デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

26 / 84
私は狂三キラーの中ではこの真那と琴里の妹対決が好きですね。

———さてさて、みなさんは義妹か実妹のどちら派ですか?

※三者連続四球なら満塁にしかなりませんよね•••••四者連続の間違いでした。
※一部間違いがあったので、そこを修正そこを修正しました。


四話 実妹来襲!

士道の実妹と名乗った少女は、士道と十香の後に続いて五河家へと到着した。少女は五河家を見上げ、声を漏らす。

 

「おおっ!ここが兄様がお世話になっておられるお家でごぜえますか!」

 

少女は目を輝かせながら五河家を眺めていた。

彼女の名前は崇宮真那と言うらしい。士道のことを『兄様』と呼ぶのだが、士道には『兵藤一誠』としての記憶は存在するが、この五河士道になる前の記憶は綺麗さっぱり消えているため確認のしようがなかったのだ。

 

『………相棒、ここはこの小娘から色々と聞き出して見てはどうだ?俺も相棒の()()()()()()には興味がある』

 

ドライグの言う通りにして、士道は真那を家に上がらせることを許し、真那を家へと上がらせる。

………ドライグの言う『謎の空白時代』と言うのは、士道が五河士道になる前―――産まれてから親に捨てられ、五河家に引き取られる前に士道がどんな生き方をしていたのかが、知りたかったのだ。………士道自身もその時の記憶は見事に消え去っているため、思い出すことはできないからだ。

 

「お邪魔しやがります!」

 

―――よくわからない敬語を使う真那に士道は思わず問いかける。

 

「………えーと、『真那』で良かったっけ?」

 

士道が靴を揃えて家に上がる真那への問いかけに真那は笑顔で答える。

 

「はい!なんでいやがりますか、兄様?」

 

真那は士道と話せることが嬉しいらしく、彼女の笑顔の輝きは研磨されたダイヤモンドを思わせるものだった。

 

「えーと、何処でそんな日本語を学んだんだ?色々とおかしいと言うか何というか…………」

 

「変でやがりますか?………兄様がそう仰られるのであれば―――」

 

真那はスマホを取り出し、『正しい話し方』と検索をしていたが、その様子を見た士道は何か罪悪感を感じ、真那を止める。

 

「ああいや、無理に直せって言ってるわけじゃないんだ。―――なんかゴメンな、嫌な思いをさせて………」

 

士道が瞑目して謝ると、真那は「気になさらないでくださぇ」と言った。家の廊下を進み、士道たちはリビングへと到着する。そこには――――

 

「おかえりなさい、()()()()()()

 

やたらと『おにーちゃん』と言う部分を強調して士道の帰りを待っていた黒リボンの琴里がリビングに座っていた。

真那は琴里の側まで歩いて行き、手を差し出す。

差し出された手を琴里も取り、お互いに握手をする。

 

「おおっ!お家の方でいやがりましたか!うちの兄様がお世話になっています!」

 

真那はフレンドリーに琴里に接していた。琴里も特に変わった様子もなく普通に真那と接していた。

リビングのソファーからは十香と四糸乃が士道たちの様子を興味深そうに見守っている。

 

「………驚いたぞ、士道にもう一人妹がいたとはな」

 

「………本当に、士道さんとそっくりです」

 

『うんうん!隠し子ならぬ隠し妹!やるねぇ士道くん!』

 

十香と四糸乃、それからおまけの二人と一匹?の言葉を聞いた真那は「当然です!実の妹でやがりますから!」と胸を張って答えていた。十香と四糸乃を見た真那は士道に物申したいことがあったのか、士道に言う。

 

「………兄様、真那は兄様に物申したいことがあります―――なんですかこの美少女二人は!」

 

真那は十香と四糸乃を指差す。それに気付いた真那を士道は口の端を吊り上げて言う。

 

「おっ!真那は分かってるじゃないか、お兄ちゃんなかなか女性を見るセンスがあんだろ―――ってちょっとお!?」

 

ドンッ!!

 

士道の言葉に真那は机を握り拳を叩き付ける。………どうやら士道が思っていたことと、真那が思っていることは違っていたらしい。

 

「そう言うことじゃねえのです!―――折紙()()()()がいらっしゃられるというのにこんな美少女と二人と関係を持つとはッ!今は一夫多妻が許される時代じゃねえのですよ!?」

 

真那の言葉に士道は思うことがあったのか、大声を張り上げ、自分の意見を主張する。

―――ここから士道の夢が語られようとしていた。

 

「甘いッ!!甘すぎるッ!!真那、今の発言は角砂糖の数千倍の甘さだぞ!?」

 

「ど、どうしたんでやがりますか!?」

 

士道はリビングのデーブルの上に飛び乗った。―――士道は自分の夢をダイナミックに語ろうという覚悟を見せたのだ!

