デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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ソロモンとヘラクレスはこの話での登場です。
前話では文字数の関係上二人を登場させる余裕はありませんでしたが、この話では登場します!

大変お待たせしました!遅くなってしまい大変申し訳ございませんでした!

※1そろそろストーリーを進めないとこの章だけで12話くらいになりそうなのでこの話である程度進める予定です。

※2 誤字を修正しました。


六話 第二の精霊です!

〜〜次元の守護者 side〜〜

 

 

あの高台にいたのは士道と十香の二人だけではなかった。―――次元最強の魔術師ソロモン、そして巨漢ヘラクレスの二人が士道と十香を見守っていた。

 

「ねぇソロモン、どうして出て行かなかったの?」

 

自らの体から闘気を消し、透明状態になったヘラクレスがソロモンに問う。ヘラクレスとソロモンは高台の階段の上から二人の様子を伺っていた。

 

「………僕が一番言いたかったことは十香ちゃんが言ってくれたからね。お邪魔虫の出番はないと判断したんだよ。―――まあ、十香ちゃんが言いそびれたことは僕が手紙で士道くんに伝えるよ」

 

「ソロモン、士道ちゃんは大丈夫かな?」

 

ヘラクレスはソロモンとは違い、士道のことをかなり心配に思っていた。士道は特別な人間だ。

“他人のためならどのような無茶でもやってのける”

 

自分を犠牲にすることを全く気にしない男だからヘラクレスは士道の体と心の両方を心配していたのだ。

 

「十香ちゃんの言葉で士道くんもこれまでみたいな無茶をするようなことはもうしないようになっていくだろう。―――けど、士道くんが力不足を嘆くことはやめないのも確かだ。………そのあたりも含めて手紙に書いて士道くんに送るよ」

 

「………士道ちゃんは理解していないのかも知れないね―――自分のその体がどれだけ多くの命を背負っているかを………」

 

ヘラクレスの言ったことを士道は理解していないだろう。精霊を救うことによってどれだけ多くの命を守ることになるという事を………

 

「―――それにしても、若いっていいよねぇ………」

 

ソロモンは星が輝く夜空を見上げて呟いた。

 

 

 

〜〜次元の守護者 side out〜〜

 

 

 

昨日しっかりと休んだおかげで士道の体は日常生活なら問題なくこなせるようになるまで回復をした。今日も十香と一緒に元気に来禅高校へと登校する。

 

「十香ちゃんおはよう」

 

「十香ちゃん、おはよう」

 

「おっは〜十香ちゃん」

 

みんな士道を無視して十香に挨拶をしている。十香は女子のみならず男子からも人気がある。

―――十香は知らないことが多いため、十香を見ていると何かしら助けてあげたいと思わせるからだ。

 

「………俺もいるんだけどな」

 

士道は十香の近くに集まる連中にボソリと呟いた。………しかし、士道に声をかけるものは誰もいなかった――― と思われたが、士道にものすごいスピードで迫ってくる者がいた。

 

『―――どわっ!?』

 

『きゃあああああああああ!!』

 

ゴオオオオオオオオオッッ!!

 

士道と十香の周りを囲んでいたクラスメイトたちを吹き荒れる暴風を纏うように走ることで吹き飛ばして、士道の前に来た短髪の少女がいた。

………某サッカーアニメの必殺技『ダッシュストーム』を想わせる走りだった。

 

「………士道、無事でよかった」

 

―――クラスメイトを暴風が如く吹き飛ばした少女とは折紙だ。折紙は士道のことが心配で気が気でなかったようだ。

 

「ゴメンな鳶一、心配をかけた。もう大丈夫だから」

 

「………恋人を心配させた罪は重い。士道、頭を撫でて」

 

「はいはい………」

 

ナデナデと折紙の頭を撫でる士道。その様子を見て凄まじい力を放出する者がいた。―――精神状態はななめの領域に入りかけていた魔王さまだ。

 

「―――おい貴様、私の夫になんということをさせている?」

 

