デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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こんにちは、勇者の挑戦です。

アンケート結果より、六華の番外編を先に投稿します。

一章の十香の時と同様にこの章での番外編は今後のストーリーに関わって来ます。

それでは、どうぞ!



番外編⑤ ゼロから始める異世界生活

ピピピピピピピピッッ!!バンッ!!

 

現在の時刻はAM6:30。

士道の部屋の目覚まし時計が、けたたましい音を部屋中に響かせた。士道は手を伸ばして音を止める金属部分を叩いた。

 

まだ身体が眠いと全力で叫んでいるが、重い瞼を擦り目を開け首だけを起こしたその時―――ふわふわとした白いメロンが二つ目の前にあった。

 

もう一度言おう。ふわふわとした白いメロンが二つあった―――要約すると、目が覚めたら眼前にたわわに実ったおっぱいがあったと言うことだ。

朝から思いがけない幸運が訪れた事に、士道くん思わずニッコリ。

 

「うおおおおおおおおお………この世界に帰って来てから毎日見てるけど―――全ッ然飽きねえ!よし、揉むか」

 

士道は目の前にあるおっぱいへと手を伸ばした。

はだけた巫女服の隙間に慎重に手を忍びこませて、両腕が入るスペースを確保するため、巫女服の胸部を慎重に露出させていた。

………一気に仕掛けると、眠っている女性が起きてしまう可能性があるため慎重に作業をしていた。

そして、もう一人いるお邪魔虫―――失礼、お邪魔ドラゴンにもしっかりと釘を刺す。

 

「………おいドライグ、起きてんだろ?それから、もちろん分かってるよな?大声出したら籠手でやるぞ?」

 

『ううっ………ぐすん………酷い、酷いよ相棒………』

 

これで相棒のドライグが大声で邪魔してくる事も消えた今、士道の隣で寝息を立てている少女―――六華のおっぱいへの進路が完全にクリアされた。

 

士道は目の前におっぱいがあるという事実に、感謝の意を込めて―――いざ揉もうとしていた。

 

「この世の全てのおっぱいに感謝を込めて、いただきます」

 

眠っている六華を間違っても起こさないよう小さな声で述べた。

そして両手が今、六華のおっぱいに届いた。

 

「………あっ………んっ………」

 

「うおっ手に吸い付いて来やがる、なんて柔らかさだッ!そのくせ手で押し込むとこれでもかって言うくらいに押し返してくる………ッ!やばい、想像以上だこりゃッ!」

 

士道に欲望の限りおっぱいを蹂躙され、六華の瞼と眉がピクピクと震え艶声を漏らした。

六華のおっぱいをこんなふうに触った事は一度もなかった士道くん。

顔を突っ込んだことはあったが、生乳を欲望の限り蹂躙するのは初めてだった。

 

「ぐへへへへへへへへ。まだ後十分は触れ―――むぐぅ!?」

 

まだまだ六華のおっぱいを好き放題できると油断をしていた所に、反撃が飛んできた。

士道の頭を何かが掴み、おっぱいの中へと押し込んだ………眠っている六華が無意識で士道の頭をガッチリとホールドしたのだ。

 

「むぐぐぐ………スン、スン………六華、六華―――うおおおおおおッッ!」

 

六華は力強く士道をおっぱいに押し込んでいるため、士道は窒息しそうになっていた。

しかし、顔を振ってなんとか呼吸できるようにして、そこからはもうただひたすらに六華のおっぱいの感触を顔面で楽しんでいた。

 

今の士道は幸せの絶頂にいた。柔らかいながらも、両頬を強く押し返してくる感触に、そしてそこから感じ取れる六華の匂いと温もりに………

 

それと同時に、理性がそろそろ限界を迎えようとしていた士道くん。

ホールドされた腕から抜け出し、六華のおっぱいの中心にあるものを凝視していた。

その瞬間、理性と言う名の堤防に亀裂が入りそれは崩壊寸前まであとほんの僅かな所まで進んだ。

 

「こ、ここまで来たら――――――いい、よな?これを吸っ、ても―――」

 

「い、良いですよ………士道さまのお好きなようにして下さい」

 

