デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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毎週一、二話程度の更新で進めていこうと考えています。

知識が甘いと思った箇所や設定がおかしいと思った部分があれば遠慮なく指摘して下さい。

※後書きと琴里の士道の呼び方を修正しました。


転生したみたいです。俺の名は…………

〜〜イッセー side〜〜

 

そこは暗黒に覆われていた。

俺は何も感じることは出来ない。魂だけの存在になってしまったということだけは感じ取れた。

 

京都での激闘の末に俺が辿り着いた世界がこの世界だった。

 

意識を失った中で、俺の中で強く思ったことがある。

 

 

 

―――まだやりたいことがあった。

 

―――叶えたい夢もあった。

 

 

 

けれど…………もう何もできないし、夢も叶えることも出来ない。

 

ここが、この世界が俺の―――兵藤一誠の終着点だった。

 

 

…………とうとうこの時が来てしまったんだな。

俺だってある程度は覚悟してたぜ?

俺は強者たちと幾度となく戦ってきた……もちろん死ぬことは覚悟して戦場に赴いた。

最強のドラゴンが相棒でも、元は俺自身は何の取り柄もないただの一般高校生の下級の悪魔。

 

何度も死線を潜り抜けてきたが、とうとう俺にも終わりがやって来た。

 

俺は完全な眠りに就こうとしていた時、俺の中にはとある存在が強く頭に思い浮かんだ。

 

 

―――美しい紅髪の髪を持ち、俺の主であり、俺の憧れだった女性。

 

 

―――美しい金髪が特徴で、俺のそばでずっと俺を癒し続けてくれた少女。

 

 

―――赤龍帝と称され、多くの者に畏怖された俺の相棒で、良き理解者の最強のドラゴン。

 

 

俺にとっては三人とも―――失礼、二人と一頭とも欠けてはならない大切な存在だった。

 

ふと思い浮かんだ存在はそれだけじゃない。また一人、そしてもう一人とどんどん大切な存在が思い浮かんでくる。

俺には沢山の友がいた。これからみんなと一緒にいられないことが俺にとって何よりも辛いことだ。

 

……だから、俺は強く願ったよ。

 

―――もし……もし、もう一度人生を歩むことのできるチャンスがあるのなら……必ずみんなの所へ戻る―――と。

 

 

俺が完全に意識を手放そうとした時、何か言葉のようなものが聞こえてくる。

 

『いいだろう。この「―――」がそれを叶えてしんぜよう。ただし、君がこの世界に戻って来られるかは保証できないけどね――――』

 

 

その言葉も虚しく、俺には最後まで聞き取ることができなかった。

 

 

 

 

―――◇◆………………

 

 

ピシッ!

 

 

眠りについていた俺の意識はガラスが割れるような音と、眠りを妨げようとする眩い光によって意識を取り戻した。

 

 

――――ちょっとまて!何で俺は意識が…………

 

 

目を開けると、天井のようなものが見えるし、消滅したはずの体もある。

しかし、体は以前とは比べものもならないほど小さくなったように感じる。

ま、まさかこれって…………

 

 

「おきゃあああ!おぎゃあああ!!」

 

 

お、俺泣いてるしいぃぃぃぃ!!

っておいおい!今の俺は…………赤ちゃんになってるじゃねえか!!

 

わ、わけがわからねえよ!なんで俺は赤ちゃんなんかになって―――まさか、転生したのか!?

 

 

わけのわからない出来事にパニックになりながらも、俺は現実を見るしかなかった。

 

 

「おぎゃあああああ!」

 

 

〜〜イッセー side out〜〜

 

 

――◇――

 

 

 

イッセーが転生してからある程度の時が経過した時だった。

 

イッセーは転生した世界で、イッセーを生んだ肉親に捨てられ、五河家で育てられることになっていた。今の彼の名は兵藤一誠ではない。

『士道』という名前を与えられ、彼は五河士道として生まれ変わったのだ!

 

―――この捨てられたということにも海より深い事情があるが、今は触れないでおこう。

 

彼は引き取られた五河家の長男として成長していった。これはとある休日の出来事だ。

 

ガチャリ…………

 

一人の女性が玄関のドアに手を触れる。その女性は外に出かけるらしく、靴を履いている。

その女性の他に、玄関には小学校低学年ほどの小さな男の子が一人と、まだ幼稚園児の小さな女の子がいた。

 

「士道、お母さん出かけるからお留守番お願いね」

 

女性が男の子の方に声を掛ける。男の子―――士道は大きな声で返事をする。

 

「うん。母さん!」

 

士道の返事に彼の母は士道に問う。

 

「士道、お留守番の時は――――」

 

母が最後まで言うまでに士道は元気に答える。

 

「戸締り用心、火の用心だね!」

 

士道の言葉に彼の母は士道の頭を撫でる。

 

「はい、よく出来ました。琴里のことをよろしくね」

 

彼の母は家を出た。士道はお留守番をすることになった。

 

「おにーちゃん、お母さんは?」

 

士道の袖を女の子が引っ張る。この子の名前は五河琴里だ。五河家に生まれた長女であり、士道とは血の繋がりのない妹だ。

 

 

琴里は母親が家を出た不安からか、泣き出しそうな表情になりながら士道の袖を引っ張る。

 

 

「お母さんは買い物に行っただけだよ。琴里の大好きなハンバーグを買いにいったんだよ。心配すんな琴里、お兄ちゃんが一緒だ!」

 

士道はしゃがんで琴里の頭を撫でる。琴里は泣き出しそうな表情から笑みを見せ士道に抱きつく。

 

「そうなんだ〜!おにーちゃん、遊ぼ!」

 

琴里が笑顔を見せてくれたことで士道は安堵をした表情を見せる。

 

「よし琴里、今日はお兄ちゃんがお父さんの代わりにたくさんおんぶしてやるぞ!」

 

琴里の頭を撫でていた士道はそのままの姿勢から琴里に背中を向ける。琴里は士道の首に手を回し、体を背中に着ける。

 

「さあ、俺の可愛い妹よ!思いっきり遊ぶぞ!」

 

士道は琴里を背中でおぶりながら歩き始める。琴里は士道につかまりながら、士道に一言言った。

 

「おにーちゃん大好き!」

 

「おう!俺も琴里が大好きだぜ!」

 

 

士道と琴里は母親が帰ってくるまで仲良く遊んだ。おままごとやゲームなどをして。途中で琴里が眠ってしまったが、士道が琴里をおんぶして部屋まで連れて行った。

 

その時の琴里の寝顔はとても幸せそうな表情だった。

 

イッセーとしての日常が終わり、五河士道としての物語がここから始まろうとしていた。

 

 




イッセーが士道に転生後は三人称視点で物語を進めています。

一人称で統一した方が良いですか?

メインのヒロインは十香とする予定です。

次話から本編に入っていこうと思っています。章の終わりに番外編なども書いていこうと思っています。

次回は士道やキャラたちの設定です。


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