全に頼むぞ皆。」

 

僕の初進水の日、僕専用に作られたドックに集められた艦隊メンバーが集められ最後の念押しをして来た。

 

「あぁ、分かってるよ安心してくれって!なぁ皆?」

「えぇ、心配には及びませんよ提督。」

 

旗艦の天竜さんとそれに同調する龍田さん、二人はもう既に僕の計画の協力者になって貰ったのだ、だから何が起きても仕方なかった事にして貰う予定なのだよベニ提督。

 

「……本当に頼むぞ、クロに何かあったらタダじゃすまないぞ……俺が。」

「あ、あははぁ~承知してます~す。」

「にゃしぃ……。」

 

駆逐艦の子たちは何やら心持ち穏やかじゃない、何処か歯に何か挟まった時の表情を浮かべているけど、それは飲み込んで貰おう。

 

「頼んだからな?クロ、お前も無茶だけはしないでくれよ……帰りを待ってるからな。」

「了解だよ、今の僕が出来る限りのところで頑張って来るね。」

 

一頻り艦隊メンバーを、見回した念を押した提督が最後に僕の前に立ち目を合わせて語り掛ける、心配してくれてる事は表情からでも伝わって来るけど僕も引けないから、眉根を下げて瞼を山なりに持ち上げて笑みを見せ聞き分けのいい風を装う事にした。

 

それから、僕以外のメンバーは其々の出撃口へ移動してココには僕だけになる、それじゃあ行こうか僕の初仕事へ。

 

『他艦鎮守府より発艦しました、ボイジャーさん続いて下さい。』

「了解です。提督、コールをお願いします。」

『承知した、ボイジャー……アンドック。』

 

ドッグ内のスピーカーから流れる大淀さんの声で、他の皆が出た事を知らされそれに続く為に提督に発進コールを掛けてもらう。

発進のコールが聞き届けらた事で、僕の艤装に力が宿り足のクローラが前進して海中へと進んでいき、海の中から海面に浮上した。

 

「みんなお待たせ。」

「おう!ってか、ボイジャーの発艦ってそうやって進行するんだな。」

「なんだか面倒ね。」

 

海面から浮かんできた僕を天竜さん達が出迎えてくれた、二人が僕の発信のプロセスの長さに戸惑っているようだけど、僕みたいな超兵器の扱いなってこれ位慎重な方が良いと思う。

 

「ボイジャーさんって、空と地中意外だったら何処でも対応してるんですよね?」

「うん、そうだよ。」

 

私が海の中から出て来てから静かだった駆逐艦の子たちの中で、吹雪ちゃんからそう聞かれて僕は事も無げに肯定する。

ゴーゴーボイジャーと言うビークルは、作中を見る限りで海中海面地上と行動できる範囲が広かった、その特徴が僕自身にも反映されていて上陸作戦でもそれなりに動ける一種の万能艦となっていた。

 

「速度が出せて、火力も高く、航空戦にも対応、おまけに活動場所にも制限がない……額面通りに受け取ればとんでもない艦船だな。」

「それが、僕の下になった船の設定だからね。」

[ヒット!]

 

海の上を一列になって前進しながら、サガスナイパーのレーダーを海面に近づけて資源を探している中で天龍さんの言葉に応答していると早速資源のある方向を見つけた。

 

「アッチの方角だね、行こう。」

「あぁ。」

 

反応があった方向に舵を取って進み、反応が強い場所を探して潜る、それを何回か繰り返した頃だった。

 

「此方、ジィ……鎮守府、第二艦隊所属矢矧……応援願……強襲を受けている!」

「っ!救難要請!」

 

僕の好感度センサーが友軍信号を捉えたのだ、他の皆が急に叫んだ僕の様子に驚いていたけど僕としてはそれどころじゃない。

 

「救難要請って何だよ?俺のレーダーには何も反応はないぞ、龍田はどうだ?」

「私のにも、付近にそれらしい反応はないけど?」

 

そういう二人の表情から噓偽りは感じられない、という事はこれが聞こえてるのは僕だけって事だ……僕が拾える範囲で別の鎮守府に所属している艦隊が攻撃を受けている。

 

