最弱魔王と愉快な仲間?たち!   作:X-クラウン-X

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ドワーフ領へと旅立つゼロ
フェンリルはお留守番のようですが?


黒の初めての遠征

ゼロが準備しているとフェンリルも行こうと準備を済ませて現れた。

 

「ゼロ!準備できたよ!僕はいつでも行けるよ!」

 

「あー言ってなかったか?お前は連れて行けないぞ?」

 

「えぇ!!?やだやだやだ!僕も行きたいー!」

 

駄々をこねるフェンリルに強く言えないゼロはどうしたものかと頭を掻いている。

正直、連れて行ってもいいのだが一応他国ということで武装はしていけない。

何かあった時の為にギルやブラッド、他の魔族でも危険なために全員ここに残ってもらう予定なのだ。

 

「そんなフェンリル様にカイ特性のこちらを。」

 

突然現れたホロウの手には怪しい小瓶が手渡された。

何これ?と怪しい薬に怪訝な顔をするフェンリルに、細胞を若返させる美容液とホロウは答える。

 

「行くのでしたらやはり美しくありたいと思うのが女性なのですから。」

 

「確かにそうだね!僕はゼロのお嫁さんだからね!」

 

フェンリルは納得したのかその小瓶を飲むと、少しホロウとゼロの身体が大きくなっていく。

ホロウは笑ったまま「おやおや」と、ゼロは驚愕の表情を浮かべながら口を開けて唖然としている。

 

「あ、あれ?2人とも大きくなったの?」

 

「いえ、貴方が縮んだのですよ?」

 

「へっ?」

 

間の抜けた返事をしながら身体をぺたぺたと触ると、ホロウが取り出した鏡を見ると絶叫した。

そこにはダボッとして今にもずり落ちそうな服を身にまとった、フェンリルがゼロと出会った頃の姿があった。

 

「な、何これぇぇぇぇ!!?」

 

驚きの声と共に服が落ちるのをゼロが黒のコートを咄嗟に羽織らせて阻止する。

そこに絶叫を聞きつけたのかカイが扉を蹴り飛ばして現れた。

 

「ここか!大丈夫か…って、手遅れだったか…」

 

頭を抑えて現在の状況にため息を吐く。

床に落ちた小瓶を拾い上げるカイが、涙目でカイのコートを握りしめるフェンリルの前に膝を曲げて腰を落とす。

 

「これは美容液だが失敗作なんだ。細胞が若返り過ぎちまうから若返り薬になっちまう。」

 

「ふぇ〜…こ、これじゃゼロについていけないよー…」

 

涙目のフェンリルに顔の怖いカイ。

 

半裸の女の子に詰め寄るというこの光景は些か犯罪の匂いがするなぁ。

だがこれで諦めてくれるからいいか。

 

「にしても、13、4歳になったのか?あの薬は5年くらい元に戻すからなぁ。」

 

「ああ。出会った頃にそっくりだ。」

 

「なるほど!ゼロはロリコ…」

 

何かを言おうとしたホロウが、刹那の突風と共に部屋の窓ガラスを突き破って外へと吹き飛んでいく。

ゼロの突き出した拳に血が付いてる事に疑問は持たないカイ。

 

「………まあ、年の割りには幼いな。元々幼いと思ってたがこりゃあ……」

 

「カイ。何が言いたい?」

 

「……………いや何でもねぇよ。」

 

カイは僅かに眉をビクつかせながら立ち上がる。

フェンリルをコートごと抱き抱えるゼロは薬の効果がどれほどか尋ねる。

そして予想外の答えが返ってきた。

 

「一生だ。」

 

「はっ?」

 

「当たり前だろ。細胞が若返るんだ。薬の効果がそれなんだから時間制ではねぇよ。だから保管しておいたのにあいつがパクっていって慌てて追いかけたんだからよ。」

 

「そんなぁ…僕ずっとこのままなの…」

 

マジかと頭を抱えるゼロにまたも泣きそうになるフェンリル。

カイはどうしようもない状況に頭を掻く。

フェンリルはどうしようかと思っているゼロを不安そうに見上げる。

 

「ゼロは……やっぱりこの僕じゃその……魅力感じない?」

 

その言葉にゼロはフェンリルの頭をくしゃくしゃと少し強めに撫でる。

それに気持ち良さそうに目を細めるフェンリル。

カイは何とかするとだけ言って部屋を出ていった。

 

「そんなことは無いよ。フェルはフェルだろ?」

 

「でも…今の僕は子供っぽいし…」

 

「忘れてないか?俺は今の姿のフェンリルに恋したんだぞ?」

 

そう言って頬を撫でながら僅かに顔を持ち上げると優しく唇を重ね合わせる。

すぐに泣きそうな顔から真っ赤にして恥ずかしそうな顔へと変わる。

 

「懐かしいと思ってるよ。それに愛しさが増すね。」

 

「も、もうゼロの馬鹿…///」

 

そんな2人の世界の被害者が外にいることなど2人にはまったく関係ない。

 

 

「うっぷ!ダメだハオ……この空気に僕は耐えられそうにない……」

 

「流石の我もキツい……」

 

「フェンリル嬢を留守番にさせて正解だせぇ……」

 

「そうですか?こんなに愛し合う2人の世界ほど素晴らしいものはありませんよ!!」

 

 

しばらくイチャついたあと、ゼロは自分の部屋のベッドに寝かせ行ってきますとキスを交わして笑顔で見送るフェンリルに手を振って部屋を出た。

外ではげっそりとした3人と何故かキラキラしてる1人が待機していた。

 

「さて行くぞ。あまり問題を起こすなよ?」

 

「「「起こす気にもならない。」」」

 

「畏まりました!さぁ出発です!」

 

目に見えてテンションが低い3人と逆にハイテンションの1人。

幸先が不安だと思いながらも、ゼロは4人と共にドワーフ領へと旅立った。

 

途中でギルと会った。

 

「行くのですね。道中お気をつけて。」

 

「あぁ、ちょっとフェンリルに問題が起きてな。悪いが面倒の方を頼む。」

 

「お任せを。良い結果を2人で楽しみにお待ちしております。」

 

ギルは笑顔を浮かべると一礼してギルは自室にいるフェンリルの元へと向かった。

 

これで憂いはない。

あとはドワーフ領へと旅立ち同盟を結ぶだけだ。

問題があるとすれば道中の魔物と、今現在どれほど窮地にドワーフが陥っているか。

そしてその窮地が、どれ程の二次災害を起こしているかだ。

ホロウの話だと食糧難だが、他にも何か問題があるようだ。

それが何かまでは分かっていないようだ。

 

 

 

(さて、簡単には行かなそうだ。)




ドワーフ編始まります!!
さて今度はどんな無双を見せるのかな?
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