声が聞こえて、慌てて士道が首を起こした。さっきのホールドをされて士道が感触を楽しんでいたときに、六華が目を覚ましたのだ。

六華は顔を真っ赤に染め、気恥ずかしさのせいか少し息が荒くなっていた。

先程まで好き放題おっぱいを蹂躙していた士道に、報復をかますどころか受け入れたのだ。

 

ここで士道の理性が完全に崩壊した。そして、六華のおっぱいの前で手を合わせた。

 

「『お好きなようにして下さい』そんな素晴らしい日本語があったのかあ!!六華さま、それじゃあいただきます!!」

 

「………士道さまっ………あんっ………」

 

士道くんのおっぱい史に新たな一ページが刻まれる。今日ここで士道はおっぱいを初めて吸おうとしていた。

六華の二つのおっぱいを中央に寄せ、薄いピンク色の乳房を目掛けて口を近づけたその時、六華が士道の鼻息が敏感な所に当たり、艶声を漏らした。

 

しかし―――………世の中そんなにうまくはできていません。これがあと僅か数秒早くできていれば、おっぱい史の新たなページが刻まれていたのだろう。

 

ガコーンッ!!

 

「ぎゃあああああああああああああ!!」

 

六華の乳房を口に含もうとしたその瞬間に、何者かがフライパンで士道の側頭部を強打した。それと同時に目覚まし時計の数倍は、けたたましい音が士道の部屋を響かせた。

 

「朝っぱらから何やっとんじゃあああああああ!!」

 

黒いリボンで髪を結わえた元気いっぱいの少女―――妹の琴里ちゃんが悪を成敗した。

士道くんは痛みに耐えられずベットから転がり落ちて悶絶していた。

 

「うおおおおお!!痛い、頭が割れるように痛い!!」

「士道さま、大丈夫ですか!?」

 

六華がベットから飛び降り、心配そうに体を揺する。

―――完全に自業自得だ。琴里は悶絶する士道にため息を吐くと、心配そうな表情を浮かべる六華に言う。

 

「この変態は言うことないにしても、あなたもよ六華。この変態を起こしに行って帰ってこないって思ったら………どうしてベットの中に潜り込んだのよ?」

 

「士道さまの寝顔を見ていると、その………我慢が出来ませんでした!」

 

正直者な六華ちゃんである。寝顔が可愛すぎて額にキスをするほど士道の寝顔が大好きな六華ちゃん。

ちなみに今日もベットに入り込んで一番最初に士道の額にキスをした………ノルマクリアである。

 

………ちなみに、六華は精霊マンションではなく五河家に住む事になった。

その部屋は、かつて精霊マンションが完成する前に十香が使用していたものだ。

 

リンドヴルムとの戦い以降、常に士道が近くにいた事に安心感を覚えていた六華だったが、一人で生活するとなった途端に精神が不安定になり、部屋でマイクロ空間震を発生させて壁やら扉やらを破壊した。

 

それを見た琴里は、この世界での生活に慣れるまでは士道と一緒に生活させるため、空いていた部屋の一室を六華に与えた。

 

そこから六華の精神状態は見違えるほどに安定した………しかし、今日のように士道の布団に潜り込んでいる事が多々あるのだが。

 

「全く………ほら来なさい、もうご飯の準備は出来てるから。今日は六華が全部やってくれたわ」

 

家事はほぼ士道が一人でやっていたが、六華が来てからは掃除や洗濯、料理まで六華が担当することもある。

住まわせてもらう以上は、六華もお手伝いをしてくれるのだ………これには士道や琴里も大きく助かっている。

 

………ご飯を作る必要がなくなった士道くんは、わしゃわしゃと手を動かして六華に迫る!

 

「マジで!?ありがとう六華!!まだ七時前だからさっきの続きを――――――ぎゃああああああああああああ!!」

 

再び六華のおっぱいを吸おうとした士道を見て、琴里ちゃんが容赦なくフライパンを振り抜いた。

このあと、ご飯を済ませた士道たちは元気よく高校へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ご飯を食べた後は、士道は精霊たちを引き連れて学校へと足を運んだ。くるみんの霊力封印後は、全校生徒が急に衰弱した原因を調査するために二週間ほど休校になったため、久しぶりの登校だった。

 

………ちなみに生徒が衰弱した原因は、くるみんの張った結界『時喰みの城』だ。

士道を試すとはいえ、クラスメートを傷付けた事をくるみんの心で複雑な感情が渦巻いている様子だった。

 

