デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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番外編第一号です。

この番外編は十香との校内および日常の生活を描きました。

おまけでプラスαもあります。

プラスαの方は今後のストーリーに大きく関わってきます!

※お気に入り及び、非常に高い評価をしていただき、感謝しております。執筆意欲は上がる一方です!
完結を目指して頑張りますので、これからもお読みいただければ幸いです!


番外編① 精霊少女がいる日常

ピーンポーン

 

家のチャイムが鳴り、士道はそれに合わせて階段を降り、玄関に行く。

―――士道は扉を開ける。

 

「………おはよう、十香」

 

士道を迎えにきたのは、十香だった。十香は笑顔で士道に挨拶をする。

 

「うむ!おはようだシドー!」

 

士道は十香が来禅高校に転入してからというもの、毎日一緒に登校をしている。士道はカバンの中からお弁当箱を一つ取り出す。

 

「………はい、今日の十香のお弁当だ。今日は琴里がハンバーグが食べたいって言うからハンバーグ弁当だ」

 

「おお!今日はハンバーグか!シドー、今すぐ食べても良いか?」

 

「弁当だって言ったろ?………ほら、行こうか」

 

「………シドー、手を繋いでもいいか?」

 

「―――ああ、もちろんだよ」

 

士道と十香は来禅高校へと足を進めた。二人は手を繋いで早くもバカップルモードをフルスロットルで飛ばしていた。

 

「十香が転入してからもう十日も経つのか………月日が流れるのって結構早いよな。―――十香、学校には慣れたか?」

 

士道の言葉に十香は答える。

 

「うむ!シドーがいてくれるから毎日が本当に楽しいぞ」

 

「………そう言ってもらえるなら、俺も嬉しいよ」

 

士道と十香が話をしていると、天気に異変が起こる。空から大粒の水が大量に降ってくる。

 

ザーッ………………

 

「おいおい、また雨かよ………最近の天気予報マジであてにならねえな」

 

士道がいきなり降ってきた雨にボヤく。士道と十香は近くバス停に避難をする。そして、士道はカバンの中から折り畳み傘を取り出す。

 

「―――傘は一つだけしかねえな………十香この傘を使えよ。俺はともかく、十香が風邪でもひいたら大変だ」

 

士道は十香に傘を手渡す。走って高校まで行こうと士道は思っていたが、十香が士道の服の袖を掴む。

 

「そ、それではシドーが風邪をひくではないか!何か良い方法は―――おお!シドー、アレをしようではないか!」

 

十香が指をさした方を士道が見ると、二人の女子が一つの傘の中に入る相合い傘をやっていた。

 

「………この傘だと十香も濡れてしまうぞ?―――いいのか?」

 

「うむ!嬉しい時も辛い時も半分こだ!淑女たるもの常に夫を支えよと令音に教わったぞ!」

 

(なんつーこと教えてんだよ、令音さん!)

 

士道はここにいない令音に向かって思いっきり愚痴った。士道と十香はお互いの肩を雨に鳴らしながらも仲良く相合い傘で登校した。

 

 

 

―――•••••••

 

 

 

士道と十香は二人揃って自分たちの教室―――二年四組に入ろうと、士道が教室の扉を開ようと、扉に手を触れる。

士道が扉を開けた時、その数歩先には一人の少女が立っていた。

 

「………おはよう、鳶一。こんなところに立っていたら危ないぞ?」

 

その少女とは折紙だ。折紙はまるで士道が来るまで待っていたかのように教室の入り口で待っていた。その時折紙が士道に頭を下げる。

 

「………ごめんなさい。謝って済む問題ではないけれど」

 

「―――は、はあ!?おい、どうしたんだよ鳶一?」

 

士道はいきなり折紙が謝罪をしてきて士道は反応に困っていた。その時―――士道はふと()()()のことを思い出した。士道は折紙に言う。

 

「―――気にするなよ、俺なら大丈夫だ」

 

「………でも、でも私は士道を―――」

 

折紙は自分が士道にしたことを許せないらしく、ずっと後悔してきたのだろう。折紙が全てを言う前に士道は手を出して折紙を制する。

 

