デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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ここから原作三巻の狂三キラーへと入っていきます。

開幕はASTサイドから始まります。

章の始まりということで、今回は少し短めです。

※ついにお気に入り数が200を超えました!
モチベーションは上がる一方です、これからも完結を目指して頑張ります!


三章 狂三キラー
一話 転校生は精霊です!?


〜〜AST side〜〜

 

ASTたちは現在、模擬戦を行なっていた。

廃墟と化した都市を模擬戦のフィールドとして、ASTたちは来たるべく精霊との戦いに備えての模擬戦だった。

………しかし―――

 

「うわああああああああッ!!」

 

「きゃああああああああッッ!!」

 

ドサドサドサドサッ………

 

ASTの隊員たちが次々と空中から地面へと落下していく………一人の少女が十人のASTの隊員たちを相手に無双をしていた。

陸と空から急襲してきた部隊を、これといった武装を使うことなく、剣だけで迎撃し、片っ端から斬り伏せていった。

力、技、そして精神力の三つの要素で向かってくるASTを顔色一つ変えることなく撃墜していたのだ。

 

「………くっ、強い!」

 

模擬戦には、士道の恋人(希望)の折紙も参加していた。しかし、戦力差は歴然で勝負になっていなかった。

ASTの部隊はこれで折紙だけが唯一、両足で地面に立つことができていた。

………圧倒的に不利な状況に陥っても、折紙の目からは闘志が消えてはいなかった。

折紙は対精霊用のレイザー•ブレード『ノーペイン』を引き抜き、構える。

 

折紙の様子を見ていた、士道と同じ青い長い髪を一本にくくった少女が折紙を称える。

 

「これだけの力の差を見せつけられて微塵も諦めようとしない姿はさすがでやがりますね。―――さあ、かかって来やがれです!」

 

―――この少女の名前は崇宮真那。とある企業からASTに派遣されてきた陸自のトップエースで、『精霊を殺した少女』という物騒な二つ名を持つ新たな戦力だ。

 

ちなみに何故、このよう一人対十人のような理不尽な模擬戦が行われているのかというと、真那が「この中に、私を倒せる人がいるのか?」と疑問を声に出したために、ASTの隊員たちがその力を確かめようとした結果だ。

―――ASTの隊員たちも戦いの素人ではない。………しかし、真那の陸自のトップエースという肩書きはダテではなく、既に隊員の九人はズタボロになって気を失っていた。

 

「………勝負ッ!」

 

折紙は背中のブースターを起動させ、真那へと突進する!

真那は折紙の突進に対応するために、CR―ユニットのモードチェンジを行う。

 

「『ムラクモ』―――双刃形態(ソード•スタイル)

 

真那の言葉と同時に盾の役割をしていた武装から光の刃が姿を現した。―――折紙は真正面からの撃ち合いでは勝負にならないことは、ASTの隊員たちがやられたところを見て悟っていた。

………故に、折紙は奥の手を使う。

 

「―――今」

 

折紙は真那の攻撃範囲内入る少しだけ前に、左右の二つのスラスターをユニットから切り離し、『ノーペイン』で真那を一閃した。

真那は盾の一つで折紙を薙ぎ払うが、折紙はその斬撃に合わせて『ノーペイン』の一閃をコントロールし、真那の攻撃を回避して後ろに回り込む。

 

「な―――このっ!」

 

ギィン!ガギィィン!

 

折紙の『ノーペイン』での一閃を防ぐと、真那の目の前には折紙が切り離した二つのスラスターが、自分を目掛けて飛んで来ていたのだ。

真那は咄嗟に二つの盾を使ってスラスターを弾き飛ばす。

 

「―――これで終わり」

 

真那は二つのスラスターを弾き飛ばすことに意識を向けていたため、背中はガラ空きになっていた。

―――これこそが折紙が狙っていた瞬間だった。折紙は『ノーペイン』の刃で、真那のガラ空きに背中を突き刺す!

