デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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更新が遅れてしまい、大変申し訳ございません!

番外編第二号です。前回は十香でしたが、今回は題名通り四糸乃が主役となります!

少しだけ四糸乃パペットの原作が入りますが、後はオリジナルです。


番外編② 四糸乃ちゃんと一緒!

とある土曜日の午前十一時。士道は特に何もする事がなく、暇を持て余していた。今はソファーに寝転がり、ポテトチップスを食べている。

 

「………あ〜暇だ」

 

『………ああ、暇だな』

 

ドライグも特にこれと言ってやることがなく、士道同様にだらけていた。

 

「琴里は相変わらずの事後報告でラタトスク機関を訪れているし、今日に限って十香は桐生の数学Bの補習に付き合ってるし……おっぱい成分不足で死んでしまいそうだ……」

 

士道は目に涙を溜めながら、十香の一糸纏わぬ姿を想像して手を伸ばしていた。

 

『―――この煩悩に俺はあと何年付き合うことになるのか……前世同様に薬漬けの毎日を送りそうだ』

 

ドライグはアザゼルの命名した『乳龍帝おっぱいドラゴン』の類の弄りでカウンセラーに通ったり、薬を飲んだりして何となか精神を繋ぎとめていた。

 

士道とドライグが暇を持て余していた時に、ある出来事が起こった。

 

それは―――

 

 

 

ピーンポーン………

 

 

 

士道の家のインターホンが鳴る。士道はドアを開けると―――緑色のワンピースに緑色のキャスケットを頭にかぶった青い髪の可愛い少女が立っていた。

 

「―――四糸乃じゃないか!珍しいな、一人で俺の家に来るなんて………どうしたんだ、何かあったのか?」

 

士道の家のインターホンを鳴らしたのは四糸乃だった。

四糸乃は何かを言おうと口を開く。

 

「………あ、あの!」

 

四糸乃はモジモジとしながら何かを言いたそうにしていた。―――それを見た士道はドアを開けて、玄関への道を開けるようにして四糸乃を招く。

 

「……とりあえず中に入れよ四糸乃。一緒に遊ぼうぜ」

 

士道が笑顔を見せて言うと、四糸乃はパアッと微笑んだ。

 

「……はい!おじゃま……します」

 

『ありがとね士道くん。四糸乃の気持ちを察してくれて。―――そんなわけでよしのんもお邪魔させてもらうよ』

 

四糸乃は靴を脱いで五河家へと入った。四糸乃は靴を揃えて端へと置いた。

 

「おお!四糸乃はすごいなぁ。靴を揃えて家に入るのは良いことだよ!―――相棒のドライグにも見習わせたいぐらいだよ」

 

『……ドラゴンに靴など必要ない。脆弱な人間とは違ってドラゴンの足は強靭だからな』

 

士道は四糸乃が行った行為を褒めて優しく頭を撫でていた。四糸乃は嬉しそうに頰を赤らめていた。

―――ドライグは相変わらず安定してリアル至上主義だ。

 

「………ありがとう、ございます………」

 

四糸乃の頭を撫でていると、四糸乃が手に持っているパペットが口をパクパクとして、両手を振り始める。

 

『士道くん、よしのんも!ほら、早く早く!』

 

「………はいはい」

 

何もしていないのにご褒美をねだるよしのんに士道は苦笑いをしながら頭を撫でていた。

 

『士道くん、今「よしのんは何もしてないのに」とか思ったでしょ?―――違うんだよ士道くん。四糸乃が良いことをしたら、よしのんも褒められるべきなんだよ―――とはいってもまあ、四糸乃が悪いことをしてもよしのんに責任はないんだけどね』

 

よしのんは特に悪びれた様子もなくいつものテンションで口にした。―――四糸乃は思うことが無かったのか、平然としていたが、赤龍帝のコンビは違った。

 

「よしのん、俺が言うのもなんだが―――お前もなかなかの外道精神の持ち主だな!?四糸乃はお前のことをヒーローだって言ってたけど、やっぱり俺が四糸乃のヒーローでなきゃいけねえと本気で思ったわ!!」

