デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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それぞれの想いを胸に激しく衝突する士道と折紙。

妹を守るために拳を握る士道と、復讐を果たさんと力の続く限り災厄を振りまく折紙………彼らは激闘の末に何を手にするのか?

※大変お待たせ致しました。資格勉強やらなんやらでここまで遅くなってしまい申し訳ございません!


九話 二天龍激突!!

「うおおおおおおおおおおおっっ!!」

 

「はあああああああああっっ!!」

 

オーシャンパークのアミューズメントエリアの上空で、二天龍は激しくぶつかり合っていた。

上空には赤と白の二つの光がジグザグにスパークし、その二つの光がぶつかった時には、アミューズメントエリアの遊園地のアトラクションが、ぶつかり合う時に発生するエネルギーによって見るも無残な姿へと変えていく―――まさに近寄る者全てを死へと追いやる地獄と化していた。

 

『相棒、慎重に攻めていけ。『絶対領域(テリトリー)』を凍結させはしたが、あの小娘の神器(セイクリッド•ギア)は死んではいない―――触れられれば『半減』、遠距離からのドラゴンショットは『反射』をしてくる筈だ………忘れるなよ相棒』

 

ドライグからの忠言を士道は頭の中に刻み込んだ。

………そして、士道がアスカロンを握りしめ、折紙へと突進する!!

折紙も士道に怯むことなく真っ正面から向かってくる!!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!!!』

 

瞬時に士道の力が倍加され、オーラが爆発的に上昇する!!

 

オーシャンパークの上空で士道のアスカロンと折紙のレイザーブレードによる激しい剣戟の応酬が繰り広げられる!!

 

「チッ!剣でなら圧倒できると思ってたんだけどな!!」

 

「………舐めないで。士道と私では潜ってきた修羅場の数が違う―――士道がどれだけ強大な力を持っていたとしても、精霊を殺すためだけに鍛えてきた私の執念は決して劣るものじゃない!」

 

士道が全力で放つ剣に、折紙は執念でそれを受け流す。折紙は士道の剣が自分にとって最悪の相性だと言うことを感じ取っていた。

 

………士道と折紙の間には大きな力の差がある―――だが、折紙の執念がその差が埋めるごとく彼女の力を押し上げている!!

何かを成そうと命を賭けるものは強い―――その象徴がこの鳶一折紙その人だ。自分の両親を焼き殺した仇を討つためだけに生き抜いてきた五年間は、今この時のためにある!!

 

士道と折紙が激突し、鍔迫り合いにもつれ込んだ時に折紙が仕掛けた。翼が点滅し、力の波動が周囲の空間を振動させる!

 

『Divide!!』

 

『Boost!!』

 

美しい女性の声が響き渡ると同時に士道の力が弱まる。だが、士道も対応するように倍加をすることで、力を上げる。

―――しかし、折紙には半減した士道の力まで上乗せされるため、折紙に分があるのは誰が見ても明らかだった。

 

「ッ………」

 

「―――やあああああああああああああっ!!」

 

士道が一瞬だけ表情を歪めた瞬間を見た折紙は、レイザーブレードを一閃し、士道を吹き飛ばす。

士道が吹き飛んだ所に、折紙は背中のユニットから無数のミサイルを士道を目掛けて乱射する。

 

「―――こんなおもちゃで俺を止められるとでも思ってんじゃねえぞおおおおお!!」

 

士道がアスカロンで向かってくるミサイルを全て破壊した―――ところで士道の体に異変が起こる!!

破壊されたミサイルが士道の力をごっそりと削ぎ落として行く………そう、これが折紙の狙いだ。

士道がアスカロンでミサイルを破壊することを逆手に取り、破壊されるミサイルに神器の能力を付与したのだ。

 

そしてそれは士道がミサイルを破壊することで効果が発動するように仕込まれていた、最悪のギフトボックスだったのだ。

 

「ぐっ!?こ、これは―――」

 

「―――今ッ!!はああああああああッ!!」

 

士道の動きが完全に止まったところを折紙は全力でレイザーブレードを士道に叩きつける!!