責任を感じて重苦しく息を吐いたくるみんを見た士道は、優しくその肩に触れる。

 

「くるみん、顔を上げろ。そんなに辛そうな顔をされると俺も辛い………あの事を忘れろとは言わない、けどそんなに自分を責めるな」

 

「士道さん………ですが―――」

 

「ですがもへったくれもない。最終的にはお前は誰も傷付けなかった―――………そうだろ?くるみん、お前はもう立派にこのクラスの一員なんだ。だから堂々と胸を張ればいい、降り注ぐ災難は全部俺が吹っ飛ばしてやっからよ」

 

「あなたと言う人は………本当にバカですわ」

「バカで結構」

 

それだけを言い残して士道は自分の席へと戻っていった。くるみんの心に渦巻いた複雑な感情が弱まった。

そしてくるみんは改めて理解した。

 

―――この人を信じた自分に間違いはなかったということに。

 

「おいゴラァ!席につけぇ!転校生を紹介する―――コホンッ!紹介しまぁす!今回はなんとですねえ、()()もいるんです!」

 

いきなりヤンキーモード全開でたまちゃん先生(ニ九歳独身)が扉を開けて入ってきた。

………ここにいる全員がヤンキーモードになっている原因はすぐに分かった。

 

―――また合コンで失敗したということに。

 

全員が同情の視線を送った瞬間に、たまちゃんは咳を出していつものモードへと戻った………これでも公私は分けるたまちゃん先生だ。

 

「………寝不足だ、辛い。それと岡峰先生。鳶一折紙は、家の都合で一日お休みです」

 

『大丈夫かあの女………』

 

ちなみに少し遅れて令音があくびをしながら、フラフラと目を擦ってたまちゃん先生の横に立った。

あまりにフラフラとしているため、ドライグも心配そうに声を出した。

 

「そうですか、鳶一さんはお休みっと―――入ってきて下さい!」

 

たまちゃんの合図で二人の少女がクラス内に足を入れた。一人は士道や十香、くるみんがよく知る精霊―――六華。

 

もう一人は、ウェーブのかかった薄い桃色のセミロングの髪を持ち、柔らかな表情、スラっとした細身の身体。

言うなれば、ゆるふわ癒し系の美少女がクラスに加わることになった。

 

ガタッ!

 

皆が転校生を一心に注目していたその時、突如勢いよく立ち上がった少年へと注目が変わる―――立ち上がった少年は、士道だ。

士道は六華ではない方の転校生を見ていきなり、曲げてた足を伸ばして立ち上がったからだ。

 

「――――――り………凛、袮?」

 

もう一人の転校生―――ゆるふわ癒し系美少女を見つめる士道をみて、その少女は懐かしそうに微笑み、士道に応えるよう手を振った。

………その少女は士道がよく知ると同時に、琴里が実の姉のように慕う幼なじみだ。

幼稚園から小学校三年生の時までずっと、士道と琴里の隣にいた掛け替えの無い存在だったから―――

 

「い、五河………くん?」

「あ、す、すみま―――ヒッ!?」

 

たまちゃん先生がいきなり立ち上がった士道を見て怪訝な声を上げると、士道は謝って座った。

………もう片方の転校生………凛袮とやらに熱い視線を送っていた事に気付いた六華に、凄まじい迫力の笑顔を向けられ声を裏返していたが。

 

士道が席に座ったタイミングで、二人は黒板のチョークを手に取り名前を刻み込んだ。

 

「みなさん、はじめまして。園神凛袮(そのがみりんね)です。これから、よろしくお願いします」

 

「はじめまして、星照六華(ほしでらりっか)です。これからよろしくお願いします」

 

―――お、おおおおおおっふうぅぅぅ!!

 

二人の自己紹介が終わると、男子たちが美少女がクラスに来た事に幸せそうな声を漏らした。

その様子に女子たちはじとっとした視線を送った。

男子は近くの席の男子に「二人ともめっちゃ綺麗じゃね!?」「俺、星照さん狙うわ、邪魔すんなよ?」「俺、園神さんめっちゃタイプ………放課後行くわ」などなど大盛り上がりだ。

 

………ちなみに『星照』という苗字をつけたのは、士道くんだ。最初の頃の六華は「五河六華」と名乗ると言って聞かなかった。

 

―――俺、初めて六華を見た時、星すら照らすほど美しいって思ったんだ。だから『星照』っていう苗字を考えたんだけど、どうかな?