「『でも』じゃねえよ。俺もこの通り大丈夫だ。だから、鳶一も気にするなよ。………鳶一みたいな可愛い子がそんな暗い顔をされる方が俺は嫌だぜ?―――笑ってくれよ、鳶一」

 

士道は折紙に笑顔を見せた。………この男、五河士道は本当にどうかしている。自分を射殺しようとした人間を前にしても恨むどころか普通の友達として接している。

―――この男はどこまで言っても優しい正義の味方なのだろう………変態だけど。

 

「………ありがとう、士道」

 

「よし、それでこそいつもの鳶一だ。この件はこれで―――っておい!?何やってるんですか鳶一さん!!」

 

折紙は士道に「ありがとう」と言った後すぐに士道に抱きつく。士道はまた素っ頓狂な声をあげる。

 

「―――お、おい貴様!!シドーに一体何をしている!!」

 

十香も折紙の行為を見てプンスカと怒っている。しかし、折紙は士道を見上げて一言だけ言った。

 

「………でも、浮気はダメ」

 

「………………what?」

 

士道は折紙の言葉に目が点になっていた。それは他のクラスメイトも士道と同様に目を点にしてこの状況を眺めていた。

―――そこに担任のタマちゃんが現れる。

 

「ぐっどもーにんぐみなさぁん!今日もいい朝ですねぇ、雨が降っていますけど―――って五河くん、鳶一さん!構内でそんな破廉恥な行為は禁止ですって何度言えばわかるんですか!私だってイケメンな彼氏とイチャこらしたいのに!!」

 

朝から士道はタマちゃんに怒られていた。そう、タマちゃんは現在フリーだ。自分も彼氏がいないのに自分よりも年下の高校生にイチャこらされるのは鼻にきたのだろう。

―――ところがタマちゃんはいきなり泣き始める。

 

「わ、私だって五河くんみたいなイケメンで筋肉質で他人想いで料理もできるような理想の彼氏が欲しいですよ!!どうせ私は彼氏もいないですしこの歳で『処女』ですよ!!うわぁぁぁぁん!!」

 

(………『処女』なんだ。―――可憐だ)

 

士道は心の中でボサッとツッコミ、士道を含めたクラスメイトの全員はタマちゃんを見て唖然となっていた。

 

『………リアス•グレモリーの「戦車(ルーク)」ロスヴァイセを思い出すなぁ相棒。でも、良かったじゃないか。存外あの女は相棒に脈ありのようだぞ?』

 

士道はドライグの声に「そうなんだ………」と顔をヒクつかせていた。その時、背後から士道に声をかける者がいた。

 

「五河、アンタ結構プレイボーイね。―――童貞のくせに♪」

 

―――この女は桐生藍華だ。なんと、来禅高校にしかも士道と同じクラスにあの変態エロメガネ女がいたのだ。

 

「うるせえええええ!!余計なお世話だ!とっとと消やがれ、桐生藍華!!」

 

………士道にとって『童貞』というワードは禁句だ。

 

「そんなにカッカしないの。アンタ、そんなんじゃいつまでたっても童貞のままよ。―――まあ、アンタのことだから近いうちにアンタの近くにいる二人のうちのどちらかに奪われそうだけどね♪」

 

桐生は士道を見て笑みを浮かべてからかっていた。その時折紙がボサッと呟く。

 

「………士道の『童貞』は私が貰う」

 

「―――貴様にだけは絶対に渡さぬぞ鳶一折紙ッ!!シドーは私のものだ!!」

 

十香は士道に抱きつく折紙を強引に引き離した。二人とも士道に対しての好意を表すメーターがあるとすれば、マックスの針が振り切れているだろう。

 

『―――どうして五河ばかりがこんなにモテるんだよ!?ちくしょうめえぇぇぇぇ!!』

 

クラスメイト達は士道がモテる様子を見て思っきり毒を吐いていた。士道を求めるヒロイン達の争奪戦はすでに熾烈を極めることは明白だった。

 

 

 

 

 

―――•••••••

 

 

 

 

「―――今は昔、竹取の翁というものありけり………」

 

タマちゃんがホームルームでひと騒動あったあと、俺たちは古典の授業を受けている。

古典の授業は前年度の復習も兼ねての「竹取物語」から授業は始まった。

 