………しかし―――

 

「………なっ」

 

折紙の『ノーペイン』の刃は真那の背中の前で静止しており、同時に折紙も身動きが取れなくなっていたのだ。

―――真那の随意領域(テリトリー)を知り尽くした戦術に折紙の読みの甘さが招いた失態だった。

 

「―――相手との実力差を考えて攻め方を変える………実に見事な手際ですが、私も過小評価をされたものです」

 

折紙の攻撃を真那は読み切っていたのだ。………とはいっても、虚を突いて攻撃する程度で陸自のトップエースをどうにかできると考えた折紙も浅知恵だったと言えるが、今はそれに完璧に対応した真名を賞賛するべきだろう。

 

「………残念でやがりますが、これで詰み(チェック)です」

 

「………………」

 

真那は身動きが取れない折紙の首に光の刃を突き付けて、鮮やかに勝利を飾った。―――その時、終了のブザーと共に上空のヘッドセットからの音声が鳴り響く。

 

演習終了(セット)。崇宮真那三尉の勝利です』

 

―――ASTの隊員たちにとって、この敗北は屈辱的な敗北だった。………続いてお約束の日下部燎子さんタイムへと移行した。

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

演習終了後はASTの視聴覚室にて、新たにASTに加わる真那の簡単な自己紹介タイムと士道が攻略した精霊『ハーミット』との戦闘映像を見て、今後の対策を立てるための時間となった。

 

「―――崇宮真那、三尉であります。以後お見知り置きを………」

 

真那が簡単な自己紹介を終えると、燎子が額に青筋を浮かべて真那と折紙の頭をゲンコツする。

 

「はい、よく出来ました!」

 

ゴツ、ゴツ!

 

「イデッ!」 「………………」

 

いきなりゲンコツを食らった真那と折紙は頭に疑問符を浮かべていたが、燎子の頭から立派な角が二本出現した。

 

「あ•ん•た•ら、ねぇ!模擬戦で貴重な装備を潰してくれんじゃないわよ!修理にどれだけの費用がかかると思っているのよ!家は買えないけど、最高級のバーを貸し切りにできるぐらいの額が普通に吹っ飛ぶのよ!?」

 

燎子の言葉に真那も折紙も特に悪びれた様子はなく平気で述べる。

 

「模擬戦とはいえ、貴重な実践の場じゃねえですか。全力でやらねーとデータ取れねえと判断しました」

 

「………生半可な攻撃では崇宮三尉に隙を作ることは出来なかった」

 

全く反省の色を見せない折紙と真名を見て、再び視聴覚室に雷鳴が轟く。

 

「――――このあほんだらあああああああ!!!!」

 

げんこつ!

 

再び怒りの鉄槌が真那と折紙に襲い掛かった。

 

「顕現装置を搭載したユニットのお値段分かってんのかあんたらあああああああ!!!」

 

その後も鬼の燎子さまの長い長い演説は続き、三十分ほどが過ぎた後に、『ハーミット』こと四糸乃との戦闘映像を見ることになった。

 

「………ぜぇ、はぁ………ぜぇ、はぁ………空いている、席に………座りなさい………こ、これから『ハーミット』戦の映像を流すわ………•」

 

長い長い全力の演説のおかげで燎子は疲れ果てていた。真那は空いていた折紙の隣の席に座り、燎子の演説は興味なさそうな聞いており、不機嫌なオーラを出しまくっていた。

 

「―――まったく、ここの隊長どのときたら………みみっちいにも限度があります。そんなだから精霊に良いようにされやがるんです」

 

「同感」

 

折紙がうんうんと首を縦に降ると、真那は目を大きく開く。

 

「おお、あなたとは気が合いそうです」

 

「貴方は精霊を殺したと私は聞いている。その時の詳しい話を聞かせて欲しい」

 

折紙が訊いたこの事は、是が非でも知りたかったことだった。―――折紙には特殊な事情があるために、どうしても真那の意見は参考にしようと思っていたからだ。

 

「―――精霊を殺したですか………」

 

折紙が訊いた言葉に真那は一瞬だけ下を向いた。

 

「………あれは、他の精霊と同列に扱うことはやめておいた方が良いというか―――まあ、詳しく話さなくても、その内になりますが、直接その目で見る機会が来やがりますよ」

 

真那はそこまで言うと、目の前で流されている映像に視線を向けていた。今流れているのは映像は、四糸乃が吹雪のドームを作り、ASTの隊員たちが手をこまねいている時の映像だ。

 

「―――えっ?」

 

ガタッ

 

映像を見ていた真那が突然立ち上がる。―――吹雪のドームの中に向かって歩いていく人を見て、真那は強く心を揺さぶられた。

 

「―――兄さま!?」

 

「………ッ!!」

 

吹雪のドームに果敢に立ち向かって行ったのは、折紙の想い人の士道だった。真那が発した『兄さま』という言葉に折紙は空いた口が塞がらなかった。

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

「今日のブリーディングは拷問だったわ………」

 

「―――これから毎日これを熟すって考えると、死んでしまうわ………」

 