 

『―――こいつ性根が腐りきってやがる………ここまで来れば、逆に尊敬の域に達しているぞ……•』

 

赤龍帝コンビは心底落胆していた。

―――かつて士道が『兵藤一誠』だった頃は、女性が相手の場合は洋服崩壊と乳語翻訳のコンボで女性相手ならほぼ処刑&目の保養を悪びれることもなくやっていたが、その士道ですらよしのんの発言にはドン引きをしていたのだ。

 

『―――んもう!二人とも本気にしすぎだよ!とある金ピカの人類最古の王様がよくやるシベリアのブリザード級に極寒なジョークだよ』

 

「たしかにあのジョークもまったく笑えねえけど、それとこれとは意味が違うわ!」

 

『………確かにそうだな。金ピカのジョークはド滑りするだけだが、よしのん―――貴様がやったジョークは人によっては火山が爆発するタイプのものだぞ?』

 

―――いつのまにか士道、ドライグ、よしのんの三人でとある王様を全力で罵倒していた。

これ以上はこの世の全てを崩壊させる対界宝具が飛んでくると思った士道は手をポンと叩き、思考をリセットする。

 

「………さて、四糸乃は何かやりたいこととかあるか?」

 

士道はソファーに座り、ドラマを見ている四糸乃とよしのんに訊くと、二人から返事が返ってくる。

 

「………えーと、ごはんが……•食べたいです」

 

『あ、よしのんもそれに一票!』

 

朝が早かったため、四糸乃とよしのんはお腹が空いているようだ。士道は冷蔵庫を開け、中に入っている食材を確認をする。……•しかし、冷蔵庫の中にはまともな食材が無かった。唯一あったのは、卵だけだったのだ。

 

「………そういえば昨日はクルーの皆さんと打ち上げしたから中身がないことを忘れてた………」

 

―――実は昨日、琴里が令音を含めたフラクシナスのクルーたちを家に呼び、盛大に打ち上げをしたのだ。

士道が四糸乃の霊力を封印に成功したことを祝ってだ。

そのせいで冷蔵庫の食料を使い切ったことを完全に忘れていた士道は、がっくりと肩を落とした。四糸乃は冷蔵庫の前でうなだれる士道の後ろへと行き、しゃがみ込んだ。

 

「……士道さん、一緒に……お買い物に行きませんか?」

 

四糸乃のかけた言葉に士道は顔を上げ、訊く。

 

「―――四糸乃、お前も付いてきてくれるのか?」

 

「はい、士道さんが……嫌じゃない……のでしたら」

 

士道にとって四糸乃の言葉は、ぐっと心にきていた。四糸乃と一緒にお出かけをすることは、デパートでのデート以来だったからだ。

 

「嫌なんもんか!大歓迎だぜ四糸乃!……よし、行こうか」

 

「………はい!」

 

『うん!行こう行こう!』

 

士道と四糸乃は靴を履いて、日差しが眩しい外の世界へと足を踏み出した。

 

 

 

 

―――◆―――

 

 

 

 

士道と四糸乃が家を出て、太陽が中天へと登ろうとしていた時の事だった。二人は仲良く手を繋いで天宮の街を歩いていた。

 

「―――四糸乃は何か食べたいものとかあるか?」

 

士道が隣にいる四糸乃に笑顔で問うと、四糸乃はキョロキョロと辺りを見渡して、目をキラキラと輝かせる。

 

「……えーと、あの『カツ丼』が、食べたい……です」

 

『―――あ、よしのんもカツ丼で』

 

四糸乃とよしのんが見ていたのは、琴里とよく行くファミレスを見ていた。―――店の前に並んでいる模型を見て、四糸乃とよしのんはカツ丼を目を輝かせて見ていた。

 

『よしのん、お前も食うのか?……色々と大変なことになると俺は思うが?』

 

ドライグがよしのんに痛烈なツッコミを入れるが、よしのんはドライグの言葉に異を唱える。

 

『―――んもう、ドライグくんったら考えが甘い!よしのんも食べられるよ、()()()()()()ね』

 

