デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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どもども、勇者の挑戦です。

本格的に後書きに書くおまけのネタが無くなってきました。

さて、前話の予告通り本話でラスボス(表)のリンドヴルムが登場します。

その実力は果たして………


八話 最凶の邪龍リンドヴルムです!

グレンデルの討滅後、士道と六華はお互いに武装を解除し破壊された村の修復に取り掛かろうとしていた。

 

しかし、謎の巨大な紫炎の光が士道を飲み込みんだ。光が止むと背中を焼かれ、膝を折り『塵殺公(サンダルフォン)』の柄にしがみ付く士道の姿があった。

 

「士道さま!!」

 

六華は慌てて士道に駆け寄る。しかし、士道は手を出して六華を制す。そして、上空から紫炎の光を放った存在へと意識を向ける。

 

「………加減をしたゆえ意識を刈り取るまではいかんか。なるほど赤龍帝が混ざっておったのであれば、あのゴミが負けた理由も納得ぞ。しかし、聖杯で強化して甦らせたグレンデルまで消されたのは想定外であったが。なんとも滑稽なものぞ―――天龍と呼ばれ多くの存在から忌み嫌われたドラゴンがヒーローの真似事とは」

 

漆黒の派手なドレスに身を包み年齢は二十代中頃の美しい女性が空中で佇んでいた。その女性は背中まで届いた艶のある黒髪とエルフのような尖った耳を持ち、首から下げた十字架を手に取り地上の様子を眺めていた。

士道はこの存在を見た瞬間に何者かを察知した。そうこの人物は―――

 

「この圧倒的なまでに禍々しいオーラ………こいつが」

 

『ああ、人の姿をしているが間違いない―――「終絶なる超理龍(ラグナロク・エンドドラゴン)•リンドヴルム」邪龍の中でも最強最悪の存在だ』

 

この世界で六華以外の精霊を全滅させた邪龍リンドヴルム。その実力は封印される前のニ天龍と同等で、その上新たに神器を複製する能力まで会得したとんでもない怪物。士道がこれまで対峙した存在の中では間違いなく最強だ。

士道は『刻々帝(ザフキエル)』の「四の弾(ダレット)」を自身に打ち込み、背中の傷を修復させた。

 

『………そうか、あのゴミとグレンデルを村にけしかけたのは貴様であったか。一つ聞きたいことがある―――なぜこの世界の精霊を皆殺しにした?』

 

「決まっておるではないか。我の理想―――邪龍が全てを支配する世界を作るためぞ。故にこの世界の精霊は我の理想の生贄として使用させてもらった。統治する村を守護するという実にくだらない事に消耗させるくらいなら………いっそ我の力として使われた方が精霊たちも幸せであろう?我は元の世界に戻り理想を実現させる―――当然そこの小娘の力も頂いてな」

 

リンドヴルムが手を広げて語った理想を聞いた士道は、瞬時に鎧を纏った。放たれるオーラはかつてないほど荒々しく激しいものだった。

 

「―――殺すぞこの野郎………なんでテメェの理想に合わせて六華たちが殺されなきゃならねぇんだよお!!」

 

士道は飛び上がり上空にいるリンドヴルムとの距離を詰める!!籠手からアスカロンを引き抜き聖なるオーラを込めた一撃を放つ!!

 

「はあああああああああああっっ!!」

 

ガギィィィィィィンッ!!

 

衝突音が鳴り響くと同時に衝撃の光景が士道に映る―――リンドヴルムが人差し指を立てて士道のアスカロンを受け止めていたのだ。

 

先程の衝突音の正体はリンドヴルムの指と士道のアスカロンが衝突したものだった。

 

リンドヴルムは口の端を釣り上げ士道に笑みを送る。

 

「嘘だろっ!?こんな事―――っ!?」

 

リンドヴルムはもう片方の手で再び十字架に触れ、紫炎の閃光を放つ!!それに気付いた士道は神速を発動し、その閃光を避けた。

 

