俺の名前はオリヴァー・ディエゴ・ルート。
神聖サハギン帝国、帝国軍、近岸警備隊の班長.....まあただの一兵卒だ。
人員の潤沢な帝国軍では必ず、1班4名以上で行動する様に決められている。
もしも何か予想外の出来事が起きた場合、犠牲を出してでも確実にその情報を本隊に伝えるためだ。
あれはいつも通り哨戒を行なっていた時の事だった。
我らには相対した事はないが、本能的に憎悪する生物がいる。
それがニンゲン、冒険者と名乗る母を地下深くに封印した天上の神々のパシリである。
そんなニンゲンが、水面の近くに居た。
咄嗟に襲いかかろうとする身体を理性で抑え込み、哨戒班の半数を本部への報告に行かせた。
さて、行くか。
負けた。
完膚無きまでにボッコボコにされた。
援軍も到着し、あらゆる策を使って襲いかかったが、傷1つ与える事は出来なかった。
ニンゲンを守る2種の同胞の手によってな!
というかなんで此処よりもより深い......母に近い、より母の力を持つ同胞がニンゲンに服従しているんだ?
同胞ならわかるはずだ、この悔恨が。
同胞ならわかるはずだ、この憤怒が。
同胞ならわかるはずだ、この憎悪が!
そう伝えたところ、ニンゲンは外から侵入してくる冒険者とは別だと教えられた。
しかも自分達を一撃で殺しうる?
......申し訳っございませんでしたぁっ!
敵対どころか命を救われていたとは、気づきもしませんでした。
蜘蛛の女王がニンゲンに対しなにかを伝えると、ニンゲンの手に槍が現れた。
死んだ、と思った。
自分に向けられたわけでも、そもそも誰かに害意を向けているわけでもないのに、震えが止まらなかった。
幸運にもその槍は直ぐになくなったが、頭ではなく肉体と魂が理解した。
アレに逆らってはいけない。
アレの矛先がこちらに向いたとき、母は壊滅的な被害を受ける......いや、最悪殺される。
幸運にも誠実な対応をすれば応えてくれるし、神に従っている様子もない。
美味しい食べ物とそれを作るはたけ?なるものを残していってくれた。
うん、良い人だと思う。
彼は塩と砂糖を求めていると言っていた。
塩は彼が海水と呼ぶ我らの領域を蒸発させることで手に入るらしい。
試しにと少量作っていたのを食わせて貰ったが、思わず口を洗うほどに不味かった。
ニンゲンは不思議な物を求めるのだな......と思ったが、単体で食べたものではなく、料理に使う事でより美味しい物が作れるそうだ。
隊長!コレは1度王に直訴するだけの価値があると思われます!
砂糖は彼が耕したはたけから生えてきた草を潰して煮詰めたら出来た。
俺は甘いのはあまり好みではなかったが、メス達が塩よりもこっちを育てるべきと一致団結した。
いやいや、砂糖も作るが彼は塩をより強く求めていただろう!
それにあの美味なる料理を、より美味しくたべたいとは思わないのかっ!?
サハギンの1人の名前をアンダインにするかで5分くらい悩んだ。
アンダイン戦ようやく勝った。
アレは予想外だった。