士道はアスカロンで受け止めるが、倍加が間に合わず地面に叩きつけられる。

 

「………ゴハッ!!」

 

地面に叩きつけられた衝撃が全身に伝わり、士道は口から吐瀉物を吐き出した。

………だが、拳を握りしめて立ち上がる。

その時、士道の左腕の宝玉が点滅する。

 

『………先程のミサイル―――「ディバイディング•ミサイル」と言い、あの小娘はここまで神器を使い熟すのか………あの小娘は力こそ歴代の白龍皇に劣るが、テクニックではあの小娘以上の白龍皇を見たことはない。

………相棒、殺すつもりでやらなければ倒されるのは俺たちだ』

 

ドライグがお墨付きを与えるように、士道も折紙のことを強者と認めざるを得なかった。

 

「………ああ、ここからは手加減無しだ―――行くぜ、ドラゴンショットッ!!」

 

士道は翼を広げて飛び上がり、バスケットボールほどの霊力砲を折紙に向かって放つ。

それを見た折紙は避けようとはせず、腕をクロスし光の壁を展開し、鎧の宝玉を輝かせる!

 

「―――こんなものは私に通用しない」

 

『Reflect!!!!!!』

 

折紙の展開した光の壁が士道のドラゴンショットを跳ね返す!だが、士道はこれを待っていたのだ。

 

「………ここまでは読み通り―――なら、これならどうだ!?」

 

ドガアアアアアアアッッ!!

 

士道はドラゴンショットをもう一発放ち、跳ね返ってくるドラゴンショットを相殺する!!

ドラゴンショットがぶつかり合った事によって発生した爆煙が折紙を包み込み、視界を遮る!

そして―――次の瞬間、折紙の目の前に爆煙を貫いて拳を引いた士道の姿が現れる!!

 

「っ!!『絶対領域(テリトリー)』―――」

 

「させねえよ!!喰らっておけッ!!」

 

ガッシャアアアンンッ!!

 

機械が崩壊するような音が響き渡ると同時に、士道の渾身の拳が折紙の腹部を捉え、鎧を木っ端微塵に吹き飛ばし折紙ごと瓦礫と化した遊園地のアトラクションの中へと叩き飛ばした。

 

士道は地面に着地し、折紙が墜落した瓦礫の近くへと足を進める。

 

『………ドラゴンショットが跳ね返ってくることを読みきっての至近距離爆破か―――成長したな相棒、相手が目で相棒の動きを探っていることを理解して、視界内を爆煙で遮る。

あの小娘の目には相棒がいきなり現れたように見えたから対応が遅れたのだろう―――相棒の完全勝利だ』

 

ドライグは珍しく士道の成長を褒めていた。前世とは違い、テクニック方面にも士道は磨きを掛けていた。その成果が見事に現れたのだ。

 

………しかし、士道はこれで勝ったとは思っていなかった。

 

「………この程度で勝てるほど折紙の執念はヤワなもんじゃねえよ―――ほら、見てみろ」

 

士道が瓦礫の山を指差した次の瞬間――――――瓦礫が吹き飛び、鎧を復元した折紙の姿が現れる。

 

「………俺の拳が鎧に命中する瞬間に、折紙は魔力壁を展開して俺の拳の威力を削ってダメージを抑えた。

だから戦闘不能になることはなかったんだよ―――まったく、ドラゴンの決闘は単純明快で分かりやすい」

 

―――そう、二天龍の決闘は所有者を戦闘不能にするまで終了とはならない。

士道は憎しげに苦笑いを浮かべて拳を握りしめた。

 

「………さて、ここからは第二ラウンドってわけか―――折紙、手加減はしないぞ………琴里をお前に殺させはしない!!」

 

「負けないッ!私は士道を倒して『イフリート』を殺す!!邪魔はさせない!!」

 

ここから二天龍の第二ラウンドが開始されようとしていた。

果たして―――己の肉体を激しく痛めつけた先にはなにが待つのか!?

