デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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どもども、勇者の挑戦です。

お待たせしました、八舞ツインズ降臨です。

開幕は折紙サイドからです。

※六華の体重を公開したその日に、足の小指を冷蔵庫にぶつけました。みなさん、女性の体重を公開するのはやめましょう。


六章 八舞テンペスト
一話 頼み事をします!


 

 

「それでは処分を言い渡す―――鳶一折紙一曹を、懲戒処分とする。今後顕現装置(リアライザ)に触れることは二度とないと思え」

 

自衛隊天宮駐屯地の一室で、折紙の不祥事に対する審査が行われていた。

それは以前、折紙が琴里を殺す名目で、オーシャンパークに襲撃を仕掛けたあの事件だ。

 

折紙もこうなる事を覚悟して、あの行動を起こした。しかし、折り紙の中でどうしても諦めきれないものがあった。

 

―――士道が命を賭して折紙に伝えた言葉だ。

 

仮に士道の言った事が真実である場合、折紙は真犯人を討滅する機会を失ってしまうのだ。これが唯一心の中に残った諦められない思いだった。

 

しかし折紙自身も分かっていた。この処分が簡単に覆る事がないことくらいは………しかし、意外な助け船が現れた。

 

「おや、お邪魔キングだったかな?」

 

漆黒のスーツに身を包んだ男が、秘書と思しき少女を従えて扉を開けて様子を伺っていた。

 

………開けるなら、事前にノックくらいするのが礼儀だが、この男にはそんな物はないらしい。

 

「―――ミスター•ウェストコット?」

 

サー•アイザック•レイ•ペラム•ウェストコット。

世界で唯一顕現装置を製造する事ができる会社(メーカー)『DEM社』の業務執行取締役―――つまりトップだ。

 

「なぜあなたのような人物が………」

 

「いえね、せっかく天龍の力を封じ込めた人工神器(セイクリッド•ギア)をプレゼントしたのだが、使用予定のマナがダウンしていると聞いてね。ちょうど日本による予定がありましたので、マナのお見舞いと並行して噂の真実を確かめようと思ってね………」

 

動揺する審査官に一言述べたウェストコットが部屋を見渡す。

 

「噂………と言いますと?」

 

「『白龍皇の(ディバインディバイディング•)輝銀鱗装(シルバードラゴニックユニット)』を使用して精霊に挑んだ隊員がいるとか、なんとか………一度この目で見ておきたかったのですよ」

 

「………っ」

 

ウェストコットの言葉により一層、部屋の空気が重くなった。

………折紙が使用した人工神器は、DEMの実験機だ。それも真那にしか使用許可が出ていない装備だった。

 

「おやおや、私は責めるつもりはないよ。ただ―――使いこなしたのが、キミのような可愛らしいお嬢さんとは思わなかったけどね」

 

「………」

 

ウェストコットは折紙へと視線を送った。視線を送られた折紙は、得体の知れない気味悪さを感じて唾液を飲み下した。

ウェストコットは警戒された事に苦笑いを浮かべると、審査官がわざとらしく咳払いした。

 

「今回の件に関しては手前どもの失態です。一曹にも記憶処理を施しての懲戒免職の処分を下す予定です」

 

審査官の言葉を聞いたウェストコットが静止画のようにほんの数秒固まった。

その後は天を仰ぎ盛大なため息を吐く。

 

「なんということだ―――………アレを身に纏って戦う事のできる魔術師は、この世にたったの五人といません。その魔術師を処分しようとは………」

 

「そういう問題ではないのだよ、ミスター。これは隊の規律の問題だ」

 

全く退く気配のない審査官を見たウェストコットは、バン!とその机を叩いて顔を寄せて口を開く。

 

()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

『………』

 

ウェストコットの言葉に、並んだ武官たちが一斉に黙り込んだ。これはウェストコットからの命令だ。

 

―――自分の言うことを聞かないと貴国への顕現装置の供給を止める。

 

陸上自衛隊には、DEM社に大きな借りがある。ここでこの剽軽者への対応を誤れば、大きな災を招く未来が見えていた。

 

DEM社は顕現装置を世界中に供給している唯一の会社だ。それが供給されないとなると、著しい国力の衰退が目に見えている。

 