―――この『大きくなれば』という言葉の意味は、守護天使としての真の姿となればという意味だ。

その言葉を聞いたドライグは堪らず返す。

 

『―――実際にそれをすれば、カツ丼も凍りつくし、天宮市一帯が氷河期になってしまうぞ!?』

 

『ドライグくん、そんなことは気にしてはいけないよ?よしのんの食事と天宮市の街の大切さはもちろんイコールだよ!』

 

『―――それはどうかと思うぞ………』

 

おっぱいドラゴンのドライグとパペットのよしのんは仲良く会話をしていた。

 

「……よしのんにも、お友達ができて……良かった、です」

 

四糸乃はドライグとよしのんの会話を聞いて、微笑んでいた。

 

「―――友達なのか?」

 

四糸乃の言葉に士道は首を傾げていたのは、また別の話だ。

 

ドライグとよしのんが色々と話しているうちに、ファミレスから歩くこと数分が経過した頃だった。

士道と四糸乃は目的地のスーパーへと到着した。

 

「……大きい、ですね」

 

四糸乃は士道がいつも買い物に来るスーパーを見上げて、声を漏らしていた。

 

「ここは天宮市のスーパーの中で一番大きいスーパーだからな……•大抵のものは大体ここで買えるんだぜ?―――さて、買い物だ!」

 

「……はい!」

 

『よーし!行ってみよーかどー』

 

四糸乃はスーパーの大きさに圧倒されたのか、肩がピクピクと震えていたが、士道は四糸乃の頭を撫でて、苦笑いをしていた。

 

「……四糸乃、そんなに緊張しなくてもいいぜ?デカイっていっても普通のスーパーと変わらないさ」

 

「……お買い物は、初めて……ですから……」

 

―――そう、四糸乃にとってはスーパーでお買い物をするのはこれが最初だったのだ。期待があったからこそ、士道にお買い物に行こうと声をかけたのだ。

 

「……そういや、そうだったな。―――中は結構広いから迷子にならないように俺の手を離すなよ?」

 

「……はい!」

 

『さっすが士道くん!おっとこまえ〜ッ!』

 

士道と四糸乃は、まるで本当の兄弟を思わせるかのようにスーパーで買い物をしていた。

二人で話しながら店を回っていると、買い物をしている人たちが士道たちを見て呟く。

 

「―――まあ、あの子かわいいわぁッ!」

 

「―――ドラマに出演している子役の女の子かしら?ほんとうにかわいい子ねぇ!」

 

「お持ち帰りしたい!」

 

女性の人たちは四糸乃の可愛さに目を奪われていた。小さい女の子が好きな女性なら、四糸乃を見て何も思わない方がおかしいだろう。

 

「―――四糸乃、可愛いってさ」

 

「………は、はずか、しい……です」

 

 

……しかし、野郎どもは危険なオーラを隠すことなく放っている。

 

「はぁはぁ………あの子やべぇっ!―――隣にいるあの男を気絶させて誘拐しようかな………」

 

「未成熟の体をペロペロしたいぜぇ……幼女最高おおおおおおお!!」

 

「小さな手足の指に、締まりのなくぽっかりと出たお腹……そして全てのロリコンたちを癒してくれる童顔―――ブホーッ!!

 

―――そう、彼らはロリコンのガチ勢だった。……•ここまで来れば立派にポリスメンが出動するレベルだ。

 

「―――士道さん………こ、怖いです」

 

四糸乃はガチロリコンの野郎どもに怯えていたが、士道が優しく頭を撫でることで四糸乃をリラックスさせようとした。

 

「心配すんな四糸乃、お前のヒーローはただの人間相手に遅れをとるようなエセヒーローじゃないぜ?……心配すんな、たとえ龍が現れようが、神が現れたとしても、絶対に俺が四糸乃を守ってやるから―――俺の言葉は信じられないか?」

 

「―――!………そんなことはないです!士道さんの言葉なら安心できます!」

 