「コマンダー!行って!」

 

僕の頭部に装備されていたヘッドギアが外れ、独立して偵察機に変形させると通常よりも広い範囲に探査を掛ける。

 

「何処?……何処に居るの?……居た!東南に約500㎞、味方艦軽巡2駆逐3軽空母1確認。」

 

ゴーゴービークルNO.14コマンダーは管制機である、それが故ボイジャーを構成する五つのビークルの中でも突出して戦域把握能力を持ち、艦娘となった現在は偵察機としても優秀な艤装となっている、そのコマンダーが送った情報から大体の位置と艦隊構成を知る事が出来た。

 

「敵方に戦艦2空母1重巡1駆逐2……僕の足なら行けるか……サガスナイパー渡しておくから、ちょっと艦隊から外れるね。」

 

言うが早いか一言言い終えると即座に艦隊を離れてしまうボイジャー、その背はみるみる内に離れ小さくなる。

 

「あっ!ちょ……っと待てって、行っちゃった。」

「あらあら、話には聞いてたけど本当に早いわね~。」

「もうあんなに遠くに……。」

「あはは……私達じゃ追いつけないですねアレ。」

 

ボイジャーからサガスナイパーを渡され一瞬なにを言われたか理解できなかった天竜が、その意味を理解して制止しようとする頃には、自分達よりも遥かに早く海の上を走る彼女の影を見届ける事しか出来なかった、そして他の艦娘も同様にずっと先に行ってしまったボイジャーの姿を呆然と見届ける。

 

「……追いかけるぞ。」

「はいはい、了解よ天龍ちゃん。」

「追い付けますかね?」

「さぁ、でも追い駆けないよりも良いんじゃないかしら?」

「私もそう思う。」

 

天龍の呼び掛けで全員がボイジャーの向かった方角へ進路を取り、その後を追って航行を始めた。

 

「見つけた、目視で確認できる範囲での被害は……軽巡に大破1中破1駆逐大破2小破1軽空母中破、ギリギリ持ち堪えてるけど……ファイター行って。」

 

先を急ぐボイジャーは距離を縮めつつより詳細な情報を更新し、到着を待たずに主砲の一対を分離して戦闘攻撃機として先行さる。

ゴーゴービークル№16ファイター、ボイジャーの構成パーツとしては第一第二砲塔を構成するビークルであり分離した場合は戦闘機として活躍する、元々が主砲であるため戦闘機の単体火力としてはオーバースペックなハイエンド機であり並の艦載機を遥かの凌駕しているのだ。

 

「アトヒトオシデ沈メラレソウダナ。」

「アァ追加砲撃ヲ加エルマデモナイ。」

 

自分達の勝利に大手を掛けたと確信して横柄な態度を見せる戦艦ル級の二体、その表情を傲慢に歪め完全な勝利を得る前から悦に入る。

 

「ヲ?」

「ナニカ アッタカ ヲ級?」

 

そんな上機嫌な時に空母ヲ級が不審な事が起きた様な表情を見せ、ル級一体が視線を送り何が起きたか聞きだそうとする。

 

「周囲ヲ見張ラセテイタ偵察ノ数機ノ反応ガキエタ。」

「ナニ?敵カ シカシ周辺海域ハ仲間ガ封鎖シテルハズ……敵ノ姿ハ?」

 

自分達の知らぬ間に受けた奇襲と思わぬ事態に冷静な判断を下す為より詳細な情報を聞き出すとするが。

 

「ワカラナイ一瞬デ消エタ イツノマニ近ヅカレテドコカラ攻撃サレタノカモワカラナイ。」

「ナンダト!」

「オイ!海中カラオカシナ反応が迫ッテキテイルゾ!」

 

ヲ級が正体不明の敵機から攻撃に混乱していた時、重巡リ級が焦った様に揉める仲間に警告を発し、敵側の混乱は相対する艦娘達にも伝播する。

 