 

これを言った瞬間に、六華は顔を真っ赤に染めて首を縦に振ってくれた。

琴里ちゃん同様に、六華ちゃんも案外チョロインなのだ。

 

「うっせえぞ、このボケナス共ガッ!!静かにしろってんだよ―――コホンッ、では園神さんはさっき立った五河くんの前の席。星照さんは五河くんの隣の席でお願いします」

 

シーン………

 

「「わ………分かりました」」

 

たまちゃん先生がヤンキーモードを覚醒させると、大盛り上がりの男子が、ピタッと自分の席で背筋を伸ばした状態で静止した。

凛袮と六華はたまちゃん先生の痔を見て、ドン引いていたのは言うまでもないだろう。

 

凛袮は士道の前の席に座ろうと足を進めてが、六華がたまちゃん先生を見て手を挙げた。

 

「岡峰先生、最後にひとつだけよろしいでしょうか?」

 

「おや?どうしましたか、星照さん?」

 

六華は窓際の席でポカンとした間抜けな表情を浮かべる士道を指さした。

 

そして―――………天使のような光り輝く笑顔で爆弾を投下した。

 

「私には、生涯を約束した人がいます。あちらにおられます五河士道さまです。私は五河士道さまと、結婚を前提にお付き合いさせていただいています」

 

ズオオオオオオオオオオオオオッッ………

 

それを聞いた瞬間に、空気が非常に重くなった。先程立ち上がった時と同様に、クラスメート全員の視線が士道に注がれた。

男子たちからは「許すまじ………」「地獄に落ちろ!」など嫉妬の炎を向けられ、女子からは「十香ちゃんとは遊びだったの!?」「夜刀神さんが本命じゃなかったの!?」など十香を心配する声が多数あがった。

 

「六華、お前なんてこと―――ッ、おい!!」

 

そんな声などお構い無しで六華は席まで足を進めて自分の席に座ろうとしたその時―――六華が士道の腕を引っ張り頬に口付けをした。

 

士道は顔を真っ赤にして恥ずかしげに立ち上がり、視線を泳がせていた。

 

「むぅぅぅぅぅ!!六華、学校でそういうことをしてはいけないと言われたであろう!!」

「………六華さん、少々調子に乗りすぎではありませんこと?」

「………」ピキッ!!

「士道………」

 

いきなり転校初日に、士道は私のものだと宣言し、授業前にほっぺにキスをした六華を見た十香とくるみんはご立腹のようだ。

………おまけに令音までもが、持っていた下敷きを真っ二つに割るほど拳を握りしめていた。

凛袮もこの三人同様、胸の中を焼かれるような痛みが走り表情を曇らせた。

 

「これからもよろしくお願いしますね、士道さま」

 

満面の笑みを送る六華を見て士道は決心した。

―――家に帰ったら必ずお仕置きをする事を!

 

ホームルームが一旦終了し、たまちゃん先生と令音が教室から出た瞬間の出来事だった。

 

『五河くたばれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!』

 

「はあ………やれやれ―――死にたい奴だけ前に出ろ!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガッ!!

 

嫉妬の炎を燃やした男子どもが一斉に士道を目掛けて襲いかかった―――………しかし、相手は所詮ただの人間だ。ほんの数秒で全員が返り討ちにあったのは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

男子のクラスメートを全員血祭りにあげた後は、普通に授業を受けていた。現在の授業は数学、十香ちゃんが大嫌いな三角関数だ。

心配そうに隣に座る六華へと目を向けると、真面目に先生から渡されたプリントの問題を解いていた。

 

………六華は物覚えが良く、一度聞いたことは絶対に忘れる事ない。

まるでスキャナーで取り込むごとく、学んだ事を吸収していくのだ。

故に、この世界に来てから僅か一週間で高校二年までの勉強をマスターし、今では十香やくるみんに勉強を教えることもあるほどだ。

 

………と、早速十香が悲鳴を上げた。口元に手を当て、小声で六華に視線を向ける。

 

(り、六華………すまぬ助けてくれ)

 