「………いつからあなたのシドー(笑)になったの?私から士道を奪おうとする泥棒猫は引っ込んでおいて」

 

「あ゛あ゛!?」

 

険悪ムードを士道が強引に二人の間に割って入って止める。二人の額に士道は手のひらを置いて強引に距離を取らせた。

 

「―――はいはい、終わり終わり。ほら、授業受けるぞ十香、鳶一。その辺にしておけ」

 

十香と折紙はまだ目から火花を飛び散らせていたが、士道がうまく仲裁した。その様子を見て桐生藍華が言う。

 

「これがモテる男の見本よ。アンタたちも五河を見習いなさい、彼女が欲しいなら五河の真似をすれば良いのよ―――五河士道マニュアルその① まずは犯すべし」

 

『―――まずは犯すべし!!』

 

桐生藍華の声に合わせて復唱する男子たち。それを見た士道は桐生藍華をもちろんのことだが、大声で怒鳴る。

 

「お、おい!!お前は俺にどんなイメージ持ってんだ!?俺は初対面の女性を襲ったりなんかしねえよ!!」

 

「………はぁ。よく言うわよ、十香ちゃんにいきなり『服を脱げ』なんて大胆な発言をしてるくせに♪―――五河士道マニュアルその② 鬼畜こそ正義!」

 

『―――鬼畜こそ正義!!』

 

クラスメイトからの士道のイメージは鬼畜のケダモノ野郎というなんとも不名誉な姿だそうだ。士道がついに壊れた。

 

「―――いいから黙ってろてめぇらああああああああああ!!!」

 

復帰早々、桐生藍華にいいように弄られ、オモチャにされた五河士道くんなのであった。

 

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

キーンコーンカーンコーン!

 

「今日の授業はここまでです。みなさん、復習だけでなく予習もしっかりとするように!」

 

『はい!』

 

チャイムの音が鳴り、先生が授業を終える。時刻はお昼休み―――お食事タイムになり、十香が満面の笑みで士道に声をかける。

 

「―――シドー!昼餉だ!」

 

「………………………」

 

ガコンッ!

 

十香が大きな音を立てて士道の机と自分の机をドッキングする。―――また、それは折紙も同じだ。士道の右が十香で左が折紙だ。

 

「ぬ?なんだ貴様!シドーから離れんか!」

 

「………それはこちらのセリフ」

 

朝同様に火花を散らす十香と折紙。その間で小さくなっている士道だったが、両手を広げて士道がうまくコントロールする。

 

「三人で食べればいいだろ?」

 

朝同様になんとか拳での語り合いになる前に仲裁できた士道だったが、ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべて士道と十香のところに来る少女がいた。

 

「ねぇ五河、アタシも―――」

 

「お前はお呼びじゃないんだが、桐生藍華」

 

士道は桐生藍華にシッシッと手を払うが、桐生は自分の机を士道の前の席にくっつけて弁当箱を出す。

 

「釣れないわねぇ。いいでしょ、アンタの十香ちゃんを横取りしようってわけじゃないんだからさ。―――あ、もしかして自分以外の人と十香ちゃんが仲良くしてるところを見て妬いちゃってるわけ♪」

 

「―――妬いてねえよ!!友達と仲良くしてるだけで嫉妬するほど俺は女々しい野郎じゃねえ!!」

 

桐生は笑みを浮かべながら士道の鼻の先をツンッとつつく。士道はむすっと少し不機嫌になりながらも桐生藍華の相手をしていた。

 

「「「「いただきます」」」」

 

士道、十香、折紙、桐生藍華の四人がお弁当箱を開ける。その時、事件が起こった。それは――――

 

「じーーーーーーっ」

 

「―――うっ!?」

 

折紙に目を細め、『じーっ』と見つめるだけではなく、声まで出し、強い眼力で見つめられて士道は心臓を鷲掴みにされたような声を出す。

折紙が面白くなかったこと――――それはお弁当箱の中身だった。桐生藍華と折紙のお弁当の中身はもちろん異なるものだったのだが、士道と十香の二人は―――奇妙なことに全く同じだったのだ