ASTの隊員たちは、模擬戦の後の訓練でヘロヘロ状態だった。真那は特に疲れている様子もなく、自然体で廊下を歩いているときに、ばったりと折紙と鉢合わせる。

 

「―――どういうこと?………士道にこんな妹がいるなんて聞いてない」

 

折紙は開口一番に真那に言い放った言葉は、確認のためのものだった。

真那も折紙に士道との関係を簡単にだが、伺う。

 

「兄さまのことをご存知のようですね―――仲のいい友達か何かでやがりますか?」

 

「………友達?」

 

真那の確認に折紙は首を横に降る。………そして、折紙が真那に出した答えは―――

 

「私は士道の恋人」

 

「――――――えっ!?恋人でやがりますか!?………詳しく話を聞かせてもらっても構わねえですか?」

 

驚愕している真那に首を縦に降る折紙とそれに食いつく真那。―――まるで仲のいい姉妹のようだ。

 

「………構わない。私と士道は―――」

 

こうして、鳶一折紙一曹によるパーフェクト洗脳教室が開始され、真那には自分の兄が折紙の恋人であるという考えが植え付けられた。

 

 

 

〜〜AST side out〜〜

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

「おっはー、五河に十香ちゃん」

 

士道は相変わらず仲良く十香と学校に登校し、クラスに入ると桐生藍華が出迎えてくれるというテンプレが待っていた。

 

「おはようだ、桐生!」

 

いぇーい!とタッチをする十香と桐生藍華。この光景も今では当たり前となりつつあった。

 

「―――ねえ五河知ってる?また転校生が来るみたいよ?………それもまた超絶美少女らしいわよ」

 

桐生藍華の情報網は信頼性がかなり高い。一部の人間は桐生藍華のことを『預言者』と称したりするほどだ。

士道はこの桐生藍華のことは『変態エロメガネ女』としか見ていないというのは置いておこう。

 

「………クラスの男子どもが、叶わぬ夢を見て現実から逃げてるのかと思っていたけど、お前が言うとマジで現実味が増すんだよな―――よし、楽しみにしておくか」

 

士道も桐生の情報を信じて、ホームルームを待つことにした。しばらくすると、学校の始まりを告げる物が鳴り響く。

 

キーンコーンカーンコーン………

 

チャイムが鳴ると同時にタマちゃんが入ってきて、教卓の上でかるい挨拶をする。

 

「おはようございます、みなさん。―――みなさんも知っているかもしれませんが、今日はですねぇ転校生を紹介します!」

 

―――桐生藍華が言っていた転校生の件については、タマちゃんが直々に紹介することだから間違いということでは無いだろう。

クラスメイトの一人が手を挙げる。

 

「………先生、転校生は女性と聞いていますが」

 

クラスメイトの質問にタマちゃんは笑顔で首肯する。

 

「―――はい。とっても可愛い女の子ですよ〜………それでは、ごたいめ〜ん!」

 

ガラララララッ………

 

タマちゃんの言葉と同時に教室の扉が開かれ、黒い制服を身に纏った少女が入室して来た。

長く美しい黒い髪を二つくくりにし、前髪によって右目は伺う

ことは出来ないが、目が醒めるような絶世の美少女だった。

―――しかし、士道だけはあの少女が()()()()()()()()()ことに気付き、相棒に語りかける。

 

(―――おいドライグ、あの女の子)

 

『………ああ、間違い無いだろう。あの小娘からは何かは分からないが強力な力を感じる。………夜刀神十香や四糸乃のようにな』

 

ドライグの忠言を士道は心に深く刻み込んだ。

あの少女は十分に警戒をしなければならない存在であることを認識するためにだ。

少女は黒板にチョークで自分の名前を書き、再びクラスメイトが座っている方へと顔を向ける。

 

「………時崎狂三と申しますわ」

 

少女―――狂三が自分の名前を明かした後に表情を和らげ笑みを浮かべた。それに合わせて、教室内の男子どもは歓喜の雄叫びを上げる!