 

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

 

「喰らえッ!ドラゴンショットッ!!」

 

士道は折紙を目掛けて体内に封印した精霊の霊力を使用してソフトボールほどの霊力砲を作り出し、それを殴りつける。

殴りつけられた霊力砲は折紙に向かって一直線に向かっていく!!

 

「―――この程度の攻撃で私の目を誤魔化せると思わないで!!」

 

折紙は光り輝く翼を使用し、士道の放ったドラゴンショットをさらに高く飛び上がる回避した………しかし、彼のドラゴンショットは一度避ければそれで終わるような一発芸ではない!

 

「―――上がれッ!!」

 

士道が放ったドラゴンショットに念じるように左腕を天へと掲げると、ドラゴンショットは方向を変え、回避した折紙を追いかけるように向かっていく!!

 

「が………はっ!」

 

突然方向転換をしたドラゴンショットに、折紙の反応は僅かに遅れ、士道の放ったドラゴンショットは見事に命中する!!

折紙の体勢が崩れたことで、士道は更に追撃する!!

 

「もらったッ!!おおおおおおおおおおおおおッッ!!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!!!』

 

倍加を行うことで籠手の宝玉は輝きを放ち、背中のブースターからは勢いよくエネルギーが放出され、大気を切り裂く勢いで士道は拳を引き、体勢を崩した折紙を目掛けて猛進する!!

 

しかし――――――折紙も戦闘に関しては天才と称されるほどだ。この程度で倒れるほど、彼女の執念は生易しいものではない!!

 

「ッ!!『二重速攻(デュアル•アタック)モード』Set Up

!!―――『グリーヴリーフ』、展開ッ!!『ドラゴン•パニッシャー』高速収束開始ッ!!」

 

次の瞬間、折紙の持つ二刀のレイザーブレードの刃が帯状の光となり、士道を捕らえようと向かってくる。士道は籠手からアスカロンを引き抜き、更に十香の『塵殺公(サンダルフォン)』を顕現させ、折紙の攻撃を迎撃する!

 

「―――舐めてんじゃねえぞおおおおおおおおおッ!!」

 

迫ってくる二本の光を士道はアスカロンと『塵殺公(サンダルフォン)』で粉微塵に切り裂く―――が、しかし!!

目の前には、両肩の武装である二つの砲門に魔力を収束する折紙の姿が!!

折紙は兜の中にあるスコープで士道に照準を合わせ、砲撃を発射する!!

 

「撃墜せよ―――『ドラゴン•パニッシャー』ッ!!」

 

ズビィィィィィィィィッッ!!

 

士道の目には、帯状の光を撃墜した瞬間にいきなり巨大な魔力砲が現れたように見えた。

士道はアスカロンと『塵殺公』をクロスし、倍加した力を全て防御に回して放たれた魔力砲を迎え撃つ!!

 

「ぐうううぅぅぅぅ!!琴里のやつ、よくこれを喰らって肉体無傷だったな………」

 

『―――いや、全く無傷では無かった筈だ。おそらく、あの小娘は相棒の命を何度も繋ぎ止めたあの焔によって傷を修復したのだろう………この砲撃が直撃すれば並大抵の存在ではチリ一つ残らん―――この小娘は本当に何者なのだ!?』

 

折紙のドラゴン•パニッシャーは、士道の全力で放つドラゴンショットにも匹敵する威力を誇っているため、士道は徐々に後方に下がりながらドラゴン•パニッシャーの威力を殺していた。

―――だが、折紙はこの一瞬を逃さない!