 

「………今日も同じ」

 

「た、たまたまさ―――ほ、ほら、ことわざであるじゃん『二度あることは三度ある』って!」

 

嫌な汗を大量に流しながらなんとか秘密を守ろうとする士道。―――“十香と同居している”と明かしてしまうとどうなるか分からないからだ。

 

「愛妻弁当だなんて羨ましいわねぇ五河!アンタ、毎朝十香ちゃんにお弁当作ってもらってるわけぇ♪このバカップルぅ〜♪」

 

「―――お前はとりあえず黙れ」

 

取り敢えず桐生藍華だけは喋らせないように仕向ける士道。………士道はこの桐生藍華のことが苦手だ。

しかし、桐生藍華の言葉を折紙は自分の椅子を士道の椅子に近づけ顔が触れ合いそうな距離にまで縮めて否定する。

 

「………それは無い。夜十神十香はまともな料理は出来ない。おそらく、このお弁当は士道が作っている筈―――うん、士道の味がする」

 

「―――お、おい!人の弁当を勝手に食べるな!」

 

士道の弁当をつまみ食いをする折紙。折紙は士道のことならなんでも知っているようだ。

 

「むむむ!私を出し抜いてシドーに触れるな鳶一折紙!」

 

「邪魔をしないで、私と士道が愛を育んでいるの」

 

士道は全く仲が良くならない十香と折紙の間でため息をついていた。昼食が食べ終わったその時―――事件が起きた。

 

ウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥッ………………

 

空間震警報が町内に鳴り響いた。

 

 

 

 

 

――◆――

 

 

 

 

空間震警報が鳴り響き、クラスメイトたちは地下のシェルターを目指すために整列をしていた。

すでに折紙はASTとして出動するため別行動をしていた。十香は一人わけがわからず背伸びをして状況を確認しようとしていた。

ふと、士道の後ろに白衣の眼鏡の教師―――令音が声をかける。

 

「………シン、キミはこっちだ」

 

士道は令音の言葉に何も言わずに首を縦に振る。―――『フラクシナス』へと行くためだ。令音と士道の二人だけ別行動を取ろうとしている姿を見て十香が二人の足止めをする。

 

「シドー、一体どこへ行くのだ?」

 

「ちょっくら仕事を片付けに行って来る―――十香、地下のシェルターでみんなと仲良くしてろよ?………俺もすぐに片付けてそっちへ行くから!」

 

「あ!こ、こら!またんか、シドーッ!」

 

十香は士道と令音の二人が自分が進む方向とは別の方向に向かったことを見て心配そうな声を出すが、士道にも令音にも十香の声は届かなかった。

 

 

 

 

―――◇―――

 

 

 

 

 

「―――琴里、状況を教えてくれ」

 

士道と令音が『フラクシナス』へと着くと琴里が観測室の司令官の椅子から立ち上がり、モニターを見ていた。

士道は琴里を見上げ、状況の説明を要求した。

 

「………空間震が発生し、精霊が出現したのよ。―――とは言っても今回のは小規模。十香の時に比べればかなり小さいわ」

 

空間震が発生したらしく、道路が途中で崩壊し、その崩壊した地点には半球状の大穴が開いていた。その穴の場所を琴里は拡大して指を指す。

 

「………士道アレを見なさい。アレが空間震を発生させた精霊―――『ハーミット』よ」

 

今回の精霊は『ハーミット』と呼ばれる比較的に大人しい精霊のようだ。………空間震を発生させた精霊を見て士道は目を見開き、喉を震わせながら声を出す。

―――その精霊を士道には見覚えがあったのだ。

 

「―――ッ!あの子は!」

 

うさぎの耳のような着ぐるみを被った海のような青い髪を持つ小柄な少女。コミカルな意匠にドライグが大嫌いな可愛いとは言えないブサイクなパペット。

あの少女は―――三日前に士道が学校帰りに会った少女だった。

 

「―――士道、あなたあの精霊を知ってるの?」

 

「ああ!三日前に神社で雨宿りをしていた時に会ったんだ。―――間違いない、あの時の子だ」

 

士道が言った日時を調べると、特に主だった数値の乱れは無いらしく、デートをした時の十香の場合と同じケースらしい。

士道がどうしたことかと考えていた時、画面が突如煙に覆われる。煙に覆われたことでシドーがパニックになって艦内を走り回る!