 

「―――いいか真那?一夫一妻などという実にくだらない制度があるから、浮気だなんだのといった不幸なことが起こるんだよ。それに、一人の男性に一人の女性なんていうのは絶対に間違っている!!優れた漢なら、たくさんの女性と関係を持ち、子孫を残すべきなんだ!!

真那、『光源氏』に一体何人の妻がいたと思う?」

 

士道の説明に真那はポカンと間が抜けた表情を浮かべていた。…………士道が述べたことなど、一般人から見れば末期にしかみえないだろう。

 

「…………ええっと兄様、『光源氏』は物語であって現実の話では無かったような気が………」

 

「―――そう、確かに現実じゃない。…………だが!!俺は現実の壁をぶち破りハーレム王になる!!俺だけの美女たちと幸せな家庭を築くんだ!!俺はそれを神様が邪魔をしようものならその神様をもぶちのめすッ!!」

 

ドガアアアアアアアンンッッ!!

 

「―――うわぁ…………」

 

『………マジ引くわ〜』

 

士道が握りこぶしを天井に掲げた時、何かが爆発したような音が聞こえた。十香と四糸乃は首を傾げ、頭に疑問符を浮かべていたが、琴里とドライグは汚物を見るような目を士道に向けてドン引きしていた。相棒のドライグは士道と同じクラスのとある女子の真似をするほど、士道の夢を痛々しく思っていたらしい、

 

―――しかし……………

 

「―――さすがです兄様ッ!!真那は兄様の夢を応援したくなりました!!」

 

「そうだろ!俺が歩むのはいばらの道ではなく、修羅の道となるだろう―――だが!まだ見ぬ美少女たちがこの俺を待っている!!俺はその美少女たちを迎えに行かなければならないんだ!!」

 

「さすがは私の兄様ですッ!!頑張ってくだせぇ!!」

 

『…………おい!?この兄妹は一体どうなっているんだ!?色々とネジがぶっ飛んでいるぞ!!』

 

真那は士道の夢を聞いて目をキラキラと輝かせていた。自分の夢を盛大に語る兄の姿に感動したのだろう。

…………だが、こんな間違った夢に目を輝かせるあたりはこの兄妹は優秀な精神科を全力で勧めるべきだろう。

ドライグだけは正論を言っているのは明白だった。

 

「………真那。俺もいくつか質問があるんだけど良いか?」

 

今度は士道が真那に訊る。真那は笑顔で快諾する。

 

「はい!何でしょうか兄様?」

 

「………実は俺、ここに来る前までの記憶は綺麗さっぱり抜けているんだ。―――だから俺には産んでくれた母親のことも真那のことも記憶には無いんだ。………だから真那が覚えていることを教えて欲しい」

 

「―――そ、そのことでやがりますか…………」

 

士道の問いを聞いて真那は表情を陰らせ、下を向く。真那は申し訳なさそうに口を開く。

 

「実のところ私もその頃の記憶はねえのです…………ここ三年くらいの記憶は存在しやがるのですが、兄様と同じくその時の記憶はわたしにも………」

 

今まで黙り込んでいた琴里が真那の言葉を聞いて、珍しく声を荒げる。

 

「はあっ!?それならなんで士道が自分の兄だって分かるのよ!?」

 

琴里の言葉に真那は自分の胸からペンダントを取り出す。そこには、幼い頃の士道と真那を思わせる二人の人物の古ぼけた写真があった。

 

「これは―――俺、なのか?」

 

「はい!間違いなく兄様でいやがります!」

 

士道は真那のペンダントを見て、一桁後半の年代柄の幼い自分を彷彿とさせる人物を見て口を開く。真那はこの人物を士道だと言うが、琴里は真那の言葉を信じてはおらず、異を唱える。

 

「他人の空似じゃないの?士道がこれぐらいの時にはすでに五河家に養子に来ていたわ」

 

………そうなのだ。士道が五河家に養子に来たのは、五歳の頃だった。故にこの写真の人物は士道ではないと琴里は思っていたのだ。

しかし、真那は目に涙を溜めて、心の中の嬉しさを言葉にして士道と琴里に伝える。

 