 

「―――これで決める!!やあああああああっ!!」

 

背中のユニットから大量のミサイルを放出させ、さらにレイザーブレードから刃を出現させ、士道に斬りかかる!

 

「――――――っ」

 

先程まで士道はドラゴン•パニッシャーの対応をしていたが、いきなり砲撃が止み自ら斬りかかに来た折紙への反応が遅れた。

士道はレイザーブレードをアスカロンで受け止めるが、後方から迫ってくる無数のミサイルの直撃は防ぐことが出来なかった。

 

「―――ぐああああああああああっっ!!」

 

折紙が放ったミサイルは士道の禁手(バランス•ブレイカー)の鎧を破壊し、士道の体勢を崩させた。

折紙は両肩の砲門に魔力を凝縮させ、至近距離からトドメの一撃を放とうと砲門を士道に向ける!!

 

「今度こそ………今度こそ終わらせる!!」

 

折紙の魔力砲のチャージが完了し、折紙は兜の顕現装置で砲撃の照準を士道に合わせた!!

体勢が大きく崩れた今の士道にドラゴンパニッシャーを命中させることは折紙には造作も無いことだった。

 

 

 

 

………だが――――――

 

 

 

 

ゴオオオオオオオオオオオオッッ!!

 

折紙の頭上から氷の刃とともに、大気をも凍てつかせる吹雪のブレスが吹き荒れる!!

その吹雪のブレスは折紙の背中に直撃し、折紙は近くの川へと叩きつけられ、水中へと沈んでいった。

 

「―――っ!?今のは―――」

 

士道は詰んだと思っていた矢先、何者かの攻撃で危機的状況を免れた。士道は地面に追突しないように、空中で体勢を整え辺りを見渡していた。

………士道は何が起こったか理解することが出来ていなかったが、ドライグは違った。

 

『………上だ相棒。見てみろ―――最高のタイミングで援軍が駆けつけてくれたみたいだぞ?』

 

士道はドライグが述べた通り、空を見上げると―――限定的な霊装を装備した三人の勇姿が目に焼き付いた。

 

「シドー!!」「「士道さん!」」『士道くん、やっほ〜』

 

「―――十香、四糸乃、くるみん!?なんでこんなところに………」

 

三人とおまけの一匹?は士道の近くへと飛んで来た。士道の質問に十香が答える。

 

「令音から頼まれたのだ―――シドーと琴里を助けてやってほしいと………シドーも琴里も私にとっては大切な恩人だ。

助けないわけにはいかないからな」

 

十香が士道の肩に触れ、微笑みながら言った。四糸乃とくるみんも十香に続くように士道に寄り添う。

 

「えっと、あの………士道さんには、いつもお世話になっています―――私もお役に立ちたいです!」

 

「わたくしがこうして生きていられるのは士道さんのおかげですわ………士道さんが苦しんでいる時こそ、わたくしも全力で士道さんを支えますわ!」

 

三人とも士道によって救われてきた精霊たちだ。士道がいなければ彼女たちの今は無い。

彼女たちの心の支えとなっている士道を失いたくないという強い意志が危険な戦場へと彼女たちを運ばせたのだ。

士道は駆けつけてくれた三人を見つめ、こうべを垂れる。

 

「………すまん、お前たちに助けられた―――でも、これ以上は危険だ。琴里を連れて早く―――」

 

「嫌だ………嫌だ!!」

 

十香は士道の言葉を最後まで聞こうとせず、拒絶の意を示した。十香は強く怒鳴る。

 

「シドーはなぜ一人で解決しようとするのだ!?………私たちはお前にとってただ守られるだけの存在なのか!?」

 

「そ、それは………」

 

十香に強く言われ士道は言葉に困った。その時、籠手の宝玉が点滅しドライグが喋る。

 