驚愕の出来事に士道は戸惑いを隠さなかった。いかにグレンデル同様に龍殺しの耐性を得ているとは言え、アスカロンを指一本で止められしかも流血させないリンドヴルムの圧倒的実力に。

 

圧倒的な力の差の前に動揺する士道にリンドヴルムから挑発的な手招きが送られる。

 

「どうした赤龍帝?我を殺すのではなかったのか?」

 

「―――舐めんじゃねえッ!!」

 

士道は『塵殺公(サンダルフォン)』にアスカロンを融合させ、ドラゴニック•バーストの準備をする。

―――グレンデルとの闘いで消耗した士道には『最後の龍聖剣(ドラゴニック•ハルヴァンヘレブ)』を放つ霊力はもう残っていなかった。それでも士道は倍化を始め、足りない威力を補う!

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!!!』

 

神速を発動させ、士道はリンドヴルムと再び距離を縮める。士道は残像による分身を作りながらリンドヴルムにフェイントを仕掛ける!!しかし、リンドヴルムは首にかけた十字架を宙に浮かして遊んでいるだけで、士道には目も当てない。

 

「喰らえ―――ドラゴニック・バーストッ!!」

 

ズガアアアアアアアアンッ!!

 

士道は背後からリンドヴルムの首を斬り落とさんばかりにドラゴニックバーストを放つ!!放たれたドラゴニック・バーストはリンドヴルムの首に直撃した。

 

 

 

しかし―――………

 

 

 

ピシッ―――パリンッ!!

 

「馬鹿な―――剣の方が砕けただと!?」

 

『グレンデルを消滅させた相棒なら、もしかしたらと思ったが―――やはり他の邪龍とは次元が違う』

 

ドラゴニック・バーストが直撃した瞬間―――『塵殺公(サンダルフォン)』の刃に亀裂が入り、音を立てて崩れ去った。融合させたアスカロンも同様に刃を失った状態だった。

リンドヴルムは背後にいる士道に身体を回す。

 

「やはり、グレンデルを消滅させるのに相当力を使ったようだな。どうやら貴様に我は殺せないらしい」

 

「―――っ、来やがれ『灼爛殲鬼(カマエル)』ッ!!」

 

消耗しきった中で最高の威力を誇る一撃でも、リンドヴルムに傷をつける事は叶わなかった。しかし、士道は諦めずに攻撃を続ける―――武器を破壊された『塵殺公(サンダルフォン)』から豪華を纏う斧『灼爛殲鬼(カマエル)』へと変化させ、リンドヴルムの脳天へと振り下ろす!!

 

「おおおおおおおおおおおっっ!!」

 

バリンッ!!

 

気合を込めた『灼爛殲鬼(カマエル)』がリンドヴルムの脳天へと直撃するが、音を立て粉々に砕け散った。しかし、まだ士道は諦めない!

 

「くそっ、これなら―――チッ、どうしようもねぇっ!!」

 

「士道さまの攻撃すら………意味を成さないというのですか!?」

 

士道は『氷結傀儡(ザドキエル)』で自身の体の数倍はある氷の刃を作り出し、リンドヴルムに投げつけたが―――しかし、巨大な氷の刃はリンドヴルムの胸に当たった瞬間粉々に砕け散った。

 

六華も心の何処かで士道が倒してくれると思っていた………が、しかしその思いも泡となって消えた。リンドヴルムは特に力を使う事なく全ての攻撃を無傷で防ぎきったのだ。

 

 

 

そして―――………ここから絶望が始まる!!

 

 

 

 

「炎よ」

 

「―――っ、がああああああああ!!」

 

リンドヴルムは水晶を取り出し、力を込めた―――次の瞬間士道の全身が炎に包まれ、その身を焦がした。だが、これでリンドの攻撃が終わる事は無かった。

 

「切り裂け―――風よ」

 

さらに水晶が怪しい翡翠の光を放つと巨大な竜巻が士道を飲み込み風の刃が士道を襲う!!その竜巻は士道を渦のように回しながら最終的に地面へと叩き付けた。

地面へと叩き付けられた士道は鎧を完全に失い、全身から血を噴き出すほどのダメージを負った。

 

「士道さま―――くっ、これは!?」

 

叩き付けられた士道に慌てて六華が駆け寄るが、六華の行手を阻むように霧が覆う!そして、霧が六華の体に纏わりつくように不気味な装置を形成し、装置が一般の触手のような物を伸ばし、枝分かれして四肢に絡みつき動きを封じる!!