「………ぼんやりとした記憶ではありますが、兄様が何処かへ行ってしまったことだけは覚えています。兄様のことが心配でしたが、こうして兄様と出会うことができて、真那は幸せなんです!」

 

真那は立ち上がって士道に飛び付く。士道は飛んで来た真那を優しく受け止めた。

 

「にいさまああああああああっ!」

 

「っととと………真那、いきなり抱きつくなんて危ないぞ?」

 

士道は優しく真那の頭を撫でていた。士道にとっては消えてしまっている記憶なので真那が自分の妹だということは記憶にはない。けれど、士道は真那の言葉を信じようと決めていたのだ。

 

 

 

―――しかし……………

 

 

 

 

「離れなさいよ!」

 

「―――ぐふぇ!?」

 

ドガッ!!

 

()()である琴里が士道の脇腹に足刀を入れ、()()を名乗る真那から強引に士道を引き離す。

義妹の琴里が気にしていたことは、自分の妹というポジションが危機的状況に晒されていることだった。

 

「なっ、真那の兄様に何をしやがるんですか!!」

 

「そうだそうだ!!なぜ俺を蹴っ飛ばす必要がある!?」

 

実妹である真那と士道が揃って口を開くが、琴里は士道を蹴っ飛ばしたことは特に何も感じてはいなく、士道は連れては行かせないと物申す。

 

「士道はうちの大切な家族!五河家の一員で私のおにーちゃんなの!!それをそんな薄情な理由で連れて行こうだなんてそんなことは許さないわ!!」

 

「―――そんなつもりはねえですよ」

 

「え?」

 

真那が返した言葉に琴里はあっけにとられていた。

 

「兄様がこの家での生活を語られている時の表情はとても幸せそうでした。それを壊そうだなんてそんなことは真那にはできねえです。兄様は妹でおられる、あなたのことをとても大切にしておられ、自慢の可愛い妹だとも仰ってやがりましたよ?」

 

「わ、分かってるじゃない………」

 

士道がこの家での生活が幸せと思っていると真那から伝えられたことにちょっと嬉しく思っていた―――だが…………

 

「でもまあ、妹レベルとしては実妹である真那には負けていやがりますけどね!」

 

ギンッ!!ガリィッ!!

 

「―――うっ!?」

 

和やかとしていた五河家のリビングに緊張が走る!!

真那が発した言葉に琴里が反応した。視線を槍のごとく鋭くし、なめていたチュッパチャプスを噛み潰したのだ。

士道はこの二人の光景を見て、心臓が鷲掴みにされる感覚を味わっていた。

 

「へぇ、面白いことを言うじゃない…………私から言わせてもらえば、血縁者が離れ離れ時点で紙切れのような脆くて弱い関係にしか見えないけど?

私は士道の妹を十年以上もやっているわ、妹レベルは私の方が断然上だと思うのは気のせいかしら?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ……………

 

「ひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!ぼく、おうち、帰る―――ってここぼくの家だったあああああああ!!」

 

琴里の言葉に真那のこねかみがピクリと動き、何かオーラのようなものが可視化するほど具現化していた。

―――この二人は煽りの天才のようだ。そして、情けないことにこれから繰り広げられる死闘を恐れ、彼らの兄は震え上がっている!

………この兄はこういう場面では一切役に立たないのだ!!

 

「―――ハッ、片腹痛えです!それは机上の空論でやがります!義妹は所詮他人です。その点、実妹は血を分けていますからね!これだけで妹レベルは雲泥の差があります!たかだか十年程度なんざアドバンテージにすらならねえです!」

 

「血縁血縁って血縁がそんなに大事なの!?他にも――――」

 

「笑止千万でやがります!だいたい義妹は―――」

 

二人の言い争いはヒートアップし、十香と四糸乃は身の危険を感じてか、ソファーから離れて部屋の隅で様子を伺っていた。

士道は二人の言い争いを止めるべく、堪らず相棒に藁にもすがる思いで助けを求める!

 

「おいドライグ!なんとかしてくれええええええ!!!」

 

『なんだ相棒!俺は選抜優勝校と同じ地区の強豪校との試合を見ることに忙しいんだ!悪いが後にしてくれ―――クソッ!!最終回一点差、ノーアウト一塁の場面で送りバント失敗からのゲッツーで、ツーアウトランナー無しの場面から四者連続四球で押し出しだと!?これで同点になってしまったでは―――うわあっ!三遊間を破る逆転二点タイムリーヒットで試合ひっくり返された!?クソッ!選抜優勝校が盛大に転ぶところを期待していたのに!!」

 

「―――この役ただずッ!!」

 

―――ドライグは士道のスマホでユーチューブで高校野球の予選を見ているらしく、士道の声は届いていなかった。

士道はスマホを使わない時は、赤龍帝の籠手の中に入れてドライグに貸してあげているのだ。

いつもなら聞こえるはずなのだが、よほど緊迫した場面だったのか、ドライグはスマホで観戦している高校野球に釘付けになっていた。

士道は赤龍帝の籠手の宝玉部分にチョップをかました!

