あの禍々しい力につきましては、もう少し先の展開に先延ばしする形にしました。
※トカレフさん、煉獄騎士さん、クォーレっとさん、誤字報告をありがとうございました。
空中艦『フラクシナス』には、精霊の隔離施設が存在する。十香や四糸乃も精密検査が終わるまでその部屋で生活を強いられていたが、今その各施設の内部にいたのは、赤い髪に黒いリボン、ルビーを思わせる瞳を持った凛とした小柄な少女―――士道の妹の五河琴里だ。
琴里は私服姿で施設内のテーブルに座り、チュッパチャップスに紅茶の入ったティーカップを手にしており、特にいつもの生活と変わらない様子で生活している。
「…………こちらの声は向こうには届いていない。―――シン、ここからはキミ一人だ」
士道は首を縦に振り、令音が機械をいじって隔離施設の扉のロックを解除する。そのあと士道は扉を開け、中へと足を進める。
「……ん?士道じゃない。目が覚めたのね」
施設に入るなり、琴里が士道を一瞥して声を掛けてくる。士道は普段通りに返事をする。
「ああ、随分眠りこけてたらしいけどな……」
士道は琴里の向かい側に座り、いきなり本題に入る。
「……琴里。こんなことを訊くのは兄としては考えものだが、聞かせてくれ―――お前は一体、何者だ?」
「士道の可愛い妹よ」
琴里はこれといって変わった様子はない。琴里の返答を聞いた士道は、向かい側に座る琴里にニッと笑う。
「………それが聞けただけで充分だ。琴里は俺の妹、それはこれからも変わりはない事実だ―――いや、変なことを聞いて悪かった………忘れてくれ」
「………………」
琴里は、士道の様子を見て怪訝に思っていた。
―――琴里は最初は『士道の可愛い妹だ』と述べたが、精霊化した事を訊かれるものだと思っていたが、士道はそれを問いただすことはしなかったからだ。
それどころか――――士道は立ち上がり、キッチンへと行く。この隔離施設にきた目的を忘れているかのように………
「………琴里、お腹空いてないか?俺がなんか作ってやるぞ?」
士道はナフキンを頭に巻き、本当に料理を振る舞おうとしている。………そこで琴里は一つの考えに至り、苦笑いを浮かべながら士道にお願いをする。
「………じゃあ、目玉焼きが上に乗ったハンバーグ定食をお願いしようかしら」
「―――へいよっ!」
士道は、黙々と琴里がリクエストしたメニューの作成に取り掛かった。そして、待つ事三十分ほどが経過すると、テーブルの上には、琴里がリクエストした目玉焼きが上に乗ったハンバーグの定食が出来上がっていた。
「悪いわね、士道………頂くわ」
琴里が箸を手に持った時、士道が大声で一時停止をかける。
「ストーップ!!琴里―――俺が食わせてやるよ」
「―――は、はあ!?」
士道はフォークとナイフを持ち、ハンバーグをナイフで切って琴里の口に近づける。いきなりの士道の行動に琴里は戸惑いを隠せなかった。
「幼稚園児のお子様じゃあるまいし、それくらい自分で―――」
『五河琴里っ!!』
琴里が全てを言う前に、士道の左手の甲からドライグが琴里の名前を強く叫ぶ。琴里はドライグの声を聞いてビクッとなり、言葉を止める。
『―――相棒は貴様の体の状態を分かっているからこそ、こんな行動をしようとしているのだ………相棒にはお前の体から制御が出来ていない異常な力を察知しているからこそ、お前に手を差し伸べている―――なぜそれを悟り、快諾することができんのだ………』
「―――お、おい!?空気読めよドライグ!!」
ドライグは琴里を叱咤するが、士道は完全に呆れていた………士道は明鏡止水で相手の気を探ることが可能だ。
琴里の体からは異常なまでの気が放たれており、それは力を制御できていないことを証明するには十分だった………
士道は敢えてそれを言わなかったが、ドライグは琴里にそれを突き付けたのだ。
―――琴里はドライグに言われた言葉に、ハッと士道の顔を見つめてスカートをギュッと握った。
「―――ごめんなさい士道、あなたの気持ちを察してあげられなくて………」
「気にすんな、ほら―――」
琴里は士道が差し出したフォークを口に運ぶ。その姿は、幼い妹を世話する兄のようだったが、『フラクシナス』の隔離施設内で行われているそれは、高校生二年生の兄と中学二年生の妹だから違和感はある。
―――しかし、琴里のことを思っての士道の行動だった。
………うん、お兄ちゃんを頑張っている士道くんだ。
琴里に料理を食べさせると、茶碗を洗って隔離施設の外に出ようと扉に手を触れるが、琴里が士道を止める。