「なんや、慌ててるな敵さん。」

「不測の事態が起きてるのか?何にしてもこの状況は好機だ、撤退の準備を!」

 

軽空母龍驤が攻勢の変化から敵の焦りを察し、旗艦である軽巡洋艦矢矧も状況の変化を感じ取りそれを好機と見て撤退を始める。

 

「ナッ!逃ガスカ 後方艦隊止メロ!」

 

海域から退こうとする艦隊の動きを深海側も察知し、控えさせていたもう一つの艦隊を動かし退路を塞ぐ。

 

「くっ!後方にも敵が潜んでいたか、仕方ない大破している艦娘を中心に損害が警備の者を前方と後方に、私は前に出るぞ突貫する!」

「矢矧何を!」

 

大破した駆逐艦二隻を囲うように陣形を組むが、自身が大破しているにも構わず轟沈覚悟で前進する。

 

「奴ラ 沈ムノガ怖クナイノカ?マァイイ 望ミ通リ全員沈メテヤル!艦隊 敵二向ケテ砲撃開始!」

 

前後から挟撃を受けながらも活路を求め全速力で走り向ける、砲撃を避け雷撃を逸らし決死の撤退航路を切り開く。

 

「当タラン ナゼダ?」

「死ヲ 覚悟シタ者ノ強サト言ウモノカ ダガソウイツマデモツマイ。」

 

実際、矢矧は自分が沈んでも残りの仲間は逃がすと覚悟を決めていた、その殺気にも似た気迫が砲弾を逸らし先行する魚雷を逸らさせたかは分からないが、彼女たちの進路から遠ざかっていた。

 

「ヤハリオカシイ 前ト後ロカラ投ゲ続ケテイルノニ一発モ命中シテナイナンテ。」

「確カニ 私達ノ砲撃モ的中シタ気配ガナイ マルデ当タル直前デ打チ消サレテイルヨウナ。」

 

しかし、流石に激しい砲撃と雷撃の嵐を無傷で運だけで搔い潜るのは不自然、何某の介在が無ければ有り得ない、それが神の気まぐれか悪魔の仕業かこの戦場に誰かが介入している思わずにはいられない。

 

「ヲ!イマ攻撃隊ガマトメテ消失シタ!」

「ナニ?偵察機ノ時ト同ジカヲ級?」

 

不審な状況に更なる不可思議が重なる、今度はヲ級が放った攻撃部隊が忽然と消失したのだ、ここ迄くると偶然で片づけるのは苦しい。

 

「可笑しい?」

「どうしたの矢矧?」

 

先を急ぐ矢矧も流石に事態の不審さには気付いた、さっきから魚雷の一本は疎か砲弾の一発も迫ってこない、そのうえ空母が居た筈なのに航空機の影すらないさっき迄とは状況が明らかに違った。

 

「阿賀野姉さん、私達が後退してから敵からの攻撃を受けた?」

「え?そう言えば、ずっと必死だったから気付かなかったけど……。」

「言われてみれば、後方からも砲撃も雷撃も無いな?」

 

構えて突っ込んだ筈が一向に攻撃の音沙汰がないと言う違和感、敵が諦めたとも取れが状況は相手が有利、ここで引くとは思えない。

 

「何が……っ!」

「矢矧!」

 

降って沸いた懐疑的状況に思わず速度が緩み思考の深みに嵌まりかけた時、自分の目の前で大きな水柱が上がり、考える事に気を取られた矢矧は反応が遅れ妹の危機と感じた阿賀野が前に出る。

 

「……何もない、何だったの?」

「姉さん!」

 

敵からの攻撃と思って庇って見たが次には平穏な水面が揺れるのみ、暫く待っても何も起きない事に肩の力が抜け掛けた時、また海中で何かが爆ぜ水柱が上がる。

 

「これって、まさか誰かが水中で魚雷を誘爆させてる?」

「そんなん出来るんか?潜水艦ならまだしも、この海域にはそれら艦娘がおる報告は聞いとらんけど。」

 