 

「そこで大人しく見ていろ精霊。赤龍帝が惨めに我に殺されるさまをな。貴様にその神滅具(ロンギヌス)は破れまい」

 

「護星―――うっ………くぁッ!れ、霊力が………吸い、取られ、て………」

 

士道との戦闘を邪魔されないよう、リンドヴルムは神滅具を発動した。六華は抵抗を試みるが、装置からさらに触手が伸び、首にも絡みつき六華を締め上げた。

 

さらに装置が怪しく光ると六華の霊力が吸い取られる!!霊力を吸われた事で『護星天(ミカエル)』を維持出来なくなり、消滅させた。

 

先程からリンドヴルムは全ての攻撃に神滅具を使用している。

十字架からの紫炎の閃光は『紫炎祭主による磔台(インシネート・アンセム)

水晶玉は『煌天雷獄(ゼニス・テンペスト)

六華を捉えた装置は『絶霧(ディメンション・ロスト)』の禁手(バランス•ブレイカー)霧の中の理想郷(ディメンション•クリエイト)

 

―――今この戦場ではまさに神滅具のバーゲンセールが開催されていた。

 

「こりゃあひでぇ………ここまで力の差があるってのかよ」

 

士道は吐瀉物を吐き出しながらも、足に力を入れ立ち上がり鎧を復元する。士道に視線を戻したリンドヴルムはさらに士道を追い詰める。

 

「我は神滅具の中でも特に『煌天雷獄(ゼニス•テンペスト)』が気に入っておる。あらゆる属性及び天候を操る能力はまさにドラゴンとピッタリであろう―――我になると禁手(バランス•ブレイカー)に至らずともこんな芸当ができる」

 

カッ―――バチッ!バチチチチチチチッ!

 

水晶玉が光り、天が轟きリンドヴルムに落雷が落ちる―――次の瞬間リンドヴルムの体をスパークが飛び交う!スパークが全身にを覆ったその時―――士道の視界が捉えていたリンドヴルムの姿が消える!!

 

「ッ―――がああああああああああああっ!!」

 

士道が反応できないスピードでリンドヴルムは背後へと立ち、背中に手刀を放った。

放たれた手刀は士道の鎧を砕き、肉体を傷付ける。さらに纏ったスパークがその傷をさらに抉る!!膝をつく士道を更なる追撃が襲う!!

 

『リンドヴルムは稲妻を纏い、身体能力を上げている―――正規の使い手でもこんな芸当ができるとは思えん………恐らくこの地上の精霊を殺す際に色々試したか』

 

「分析してる場合じゃ―――!!」

 

ドライグがリンドヴルムについて分析をしていたが、今はそんな事を悠長にしている余裕はなかった。

何故なら、リンドヴルムは既に士道のすぐ目の前にいるのだ。

 

「休んでいる暇はないぞ赤龍帝」

 

リンドヴルムは膝をついた士道に回し蹴り―――しかし、士道も神速を発動してそれを躱し、リンドヴルムと距離を取る!!しかし、士道はまた背後をリンドヴルムに取られてしまう!!

 

「こ、こいつ俺の神速以上に―――ぐあっ!!」

 

士道の背後をとってリンドヴルムは顔面を目掛けて踵落とを放つ!!咄嗟に顔面前で腕をクロスし直撃を避けた士道だったが、地面へと叩き付けられた。叩き付けられた士道の顔面をリンドヴルムは踏みつける。

 

「さあ、赤龍帝。ショーの始まりぞ、貴様はどこまで耐えられるかッ!?」

 

「ぐっ―――がああああああああああ!!」

 

リンドヴルムは踏みつけた足から纏ったスパークを士道に流し込む!!士道の全身を凄まじい電圧が士道を襲う!!士道の苦痛の叫びに六華の涙ながらの悲鳴が聞こえてくる!!