ガチロリコン勢の野郎どもに怯える四糸乃にとって士道の言葉はとても頼もしいものだった。四糸乃は十香と同じで士道のことを本当にヒーローだと思っているからこそ、たとえ多くの人間で溢れている場所にいても、士道がいるから安心していられるのだ。

 

「……そう言ってもらえるなら、俺も嬉しいよ―――さて、これでカツ丼も作れるだろうし、帰って飯にするか。―――俺もだいぶ腹減ったよ」

 

「……そうですね」

 

『いぇーい!』

 

買い物は一通り終了し、レジでお金を払った後は、士道と四糸乃は家で食事を済ませるために、寄り道をすることなく帰路についていた。

荷物は士道が片手で持ち、荷物を持っていないもう片方の手を四糸乃と繋いでいる。

――― 周りから見れば、仲のいい兄弟のように見えるだろう。

 

「……士道?」

 

帰り道の途中に士道がよく知る人物が士道の名前を呼んでいた。士道はその人物のことはよく知っている。

 

「……鳶一じゃ―――うっ!?」

 

「―――鳶一?」

 

ギンッ!と目の前の少女から凄まじいプレッシャーが放たれ、士道は何も言えなくなった。士道の目の前にいた少女は苗字で呼ばれたことに不満を覚えたのか、ものすごく不機嫌なオーラを纏っていた。士道は慌てて呼び方を訂正する。

 

「―――うっ、折紙………」

 

そう、士道は折紙に自分のことを十香と同様に名前で呼ぶように約束していたのだ。―――ちなみにだが、士道がよしのんと交換したアレは今も折紙は捨てることなく大切にしている。

 

「………士道、どうして『ハーミット』と一緒にいるの?」

 

「―――ひっ!?」

 

折紙は表情を変えることなく、四糸乃を見つめる。四糸乃はびっくりして士道の背中に隠れる。

 

「……今日は四糸乃と一緒に遊ぶ約束をしてたんだよ。―――今から一緒にお昼ご飯だ」

 

士道は折紙の問いに、これといって特に何も考えることなく普通に答えた―――だが………

 

 

ガタガタガタガタ―――グシャァッ!

 

 

「―――ッ!?ど、どうしたんですか、折紙さん!?」

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 

折紙は自分の想い人の何気ない答えに無表情で手に持っていた缶ジュースを握りつぶした。―――ちなみに折紙が握りつぶしたのは、スチール缶の缶ジュースだ。

 

……弾けたジュースによって服が汚れているが、折紙は無表情で士道に詰め寄る。

 

「………士道は私と一緒に遊ぶべき」

 

「―――いや、だから今日は四糸乃と……」

 

グイグイと押してくる折紙に士道はタジタジになっていた。しかし、折紙は全く手を緩めない。

 

「士道は恋人の私と一緒に遊ぶべき。今すぐ私のマンションに来て」

 

「―――ま、マンションだと!?………一応聞いておくけど、何をするつもりだ?」

 

「―――私がママになって、士道がパパになるために必要なこと」

 

―――要約すれば、折紙が士道を押し倒してパパにしてしまおうという算段だ。ちなみに勿論だが、折紙もママになるということだ。

……士道はその描写を想像して鼻血を流していたが、首を横に振る。

 

「―――アホかあああああ!!いや、実に素晴らしい日本語だと言いたいけど、まだその俺たち………」

 

「士道、何事もゼロから始めるもの。―――さあ、私と赤ちゃん作ろう」

 

「―――もう一ミリも隠す気ありませんよねぇ!?」

 

押して押して押しまくってくる折紙に士道は首を横に振って伝える。

 

「折紙、今日はダメだ。今日は四糸乃との先約がある。―――だからどうしてもダメだ。……約束を平気で破る最低な男にはなりたくないからな」

 

士道の曲がらない意思に敵わないとみたのか、折紙もなんとか折れてくれた。

 

「……分かった。―――でも、最後に一つだけ教えてほしい」

 

「……ん?何をだ?」

 

「―――士道、あなたは一体何者?」

 

折紙が疑問に思っていたのは、士道がなぜ生存しているかということだ。―――十香の時は折紙自身が対精霊用のスナイパーライフルで士道を撃ち抜き、四糸乃の時も氷の弾丸を全身に喰らいながらも、助け出したことだ。