そもそもこの海域は彼女たちの所属する鎮守府の担当海域ではない、本来は紅介の着任地である鎮守府の担当なのだが戦力が不足している彼の艦隊ではカバーし切れず、世話好きな彼女たちの司令官が代理で見回っていた。

だからこそ、この海域には彼女達しか居らず更に紅介の鎮守府にはこの状況を如何にか出来る戦力も期待できない為、少し遠いが自分達が所属する泊地に応戦を要請していたのだ。

 

「しかし、ではさっきの水柱は偶然上ったモノだと言うのか?アレは明らかに人為的な行動でなければ起こりえないモノだ。」

「それは……そうかも知れんね、なんやあの提督さんも戦力集まってきたんやな。」

 

状況は危機的、それでも楽観視出来る余裕は生まれた、自分達を援護している艦娘が誰だかは知らないがきっと紅介の部下だろうと検討を付け帰還の進路に舵を切る。

その頃、海中ではボイジャーが孤軍奮闘していた。

 

「もう一発来るか!当てさせないよローダー!」

 

水の中でも活動できる彼女の両腕には、ローダーが分割されて装備されていた。

ゴーゴービークルNo.18ローダー、船体の全面下部を構成する巨大ロードローラー型ビークルだ、水陸両用な上に陸上で敵に向けて突撃しても活動し続けられる頑強さを持ち、腕に装備したら超大型ナックルとして使用可能である、実はさっきからこれで敵の魚雷を殴り飛ばし別の魚雷に当てて誘爆させ続けているのだ。

 

「海の上はファイターとアッタカ―に任せてるし、上の艦隊が逃げ切るまで凌げばいいだけ、これならクロにはバレない筈だよね?退路を塞いでた敵は先に沈めたし。」

 

後方に控えていた敵戦力もボイジャーが到着した時に全船轟沈せしめ、今上空を守りは先に飛ばしたファイターと敵船を沈めた後に分離させたアタッカーの二機が固めていた。

ゴーゴービークルNo.17アタッカー、攻撃爆撃機型のビークルであり第三第四砲塔を兼ねるビークルの為ファイター同様火力は高い。

敵航空機の迎撃は勿論、砲撃が当たる前に砲弾ごと消滅させる事すら造作もない、結果として砲撃はファイターとアタッカーが抑え雷撃はボイジャー本人が対処して海上の艦娘達には届かない、否届かせないのである。

 

「オイ後方ノ部隊 対象ガソッチニ行ッタ抑エロ!オイ 聞コエテイルノカオイ!」

「ドウシタ返答ガナイノカ?」

 

そうと知らない深海側は逃げ切られそうになるのを阻止しようと後方部隊に連絡を送るが、すでにボイジャーが全滅させた後だ返しがある筈もない。

 

「クソッ!ヤラレタカ 全船続ケ追撃スル。」

 

このまま応答が来るのを持ってはいられない、逃げた艦隊を追って全身を始める深海側の艦隊の前に海中から謎の影がせり上がる。

 

「君達には追わせないよ……僕が相手だ!」

 

海中から浮上した影ボイジャーが敵の前でそう言い放つと、空中で待機していたファイターとアッタカ―が元の位置に戻り砲塔を旋回させ駆逐艦と重巡洋艦に狙いを付け撃ち放ち一撃のもと沈める。

 

「ナ二?タッタ一撃デ駆逐ト重巡ヲッ!」

「バカナ!駆逐艦ナラ分カルガ重巡モダト!」

 

ボイジャーは艦娘としては日が浅い、だがそれを補って余りある艤装のスペックと彼女の素質は一級のもの、それはこの戦闘の間に起きた一連の行動が示していた。

 

「僕は今回が初戦だ、だから君達で戦いの勝手を学ばせてもらうよ?拒否は受け付けない。」

 

そう言い来たボイジャーは全身の武装を解き放ち敵艦隊に向けて単艦で向かっていく……。

そして、ボイジャーの影からの助けを受けて撤退した味方艦隊の面々は、彼女を追って来た仲間たちと合流していた。

 

「つまり君のところの新入りがコッチに来ていて、私達の撤退の援護をしていたのでは?……っと。」

「あぁ、アイツの性能なら出来かねない……ったく、勝手に動きやがって。」

 