それでも審査官は決定を覆そうとはしなかった。自衛隊の幹部が外国企業の要求に屈したという前例を作らないために。

 

「………舐めるなよ、民間企業」

 

審査官はウェストコットを睨み付け、ドンと拳を叩き付けた。

 

「良い覚悟だ」

 

ウェストコットは決定が覆らないことを確認すると、スマホで何処かへと通信を飛ばした。

 

「―――ああ、どもお世話になってます。本日はご相談がありまして………」

 

ウェストコットは幾度か言葉を交わしたのち、スマホを差し出した。

 

「………?何の真似だ?」

 

「出ていただければすぐに分かるでしょう」

 

ウェストコットからスマホを受け取った、僅か数秒後の出来事だった。

視線を鋭くする審査官に、不敵な笑みを浮かべるウェストコット。

 

「ぐっ………鳶一折紙一曹を二ヶ月の謹慎処分と、する………!査問は以上だ、さっさと失せろ!」

 

「し………失礼、します」

 

審査官が弁護役の日下部一尉に視線を送った瞬間、弾かれるように折紙の手を引っ張って部屋を出て行った。

 

「………まさか、DEMのトップがあんたに助け舟を出すとはね」

 

「納得いかない。間接的とはいえ、自衛隊が外国企業の要求に―――」

 

言いかけたところで燎子がスパンッと折紙の頭を叩く

 

「何をするの」

 

「こっちの台詞よ。下手なこと言って懲戒食らったらどうすんのよ、親御さんの仇は?」

 

「必ず取る………」

 

燎子の言葉にぎゅっと拳を握りしめて頷いた。査問が終わり、報告書の作成に向かおうとした時だった。先程助け舟を出してくれたウェストコットが折紙に気付き、その肩にポンッと手を置いた。

 

「期待しているよ、若き魔術師。キミなら必ず精霊を討滅できる」

 

「………っ」

 

肩に手を置かれた瞬間に、ドクンッと何かが折紙の中で脈打った。先程視線を向けられた時と同様に、身体全身に悪寒が走ったのだ。

 

「アレを」

 

ウェストコットが秘書に言葉を投げかけると、懐から小さな紙を取り出し、折紙に手渡す。

 

「どうぞ」

 

無言でそれを受け取る折紙。その紙には名前と電話番号と思しき数字の羅列、そしてメールアドレスが記されてあった。

 

「何か困った事があったならいつでも言ってくれたまえ。DEM社はキミへの協力を惜しまない」

 

「感謝します」

 

名刺を受け取り、小声で折紙は返した。しばらくすると、ウェストコットは秘書と共に何処かへと消えた。

 

 

 

ウェストコットは廊下にカツカツと靴音を響かせながら、笑みを作り出した。

 

「ククッ、まさか『白い龍(バニシング•ドラゴン)』がそのまま宿るとはね。人工神器がバラバラになって修復が困難になったと聞いた時は、どうなるものかと思ったが………」

 

「では、やはり―――」

 

「そうさ。リンドヴルムの細胞で作った極薄の手袋で触れた時に、反応があってね。あの様子では近いうちに必ず目醒めるだろう。

………あのトビイチオリガミに宿った『白い龍』は、()()()()()()()()()()()んだからね。もしやと思って触れてみたら、案の定さ。

今は連中が折れなかったから諦めるが、いずれは我が社に迎え入れるつもりさ―――………どんな汚い手を使ってもね」

 

ウェストコットは折紙に随分とご執着の様子だ。秘書は訊ねる。

 

「DEMに、引き入れると?」

 

「ああ。適切に処理を施せば、マナやアルテミシアは勿論だが―――世界最強の魔術師、エレン•メイザース―――キミすら超える可能性のある逸材だ。リンドヴルムはそれを分かって、あの装備を送ったのかな?」

 

「………」

 

ウェストコットが従えていた秘書は世界最強の魔術師―――エレン•メイザースだ。エレンはウェストコットの言葉は冗談だと分かってはいたが、少し不機嫌になり黙り込んでしまった。

 

「リンドヴルムに報告をしたいんだけど………スマホが繋がらないんだ。エレン、何か聞いていないかい?」

 

「しっかりして下さいアイク。異世界に送り込んだ分身体が消滅させられたと、今朝嘆いていたのを忘れましたか?今頃は神器の調整で大忙しなのでしょう」

 