…………頑張れ士道くん!

 

「ハッ!言ってなさいよこのおたんこなす!実妹じゃ結婚だってできないじゃない!!」

 

『え!?』

 

「―――ハッ!?」

 

琴里の放った言葉に一同の視線が琴里へと集中する。琴里は自分が何を言ったか分かると顔を真っ赤に染め、机を強く叩きつける!

 

「と、とにかく!今は私が士道の妹よッ!分かった!?」

 

「うるせーです!実妹最強伝説を知らねえでやがりますか!!」

 

「お、お前らいい加減にしないか!!と、十香と四糸乃が、へ、部屋の隅っこで………………ふ、震えてるじゃないか!!」ガタガタブルブルッ…………

 

士道が正論を述べるが、足が震えている状態で言ったので説得力は全くない―――いや、士道ですら震えているため周りのことも考える必要があると二人も考えたらしく、琴里と真那は言い争いの勝負を士道に託した。

 

「士道!あなたは―――」

 

「義妹、実妹、どっち派でいやがるのですか!?」

 

予想外なことを聞かれた士道だったが、堂々と胸を張って意見を述べる!

 

「俺は妹との近親相姦ものはマジで好きだ!実妹義妹なんて関係ねえ!俺は妹萌えは許容する!ていうか、いずれは義妹と実妹を丼にして食ってしまいたい!」

 

「ど……………丼でやがりますか?」

 

「―――なっ、何を言ってるのよ!?このバカああああああッ!!」

 

士道の発言に真那は首を傾げ、琴里は顔を最高潮に紅潮してこのリビングから消えた。―――十香は「シドー、私もその丼を食べてみたいぞ!」と言っていたが、十香もどうやら言葉の意味を理解していないようだ。

※良い子及び、良い大人は絶対に士道くんのような発言は絶対にしないようにして下さい。

 

「琴里のやつどうしたんだろうな?顔真っ赤にしてどっかに行っちまったよ……………そういや真那、お前今は何処でお世話になってるんだ?お世話になっている人に俺も挨拶しとこうと思ってさ」

 

士道が言うと、真那は返答に苦しむかのように言葉を濁した。

 

「えーっと、その………全寮制の職場で働いていて、そこでお世話に………」

 

「―――は、働いてんのか!?真那は琴里と同じ年くらいだろ!?学校とかはどうしてんだよ?」

 

士道の問いに真那は先ほどまでとは様子が明らかに変わっていた。先ほどまで琴里と言い争っていた時や、最初に士道と話していた時とは違い、今の真那は挙動不審だった。

 

「と、とにかくお邪魔しました!に、兄様、ハーレム王を目指して頑張って下さい!真那も応援していますから!!」

 

ガチャっ…………

 

真那は一目散に五河家を飛び出した。そんな真那を見て士道は怪訝に思っていた。

 

『はぁ…………結果は選抜優勝校の勝利で終わった。地方大会では、番狂わせは起きないか…………』

 

スマホでの試合が終わり、ドライグが試合結果にため息を吐いていた。―――最近ドライグはスランプなのか肝心なところでは全く役に立っていない。

 

「まだ言うか!!このポンコツドラゴン!!」

 

 

 

 

――◆――

 

 

 

 

キーンコーンカーンこーん…………

 

「みなさん、おっはよーございまーす!今日も足下が悪い中、元気に登校してくれて先生は嬉しいです!」

 

タマちゃんがチャイムと同時に室し、ホームルームが始まる。―――ちなみに外は雲ひとつない快晴だったが、タマちゃんは寝ぼけていたのか場違いなセリフを述べていた。

 

「狂三のやつ登校二日目で欠席か」

 

十香が隣の席を見て狂三が来ていないことに声を漏らす。士道がそれに気付いて十香の隣の席に目を配ると、確かに狂三が来ていなかったのだ。

 

「………彼女はもう来ない」

 

士道が怪訝に思っていた時、折紙が隣からボソッとタマちゃんには聞こえない声で呟いた。士道はその言葉の真意を知ろうと折紙に訊ねる。

 