―――ASTの隊員たちはカメラで映像を見れるため、士道が四糸乃を救うために吹雪のドームに突っ込んだことは知っていたのだ。

 

「……ただの人間―――なんて言っても信じてもらえないだろうし……そうだな」

 

「………………」

 

士道の答えを折紙は何も言わずに待っていた。そして、士道が出した答えは―――

 

 

 

 

 

 

「―――俺は、おっぱいドラゴンだ」

 

「…………?おっぱい………ドラゴン?」

 

「そうだ。困っている人を助ける正義の味方。女性の胸を糧に力を発揮する最新のヒーローだ―――さて、今日はこの辺にしておいてくれ。……•詳しいことはまた学校で話すよ」

 

―――—たしかにその通りだが、折紙の内心は『えっ?こいつ何言ってんの?』という状態だった。

じっと考え込んでいた折紙に一言告げた後、士道と四糸乃は家へと向かったのであった。

 

 

 

 

 

「―――おっぱいドラゴンって………なに?」

 

折紙はASTの施設のネットワークで士道の言った『おっぱいドラゴン』という単語を調べていたが、自分の欲しかった答えは見つからなかった。

 

 

 

 

―――◆◇―――

 

 

 

 

「……四糸乃、この場所を覚えているか?」

 

士道が四糸乃と手を繋いで向かった先はとある神社だった。士道の問いに四糸乃は首を縦に振る。

 

「―――はい、私と士道さんが初めて会った場所です……」

 

そう、この神社は士道と四糸乃のファーストコンタクトとなった思い出の場所だった。士道はここを四糸乃とのデートに選んだのだ。

 

「四糸乃とデートするには、ここが良いかなって思っててさ。―――嫌だったりするか?」

 

「……いえ、私もここで士道さんと一緒に遊びたいと思っていました……」

 

『うんうん!ここはよしのんにとっても思い出の場所だからね………士道くんに恥ずかしいところをたくさん触られちゃったし!』

 

「―――お、おい!!人聞きが悪いこと言うなよ、よしのん」

 

四糸乃とよしのんも一緒に遊ぶならこの神社と決めていたようだ。二人は神社で思いっきり遊んだ。

 

「「じゃんけんぽん!」」「―――チ•ヨ•コ•レ•イ•ト」

 

士道と四糸乃が最初にしたのは、グリコだった。

じゃんけんで買った方が階段を上っていく遊びで、先に上りきった方が勝者となるものだ。

……•ちなみに今のは四糸乃が勝った。

 

「「じゃんけんぽん!」」「―――グ•リ•コ」

 

またまた四糸乃が士道にじゃんけんで勝って階段を上っていく。―――グリコでは四糸乃が士道に一度も負けることなく完勝した。

……幸運というステータスでは士道と四糸乃では全く違うところがあるのだろう。

 

「―――やられたよ四糸乃。……次は隠れんぼでもやるか」

 

「はい!」

 

『よーし、行きまっしょ!』

 

次は隠れんぼをすることになり、四糸乃が鬼を務めることになり、士道は隠れる場所を探して駆けていく。

 

(………さて、グリコでは良いようにボコられたからな。さて、本気出すか!)

 

士道は木に登り、木の中へと隠れた。ちなみにこの木はそこまで高い木ではないため、四糸乃でも見上げれば十分見つけられるほどの木を士道は選んだのだ。

 

「……士道さん、なかなか手強いです」

 

四糸乃はグリコとは違い、隠れんぼでは一筋縄ではいかない士道に神社の敷地内を走り回っていた。

しかし、士道は鬼は()()()()()()()()ことを完全に忘れていた。

 

士道が隠れる木の近くに四糸乃が来たが、葉が士道を隠しているため、四糸乃は士道を見つけることが敵わなかった。

―――しかし、よしのんは士道の姿が見えていたようだ。

 

『―――四糸乃、この木に士道くんがいるよ?……•ほら、あそこ』

 