『………夜刀神十香、ただの精霊なら相棒もお前たちの力を借りることを選ぶだろうさ―――だが、今回は相手が相手だ。完全な状態ならいざ知らず、今のお前たちでは例え束になったとしても、あの鎧を纏った鳶一折紙の相手は務まらん。―――五河琴里も鳶一折紙の前に無残に敗れあの様だ。

………あの女の力は既に精霊を遥かに超越している――――――綺麗事は言わん、お前たちでは確実に殺される』

 

「………っ」

 

ドライグが放った言葉に十香は士道を見た。士道は目を逸らし、表情を影らせていた。

………ドライグが述べたことは事実だ。現に琴里も折紙に手も足も出ずに倒された。それも、琴里の場合は十香たちとは違い完全な霊装を纏い、精霊の力を駆使したにも関わらず地に倒れ伏した。

その現実を目の当たりにされても、十香は自身の天使『塵殺公(サンダルフォン)』の柄を強く握り、ドライグに吠える!!

 

「覚悟の上だ―――私たちの力が及ばないのであればシドーが琴里を救出までの間、私はシドーの盾となる!!士道に襲いかかる攻撃は私が全て食い止める!!」

 

十香に一心の迷いも無かった。十香の言葉に四糸乃とくるみんまでもが首を縦に振った。………元より彼女たちはそのつもりでこの戦場に来た。自分たちが全ての攻撃を受け朽ち果ててもそれで良いと………ただひたすらに時を稼ぐために。

それに………と十香は言葉を続ける。

 

「………ひとつだけ鳶一折紙を無力化する策がある。それにはシドーと狂三が力を合わせればそれは成就するだろう―――私と四糸乃でそれまでの時間を稼ぐ―――シドー、ドライグ、私たちを信じてくれないか?」

 

士道は「冗談じゃねえ、そんなもの俺は認めないぞ!!」と大声で否定をするが、十香たちの迷いのない覚悟にドライグは言った。

 

『………ならば鳶一折紙はお前たちに任せよう。―――相棒が五河琴里の霊力を封印するまでの間、なんとか持ち堪えてくれ………最後に一つだけ追加しておこう―――死ぬことは許さん、全員生きてあの家に帰る。それ以外を俺は認めん!』

 

「おう!」「………は、はい!」「ええ、承りましたわ」

 

精霊たちが勢いよく返事をしたその時―――

 

ドオオオオオオオオオオッッ!!

 

十香が最後まで言おうとした―――その時、付近の川の水が渦巻き、渦の中心から巨大な銀色に輝く柱が現れる!!

………少しすると銀色の柱が消え去り現れたのは、予想外の不意打ちを受け憤怒の表情で顔を歪めた折紙が空中で鎧を纏った状態で空中に浮いていた。

 

「邪魔をするなら貴方達も一緒に屠る。………精霊という人類悪は今日この時を持ってこの世から消し去る!!」

 

カアアアアアアアアアッッ!!

 

折紙の言葉に、彼女の神器『白龍皇の(ディバインディバイディング•)輝銀鱗装(シルバードラゴニックユニット)』が神々しい光を発生させ、折紙の力を限界まで引き上げる!

………それは、燃え尽きる瞬間に凄まじい輝きを放つ流星のごとく、土壇場で折紙は恐ろしいまでの力の解放を見せた。

折紙は翼を広げ、レイザーブレードから刃を引き抜き、士道たちを目掛けて斬りかかる!!

 

「チッ、何処にこんな力が………お前ら、早く逃げ―――」

 

ガギィイィィンッ!!

 

士道が早く逃げろと言う前に十香が『塵殺公』で折紙のレイザーブレードを受け止める!

折紙から放たれる圧倒的な魔力と力に十香は吹き飛びそうになるも、今あるだけの霊力を駆使して懸命に攻撃を受け止めた。

 

「―――ここは私と四糸乃に任せろ!狂三、シドーを頼むぞ!!」

 

「ダメだ十香、四糸乃――――――」

 

士道が全てを言う前に狂三が士道を連れて折紙から離れる。

それを見た折紙は士道を追うが、四糸乃が『氷結傀儡』のブレスで折紙の進路を妨害!!