殿町を間に挟んで聞こえてきた声に六華は反応して、十香の席へと歩いていった。

現在はテスト対策期間ということもあって、分かる人が分からない人を教えても良いのだ。

………現に、数学担当の田村先生は―――

 

「グゴゴゴゴゴゴゴッッ………」

 

対策プリントを配るなり、即職務放棄をかました(ただいま教卓の上で絶賛爆睡中)

 

「この分なら十香と六華は問題なさそうだな―――………っと」

 

転がってきた消しゴムを士道は拾って前の席にすわる美少女―――凛袮の机に置いた。

 

「落ちたぞ凛袮」クイッ

 

「あ、ありがとう士道」コクッ

 

士道は笑顔で自分の襟首を掴むと、それを見た凛袮は首を縦に振った。これが幼なじみ同士の仕草で行う、テレパシーにも近い無言の会話だ。

 

(な、なんでしょうか今のは?)

「む?六華、どうかしたのか?」

 

士道と凛袮の謎のやり取りを見逃す事はなかった。それを見た十香は、怪訝に声を掛けた。

六華は「なんでもないです」と言うと、十香に再び勉強を教えていた。

 

 

キーンコーンカーンコーンッ!!

 

 

お昼休みが始まると、士道は屋上でスマホをいじっていた。先程合図をしたあの転校生が来る事を信じて………

士道がスマホを触って約一分ほど経った時、バタバタとウェーブの入った髪を揺らしながら屋上の扉を開けてその転校生がやって来た。

 

「ご、ごめん士道………質問攻めにあって外に出られなくて」

 

「気にすんな、俺も今さっき来たところだから」

 

お互いに言葉を話すと、二人は見つめ合いそれぞれの胸の内を言葉にして伝える。

 

「言いたい事は色々あると思うけど―――………おかえり、凛袮」

 

「うん!ただいま、士道っ」

 

凛袮は目に温かいものを浮かべて、士道の胸へと飛び込んだ。

その凛袮を士道は優しく受け止め、抱きしめた。

 

「夢じゃ、ないよな?お前とまたこうして一緒にいられる事が」

 

「夢じゃないよ士道。私はもうどこにも行かないから」

 

屋上は完全に二人の世界を作り込んでいた………まるで、離れ離れになりながらも、お互いを忘れる事ができなかった二人が再会したように。

凛袮は、儚げに士道の制服を掴む。

 

「でも、星照さんみたいな綺麗な人と、結婚を前提にお付き合いしてるなんて………私知らなかったな………それから夜刀神さんと時崎さんも士道のことが好きだよね………」

 

「ま、まあその―――………色々あって、な」

 

士道は、ばつの悪い顔を浮かべて視線を逸らした。

………凛袮は父親の仕事の都合で引っ越すことになり、士道と離れ離れになったのだ。それでも凛袮は、ひと時も士道のことを忘れた事は無かったのだ。

それは、再開した今でもずっと―――………凛袮は再び想いを伝える。

 

「士道………私、諦めないから。今は夜刀神さんや時崎さん、星照さんが近くにいても絶対に………士道を振り向かせてみせるから」

 

「り、凛袮………」

 

再開していきなりの告白に士道は戸惑っていた。その時、屋上の扉がバーンっと勢いよく開かれた………士道に想いを寄せる精霊トリオがドタバタとかけてきた。

 

「………良いだろう、その勝負受けて立つぞ凛袮!」

 

「と、十香!?それにくるみんに六華まで!!」

 

えっへんと胸を張る十香ちゃん。それだけではない。

 

「ここに来て幼なじみの登場とは。ですが、わたくしも負けませんわよ凛袮さん」

 

くるみんも真っ向から凛袮の挑戦を受け止めることを決めたようだ。

そしてそれは六華も同じだ。

 

「受けて立ちます凛袮さま」

 

四人はこれから幾度となく士道をめぐって、激しく争うだろう。精霊とだだの人間種族は違えど想い人は変わらない。叶いつつあるハーレム王への道のりに確かな手応えを士道は感じていた。

 

「士道、待ってて………絶対に負けないから」

 

凛袮も清々しいほどの笑みを浮かべて、三人を見つめ共に士道を取り合う事を決めた。そして、その後の授業を終えた士道たちは家へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあ………」

 