 

「いや、お願いもうやめてええええええええ!!」

 

六華の悲鳴を聞いたリンドヴルムは口の端を釣り上げ狂気の笑みを見せる。

 

「ハハハハハハハハハハハハ!!良い、良いぞ!!我は他人の絶望をする様を見るのは大好きなのだよ!!ほぉらもっと泣き叫べ精霊!!赤龍帝の死はもう目の前ぞ!!」

 

「ぐああああああああああああああ!!」

 

リンドヴルムは邪龍の中でも特に残忍なドラゴンだ。精霊を殺す際にはどの精霊も絶望の底へ落としてから『霊結晶(セフィラ)』を奪っていた。

 

結界装置に囚われた何もできない六華の悲鳴にリンドヴルムは踏みつけた士道にさらに電撃を送り込む!!だが、精霊の苦痛の悲鳴を聞いて無抵抗でいる士道ではない。電撃を全身に浴びながらも反撃に出る!!

 

「ぐっ―――焦がせ『灼爛殲鬼(カマエル)』ッ!!」

 

顔面を踏みつけるリンドヴルムの足を掴み、業火をリンドヴルムに浴びせた。業火は足からやがて全身を覆い、容赦なくリンドヴルムの身を焦がしていく!!

 

 

 

 

だが―――………

 

 

 

 

 

「グレンデルならともかく―――そんなもの我に通用せんわ」

 

「ぐああっ!!」

 

リンドヴルムは見に纏うスパークを爆発させ、『灼爛殲鬼(カマエル)』の業火をかき消し、士道の顔面を蹴飛ばした。

 

「くっ―――クソ、がっ………」

 

士道は立ち上がろうとするが、体から力が抜け立ち上がることができなかった。その様子を見てリンドヴルムはその身を目的へと向ける。

 

「貴様は良くやったぞ赤龍帝。我の攻撃をここまで耐え忍んだ英雄は誰もおらなんだ。トドメは刺さぬ、ゆっくりと苦しんで死ぬがよい」

 

「士道さま、士道さまっ!!いや………いやああああああああああああ!!」

 

鎧は完全に破壊され、全身から夥しい量の血を流した士道はもう立つ事は無い。六華は士道が傷付き、そして死ぬことに耐えられずただ悲鳴をあげることしかできなかった。

 

結界装置を破壊すること叶わずただ士道が死ぬ様を黙って見ているだけの自分への怒りで涙を流していた。

 

『立て―――立ち上がれ相棒ッ!!』

 

これだけの絶望の中でもまだ諦めない者がいた。士道の相棒ドライグだ。倒れ伏す士道にドライグは檄を飛ばしたのだ。ドライグが飛ばした檄で士道の指がピクッと動く。ドライグは続ける。

 

『お前は何のためにこの世界に残った!?戦う前から勝敗が決している勝負からなぜ逃げなかった!?それはこの地上最後の精霊を守るためだろう!!その精霊がこれから殺されようとしている時に、お前は傍観するというのか!?』

 

「ドライグ貴様は鬼、いや畜生であるな。まだ宿主を戦わせるつもりなのか?もうその男が立つ事はあるまい。仮に立てたとしてどうなる?我に傷を付けることはできないというに………その男では例え天地が裂けても我を討つなど不可能である」

 

まだ士道を戦わせようとするドライグにリンドヴルムはため息を吐いた。

………確かに士道が持つ攻撃はすべて通用しない事を、リンドヴルムに証明された。その上、アスカロンを失った今『龍殺し(ドラゴン•スレイヤー)』は使えない。それでもドライグは、士道を信じて檄を飛ばし続ける。

 

『お前はあの日誓ったのではないのか!?夜刀神十香と出会ったあの日「精霊を救う赤龍帝」になる事を!!ならば、救ってみせろ―――結界に囚われ涙を流す地上最後の精霊を!!』