 

「―――な、なんだ!?爆発か!?テロか!?おい琴里、早くなんとかしろ!百十番、百十九番!いや、一七七番ッ!!」

 

「お、落ち着きなさいシドー!ASTよ!」

 

走り回る士道に琴里がどこから取り出したか分からないがテニスボールを投げつけて士道に落ち着きを取り戻させる。士道は大きく息を吐き、深呼吸をして落ち着きを取り戻す。

 

「―――なんだASTか………」

 

しかし、落ち着いたのもつかの間、陸上の対精霊部隊―――通称ASTが『ハーミット』を目掛けて攻撃を開始する。

マシンガンやライフルで『ハーミット』を目掛けて攻撃をするが、大人しいとは言えども相手は精霊だ。『ハーミット』は地面から飛び上がり、空中へと移動し、攻撃を躱すように逃げ回っていた。

―――そう、『ハーミット』はただ逃げ回っているだけで反撃を全くしなかったのだ。

 

「………なんで―――なんで反撃をしようとしないんだ?」

 

士道は『ハーミット』が反撃をしないことに違和感を覚えていた。―――しかし、ASTの連中は御構い無しで追撃を行う。………•まるで強者が弱者を蹂躙するかのように。

その様子を見た士道は拳を握りしめ、奥歯をギリギリと鳴らしていた。

 

「あいつら………ッ!あんな小さい子に―――ただ逃げ回っているだけの優しい子にッ………無慈悲にもほどがあるだろうがッ!!」

 

琴里は士道の言葉を聞いて呆れたように首を横に振る。

 

「正義の味方のASTには姿なんて関係ないわ。―――それが精霊であれば殲滅するのがASTの存在理由よ」

 

「―――ふざけんなッ!そんなもんただの人殺しと変わらねえじゃねえか!」

 

ドオオオオオオオオオオッッ!!

 

士道が拳を握りしめ、状況を見ていた時、対精霊用のライフルが『ハーミット』に直撃し、ハーミットは吹き飛び、建物に激突し、壁を突き破って建物内に入り込んだ。―――それを見た士道は迷うことなく琴里を見上げて覚悟を語る。

 

「―――琴里、今すぐ俺をあの子の元へと飛ばしてくれ!俺があの子を守るッ!」

 

士道の言葉に琴里は口の端を釣り上げ、笑みを浮かべる。

 

「よく言ったわ、それでこそ私のおにーちゃんよ!―――総員、第一級攻略準備!」

 

『イエッサーッ!』

 

クルーたちは一斉にコンソールを操作し始める。士道は既に転移装置へと移動していた。

 

『相棒、準備はいいか?』

 

ドライグが士道に訊く。士道は拳を握り前を見つめていた。

 

「ああ!―――これは、救うための戦いだッ!」

 

 

 

 

―――◆―――

 

 

 

 

「………ここで間違いなさそうだな。―――近くに強い力を感じる」

 

士道が転移した場所は―――天宮市のとあるデパートだ。店員たちも避難しているため、電気が付いてなく、真っ暗な空間に士道はいた。

―――ふと見上げると、不気味な何かが視界に入り、士道は思わず身構える。

それはマネキンだったが、白い髪で子供のいたずらか分からないが目が赤色になられていて鼻が異様に長いオバケのようなマネキンだった。

 

「―――マネキンか………。ったく、もっと可愛いやつにしろよな。こんなブサイクなマネキン作ったやつの顔が見たいぜ」

 

士道がボヤいていたその時、強い力の正体が士道の背後で囁いた。

 

『………キミも「よしのん」をいじめに来たのかい?』

 

「―――うわッ!?」

 