「ああ、そんな事もあったね………っと、すまない電話だ」

 

言われた事がトボトボとこぼれ落ちるウェストコットに、エレンは盛大なため息を吐いた。

 

「ああ、もしもしユイちゃん、私だよ―――うんうん、川北西ホテルだね?分かったすぐに向かうよ」

 

「アイク………また、ですか?」

 

電話を切るとウェストコットはクルクルと上機嫌でその場で踊り始めた。彼の唯一のお楽しみがこれから始まろうとしていた。

エレンはその様子を見て目を細めていた。

 

「やはりエンコウとは、素晴らしい。ピチピチな女子高生を金の力でやりたい放題なんだから。私のような人格破綻者には、最高の趣味だよ」

 

………ウェストコットは女子高生が大好きなのだ。

ちなみに秘書であるエレンを、女子高生くらいの見た目にしているのは、ウェストコットの趣味だ。

ホテルで待つ女子高生に期待を膨らませて、ウェストコットは次の目的地を目指して行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

AM7:50 学校のホームルームが始まるまでまだ四〇分ほど余裕がある時間に、士道はカバンを置こうと教室に入る。

すると、ウェーブのかかった薄い桃色のセミロングの髪の少女が士道に視線を向ける。

 

「おはよう、士道」

 

「よう凛袮、早いな」

 

………先週来禅高校に転校してきた幼なじみの凛袮だ。凛袮は士道がカバンを置くと、席から立って士道と共に職員室を目指した。

 

「日直って日誌と朝学のプリントを取りにいくんだっけ?」

 

「ああ。他には教室の鍵を開けなきゃいけないんだけど、昨日の日直のやつが閉めんの忘れてたからそれは要らなくなったけどな。

後は、黒板を消したりしないといけない事もあるから俺は大体この時間には来てるよ」

 

日誌と朝学のプリントを持ちながら凛袮を見て話す士道くん。ちなみに凛袮はテストの復習のために、朝早くから勉強をしていた。

 

「そう言えば昨日、琴里ちゃんに会ったよ。久しぶりに『凛袮おねーちゃん!』って言われてさ………本当に大きくなったよね」

 

「生意気なところと体の一部分だけはロクに成長しないけどな―――いでででででで!!何しやがる凛袮!?」

「士道、いくら妹でも女の子にそんな事言ったらダメだよ。気をつけなきゃ」

 

琴里の胸の成長が遅い事を話題に出した途端に、凛袮にほっぺをつねられる士道くん。

琴里が気にしているであろう事を分かっていた凛袮だからこその行動だった。

 

教室に着く頃には、既に精霊トリオ―――十香、くるみん、六華が自分の席に座っていた。

士道と凛袮が教室に入ると声をかける。

 

「おはようだ、シドー、凛袮」

「ごきげんよう、士道さん、凛袮さん」

「おはようございます、士道さま、凛袮さま」

 

「おはよう、十香ちゃん、時崎さん、星照さん」

 

三人とも士道の家でご飯を食べているが、学校に来たらきちんと挨拶はしてくれる。

………ちなみにこの四人は基本的にいつも休み時間も昼食も一緒に取る。当然士道もだ。

転校したての六華や凛袮もクラスの女子とは比較的に仲良くやっていけている。

桐生愛華という問題児に十香と六華がよく絡まれる事は多いが、桐生愛華がエロい話をする前に士道が撃退しているので、士道の生活が脅かされることはないのだ。

 

「………………」

 

肩口をくすぐる髪をピンで止めた色白の少女がクラスに入ってきた―――少女の名は鳶一折紙。

教室内に最悪の精霊がいる事に気付き、全神経を研ぎ澄ませていた。

………折紙は登校が再開してからの最初の三日間は、登校が出来なかったため、六華や凛袮が転校してきた事も、くるみんがノコノコと登校してきた事も知らない。

 

くるみんに警戒心を剥き出しにする様子を見た士道は、二人の間に割って入り、折紙の肩に触れた。

 

「おはよう折紙―――話がある、ちょっと付き合ってくれないか?」

 

士道が言うと折紙は眉を動かした。

 

「………分かった」

 

士道に連れられ、折紙は屋上へと向かった。

屋上に着くと近くの柵に士道は身を預けた。

 