 

「ふんくだらんな、実にくだらん。ドライグ、我の知らぬ間に随分と芸達者になったものぞ。ヒーローに続いて熱血教師の真似事とはな………精神や魂など目に見えないもので――――――」

 

リンドヴルムの言葉が途中で止まった。それはとても理解できる事ではなかったからだ。

 

 

 

 

 

 

何故なら―――………

 

 

 

 

 

 

 

「―――………だ」

 

既に神滅具の攻撃によって体をボロボロにされ、呼吸すら整っていない。いつ死んでもおかしくない士道が立ち上がろうとしているからだ。

既に腕も足も震えている、それでも士道は歯を食いしばり倒れた体を起こしていく。

 

「だ………まだ、だッ!」

 

起き上がる士道の視線はリンドヴルムを一点に捉え、瞳には今まで以上の闘志が宿っている!これにはリンドヴルムも士道に視線を向け強く叩かれたように目を見開く。

 

「バカな、ありえん!?その体の何処に立ち上がる力がある!?」

 

その光景はリンドヴルムにとって理解し難いものだった。第一にここまでダメージを与えても士道は死ぬどころか気絶すらしないことを。

リンドヴルムが葬ってきた多くの英雄たちでさえこの状態で立ち上がった者はいなかった。

 

そして第二に圧倒的な力の差を見せたにも関わらずまだ戦いをやめようとしないことを。この力の差であれば普通の者は確実に戦意喪失するだろう。しかし士道の目から闘志は一切消えていない。

そして士道は『塵殺公(サンダルフォン)』を杖にし、完全に立ち上がったのだ。

 

「俺はっ!まだまだ終わってないぞ、リンドヴルムッ!!」

 

立ち上がった士道に吠え、鋭い眼圧を飛ばした。すると―――リンドヴルムの足が下がったのだ。

 

「な、なんだ………なぜ我の足が下がった!?まさか―――我が怯えているとでもいうのか………最強の邪龍であるこの我が!?」

 

いや、足が下がっただけではない、気が付けば手も足も震えているのだ。目の前の不死身とも呼べる存在に恐怖を覚えたのか、痙攣を起こしたように震えているのだ。

 

士道を中心に赤いオーラが展開され、そのオーラは鎧を形成する。その鎧を纏った士道は籠手を天に掲げる!!

 

「目の前の巨悪を打ち倒すため、そして六華を助けるために―――俺に力を貸してくれ『赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)』ッッ!!」

 

キィィィィィィィィィィンッッ!!

 

士道の鎧にある全身の宝玉が今までにない輝きを放つ!!まるで復活した士道の闘志に応えるかのように………そして―――籠手からドライグが語りかけてくる。

 

『相棒、良く立ち上がった―――そして朗報だ。イッセーがエルシャとベルザードの力を借りて相棒の潜在能力を覚醒させるための魔法陣を完成させた』

 

「潜在能力………ソロモンさんから貰った龍醒石のやつか!?てか、エルシャさんとベルザードさんって言ったよな!?あの人たちいたの!?」

 

『ああ、なんでも相棒といると面白いものが見られるからという理由であの世から帰ってきたらしい。そのおかげでイッセーと急ピッチでなんとか仕上げることに成功した―――その魔法陣を今転送する』

 

パアアアアアアアッッ!!

 

士道の目の前に魔法陣が展開される。魔法陣が放つ色は黒色だ。魔法陣にリンドヴルムも目を奪われる。

 

「な、なんだあの魔法陣は………一体何が出てくる?」

 

リンドヴルムでもこの魔法陣は知らないようだ。ここからはドライグに変わりイッセーが説明を代行する。

 

(士道、この魔法陣からはお前の覚醒ボタン役のおっぱいが現れる。呪文はもちろん京都でのアレだ!)

 

覚醒ボタン。この言葉を聞いて士道は美しい紅髪を持つ上級悪魔を想像した。そしてそのおっぱいを妄想して盛大に鼻血を噴き出す!!