「―――来ないってお前………どこぞのリリカル☆マジカルな白い衣装に身を包んだ魔王様のように、狂三にO☆HA☆NA☆SHIをしたわけじゃねえよな…………もしそうなら、マジで不登校になるレベルだぞ?」

 

「………そんなことはしていない。けど、()()はした」

 

「―――うん、今度狂三に謝ろうな?」

 

昨日のことがよっぽど気に入らなかったのか、折紙は突っ走ったと士道は考えていた。

 

 

 

―――だが…………

 

 

 

「もう!時崎さん、遅刻ですよ!?」

 

タマちゃんが狂三の名前を呼んだ時に士道たちは一斉に狂三の方を見た。士道は折紙が『処理をした』という言葉に狂三を心配していたが、狂三には目立った傷はなく、普通に登校して来たのだ。

 

「………すみません、登校中に少し気分が悪くなったもので」

 

「だ、大丈夫ですか!?すぐに保健室に―――」

 

狂三の言葉にタマちゃんが心配をするが、狂三は「心配いりませんわ」と言ってタマちゃんを安心させた。

安心したタマちゃんとは正反対に折紙は鳩が豆鉄砲を食ったように席から立ち上がり、動かなくなっていた。

 

「…………折紙?一体どうしたんだ?」

 

「どうして―――彼女が…………」

 

「お前一体何をやったんだ!?」

 

――♪♪♪ と〜あるく〜にの隅っこに〜おっぱい大好きドラゴン住んでいる――

 

『―――ゴハッ!?おい相棒!!着信音をなぜその歌にした!?』

 

士道が折紙に聞き出そうとした時、士道のスマホに電話が入る。

………相手は琴里だった。士道は風の如く教室を出て電話に出る。

―――その着信音を聞いたドライグは盛大に吐血した。

…………なぜこの歌が着信音になっているかというと、ソロモンが士道のスマホにイタズラをしたからだ。そのイタズラのおかげで士道のスマホは他の機種に比べてもスーパーなスマホへとグレードアップしたというのは、また別の話だ。

 

「ん?琴里か、一体どうしたんだ?」

 

『士道、昼休みに物理準備室に来なさい、見せたいものがあるわ』

 

「………分かった。十香と飯食ったらすぐに行く―――っておい!?狂三さん、あなた一体何を!?」

 

士道が琴里と電話をしていた時、狂三が士道の耳に息を吹きかける。士道はびっくりして狂三と距離を取る。

 

「士道さん、ホームルーム中に電話はダメですわよ?」

 

「………そ、そうだよな。すぐに戻るよ」

 

それだけを伝えると狂三は教室に戻っていった。そしてすぐに電話の方へと意識を向けた。

 

「―――すまん琴里、言いたかったのはそれだけか?」

 

『………士道、今話していたのは狂三なの?』

 

深刻そうに訊いてくる琴里に士道は琴里が口にした人物を肯定する。

 

「そ、そうだけど………何かあったのか?」

 

『―――兎に角、昼休みに物理準備室に来て。その時に昨日何が起こっていたかを話すわ』

 

ぷ、ツー、ツー…………

 

琴里との電話はこれにて終了した。士道は昼休みになるまで授業に集中することにした。

 

昼休みに物理準備室で士道が見ることになる光景が、想像を絶する地獄絵図だということは、士道は想像することなど、出来なかった。

 

 

 




★おまけ

琴里は士道の言った『丼にして食べたい」と言った言葉に妄想を膨らませていた。
※これは琴里の妄想である。

士道「さあ真那、琴里。———服を脱ぐんだ」

真那「はい!兄様」

豪快に服を脱ぎ捨てる真那だったが、琴里は恥ずかしそうに戸惑っていた。

琴里「ちょ、ちょっと待ちなさいよ士道!いきなり服を脱ぐの!?」

士道「当たり前じゃないか、服を脱がないと、お前の綺麗な体が見れないじゃないか。———琴里が着たままがご所望なら俺はそれに答えるぜ••••••あ、それとも俺が脱がせてあげようか?」

琴里「そ、そうじゃなくて•••••私たちその、兄妹だし••••」

士道「琴里、返事は『はい』or『YES』の二択だ。俺がたっぷり愛してやるから覚悟しろよ?」

琴里「ちょっと待ってぇぇぇぇぇぇ!!」

士道はまず琴里から美味しくいただいた。

琴里「ぐへ、ぐへへへへへへ!大好き、おにーちゃん!」

琴里は重度のブラコンを発症した。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。