腕の中で暴れる士道にくるみんは優しく言った。

 

「………士道さん、少しは十香さんたちを信じてあげてはどうですの?十香さんも四糸乃さんもそう簡単にやられはしませんわ―――それに、士道さんが今すぐにすべきことは琴里さんの霊力の封印ですわ。………あまり時間をかけてしまうと十香さんも四糸乃さんも危ないですわよ?」

 

「………………」

 

くるみんの言葉に士道は沈黙した。確かに優先すべきは琴里の保護だ。今の琴里は意識がない。折紙や士道の流れ弾が当たってしまえば死に直結することも考えられる。

士道は一度深呼吸をし、冷静さを取り戻した。

そして、くるみんに尋ねる。―――例の作戦とやらについて。

 

「………くるみん、教えてくれ―――折紙を()()()()()()する方法を。

俺は折紙を倒したくはない―――できればあの鎧だけを引き剥がしたい!折紙は俺の友達だ、何を犠牲にしてでも俺は折紙を殺したくはない!!」

 

それは士道の心の叫びだった。―――例え妹を狙われようが士道にとって折紙が友達だいたいと願っている。そしてその友達を自分の手で葬ることは絶対に避けたい………

だからこそくるみんの言った言葉に士道は賭けるしかなかった。

それを聞いたくるみんは話し始める。

 

「折紙さんを無力化する方法………それは―――」

 

くるみんは「きひひひひひひひひひ」と笑いながらその方法を士道に告げた。

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

士道が琴里の救出に向かっていた頃、白龍皇の力を纏ったASTの鳶一折紙と精霊たちの激闘はさらに激しさを増していた。

士道に霊力を封印されまともな力を払うことのできない十香と四糸乃が相手でも折紙は手を一切緩めなかった。

背中のユニットを展開させ、翼が光り輝く!!

 

「―――くたばれッ!!」

 

背中のユニットからミサイルを放ち、十香たちを攻撃する!!迫り来るミサイルに、十香と四糸乃は迎撃に追われる!!

 

「このっ!!」「………怖くは、ありません!」

 

十香は『塵殺公(サンダルフォン)』を振るい、ミサイルを破壊し、四糸乃は向かってくるミサイルを巧みに避け、ミサイル同士で衝突させて凌いでいた。

―――だが!!士道を一時的に無力化した『ディバイディング•ミサイル』だ。破壊した十香の力は弱まり、背中にミサイルが着弾する!!

 

「ぐうあっ!―――ッ、まだだ!!」

 

背中にミサイルを受けた十香だったが、『塵殺公(サンダルフォン)』を力強く握りしめ、斬撃を飛ばす!!

墜落しなかったどころか、予想外の反撃に折紙は体を逸らして攻撃を躱す!

 

「―――ッ!!死に損ないの分際でッ!!」

 

折紙は砲門に魔力を溜め、十香にドラゴン•パニッシャーを放とうと照準を合わせる!

―――だが、敵は一人だけではない!!

 

「士道さんの………邪魔は、させませんっ!」

 

ゴオオオオオオオオオッッ!!

 

四糸乃の『氷結傀儡(ザドキエル)』が吹雪のブレスが折紙に直撃し、砲撃を妨害する!!

………十香も四糸乃にただ支えられる存在ではない、彼女たちは自分たちを救ってくれた士道を守る為に果敢に目の前の強敵へと立ち向かう!!

 

「―――あなた達に構っていられる余裕はない!!死ねェェェェェェェッッ!!」

 

折紙は肩、翼、背中の全砲門を開き、ミサイル、ドラゴンパニッシャーのフルバーストを解放した。

折紙のフルバーストが十香と四糸乃に襲いかかる!!