 

「覚醒ボタン―――まさか、リアスか!?あの乳をまたつつけるように―――」

 

(ばっきゃろう!!アレは俺のおっぱいだ。お前のはまた別のやつだ。思い出せ士道―――お前が一番触ってきたおっぱいをッ!!)

 

「俺が、一番触ったおっぱい―――………あッ!!」

 

イッセーの言葉に士道はバカな頭をフル回転させる。そして、稲妻が走り抜けると同時に士道は頭の中で確信を得た。

展開された召喚魔法陣に士道は大きく息を吸い込み、そして呪文を口にする!!

 

「―――召喚(サモン)、おっぱああああああいッ!!」

 

士道の呪文に魔法陣が強い輝きを放つ!!その魔法陣の輝きが終わると夜色の美しい髪を持つ美少女が召喚される!!

 

「………む、ここは何処だ!?私はさっきまでシャワーを浴びて―――シドー、どうしたのだ傷だらけではないか!」

 

「やっぱり十香か―――よしっ!!」

 

魔法陣から召喚されたのは十香だった。シャワーを浴びて新しく全裸の状態で召喚されてしまったのだ。士道はアタフタとパニックになる十香の肩を掴んで頭を下げる。

 

「十香、色々言いたい事はあるだろうがお願いがある―――おっぱいをつつかせてくれッ!!」

 

「な―――!!」

 

士道からの突然のお願いに十香は顔を真っ赤に染め、胸の前で両腕をクロスする。しかし、相棒のドライグもフォロー入れる。

 

『夜刀神十香、今回の相棒は自分の欲求を満たすためにやっているわけではない。事情は後で説明する、だから頼むこの通りだ』

 

士道の下品な笑みを浮かべていない表情とドライグの言葉を聞いて十香は確信した事がある。この二人には何か事情があってお願いをしていることを。

十香は意を決して、胸の前の腕をどける。

 

「よ、よくわからんが、分かったぞ士道!好きなだけつつくとよい!」

 

この時士道とドライグの考えがシンクロした「『これで通じるんだ』」と。ここからはもういつもの展開である。

 

「『す、すきなだけつつくとよい!』そんな素晴らしい日本語はどこから産まれたんだぁ!?よっしゃいくぜドライグ覚悟はいいかっ!?」

 

『う、うおおおおおおおおおおおんんっ!!』

 

………いざおっぱいをつつくとなるとやはり鼻息を荒げ下品な笑みを浮かべる士道と涙の大洪水を起こすドライグだった。

 

「うおっ、やっべぇ!十香のおっぱいが―――乳首が光ってやがる!!こりゃあつつくだけでご利益がありそうだぜ、ぐへへへへへへへへ!!」

 

光輝くおっぱいをマジマジと眺める士道に十香が叫ぶ!!

 

「い、いいから早くつつけ!!私も恥ずかしいのだ!!」

 

「わ、悪ぃ!んじゃぐへへへへへへ!!」

 

士道は十香の乳首へと指を伸ばし―――その指が乳首に触れた。その時十香が吐息を漏らす。

 

「うッ………ふぅっ」

 

士道はゆっくりと指を進める。自分の指がおっぱいに埋没していく様子を見て、堪らず鼻血を噴出させる!!

十香のおっぱいは学校やらお風呂やらでうっかりを装って触っていたが―――今日の十香のおっぱいは格別であった。

十香のおっぱいは美しい形で、ハリ、柔らかさ、そして弾力のハーモニーが絶妙で、その快感は想像を絶するものだった。士道はさらに十香のおっぱいを味わいながら指を進めた。そして、最後の一押しをした時に十香が艶声を漏らす。

 

「………ぁふん………っ」

 

カッ!