「……あ、士道さん見つけました」

 

グリコに続き隠れんぼでも四糸乃にしてやられた士道くんだった。―――しかし、二人で隠れんぼをやる場合において、鬼が二人もいる状態を作られては士道も打つ手がないだろう。

 

『……やられたな相棒。思わぬ伏兵がいたものだ』

 

「―――ああ、よしのんをノーマークだったのが痛かったな……負けたよ、四糸乃、よしのん」

 

士道は木から飛び降り、四糸乃とよしのんの頭を撫でていた。

よしのんは『思い知ったか士道くん!』と誇らしげにしていた。

 

「―――四糸乃、よしのん。おみくじやってみないか?」

 

士道が指をさした場所には、巫女服姿のお姉さんが中でおみくじや御朱印などを販売していた。

士道は三人分のおみくじを買って結果を確かめ合った。

―――ドライグは『俺は結構だ』と言ってやろうとはしなかった。

結果は―――—四糸乃とよしのんが大吉で、士道が吉だった。

 

「……こりゃあグリコでは勝てんわ」

 

『んもう、士道くん、ここは三人揃って大吉を出す場面だよ!?』

 

よしのんから厳しい物申しを受けた士道だった。最後は賽銭箱にお金を入れて三人でお祈りをした。

 

(―――エッチなイベントがたくさん起こりますように!ハーレム王になれますように!美人な精霊がたくさん現れますように!………そして、みんなが仲良く平和に暮らせますように!)

 

『……•欲望ダダ漏れではないか。まるでこの国が誇る最強の狐の妖怪を思い出させるな』

 

ドライグは士道の願いを聞いて心底呆れていた。時は既に17:00を回っていた。

 

「―――さて、今日はいっぱい遊んだな四糸乃……•さて、帰ろうか」

 

「はい!士道さん、楽しかったです!」

 

『うん、よしのんもとっても楽しかったよ。ありがとね士道くん』

 

こうして四糸乃とよしのんとのデートはこれにて終了した。士道は家に入り、四糸乃は精霊用の特殊住居へと戻った。

 

 

 

―――◆◇◆―――

 

 

 

「―――ただいま〜」

 

「やっと帰って来たか、シドー」

 

士道は家の鍵を開けて家の中へと入ると、既に十香が家に上がっていた。

そろそろ夜ご飯のお時間だったので、士道は夜ご飯の準備を始める。

 

「―――さて、飯にしようか」

 

「うむ!今日は私はカレーが食べたいのだ!令音の魔法のカードで買い物は既に済ませてある!」

 

十香がジャーンッ!と手に持っているカードはブラックカードだった。

 

「……まさかのブラックか。すげーもん持たせたな令音さん」

 

『―――精霊に小判と言いたいところだが、夜十神十香も随分この世界での生活に慣れてきたものだ。………俺も適応できるか不安だったが、意外と成るように成るものだな』

 

ドライグも十香の適応能力の高さに驚愕していた。十香はドライグに笑顔で言う。

 

「私一人では恐らくどうにもならなかったが、私にはシドーやクラスメイトが私を支えてくれた。―――だからシドーと共に生活できるまでにはなった」

 

『―――そうか………これからも相棒のことを頼む』

 

「うむ!」

 

いつの間にか十香とドライグには奇妙な友情関係が出来ていた。士道と十香がカレーを作っている時、二人の人物がリビングに入って来た。

 

「おにーちゃん、可愛い妹さまが帰って来たぞぉ〜!」

 

「……おじゃま、します」

 

『しま〜す!』

 

士道の可愛い妹の白リボンの琴里と四糸乃だ。その時にカレーもついに完成した。

士道、琴里、十香、四糸乃の四人はリビングのテーブルに座り、手を合わせる。

 

「「「「いただきます!」」」」

 

四人で和気藹々とした食事はかけがえのない時間へとなっていくだろう。

士道はこの幸せを守ろうと更なる高みへ至ることを決心していた。

 




※三話の設定を更新しておきました。
気になる方は読んで頂ければ幸いです。

次回から狂三キラーへと入っていきます。
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