 

「あああああああああっ!!」「きゃあああああああっっ!!」

 

折紙の攻撃は十香と四糸乃に命中し、おびただしい爆炎が辺りを包む!!折紙は全力の攻撃を放ち、肩で息をしていた。

これで自分の悲願が一つ成就したと折紙は考えていた。

―――“自分は精霊を殺すことができたのだ”と………

 

 

だが――――――

 

 

「―――っ!?」

 

背後から爆炎を真っ二つに切り裂く一刃の斬撃が折紙に迫る!!折紙はレイザーブレードでその斬撃を後方に受け流した。

斬撃が飛んで来た方向を向くと、予想とは違いほぼ無傷に近い状態で二人の精霊の姿を確認した。

 

「………そんなバカな―――ドラゴンパニッシャーが直撃したはず………なぜ!?」

 

折紙はこの現実を受け入れることが出来なかった。

()()な精霊である五河琴里を撃退した必殺の一撃が、二人とはいえどもなぜ()()な精霊を打ち滅ぼす事が出来なかった”のかと………

 

これの答えは至って簡単だ。十香と四糸乃は協力して折紙の攻撃の威力を殺した結果、二人ともほぼ無傷ということだ。

命中する前のほんの一瞬の間に、四糸乃は自分と十香を守る為に周囲に球状の豪雪を発生させた。かつて士道が攻略した絶対零度の要塞を再現させて。

しかし、士道に霊力を封印された四糸乃ではあの時ほどの強度は発揮できない―――それゆえに、十香が体内にある霊力をを四糸乃に供給しそれを完成させたのだ。

 

ちなみにもう一つ要因があり、それは折紙の力が既に限界に来ているということも大きい。あれほどの大技を何度も連発されば消耗する。消耗の大きいドラゴンパニッシャーなら尚更だ。

何度も同じ威力で放出することは不可能だ。それも全力ともなれば、なら尚更だ。

 

動揺している折紙に十香は『塵殺公』を突きつけ、一言述べた。

 

「………貴様には教えてやる道理はない。貴様をシドーの元へ行かせはしない!」

 

「絶対に、行かせません!士道さんと、琴里さんの、ため………にも!」

 

十香も四糸乃も限界が近づいていたが、それでも退くことを選ばなかった。折紙は歯をギリギリと鳴らし、憤怒の表情を浮かべ、獣のごとく雄叫びを上げる!!

 

「あああああああああああああああ!!!!」

 

折紙は怒りのままに精霊へと猛進した。彼女は止まらない―――例え全てを失うことになっても止まりはしないだろう。それだけ彼女はこの一瞬を夢見てきたのだから。

精霊を殺すというこの一瞬のために………

 

 

 

 

 

―――………

 

 

 

 

「琴里、琴里っ!!」

 

士道は赤龍帝の鎧の中にある翼を広げ、くるみんと共に琴里のところへと急行した。体に外傷はないが、霊装は殆どが焼け焦げ悲惨な姿になっていた。

 

「………お、おにー、ちゃん………」

 

士道の声が聞こえ、動かない体を無理やり起こそうとする琴里。それを見た士道は優しく琴里に触れ、「そのままでいい」と琴里を抱きしめた。

 

「悪かった、こんなに遅くなっちまって………生きててくれて本当に良かった。

………琴里、好きだ!大好きだ!!これからもずっと俺と一緒にいてくれ!俺が絶対に守るから!!」

 

「うん………うん!私も大好きだよおにーちゃん!世界で一番愛してる!」

 

士道が言った言葉に、琴里は涙していた。そして、琴里は士道にずっと胸の内に秘めていた想いを伝えた。

 

 

そして………二人の距離は完全にゼロになった。

 

 

「ありがと………おにー、ちゃん」

 

士道が琴里から唇を離すと、琴里の身を包んでいた霊装は光の粒子となって消え、士道の体内に記憶と共に何かが入り込んできた。一つは琴里の精霊としての力。もう一つは五年前の忘れていたあの記憶だ。

琴里は霊力を士道に託すと再び意識を手放した。

再び意識を失った琴里をくるみんがおぶった。

 

「い、今の記憶―――もしかして!?」

 

士道が入りこんで記憶を推理していた時、巨大な力を放った何かが近づいて来るのを察知した。

それと同時にくるみんが叫ぶ!