いきなり背後を取られ、士道はすぐに振り返りる。そこには重力に逆らい、壁に足をつけ逆さの向きで立っていた精霊―――『ハーミット』が現れたからだ。

―――『ハーミット』は体制を元に戻し、手に持つパペットをパクパクとさせ、声を出させる。

 

『うわおッ!誰かと思えばラッキースケベのお兄さんじゃない―――奇遇だね、こんな所で』

 

どうやらは『ハーミット』は士道のことを覚えていたらしい。士道が挨拶をしようとした時、琴里が『待ちなさい』と待ったをかける。―――例の選択肢を選ばなければならないというスーパー茶番タイム到来と言うわけだ。

 

①「ラッキースケベ?笑わせるな!俺の名は五河士道、全てのエロを極めた生きる伝説(レジェンド)だ!」―――と堂々と胸を張る。

 

②「覚えていてくれたのか、光栄だ。―――取り敢えずパンツ見せて!」感嘆していると思わせた後に土下座をする

 

③「ハッ、知らないね!私は通りすがりの風来坊さ」―――ハードボイルドに決める。

 

選択肢を聞いたドライグは呆れていた。………それもそうだろう、まともと言える選択肢が何一つないからだ。

 

『―――あの無能AI、日に日にポンコツ度が増してないか?………一度修理に出した方が良さそうだ』

 

ちなみにフラクシナスでは、『川越、幹本、中津川』が①を選び、『神無月』が②を選び、『令音、椎崎、箕輪』の三人が③を選んだ。

 

(―――神無月さんの言う通り、あの子のパンツは是非とも見たい!幼女のパンツは国宝にも劣らぬ至宝として知られている!だが、それをすれば今度こそ嫌われてしまうッ!!何かパンツを見れるいい方法は無いのかッ!?)

 

士道は真剣な表情で馬鹿げたことを考えていた。その様子を見てドライグは呆れる。

 

『―――シドー、③よ』

 

琴里は③を選んだが、勿論のことだが士道の相棒は真っ向から否定する。

 

『―――あれは無視して構わない。もちろん、パンツも無しだ。この前は怖がられたからな………何とか、あのパペットだけにでも怖がられないようにするべきだ』

 

士道はこの姿になる前にやっていた()()()()()()を思い出し、自分がそのヒーローだと言うことを語ることにした。

 

士道が口にするその、ヒーローの名前とは―――

 

 

 

「―――俺は世界の平和とおっぱいを守るために戦う正義のヒーロー!『乳龍帝おっぱいドラゴン』だぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

 

チュドオオオオオンッ!

 

士道は拳を握りしめ、決めポーズを取った後に、ミニドラゴンショットを放つことで小さな爆発を起こす。

―――だが………

 

 

ひゅぅぅぅぅぅ………………

 

 

士道の言葉に『ハーミット』は黙りこみ、『フラクシナス』からの通信も途絶えた後に、枯れ葉と砂塵が通り過ぎた―――かのように思われたが、『ハーミット』の持つパペットが手を叩きながらパクパクと口を動かしていた。

 

『………………うひゃひゃひゃひゃひゃ!!お兄さんユニークだね!「乳龍帝おっぱいドラゴン」ってどんなドラゴンなの!お兄さん「よしのん」が見て来た人間の中で一番面白いよ!』

 

―――なんとか好印象を持たせることができたみたいだ。しかし、黒歴史を掘り出されたドライグは………

 

『お、俺のことではないし!お、俺は「赤龍帝」だし!「乳龍帝」は兵藤一誠の二つ名だ!………断じて俺のことでは無い!そうだ!俺のことでは無い!』

 

泣きはしなかったが、現実逃避をしまくりなドライグなのであった。ちなみに琴里からは『命令違反だけど好感度は上がった』と報告が入った。―――まずは第一関門突破といったところだろう。

 

「―――気に入ってもらえたのなら、それで良い。取り敢えずキミの名前を教えてくれないか?」

 

士道は良い流れに乗ろうと名前を訊く。『ハーミット』はパペットをの口をパクパクとさせながら声を出す。

 