「―――ま、待ちなさい士道!何処へ行くのよ………」
琴里が訊くと、士道は振り返って琴里に言う。
「何処って―――ここを出るんだよ。とりあえず俺のやることは全てやったからな………」
『おい相棒………』
士道が出て行こうとすると、ドライグは何か言いたそうにしていたが、士道はドライグに言い聞かせる。
「ドライグ、俺はお前の気持ちもよく分かっている―――けどな、無理に知る必要のないことだってある………今の琴里が無理をしているのは俺が一番分かっているんだ―――だから無理矢理訊き出すような真似は俺には出来ない」
『………………』
士道は琴里の体と精神の状態を気遣ってのことだった。今の琴里は不安定な状態だ。そんな時さらに精神を揺さぶってしまうことがあれば、それこそ大惨事になってしまうのではないか?と思っていたからだ。
しかし、琴里は士道に苦笑しながら伝える。
「まったく、士道がそんな気遣いが出来るようになるなんてね………いつも『おっぱい、おっぱい』しか言わないから将来、あんたが牢屋にぶち込まれている姿しか想像できなかったのだけれど………本当に頼もしくなったわね」
「―――悪いがこれは俺の勲章だ!エロこそ正義!スケベこそ世界の真理だ!」
―――これはいつものことだから目を瞑っていただきたい。士道くんは全く自分を曲げるつもりはないらしいが、琴里は士道に話し始める。
「心配いらないわよ士道、ちゃんと話すつもりだったから………士道、五年前の日本の関東地方を襲った同時多発空間震のことを覚えている?」
「―――ああ、確かそれって『関東大空災』の再来とか呼ばれてたやつだよな?そのせいで、天宮市の住宅火災の対応に人材が集まらず、多くの死傷者を出したって謳われてたな………ってちょっと待て!まさか―――」
士道が住んでいる天宮市には、五年前から空間震が発生するようになり、ここ二ヶ月ほどで二度とも空間震が発生している………士道はその時
「琴里、お前………その時に精霊になったのか?」
「………ええ、その時に私は精霊になった―――まあ、
士道の出した答えに、琴里は苦笑しながらため息を吐いた。
「琴里、その時のことを詳しく話してくれないか?」
士道が訊くと、琴里は首を横に振る。
「ごめんさない、その時ことは詳しくは覚えていないの………私の記憶にあるのは、士道が泣きながら、パパとママの前で私を抱きしめてくれたところまでしか覚えていないの………」
「―――ッ、そうか………」
琴里の言葉を聞いた士道は瞑目し、視線を床に向けた。
士道が今すぐに答えが欲しかったことは、琴里が精霊になったことその原因と、あの禍々しい力のことだった。両方とも答えを知ることが出来なかった士道が落胆するのも無理はないだろう………
「それともう一つ訊きたいことがある―――五年前に精霊になったとして、誰が琴里に霊力の封印を施したんだ?琴里はその後はもう普通の生活をしていたよな?」
士道が訊ねた質問に、琴里は何を分かりきったことを訊いているのか………と言う顔で士道に言う。
「………あなた以外に誰がいるって言うのよ?」
「―――お、俺ッ!?」
士道は素っ頓狂な声を上げた。それもそうだろう、士道にはその記憶は見事に無かったからだ―――おそらく、士道があの禍々しい力を解放した後に、琴里が士道に唇を重ねることで士道に霊力を託したのだろう。
「………今も琴里から霊力を感じ取ることが出来ているってことは―――俺にその力は戻っていないってことになるな………一体どうすれば元に戻るんだ?」
「四糸乃との隠れデートの時や狂三に屋上で捕食されそうになった時に、十香の精神が不安定になって霊力を逆流してしまった時とは違うわ………十香の場合はまだセーフなレベルだったけど、私の場合は霊力の全てを解放したから、自然に戻ることは無いの………………十香や四糸乃の時と同じようにすれば、私の霊力は士道に戻るわ」
「お、おい―――それって………」
―――そう、琴里をデレさせる必要があるのだ………士道がしなければならないことは、琴里に兄としてではなく一人の男として士道のことを好きになってもらうことだった。
「ええ、そうよ。十香や四糸乃、そして狂三の時と同じよ―――私とデートをしてデレさせて。私の好感度を上げてそして――――っ!!」
ドサッ………
琴里が士道にするべきことを伝えようとしていたが、その途中で突然頭に手を当てて、椅子から倒れる!