ボイジャーの自己判断での艦隊離脱ははっきり言て命令違反だ、自分達と一緒に居る時の戦闘なら仕方なくで済ませる事も出来るが勝手に離れた上で他で戦闘をしていた場合は懲罰の対象になる、それが例え救援目的であってもである。

 

「しかし、その話が本当なら凄まじい話だな単艦なのだろう?」

「はい……こっちで救援要請が来てるって言ってから直ぐの事だったので、ボイジャーさんなら多分……。」

 

大破して退避してきた若葉は眉唾な話に半信半疑で吹雪に尋ね、吹雪が何とも言えない顔で頷き事実を肯定する。

 

「そろそろだぞッ……何だこれは⁉」

「嘘やろ……?」

「聞きしに勝るとはこの事か……。」

 

さっきまで自分たちがいた海域に到達した時、敵艦隊は大破状態の敵戦艦が一隻を残すのみとなり他は見る影もない。

 

「……やっぱこうなったか。」

「ある意味、予想出来た結果よね~。」

「でも初戦でこれって……。」

 

その壊滅した敵艦隊とは対照的な傷一つない状態で、相対するボイジャーの姿を見た天龍達は予測の域を超えないがそれでも予想以上の戦果を見せた彼女の潜在能力に呆気に取られていた。

そしてボイジャー本人は、瀕死の相手を前に今まさに止めを刺す直前と言った冷めた様子で砲塔の先に光が集まっていた。

 

「これで最後だね、ありがとう……君達のお陰で僕も匙加減を測れた、お礼は苦しまずに逝かせてあげる。」

「……バケモノメ!」

 

対敵は一瞬そこから撃破までは刹那の間、一刻を追う毎に味方は沈めれこに異常な性能を持つ正体不明艦にこれまでに無い恐怖を感じ、これから沈められる自分の責めてもの抵抗で悪態をつく。

 

「ボイジャーそこまでだ!」

「っ!……天龍さん?」

 

攻撃を行おうとする直前で天龍が呼び掛けボイジャーの注意は逸れ、ボイジャーキャノンの砲口は逸れ目標から光線は外れた。

 

「クッ!覚エテイロ 私ガオ前ヲ沈メテヤル!」

 

ボイジャーの一撃が外れた事で九死に一生を得たル級が、一瞬の隙を狙って捨て台詞を残し海中へ逃げその場にはボイジャー達のみが残される。

 

「逃げられた?追わなきゃ……。」

「待て、お前はこれ以上動くな。」

 

尚も逃げたル級を追いかけようとするボイジャーの前に天龍が進路を塞ぎ、周りも他の艦隊艦が囲んで身動きを封じられる。

 

「……分かったよ、これ以上我が儘したら皆が困るんだよね。」

「帰投する、悪いがアンタ達にも状況説明の為に付いてきてくれ入渠ドックは貸すから。」

「分かった、ついでに無線も貸してもらえるか所属泊地に連絡がしたい。」

 

あれだけ激しい戦闘の後にしては随分とあっさりと引いたボイジャーを囲うように編隊を組んで帰還の進路を取る。

そこで、天龍は矢矧達にも状況の詳しい説明をして貰うべく同行を要請して、矢矧は艦隊を代表して容認を伝える。

 

「了解だ、ボイジャー帰ったら覚悟しとけよ。」

「うん?僕が何を覚悟するの?」

 

天龍はボイジャーの命令違反と勝手な行動の事でどんな沙汰が下るかを案じるて忠告を送るが、建造されてから日が浅いボイジャーには何の事だかサッパリで本心から分かっていない。

 

「はぁ、帰るぞ皆!」

「はぁ~い。」

「了解です。」

 

ボイジャーの惚けた様子を見た天龍は疲労感を覚えながら、帰還の号令を出し帰りの路に付いた。

その頃、鎮守府の執務室に居た紅介にも悪寒が奔り、何やら落ち着かない心持ちで帰りを待っていたのだった。

 

 

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