『おうっとと、みすていくっ!「よしのん」としたことが自己紹介を忘れるなんてっ!よしのんは「よしのん」!可愛いっしょ?可愛いっしょ?』

 

「―――おう!良い名前だ!………俺も訊いたからには名乗っておかないとね。―――俺は五河士道。俺のことは士道と呼んでくれて構わない」

 

『士道くんかぁ〜良い名前だねぇ、もっとも「よしのん」には敵わないけどねぇ』

 

―――陽気な性格をしている()()()()だ。ちなみに士道はこのパペット―――よしのんと『ハーミット』は全く別の存在であることは出会った時点で気付いていた。

………その理由は『ハーミット』とは別によしのんにも小さな力が感じられたからだ。

………士道はよしのんから視線を外し、『ハーミット』を見る。

 

「―――よろしくな、よしのん!………さて、そちらのお嬢さんのお名前はなんて言うんだい?」

 

士道が『ハーミット』に訊くと、またまたパペットをパクパクとさせてよしのんが答える。

 

「だから言ってるじゃない!よしのんだって―――」

 

よしのんが話し終える前に士道の左腕に神器―――『赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)』が現れ、宝玉が点滅を始める。

 

『―――おい控えろ、そこの「ブサイクなパペット」。相棒はお前にではなく、そこの青い髪の「精霊」に訊いているのだ』

 

「―――おいドライグ!今のはダメだ!!マジでヤバくなるやつだ!」

 

士道の懸念は見事に的中し―――ズオォォォォォォォッッ………とよしのんが凄まじいプレッシャーを放つ。

 

『―――へぇぇ。今のは士道くんじゃなくてその左腕の人の声だよねぇ?………ブサイク?パペット?―――何を言っているかよしのん分からないなぁ〜』

 

よしのんから放たれるプレッシャーは凄まじいものだった。―――十香には劣るが、強者の部類に入るものだと言うことは士道はすぐに察知していた。

琴里からインカムに通信が入り、『好感度が急激に低下しているわ!今すぐにドライグを謝らせなさい!』と慌てている様子が士道は考えられた。

しかし、ドライグは火に油を注ぐようによしのんを煽る。

 

『―――お前以外に誰がいる?………まさかとは思うが、自分がブサイクだと思っていなかったのか?―――だとしたらそれは失礼なことをした………謝ろう、すまなかった』

 

(………もうダメだ、お終いだぁ………)

 

士道は完全に詰んだと思い、両手両足を地面についてガクッと落胆した。

 

 

―――しかし………終わりではなかった。

 

 

 

『―――んもう!士道くんの左腕の人もなかなか良いジョークセンスあるじゃん!もう、士道くんも左腕さんもおちゃめさんなんだからぁ!』

 

―――よしのんの言葉に士道とドライグは目を点にして驚いていた。そして―――二人のツッコミがシンクロする!

 

(『この子、皮肉で言われたって思ってねえええええええ!!!』)

 

―――万が一相手が十香だったら士道もドライグも塵殺公(サンダルフォン)であの世行きの片道電車に強制乗車させられるところだったが、そうなることは無かった。

 

よしのんの気まぐれで士道とドライグは一命を取り留め、そこから何気ない会話が始まり、作戦は本格的にしどうしようとしていた。

 

 

 

 




本作では、デート•ア•ライブのシンボルである、『私たちのデートを始めましょう』が、『これは救うための戦いだッ!』へと変更になりそうです。

★おまけ

士道「おいドライグ!もう少しで俺死ぬところだったんだぞ!?ちょっとは考えてものを言えよ!」

ドライグ『すまん相棒、俺はどうにもジョークというものが苦手でな。———それに相手は精霊の中でも特に大人しいハーミットだ。攻撃をしてくることはないと踏んでいたさ』

いつにも増して自信満々なドライグに士道は問う。

士道「万が一攻撃されたらどうするつもりだったんだ?」

ドライグ『———まあ、それはハードボイルドさ』

士道「意味がわかんねえええええええ!!」



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