 

十香のおっぱいがさらに輝きを増し、眩い閃光が二人を包み込む!!それと同時に士道から紅蓮のオーラが溢れ出した。儀式?が終わる頃には魔法陣が輝いていた。

 

「こ、これで良かったのか士道?」

 

「ああ、ありがとう―――ん、どうした十香?」

 

もうすぐ元の場所へ戻される十香が士道の胸へと手を置いた。そして士道を見上げる。

 

()()()()

 

「―――っ、ああ!!」

 

十香の言葉に士道は力強く頷いた。そして、その言葉だけを残して、十香は魔法陣共に虚空へ消えた。

 

 

 

 

 

 

 

―――◇―――

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、士道の意識は精神世界へと飛ばされていた。神器の奥深く―――歴代の赤龍帝の残留思念が集まる場所のさらに奥。三人の存在があった。

 

「お久しぶりです。エルシャさん、ベルザードさん」

 

士道はドライグが語った歴代最強と称される二人の赤龍帝の手を取った。女性の方はエルシャ。男性の方はベルザード。

 

〈お久しぶりというよりかは初めましてじゃないかしら。ああ、この子をとうして一度あってるものね〉

 

〈ポチッとポチッとズムズムいやーん―――と言うのは冗談だ。久しいな五河士道、京都以来だな〉

 

そして、もう一人の存在に士道は意識を向ける。もう一人の存在は既に体が光で包まれていた。

 

「イッセー、魔法陣をありがとな。お前のおかげで何とかあの邪龍に対して突破口を開いていけそうだ………でも、これでお前は―――」

 

士道の転生前の存在であるイッセーだ。イッセーは士道の胸を拳で突き、途中で言葉を詰まらせた。

 

(気にすんな、元々の状態がおかしかっただけだ。それに、俺は消えるわけじゃないぜ士道、お前の魂と融合するんだ。例え俺が神器から居なくなったって、俺たちは常に―――)

 

―――共にある。士道とイッセーは二人でその事を認識していた。消えゆくイッセーが最後の願いを残す。

 

(士道、最後に頼みがある―――リアス達の世界に行く事になった時はリアス達の助力を頼む。異世界に行く手段なんざそうそう限られていると思うが、アザゼル先生なんかは『赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)』があの世界に無いことに気付くとお前のいる世界に来るかもしれない。そん時はやってくれるか?)

 

士道はイッセーが突き出した拳に己の拳を合わせる。

 

「その願い確かに聞き入れた。もしもの時は俺が精霊達全員引き連れてその危機からリアス達を守りにいく」

 

そして、後ほんの少しでイッセーが完全に同化しようとした時、ドライグがやってきた。神器の世界の中ではドライグは肉体を持っていた時の姿を保てるのだ。消えゆくイッセーにドライグは複雑な表情を浮かべる。

 

『イッセー、お前はこれで完全に―――』

 

(何だよ、士道に続いてドライグまでそんな難しい顔をするなんてな。困ったもんだぜ全く………ドライグ、短い間だったけどお前と一緒に戦えて楽しかったぜ。これからは士道を俺と思ってサポートしてやってくれ―――ってそういや、士道が目覚めた時からお前は俺が転生したことに気付いていたっけか)

 

『ああ、俺はすぐに気付いたさ。お前が五河士道に転生した事にはな。しかし宿主が二代続けて女の乳に執着する同じ魂の変態だと分かった時は、泣いたぞ本当に』

 

「(変態で悪かったな!!)」と士道とイッセーは口を揃えてドライグに言った。

 

『イッセー、俺もお前とコンビを組めて楽しかった。そしてこれからはこの五河士道を俺がサポートしていく。だから安心しろ』

 

(ああ、じゃあ士道―――絶対に勝つぞ。目の前の極上特大おっぱいを敵に汚されるのはごめんだ)

 

「無論だ。あの極上特大おっぱいは俺専用だ。絶対勝って揉んでやる―――いや、それだけじゃねえ、吸って挟んでもらう!!」

 

(いいじゃねえか、最高じゃねえかッ!!今から楽しみになって来たぜ、ぐへへへへへへへへ!!)