それを見た士道は慌てて琴里に駆け寄る!
「精霊の力が戻ってからたまにこうなるのよ………気を抜くと大暴れしそうになって―――私の精霊としての力が私をそうさせる………」
琴里は制御できていない力によってその身を翻弄されているようだ………まるで『
琴里は全身を震わせながら、自分を暴れさせようとする精霊の力に必死で抗っている!
「琴里、大丈夫だ!絶対に俺が助ける!!だから―――」
「………そこまでだ!」
士道が琴里の体を支えていた時、令音が隔離施設の扉を開けて中へと入って来た。そして琴里の首筋に注射器で何か薬物を注入した。
そして―――全身を震わせていた琴里の症状が緩和していき、琴里は落ち着きを取り戻した。
「令音さん、今のは―――」
「………精霊の力を抑え込む薬さ。琴里は昨日からこの薬をずっと投与しているんだ―――シン、今日はここまでだ。ここは私に任せてほしい………」
真剣に頭を下げて頼み込む令音を見た士道は首を縦に振って、落ち着いたが、苦しそうにしている琴里を一瞥し、部屋から立ち去った。
隔離施設の外で士道は椅子に座り、令音が隔離施設から出て来るのを待った。五分ほど経過した後、令音は隔離施設から戻り、士道の横に座った。
「令音さん、琴里の様子は………」
士道は制御できない力に苦しむ琴里の姿が脳裏から離れず、気が気でなかった。そんな士道に令音は現実を突きつける。
「………今のところは問題はない、だがそれも長くは続かない―――琴里が今の状態でいられるのは三日が良いところだろう………それを過ぎると、シンが知っている琴里ではなくなってしまう可能性がある」
「―――たったの三日!?それだけの猶予しかないのですか!?」
突きつけられた現実に士道は声を荒げた。………当然だ、自分の妹の限界までの時間は三日のみ―――士道はこの宣告に、頭が真っ白になった………
「………シンには三日後、琴里とデートをしてもらう。薬と鎮静剤が効力を発揮し、安定するまでに三日待たなければならないんだ………それが琴里の霊力を封印する最後のチャンスだ」
「………三日後に!?冗談じゃないですよ!!俺は今からだって―――」
士道がもう一度隔離施設に入り、もう一度琴里と話そうとするが、令音が扉の前で両手を広げて仁王立ちをする。
「………シン、キミの言いたいことは痛いほど分かる。琴里が苦しむ姿を見たくない―――そして、琴里にそんな想いをして欲しくない………キミを見ているとその想いが全身に伝わって来る―――でも、今は言う通りにしてくれないか?」
令音は扉の前から退こうとはしなこったが、士道も退くつもりは微塵もなかった。
「令音さん―――あなたの言う通りに行動するとして、三日後に何もないと断言できますか?新たな精霊が現れたり、ASTの連中が琴里を攻撃して来たりするなどのアクシデントはない―――と断言できますか………」
「………それは―――」
令音は士道の言葉に反論できなかった。令音は士道から視線を逸らし、言葉を詰まらせた。だが、士道は止まらず自分が思ったことをそのまま令音に伝える!
―――これ以上大切なものを失わないために!!
「………できないですよね?未来のことなんか誰にも予想できません―――だから!今できることは全て試しておかなきゃいけないんですよ!!
………琴里の霊力を封印できる可能性が最も高いのは、令音さんが言う三日後かも知れません―――ですが、それは今日や明日行うにしてもあっても可能性が
「………………………」
士道の魂を込めた叫びに令音は完全に沈黙した。士道は令音の肩に触れ、その場から無理やり退かす。
そして、隔離施設の扉に手を触れる。
「………シン、少しは琴里のことを考えてあげるべきだ………琴里はキミとの―――」
令音が全てを士道に伝えようとする前に、士道の左手の甲に円状の光が現れる。―――相棒のドライグだ。
『―――村雨令音、相棒が懸念しているのは五河琴里の安全だ。………ヒーローにはな、救うと決めた人が望まない行為でもしなければならない時がある―――貴様は相棒と五河琴里をデートさせるつもりだろうが、そんな悠長な事をするだけの猶予はない―――それにな、五河琴里は相棒に
「………………………」
熱く想いを語る士道と、士道の心を誰よりも理解しているドライグの言葉に令音は何も言い返せなかった。
令音が琴里のためだと思っていたことを、士道にとドライグに完全に論破されてしまったからだ………
「―――これで失敗したなら今度こそ令音さんの指示に従います………やっぱり俺には苦しむ妹を傍観できません」
それだけを言い残すと、士道は隔離施設のドアを開けて施設内に入った。
施設内に入っていく士道の背中を見た令音はボソッと呟く。
「………できることは全て試しておくか―――全く、キミが言うと妙に説得力があるよ………シン、キミがどんな過去を歩んで来たか是が非でも知りたくなったよ」
令音は士道が施設内に入り、施設内の様子を見守る空間に一人になり黄昏ていた。
「―――よう、琴里」
先程施設内から外に出た士道が再び入って来たことに、琴里は目を疑う。
「し、士道!?一体どうしたのよ………令音と一緒に出て行ったんじゃ―――」
某RPGの呪文『アストロン』を掛けられたように固まる琴里。士道は大きく深呼吸をし、拳を握りしめる。
『―――さあ相棒、見せてやれ!お前の勇気をッ!!』
緊張している士道を見たドライグは、士道の背中を押した。
士道は大声で自分の胸に秘めた想いを叫ぶ!!