 

「士道さん!!」

 

くるみんが叫ぶと同時に士道も迫り来る強敵に準備を整える。兜を復元し、迎撃に備える!

 

「―――ああ、任せろ!!」

 

士道は迫って来る巨大な力に意識を集中させる。迫って来るのは『白龍皇の(ディバインディバイディング)輝銀鱗装(•シルバードラゴニックユニット)』を纏った折紙だった。

折紙はレイザーブレードを突き刺すように持ち、狙いは琴里とくるみんを目掛けて猛突進!!

くるみんと琴里を守らんとその前に士道が立ちはだかる!!

 

「―――死ねええええええええええええ!!!ナイトメア、そしてイフリートおおおおおおおおおおおお!!!」

 

折紙が突き出したレイザーブレードが琴里とくるみんに迫る!!

 

しかし――――――

 

ザシュッ!!

 

「―――ゴハッ!!」

 

折紙のレイザーブレードが貫いたのは、琴里でもくるみんでもなく士道だった。彼女たちの前で仁王立ちをしていた士道の腹部を貫いたのだ。

貫かれた士道の腹部からは夥しい量の血が溢れ出る。

 

「――――――そんな………どう、して………」

 

折紙は貫かれた士道を見て自然と訪ねていた。―――彼女には理解できなかったのだ………なぜ士道がそこまでするのかということを。

士道は口から血の塊を吐き出しながらも、答える。

 

「………どうしても、こうしてもないぜ―――ガハッ!?妹を助けることに、論理的な理由なんて要らねえだろうが、よ………っ!!」

 

………彼にとっては誰かを守るのは当たり前のことだ。その結果自分が命を落とすことになったとしても、彼は後悔はしない。

それが彼の―――五河士道という人物が歩んできたストーリーはこれまでもその連続だったから!!

 

「―――ッ!!」

 

折紙は動揺しているところに士道に左手で両腕を掴まれ、身動きが取れなくなる。士道は折紙を見て強く言った。

 

「………待ってたんだよこの時を―――お前が身動きができなくなる、この時をなッ!!」

 

士道の言葉と共に、士道の左目に変化が現れる!!士道の左目が十二個の小さな文字と大小の針が現れた。

そう、士道の左目は最悪の精霊―――『ナイトメア』、時崎狂三のように………そして、背後に巨大な時計が文字盤が現れた―――そう、封印した()()()()の天使『刻々帝(ザフキエル)』だ。

士道は右手に短銃を握りしめ、その天使の名を謳う!!

 

「『刻々帝(ザフキエル)』―――【三の弾(ギメル)】ッ!!」

 

文字盤の『III』の文字から士道の持つ短銃へと力が注ぎ込まれる!!

 

「―――離せ、離せええええええええええええ!!!」

 

折紙はすぐに両腕の拘束を解こうと腕を振るうが士道の拘束を振り払うことが出来ない!!

彼は全身全霊をもって折紙の両手を拘束している!それは決して簡単に振りほどけるものではない!!

 

「………これで終わりだ!!お前に、誰も、殺させはしない!!」

 

パァン!!

 

士道が放った弾丸は折紙に命中し、折紙の武装は地面へと崩れ落ちた。

 

 

 




まさかの来年の一月からデートアライブの三期が開始するみたいですね。

ようやくアニメ版の七罪ちゃんが見れるようになりますね♪嬉しい限りです。

七罪編はまだまだ先になりますが、描けるように頑張ります!

次回でフィナーレです。今月中に投稿できるように頑張ります!!
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