「………シドー、ここの『けり』とはどういう意味なのだ?」

 

十香が隣の机越しに士道に訊く。ちなみに古典の授業の時は士道と十香は机を引っ付けて授業を受けている。十香は『海外の高校にいたため、古典の授業を全く受けていない』というようになっているため、最初の数回の授業は士道と机を繋げて授業をさせるようにと令音の指示だ。

士道は十香に詳しく教える。

 

「―――『けり』とは『〜だそうだ』という過去の意味の『〜だったなあ』という詠嘆の意味の二つがある。

ここでの『けり』は過去の方の『〜だそうだ』の意味で使われているんだ」

 

「そうなのか!では、この次の―――」

 

こんな感じで十香は士道に色々教えられながら授業を送っている。

 

「………………………」

 

(鳶一がめちゃくちゃ怖い目で俺のことを睨んでやがる!!)

 

士道の左側から無言のプレッシャーを士道に与える少女がいる。このように古典の授業では、折紙が士道をただひたすらに睨みつける授業と化しているのだ。

 

(………はあ。鳶一には睨まれるし、十香を無視するなんて真似は出来ねえし、今年の俺はかなり大変だよ)

 

こんな感じで、古典の授業が終了し、さらに二つの授業が終了し、四限目の士道の唯一のお楽しみである体育の授業へとなった。

 

「ぐへへへへへへへへ………」

 

この時、士道はいやらしい笑みを浮かべていた。―――今日の体育の授業は士道にとっては最高の授業となる。

 

 

 

 

―――•••••

 

 

 

 

そして時はお昼前の最後の体育の授業となる。

士道は男子更衣室で体操服に着替えている。雨が降った時の体育の授業は女子と同じ体育館でのマット運動と、男子たちはなっている。

十香たち―――女子はバレーボールだ。

 

「今日の体育は『マット運動』かよ。ちぇ〜、つまんねぇなぁ。おまけに女子と同じ体育館かよ。クソだぜ!憎しッ、雨!」

 

士道と同じクラスの男子生徒がボサッと呟く。他のメンバーも「そうだそうだ!」と文句を言っている。

 

だが、士道は違った。

 

「むふふふふふふふふ!笑いが止まらねぇぜ!」

 

ただ一人士道だけはずっといやらしい笑みを浮かべていた。そこに士道の親友の殿町宏人が現れる。

 

「む?どうした、我が親友『おっぱい星人』こと五河。お前は他の連中と違って随分楽しそうにしてるじゃないか」

 

「だれが『おっぱい星人』だコラァ!!•••••まあ、それは置いておいてだ。あいつらはただのバカだ。あいつらは女子が着る『体操服』の良さが分かったねぇ。今日の体育の授業はいい目の保養になりそうだぜ!」

 

士道の言葉に殿町もいやらしい笑みを浮かべ始める。

 

「おおっ、その通りだぜ我が親友!これで俺のスカウターもかなり磨きがかかる、ゼッ!」

 

この二人は本当に似た者同士である。士道と殿町はすぐに体操服に着替え、体育館へと向かった。

 

 

 

 

 

「よし、出席を取る。青山、浅野――――」

 

体育の担当教員の向井太陽がクラスの出席を取り始めた。

その時既に女子達はウォーミングアップとしてランニングを始めており、士道は走る女子達を見ていた。

 

(うおおおおおおお!!揺れる!揺れてるよおおおおお!!いやぁ、女子が走るとおっぱいの揺れがいい具合に見える。これこそが体操着の良さ。―――十香ぱねぇぇぇぇぇぇぇ!!!)