 

『―――おおおおおおおおおおおおおお!!!!』

 

女子たちはライバルが増えるということであまり歓迎はしていないらしく、男子たちとは正反対で特に行動を起こす事はなかった。

しかし、次に狂三が述べる言葉にクラスの雰囲気が一変する。

 

「わたくし、精霊ですのよ」

 

狂三が発した言葉に男子たちも雄叫びを止め、女子たちも『えっ?』と自分の中の時間が止まっていた。

 

「………えーと、はい!とっても個性的な自己紹介でしたね!」

 

タマちゃんも眉をピクピクとさせながら頰に汗を滴らせていた。―――普通の高校生から見れば、『あいつはバカか?』という偏見を持たれるだろう。

 

「………何アレ、重度の薬物中毒者?」

 

―――最たる例がこの桐生藍華だ。

桐生藍華は狂三のことを薬で頭がイカれた女の子と捉えていたようだが、士道が桐生の認識に待ったをかける。

 

「―――おい!幾ら何でもそれはダメだろ………」

 

転校生を薬物中毒者扱いをするのは、言語道断であり許されるべきことでは無い。だから士道は桐生藍華にやめとけと言ったのだ。

 

「それにしても、精霊ときたか………」

 

士道が周りに聞こえないような声で呟くと、ドライグもそれに応えるように士道に語りかける。

 

『精霊ならこれだけ強い力を纏っていても何ら不思議ではない。―――しかし、精霊が高校に転入してくるとはな………俺たちが引き寄せてしまったのかも知れないな』

 

ドラゴンは強い力を惹きつけると士道の前世では語られていた。

実際に兵藤一誠も超常の存在が周りにうじゃうじゃと一匹いたら百匹いるあのGのように気づけば沸いてきていたからだ。

 

隣の小娘(折紙)を通じて空飛ぶメカメカ団にも伝わるだろう。―――攻略するなら今日中が狙い目だな』

 

ドライグは折紙を介してASTに伝わるのは時間の問題だろうから、早めに狂三を攻略すべきだと士道に進言した。

………ドライグも十香が言っていた『メカメカ団』という言葉を気に入っているのは、触れないでおこう。

 

「それじゃあ時崎さん、空いた席に座ってください」

 

「………その前に一つお願いがありますの」

 

「え?それはなんですか?」

 

いきなりお願いがある狂三にタマちゃんは首をかしげる。狂三は指を一本立てアゴに当てる。

 

「わたくし、実は学校は不慣れでして………放課後でも構いませんから、誰かにこの学校を案内して貰いたいのですが………」

 

狂三が言い放った言葉は、士道にとっては願ってもいないチャンスだった。―――ASTの邪魔が入れば、狂三の攻略は難易度が桁違いに跳ね上がるが、校内ならASTも目立った行動は出来ないからだ。

士道は席から立ち上がり、狂三がいる黒板の前まで行き、手を出して跪く。

 

「―――俺で良ければご案内致しますが、どうでしょうか?」

 

執事のような礼儀作法で、初対面の狂三に接する士道………もちろんのことだが、外野からヤジが飛んでくる。

 

「テメェふざけんな五河!!転校したての時崎さんまでその毒牙にかける気か!!」

 

「―――もっと十香ちゃんのことを大事にしろおおおおおお!!!」

 

「死ね!シネでも氏ねでもなく、いますぐに腹を斬って死んでしまえ!!」

 

基本的にヤジを飛ばしてくるのは、負け犬どもだ。―――まさに『負け犬バンザイ!』となっている来禅高校の二年四組だ。

 

―――さて、狂三は士道が差し出した手を笑顔で取る。

 

「………まあ、()()()()がご案内して下さるのであれば、願ったりかなったりですわ。―――よろしくお願いしますね、士道さん」

 

「………ッ!?あ、ああ!任せてくれ」

 

士道は時崎狂三という少女とは初対面だった―――しかし、狂三はまるで()()()()()()()()かのように士道と会話をこなすことに士道は面を食らった。

 

『………相棒、この小娘はこれまでの夜刀神十香や四糸乃とは違って一筋縄ではいかない相手だ―――放課後は気張っていけ。気休めにしかならんだろうが、俺も最大限にサポートをしてやる』

 

(―――気休めなんかじゃないぜドライグ、お前は俺の自慢の相棒だ。………万が一の時は頼りにしてるぜ?)

 

士道もドライグも未知の強敵を前にして警戒を強めていた。

 

―――放課後には、彼らの戦争(デート)が始まろうとしていた。

 




★おまけ

士道「おい作者!十香のブラジャーのシーンはどこに置いてきやがった!」

———この質問に対しての私の回答としましては、原作の士道くんなら間違いは100%起こりませんが、本作品の士道くんは『うっかり』を装って必ず触りに行ってしまうと思い、カットさせてもらいました。

DxD原作を読んでおられる方ならお分かりだと思いますが、触れてしまうとアレが起きてしまうため、カットせざるを得ませんでした。

その代わりと言ってはなんですが、べつのシーンを用意することに決めました。
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