 

『お前ら………まずはリンドヴルムを退けなければそれは叶わんぞ?』

 

極上特大おっぱい(六華の胸)で変態コンビは心底盛り上がっていた。その光景にドライグは盛大にため息を吐いた。そして、エルシャとベルザードが士道の背中に優しく触れる。

 

〈さあ、行きましょうか〉

 

〈お前達の可能性を見せつけてやれ。大丈夫、今のお前ならきっとやれるはずだ〉

 

「お二方もありがとうございました。また遊びに来ます!!」

 

(よし、それじゃあ見せてやろうぜ士道―――赤龍帝の意地ってやつをッ!!)

 

士道はエルシャとベルザードに頭を下げると、イッセーの魂を完全に融合させる事に成功した。こうして極上特大おっぱい(六華の胸)を守る為現実世界へと舞い降りた。

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

現実の世界へと意識を戻した士道は、『赤龍帝の籠手』を天に掲げた。この世界を覆う絶望を断ち切るために、今覚醒した力が振われる!!

 

「行くぜドライグッ!!禁手(バランス•ブレイカー)―――第二段階解放(セカンド•フェーズ•リリース)ッ!!」

 

『Balance Breaker Second Phase Release―――Second Phase Set Up Ready!!』

 

機械音声と共に、士道の鎧の宝玉が凄まじい光を放ち、莫大な紅蓮のオーラを放出させる!!

………このオーラはドライグが持つ本来のオーラだ。『覇龍(ジャガーノート•ドライブ)』のような呪いでも負の感情でも無く、ただただ『白い龍(バニシング•ドラゴン)』アルビオンに勝つ為に俺の全てを賭けて研鑽された本来の力!

紅蓮のオーラが爆発すると―――鎧を変形させた士道の姿があった。

 

「これが俺だけの禁手第二段階(バランスブレイカー•セカンドフェーズ)―――【閃光(シャイニング)】。俺の可能性全てを込めた強化形態その身に刻み込んでやる!!」

 

おっぱいドラゴンの逆襲が今、始まる!!

 




突っ込まれそうなので書いておきますが、リンドヴルムはメスの邪龍です―――イメージCVは真堂圭さん。

そして、次回から待ちに待った士道くんの猛反撃が始まります。お楽しみに。

☆おまけ

十香「シドーは勝ってくれるだろうか………」

先程、士道におっぱいをつつかれるためだけに異世界に飛ばされた十香ちゃんは心配で仕方ないようだ。十香は傷だらけの士道を見て確信した―――士道は誰かと戦っている事を。髪を乾かし、服を着て風呂から出ると―――変な魔法使いが部屋のソファーを我が物顔で占領していた。

ソロモン「お疲れ様十香ちゃん。良くやってくれた」

十香「き、貴様はソロモン!?どうやって私の部屋に―――」

ソロモン「僕の魔法を使えば鍵の掛かった部屋に侵入するなんてチョチョイのパーさ。士道くんがちょっと困ってたから助け舟を出す必要があってね。ちょっと前からお部屋を貸してもらっていたんだ」

十香「何だと!?貴様一体いつから私の部屋に!?」

ソロモン「2日前からだよ。いつでもキミを士道くんの元に送れるように準備が必要だったんでね。ほら、おかげでこんな写真もたくさん撮れた」

ソロモンがポケットから写真を取り出し、十香に手渡す。その写真にはこのマンションでの十香の私生活がバッチリ収められていた。
その写真の中には士道が好きそうなトイレの写真やお風呂での写真(いずれもノーモザイク)も入っていたのだ!!
その写真を見た十香ちゃんは霊力を込めビリビリに引きちぎる!!

ソロモン「ああなんて事を!?それを捨てるなんてとんでもない―――あ、あれ………ちょ、ちょちょちょ、十香、ちゃん?」

部屋に無断で侵入され、恥ずかしい写真を撮られたのだ。これで平然としていられる女性はいるだろうか―――いやいない!!
十香は『最後の剣』を顕現させ、ソロモンに斬りかかる!!

十香「し、死ねええええええええええええ!!」

ソロモン「ぎゃああああああああああ!?\(^o^)/」

ソロモンは見事に断罪された。
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