腹の底から全力で声を出して!!
「琴里、俺はお前が好きだ!大好きだ!超好きだ!可愛い俺の妹の琴里も、司令官モードの凛とした琴里も、俺は大好きだ!!俺は琴里を見ているだけで胸が張り裂けそうになる!!俺は三秒に一回は琴里のことを考えている!!」
バキュンッッ!!
鉄砲に打たれたような音が響き渡るように、士道の告白を聞いた琴里が茹で蛸のように顔を真っ赤にする!!
琴里は士道から視線を外し、目を泳がせている!!
「ちょっ、何言ってんのよ!?何か変な薬でも飲んだの!?」
「琴里、俺はお前がこの世界………いや、この宇宙で一番愛している!!」
「ちょっ―――キャッ!?」
士道は堪らず椅子に座っている琴里を押し倒す!!そして―――琴里に封印を施そうと押し倒した琴里を見つめている!!
「士道、落ち―――んむむむむ!!!!!?」
士道は押し倒した琴里に、封印を施した。
その時―――士道の体の中に霊力の他に、映像なようなものも一緒に入り込んで来た。
そう………士道は琴里の霊力を見事に封印することが出来たのだ。
いや――――これは当然の結果といったほうが正しいだろう………
「せ、成功したぞおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」
士道は勝利のガッツポーズをする!!だが―――精霊『イフリート』の琴里は士道とは正反対だ!
「―――私のデート権を返しなさいよおおおおおおおおおおッ!!」
ドゴオオオオオオッッ!!
霊力の封印が成功したことに、士道は大喜びで飛び跳ねている!!琴里はそんな士道にドロップキック!!
琴里のドロップキックを喰らった士道は食器入れに顔面から突き刺さった………
琴里は士道とのデートを異常なほど楽しみにしており、士道とデートができることを心の底から待ち望んでいた。
―――しかし、霊力の封印が成功すればデートをする必要が無くなってしまい、琴里の願いは泡となって消えてしまう………
そして、それは現実になってしまったのだ!!
故に琴里は、士道とのデート権が無効になることに怒りをぶつけた。
………突き刺さった食器入れから顔面を引き抜き、士道は琴里に訊ねる。
「お!?琴里、お前は俺とデートしたかったのか!?おにーちゃん嬉しさのあまり涙が滝のように流れだそうだ!!
―――うわああああああああああんんん!!!」
歓喜の涙を流す士道を見た琴里は、首を横に振って否定する!
「い、行きたくなんかないわよ!!さっきのはその―――た、単なる気の迷いよ!!」
プライドが高いあまり、琴里は本心を士道に伝えることが出来なかった―――が、しかし!!次の出来事が琴里の高いプライドをズタズタにへし折る!!
その出来事は――――
「士道さぁ〜ん!お仕事は終わりましたの〜?」
琴里の霊力封印が完了した時を見計らって、くるみんが隔離施設内に入って来たのだ。
先ほどの全裸ではなく、来禅高校の制服姿で入室してきた。
「―――う、嘘ッ!?どうして狂三が艦内にいるのよ!?ていうか、どうやって侵入したの!?」
琴里はくるみんがいることに慌てふためく。士道は目をパチパチと閉じたり開けたりをしながら琴里に言う。
「令音さんから聞いてなかったのか―――狂三の本体の攻略は失敗したけど、分身体の『くるみん』の攻略は成功したって………」
琴里は士道の説明を聞いて「もう何がなんだかわからないわよ!!」と頭を抱えていた。
そして―――ここからくるみんによる琴里のプライド粉砕大作戦が決行される!!