 

士道は十香のおっぱいに視線を釘付けにされていた。十香も士道の視線に気がついたのか、士道に手を振る。

 

「―――か………おい五河!!」

 

「は、はい!!」

 

担当教員の向井に士道は名前を呼ばれて士道は返事をする。向井は士道にポケットティッシュを投げる。

 

「―――鼻血が出てるぞ五河………高校生二年生のクソガキが女子の胸をやらしい目で見てんじゃねえよ」

 

「あ、すみません………」

 

士道は貰ったティッシュを鼻に突っ込む。出席確認が終わると、士道達もウォーミングアップのランニングを行い、マット運動を始める―――と思われたが、士道と殿町の二人だけは体育館の舞台の上で女子がしているバレーボールをただひたすらに眺めていた。

 

「―――お前らよく見てられるな………」

 

数名の男子生徒が士道と殿町がいる舞台の上へと集まる。女子を眺めているの言葉を聞いて殿町が言う。

 

「我が来禅高校の女子の『美しさ』のレベルは全都道府県の高校の平均レベルよりも上だ。その中で女子たちが体のラインが綺麗にわかる『体操着』を着るんだ。張り切らないわけがないだろう!」

 

殿町の次に士道が語り始める。

 

「順番を待たなければならないマット運動だから見てられるんだよ。―――集中して見てみろ、いい揺れ具合だぜ?」

 

士道の言葉にその何名かが女子のバレーボールの練習を見つめる。今やっているのは、スパイクの練習だ。

 

「―――お前ら、集中するのはジャンプをした時だ。目を凝らしてよく見るんだ!絶対に見逃すなよ。飛び上がった瞬間に『ぶるんぶるん』と大きく揺れ、そのあとすぐに『たぷん』とおっぱいが弾むんだ!」

 

『―――おおっ!!スゲー!!』

 

士道の言葉に完全にマット運動を忘れて女子のバレーボールの練習を見つめるようになる人が徐々に増え始める。

さらに士道は続ける。

 

「………お前らがもっと楽しめる方法を教えてやる―――物理担当の村雨先生がやっているところを想像してみろ!あの張り裂けそうな大きなおっぱいが揺れるところをッ!!そして弾むところをッ!!そして素晴らしいお尻、そしてスパイクを打った後の服チラによって見える透き通った白い肌!!それだけで五発は十分いけるッ!!」

 

男子たちは令音の体操着姿を思い出し、今やっている練習を令音がやっている姿を想像して―――全員が鼻血を盛大に吐き出す!

 

『―――体操着さいこおおおおおおおお!!!』

 

男子たちは揃って口にしていた。

士道と殿町の言葉が男子たち全員を女子のバレーボールの練習をひたすら眺めさせる発言となり、男子たちは前かがみで視線を釘付けにしていた。

 

「―――お前らは中年のおっさんか!!」

 

向井が男子達に突っ込むが誰一人として女子たちから目を離すものはいなかった。

 

『うおおおおおおおおおおおおんんんっっ!!』

 

士道の変態さにドライグは泣いた。

 

 

 

――◆――

 

 

 

―――その頃の『フラクシナス』番外編

 

 

 

 

 

「村雨解析官の体操着姿………」

 

「―――いいですねぇ、実にいいですねぇ」

 

「士道くんもなかなか素晴らしい着眼点だ。彼には本当に頭が下がる」

 

川越、幹本、中津川の三人は士道のいう通りに体育の授業風景を眺めていた。

 

「………キモい」

 

「はぁ………」

 

椎崎と箕輪の二人は心底三人の様子を見て呆れていた。

 

「………私はマット運動の方がいいですねぇ。司令が一生懸命に前転や後転をするところが見てみたい―――いや、むしろ司令が前転や後転をされるマットになりたい!!そうすれば司令の柔らかなお身体を堪能し放題!―――ああ!なんて素晴らしい響きなんだ!!司令、お慈悲を、お慈悲をおおおおおおおおおお!!!」

 

琴里は中学校、令音は物理の授業があるため現在はいない。神無月は自身の妄想を大爆発させていた。

 

「「うるさい!!」」

 

椎崎と箕輪が神無月に藁人形とビリヤードの玉をそれぞれが投げつける。―――神無月の頭に見事にクリーンヒットし、神無月が怒る。

 

「アギャ!?―――何しやがるんだこのババアども!!」」

 

「「あ゛あ゛!?」」

 

その後神無月がどうなったかは―――いうまでもないだろう。

 

 

 

 

―――その頃の『フラクシナス』番外編 終了

 

 

 

 

そんなこんなで体育の授業は終わり、昼休みとなった。士道は廊下でボサッと呟く。

 