天宮市の上空一五〇〇〇メートルに位置する空中艦フラクシナスで解析官を務める令音は、休憩室にて最大にため息を吐いた。

 

「どうしたの令音、ため息なんか吐いて」

 

司令官の琴里が休憩室に入り、ため息を吐く令音に声を掛けた。令音は休憩室の明かりを見ながら黄昏ていた。

 

「六華の霊力を封印してから、シンが私のところに一切来なくなってね………少し寂しく感じるんだ。あれだけ狂おしく私の胸を求めて来た彼はどこへ行ったのか………」

 

………そう、六華の霊力を封印してから約一週間、士道が令音のおっぱいを求めてやってくることがなくなったのだ。

これには琴里ちゃんも思わずニッコリ笑ってガッツポーズ!

 

「ようやく………ようやく私のコツコツ積み重ねた努力が身を結んだのね!士道に諦めずによしのんを投げ続けた甲斐があったわ」

 

士道が令音の胸をユートピアと言いながら顔面を突っ込む事は、令音にとっては癒しで、琴里にとっては悩みの種だった。

ようやく勝ち取った勝利に、琴里ちゃんはうっすらと涙を浮かべていた。

すると、令音はカタカタとパソコンのキーボードを叩いて映像を出す。

 

「………それでシンが来なくなって原因を調査していたら―――こんな事が分かってね」

 

「こんなことって―――はあああああああああ!?」

 

令音が出したパソコンの映像には衝撃の映像が映っていた。これは六華の部屋に仕掛けたカメラだ。そのカメラには、六華の豊満なおっぱいに顔面を突っ込む士道の姿が!

 

『にゅうううううううう♪』スー、ハー、スー、ハー

 

『士道さま、元気になりましたか?』

 

巫女服をはだけさせた六華が士道の頭をホールドして、自分の胸へと押し込んでいた。

士道はとても幸せそうな表情を浮かべて深呼吸をしていた………そう、士道が行っているのは乳気の吸収だ。

 

ロリニュウムやビニュウムは十香やくるみん、凛袮を含めたクラスの女子から無限に供給されるが、キョニュウムともなるとそうはいかない。

少し前までは、令音に土下座で頼み込むしか無かったが、今では同じ家に住む六華に、「三時のおっぱい」と言えばキョニュウムを吸収できるようになったからだ。

 

………ちなみに乳気が不足すると、士道は動けなくなるのだ。

活動すると三つの乳気を消費するため、現在はその乳気の補充を全力で行っているのだ。

 

「………シンが言うには、活動する度にロリニュウム、ビニュウム、キョニュウムを補充しないと精神が病むと言うくらいだからね。最初は私を頼ってくれていたが、六華が『浮気は許しません!』と言ってからはずっとこうだ。お陰で私の癒しの時間が無くなってしまってね………これでは、私が精神を病む」

 

令音の深刻な悩みを聞くなり、琴里は何処かへと消えた。そしてパソコンの中から、琴里の声が聞こえてくる!

 

『お☆に☆い☆ちゃああああああん!六華にナニさせてるの?琴里、詳しく聞きたいなぁ!』

『ゲェッ!?てかお前、灼爛殲鬼(カマエル)は無しだろ!?俺普ッ通に死ぬわ!!』

 

今の琴里ちゃんは白リボンで髪を結わえた『可愛い妹モード』だ。その琴里ちゃんが巨大な斧を持ち上げ、無慈悲にそれを振り下ろす!!

………黒リボンの司令官モードでも十分怖いが、今の琴里は可愛い妹モードだ。びっくりするほど澄んだ笑顔で斧を振り下ろしてくるのだ。

こんなものサイコパス以外のなんでもない!!

 

『えいッ♪』『ぎゃあああああああああああ!?』

 

『【輝壁(シュテル)】ッ!!』

 

バキィィィィィィィィィィンッ!!