「士道さん、
「なっ――――!?」
くるみんは士道と腕を組み、美乳を士道に押し当てながら士道に頼み込む!
琴里の心は動揺している!!もう士道は琴里ではなく、くるみんへと心変わりしているからだ!!
士道はくるみんをお姫様抱っこし、施設外に出ようと足を進める!
「………三日後―――いや、今日行こう!ていうか今すぐ行こう!!くるみんとプールだなんて天国に行くようなもんじゃねえか!!くるみん、すぐに準備するから待っててくれ!!」
「あらあら、士道さんったらそんなに急かすほどのことではありませんのよ?
士道はくるみんとのプールに行きたくてたまらないのだろうか、その他の用事はすっぽかす勢いだ!
そしてくるみんは、心が揺らぎまくっている琴里を見てクスッと微笑む!!くるみんに目の前で大好きなおにーちゃんを汚されることが頭によぎった琴里は、高いプライドが徐々に崩れ始める!
「ま、待って!待ちなさい士道!!
―――士道がどうしてもって言うなら、特別にデートに付き合ってあげても良いわよ?」
………相変わらず上から物を言う琴里!!だが、くるみんはさらに琴里を煽る!
「―――実はわたくし、水着を新調しようも思っていますの………男性の意見は参考になりますので、是非とも士道さんのご意見を伺いたいのですが」
「グヘ、グヘへ、グヘヘヘヘヘヘヘヘヘ!!くるみんの水着姿――――」
―――くるみんは士道の誘惑の仕方を誰よりも知っている。士道は鼻の下を伸ばし、鼻血とヨダレを垂れ流し、くるみんの水着姿を妄想し始めている!!
「士道さんもわたくしとデートをしたいみたいですし、士道さんはお借りしてもよろしいですわよね、琴里さん?
―――さ、参りましょう士道さん?」
士道の腕の中でクスクスと笑いながら琴里を見ているくるみん!!
琴里は大好きなおにーちゃんが、何処か遠くへと旅立って行く姿が浮かんだ―――琴里のエッフェル塔のように高いプライドはもう、ズタズタに崩れ去ろうとしていた………
「ダメ、行かないでおにーちゃん!!私とデートしてよ!!ううん、デートしてください、おにーちゃん!!」
―――くるみんの誘惑攻撃が琴里の精神に回復不能の大ダメージを与え、琴里のプライドは粉々に砕け散った………
琴里の想いを聞いた士道は、笑顔でそれに答える。
「―――おう!プランは俺が考えておく!楽しみに待っててくれ、最高のデートにしような!!」
「うん!!」
士道の返事を聞いた琴里は、嬉しそうに微笑んだ。
………士道の腕の中にいるくるみんが、最後まで気に食わなかった琴里ちゃんだったのは触れないでいただきたい。
隔離施設を出た士道とくるみんは、明日の打ち合わせをしている。
「―――それでは士道さん、明日わたくしの水着を選んでいただけませんこと?」
「おう!任せとけ!!可愛いやつと、布面積が狭いやつと、濡れたら透けるやつと、濡れたら溶ける水着を買おうな?」
綺麗な笑顔で、真っ黒な欲望を見せる士道くん!キラキラと光が迸るような笑顔を浮かべているが、真っ黒な言動がそれを台無しにしている!!
くるみんは士道の腕の中で、小さく悲鳴をあげる。
「―――ひっ!?し、士道さん!最後の二つはさすがに」
「ハハハ!くるみん、明日は楽しみだなぁ〜」
………この前のデート同様に、大人の余裕を持つくるみんの顔が恥辱に染まるのは、誰もが予想できるだろう。
だが、士道くんはブレることを全く知らない!!
★おまけ(Q&A)
Qがイッセー、Aがドライグです。
イッセー「おいドライグ、琴里ちゃんとのデートってどうなるんだよ?まさか、琴里ちゃんと二人っきりなんてことになるんじゃねえだろうな!?」
ドライグ『必然的にそうなるだろうな。「オーシャンパーク」でのデートは五河琴里との完全なデートになるだろう』
イッセー「なら十香ちゃんたちはどうすんのよ!?まさか十香ちゃんたちの水着姿が見れないなんてことになったら、俺は作者をミンチになるまで殴り殺してやる!!」
ドライグ『落ち着け!その辺もその作者は考えている。夜十神十香、四糸乃、くるみんの三人がどのデートをするかは、あの対決で決まる予定だ。その対決と言うのは、言うまでもあるまい」
イッセー「良かった•••••••とりあえず全員の水着は見れそうだな!」
ドライグ『結局は水着目当てか、このエロめ!』