「ふぃ〜、マジでいい目の保養になったぜ!今日の夜のおかず決定だな。十発はいけるぜ!」

 

『ううっ………これもまた宿命か。相棒を制御してきた塔城小猫がいなければ自由奔放だ。ああ、あの小娘がいてくれたらなぁ』

 

ドライグはまだダメージから立ち直れていなかった。

士道はクラスに戻り、弁当を食べようとカバンの中から弁当箱を取り出す。

その時、十香の机に自分の机をひっつけた。

 

「おおっ!シドー、今日のお弁当は楽しみだったが、それ以上だ!」

 

十香は士道が作ったお弁当の中身を見て非常に満足そうにしていた。

 

「―――期待に添えることができて俺は満足だよ。さあ、食べようぜ」

 

士道と十香は手を合わせて、食事の前の礼儀を同時にする。

 

「「いただきます!!」」

 

士道と十香がお弁当を食べ始めた時だった。

 

「―――これはどういうこと?」

 

先程までいなかった折紙が士道の左隣に机をくっつけており、二人のお弁当の中身を見て物申す。

 

「………そんな目をしても私の弁当はやらないぞ」

 

十香は目を細めて折紙に言うが、折紙は士道の顔を見つめて詳しく訊く。

 

「―――どうして士道と夜十神十香のお弁当の中身が同じなの?」

 

「あ、いや………その………」

 

士道は折紙の言葉にどう返答しようか迷っていた。その時十香が爆弾を投下する。

 

「………そんなことは訊くまだもなかろう!―――それは私とシドーがただならぬ仲だからだ!」

 

「―――おい!?それは今言っていいセリフじゃねえ!!」

 

ギンッ!!

 

折紙はさらに鋭い視線を士道に送る。士道はあたふたと慌てふためいていた。

 

「………分かった。要は私が士道を寝取れば良い―――士道、今日は私の家に泊まって」

 

「―――バカかぁ!?」

 

「―――泊まるべき」

 

「そ、それは………」

 

「―――泊まるべき」

 

「だからダメだって………」

 

「―――私の恋人なら泊まるべき」

 

何を言っても士道を自分の家に泊まらせようとする折紙。しかも、折紙は「―――泊まるべき」と言いながら士道との距離を詰めていく。

しかし、そこに十香がまた爆弾を落とす。

 

「―――なっ!シドー、鳶一折紙と恋人だったのか!?私とは遊びだったのか!?」

 

「―――違えよ!!恋人とかそんなんじゃ………」

 

十香は士道の胸ぐらを掴みながら涙目になって訊く。そこに折紙が鼻をつまんで士道の真似をする。

 

『………十香、キミとは遊びだったんだ。俺の恋人は折紙だ』

 

「―――そ、そんな!?シドー、私は『初めて』だったのだぞ!?シドーになら捧げても良いと思った。それを………それをッ!!」

 

十香はさらに士道の胸ぐらを握る強さを強める。しかし、士道は目を細めて十香にいう。

 

「………いやいや、騙されるなよ十香」

 

「―――ハッ!?おのれ、私を謀ったな鳶一折紙ッ!!」

 

折紙は十香の言葉に「………なんのこと?」と返していた。そこに桐生が現れ、士道を弄る。

 

「………ふむふむなるほどなるほど。五河、アンタもしかして十香ちゃんと―――」

 

「お前は今すぐ消えろ桐生藍華ッ!!」

 

その後士道は何とか騒ぎを収束させたが、クラスの男子からは白い目で見られていた。

 

そして、今日はお昼までの授業だったので、士道と十香は下校の準備をした。

 

 

 

 

――◆――

 

 

 

 

「………はあ」

 

五河士道は疲れていながらも、家を目指して歩いていた。理由は、あの昼食が原因だ。十香と折紙に色々と詰められたからそれの対応に必要以上の体力を使ってしまったのだ。

 

「シドー、大丈夫か?」

 

十香は心配そうに士道を見ていた。―――原因はアンタと折紙だが、心配をするあたりは十香らしいだろう。

 

「………いや、体は疲れてないさ。ちょっと精神的にな」

 

十香のこの後の予定は士道の家に行くことだ。士道の家で少し勉強をした後、二人はまたデートをする予定だ。

だが―――二人の歩みを止めようと十香を目掛けてバスケットボールほどの闘気弾を放つ者がいた。

 

「―――十香、伏せろッ!!」

 

ドガンッ!