 

六華が手を伸ばすと―――士道と六華を覆うように結界が展開され、巨大な斧を木っ端微塵に砕いた。

………六華は他の精霊以上に、士道が傷付くことには敏感に反応してしまうため、霊力の逆流の頻度が高い。

この通り、琴里がスケべ行為を止めようとしただけで、天使が扱えるようになるほどだ。

 

『士道さま、怖かったですよね?ですが、もう大丈夫です。安心して乳気を吸収してください』

 

『ううっ、ぐすん。六華ぁ怖かったよぉぉぉぉ!にゅううううううう!』

 

『六華、今すぐこれを解除なさい!って聞きなさいよ!?』

 

六華は、赤ん坊に母乳を与えるように士道に乳気を吸収させていた。ちなみに、琴里は何度も巨大な斧で結界を破壊しようと叩きつけたが、結局破壊する事が出来ず、プンスカとフラクシナスへと帰っていった。

 

『いやあ、助かったぜ六華ありがとう。よし、これで買い物にも行けるぜ!』

 

『では、参りましょうか士道さま』

 

満足して六華のおっぱいから士道が離れたのは、一時間後だった。買い物からの帰宅後に琴里から大目玉を食らったのは、言うまでもないだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽が仕事を終え、月へと仕事を交代した時間に、士道は六華をしたがえて近くのスーパーを目指していた。

 

本日二度目のお買い物だ。

 

「ったくなんで、この俺様がアイスなんざ買いに行かなきゃならねえんだよ。ハーゲンダッツの最後の一個を食った奴は琴里なのに!!」

 

アイスを切らしていた事に気付いた琴里に、士道くんはお使いを命令され全力でボヤいていた。

買ってこいと言われたのは、ハーゲンダッツやらその他のアイスだ。

 

テストの一週間前というのもあり、精霊たちが士道や六華に勉強を教わる名目で五河家には、ほぼ毎日精霊たちが訪れ、冷蔵庫の中の食材に大打撃を与えた。

 

………今から買いに行くのはその補充だ。

 

「士道さま、ボヤかないで下さい。私は士道さまとこうして一緒にいられて幸せですよ?」

 

六華ちゃんはこの通り、士道と一緒にいられるだけで幸せなのだ。そして、五分ほど歩くとスーパーに到着したのだが、六華がスーパーに入るためのドア前で固まった。

 

「………ほら、六華掴まれよ。ぐへへへへへへへへ!!」

 

「は、はい………」

 

このスーパーのドアは回転ドアなのだ。初めてこのスーパーを訪れた時、六華がドアに激突して尻餅をついたのだ。

………その時に、ワンピースの中から見えたパンツを士道がマジマジと見つめていたのは、内緒である(当然スマホにはその写真もある)

 

六華は、士道の腕に掴まってゆっくりと足を進めた。回転ドアをくぐり抜けてスーパーに入ると店員が慌てて駆けてきた。

 

「お、お客様!鼻血が出ていますよ!」

 

「あ、すみません。ぐへへへへへへ!」

 

店員からティッシュをもらうと鼻に突っ込む士道くん。六華が動く時に腕にむにゅうっと当たるおっぱいの感謝を楽しんでいたのだ。

 

「し、士道さま!楽しんでませんか!?」

 

「何言ってんだ六華、おっぱいの感触を楽しまない奴なんざ漢じゃねえ!!」

 

「そ、そういうわけではありません!私は悩んでいるのに、なぜ士道さまはそんなに嬉しそうなんですか!」

 

「そりゃあ六華のおっぱいを堪能できるからに決まったんだろ?」

 

「真顔で言わないで下さい………こっちが恥ずかしくなりますから」

 

真剣に回転ドアへの対応に悩む六華だが、その六華が腕に掴まることで、士道くんはおっぱいの感触を楽しんでいる。

さて、夫婦のやりとりはこの辺にしよう。スーパーで二人は買い物を始めた。予算はニ〇〇〇円だ。

 

士道が適当にハーゲンダッツやら、ガリガリ君やらを適当にカゴへと詰め込んでいった時、六華が言う。

 

「士道さま、予算オーバーです。モナ王は諦めてください」

 

「チクショウ!頼む六華!!」

 

「ダメなものはダメです!」

 

こっそり自分用に買おうとしたモナ王を六華ちゃんは見逃してくれなかった。わずか数十円のオーバーでも六華ちゃんは許さないのだ。

しかし士道くんも諦めない!