 

士道の言葉に十香はビックリしてしゃがみこむ。士道は『赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)』を出し、ドラゴンショットを放つことで闘気弾を破壊した。

 

「―――お前、十香を狙ったな?」

 

士道は後ろから闘気弾を放ったであろう人物に凄まじい殺気を出して言った。その人物は身長が二メートルを超えており、ボディビルダーを思わせるような見事な筋肉質の肉体をしているほどの巨漢だった。

その男は目視ができるほどの凄まじく、研ぎ澄まされた闘気で自身の体を覆っていた。

この男の闘気はソロモンがその身に纏う魔力と同格のものだった。

 

(………これほどの力を持った奴なら攻撃する前にオーラを感知することが出来たはずだ。―――なぜ攻撃されるまでこの男の気配に気付くことができなかったんだ!?)

 

士道が疑問に思っていた時、巨漢の男が士道を見て声を出す。

 

「―――あ〜んもうやだ!カッコ良すぎるわ〜!女の子をこんなにもカッコよく庇うなんて最高だわ〜」

 

「―――オカマかよ!?」

 

………そう、この男は立派なオカマだった。筋肉モリモリマッチョマンのオカマだったのだ。

その巨漢のオカマの後ろから士道がよく知る人物が姿を現す。

 

「こんにちは士道くん、この前以来だね。………そっちの()()ちゃんは初めましてだね」

 

………よく知る人物はソロモンだ。ソロモンが簡単な挨拶を済ませた後、十香がソロモンに言う。

 

「―――精霊ちゃんではない。………私には『十香』と言う名前がある」

 

「じゃあ、初めまして十香ちゃん。残念ながら僕が用があるのは士道くんだ。―――キミは家で士道くんの帰りを待っていてくれ」

 

ソロモンは指を動かすと、十香の姿は消える。士道はソロモンに声を荒げて訊く。

 

「十香をどこへやった!?」

 

「―――キミの家だよ。彼女はこの場にはいない方が良いと僕は思ったからね。悪いけどキミの帰りを待ってもらうことにしたよ」

 

ソロモンは十香を士道の家へと飛ばしたらしい。ソロモンは話を続ける。

 

「―――さて、ここから本題に入ろう。………士道くん、明日からこの巨漢―――『ヘラクレス』を相手に修行をしてもらうよ」

 

「―――はあ!?一体なんで!?」

 

「キミにの神器『赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)』を至らせるためさ。彼を相手に修行をすることが一番の近道だ。キミは前世で魔龍聖(ブレイズ•ミーティア•ドラゴン)タンニーンとの修行で体力を高めることで至るための足掛かりを作ったはずだよね?―――タンニーンよりも強い『ヘラクレス』と修行を続ければ自然とキミは至れるはずさ」

 

ちなみにこの『ヘラクレス』がタンニーンとは比べものにならないほどの強者だということは士道は見た瞬間に感じ取れていた。ドライグも士道に言う。

 

『………確かにタンニーンでもあの巨漢には負けるだろうな。あのソロモンという男とあの巨漢の実力はほぼ同じだ。………やれやれ、この世界には全盛期の俺に匹敵する人間が二人もいるとはな………どうやら俺たちはとんでもない世界に来てしまったみたいだな、相棒』

 

………本当にドライグの言う通りだろう。ただ、士道も強くならなければならないと考えていた。十香を守るには力が足りないことを誰よりも自覚していたからだ。

 

「………分かりました。明日からよろしくお願いします」

 

「うん、良い返事だ。では、明日の夜―――九時から十一時に修行をしようか。集合場所は来禅公園だ」

 

ソロモンはそれだけを言うと、巨漢―――ヘラクレスと共に何処かへと消えた。

 

「………死なない程度に頑張るか」

 

士道の目には少しの迷いも無かった。強くなるために士道はソロモンな修行を受けることを決めた。




次回から二章『四糸乃パペット』に入っていきます。

これからもお読みいただければ幸いです!
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