 

「頼む六華!またおっぱい揉んでやる―――いや、一緒にお風呂に入っておっぱい流してやるから!学校で黒板の文字を消してる時に、スカートの中のパンツを見てやるからさ!!ぐへへへへへへへへ!!」

 

「―――完全に自分へのご褒美じゃないですか!?ダメです!!」

 

「ぬおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

六華に何かを与えるではなく、自分へのご褒美でモナ王をねだる士道くん。その作戦は見事に失敗し、頭を抱えて足元から崩れた。

さてさて冗談はこの辺にして、二人はレジでお会計を済ませようとしていた。

 

―――その結果は………

 

「お会計は一九五三円になります」

 

モナ王を買っていれば本当に予算オーバーになっていたところだった。さすがは六華ちゃんだ。

お会計を済ました後、士道は両手にアイスが入った袋を持って外へと出た。すると、六華がチラチラと士道の手に視線を向けていた。

 

「ん?六華、どうかしたか?」

 

「い、いえ―――………」

 

六華は急に士道に声をかけられて、びっくりして声を裏返した。何でもないと言ったが、未だに六華はチラチラと士道の手を見つめて頬を赤らめている。

黙っていたドライグが盛大にため息を吐いた。

 

『はああ………相棒、お前は本当に鈍感が過ぎる。袋の片方を六華に持ってもらえ』

 

「袋の片方―――あ!!六華、頼んでもいいか?」

 

士道が軽い方の袋を手に出すと、六華の顔が光を放つほど明るくなった。

 

「もちろんです!」

 

六華は袋を受け取ると、空いた士道の手をもう片方の手を士道の手のひらに合わせて握った。

しかし、これでは士道くんが満足しなかったのか、手を滑らせて六華の手の指の間に、自分の指を忍ばせてから再び握り直した。

それを見た六華は頬を赤らめた。

 

「し、士道さま………この手の繋ぎ方は―――」

 

「………嫌だったか?」

 

士道が目を見つめて訊ねると、六華は何度も首を左右に動かした。

恋人同士で行う手の繋ぎ方を選んでくれた士道に、完全に心を動揺させられていた。

………足を進め、家まで帰ってきた時に家に入ろうとした、六華の肩を掴んで止める。

 

「あ、あの………士道、さま?早くしないと、アイスが―――」

 

「六華、絶対に後悔させない。お前が俺を選んでくれたことをさ………どんな奴が来ても六華を守ってやる」

 

その言葉を聞いた六華は―――………

 

「後悔なんてありませんよ、士道さま」

 

六華が見せてくれた笑顔は、地上で輝く月のような光を放っていた。

 

新たな精霊が加わり、より賑やかになる士道の日常。精霊を救うための戦いはまだまだ続く!

 




これにて『六華クライシス』は完全に終了です。

零章のキャラ設定に六華、アルテミス、ヘルメスを追加しました。

この章だけで約三年ほどかけてしまい、本当に申し訳ございませんでした。

◆凛袮について

八舞編の一話で登場させても良かったのですが、この話で登場させる事にしました。
現在は、凛袮は人間で士道とは幼なじみの設定です。

今後の章で凛袮の章を作る予定です。
※凛袮イリュージョンという章名で出そうと考えています。

◆ここからは八舞編の予告です

八舞編の予告(一部シーンを抜粋)

令音「ベルセルクは非常に高速で動き回る精霊だ、今回を逃すともう―――」
士道「神速と【閃光】の鎧なら追いつけますよ?たとえ逃げられても、あの二人のおっぱいを求めて地の果てまでだろうが追いかけます!」

一緒に温泉編

耶倶矢と夕弦は暖簾を逆にして、士道を女湯に突っ込もうとしていた―――しかし………

士道「ばっきゃろう!!俺が女湯に入るチャンスを棒に振るとでも思ったか、舐めんじゃねえ!!耶倶矢、夕弦。俺は女湯に入るぞ!」

日焼け止め編

士道「お前ら今度は前だ。おっぱいにも日焼け止め塗らなきゃだろ?そんなんじゃあ俺は攻略できないぜ!?ぐへへへへへへへへ!!」

ビーチバレー編

士道「お前らよく聞け―――MVPはこの俺だあああああああ!!」

フィナーレ

士道「お前ら、本当に強かったぜ………でもなあ、ここにある二つのおっぱいの片方たりとも、失うのは死んでもごめんだ!ここからは俺も本気だ、例えお前らに嫌われてでも勝たせてもらう!!ここから先は―――乳龍帝の戦争だ!!」

八舞編、始動!おたのしみに〜


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