「まずは折紙………その、大丈夫だったのか?いくら精霊相手とは言え、その他大勢の民間人を巻き込んだろ?処分は相当重かったんじゃないのか?」

 

士道が心配そうに訊ねると、折紙は無表情で口を動かす。

 

「―――査問の結果、謹慎二ヶ月が言い渡された」

 

「そうか………」

 

アレだけの事をやらかしてよく謹慎二ヶ月で済んだなと思った士道だったが、口には出さなかった。

今度は折紙が士道に言う。

 

「私はまだ納得していない。炎の精霊〈イフリート〉の件もそうだけど、アレだけの事をしでかした〈ナイトメア〉がしれっとした顔で登校している事も」

 

「………っ」

 

士道は折紙の言葉を聞いて息を詰まらせた。頭をクシャクシャと掻きむしった後、士道は話し始める。

 

「琴里の方は、確かに俺は証拠を出してやれなかった。それはこれから俺が必ず見つけ出して見せる。

………けど〈ナイトメア〉―――くるみんの事は見逃してくれ!あいつはもう力を失った、だからもう人間と同じなんだ」

 

「なぜあの精霊を士道が庇うの?皆をあんな目に合わせて、士道まで傷付けて………それからあなたの実妹である真那を手に掛けたあの精霊を―――」

 

「くるみんは〈ナイトメア〉の本体じゃないんだ。あいつはあの後、現れた本体に胸を貫かれた時に力を失ったんだ。

力を失った以上、くるみんに命のやりとりをする生活をさせたくない!俺はあいつに笑っていられる生活をさせてやりたいんだ!!」

 

士道が嘆願するように放った言葉に、さらに折紙が表情を険しくさせる。拳を握りしめて声を荒げる!

 

「力を失った以上は精霊じゃない―――………冗談にしても笑えない!あの精霊は空間震を除いても多くの人間を手にかけた。何かの弾みでまた人間を殺すようになった時は―――」

 

「―――くるみんが人間を殺した時は、俺がこの命を差し出そう。くるみんが人間を手に掛けたその時は―――俺はこいつで首を斬り落とす………これならどうだ?」

 

「………ッ!」

 

士道は折紙が全て言う前に、塵殺公(サンダルフォン)を首に当てた。この狂気じみた士道の行動に折紙は息を詰まらせて後退る。

 

「どうして………どうして!?私は士道がそこまでする意味が分からない!!」

 

「俺はくるみんに約束したからだ。約束をした以上は責任がある!俺はあいつに命が脅かされず、笑っていられる生活をして欲しいだけなんだ!あいつはもう絶対に人を殺さない―――もしあいつが人を殺した時は俺の命をくれてやる!!

だから―――………俺に免じて、上にくるみんの報告をしないでくれ!!頼む、この通りだッ!!」

 

バコッ!!

 

士道は脛を地面につけて膝を曲げ、手をついた後、屋上のコンクリートにヒビを入れるほど強く額を叩き付けた。

………土下座だ。自分の命を対価にしてでも、くるみんが人を殺さない事を信じて。

目と奥歯に力を入れてガタガタと震える士道を見て、折紙は土下座をする士道に歩み寄る。

 

「………誤解しないで、私は士道のことを信じていないわけではない」

 

「………折、紙」

 

折紙の言葉を聞いて士道が顔を上げた。顔を上げた士道を見た折紙は続ける。

 

「私も、できることなら士道の妹も殺したくはないし、士道がそこまで言うならあの〈ナイトメア〉の件は上に報告しない」

 

「………っ、ありがとう折紙」

 

「それは、こちらの台詞」

 

折紙が差し出した手を握って立ち上がる。

 

「感謝している………私に変わらず話しかけてくれて」

 

「感謝って―――………俺は感謝されることなんて何もしてねえよ」

 

士道が苦笑いを浮かべると、少し躊躇いながら口を動かした。

 

「私はあなたの妹を―――いえ、それ以前に三ヶ月前、私はあなたを殺してしまうところだった」

 

「三ヶ月前の事は、もう済んだ事だ。気にするな………とは言えないか―――………でもな折紙、俺はこれからもお前と今まで通りに話をしたい―――駄目か?」

 

士道が問うと、折紙は逡巡のようなものを一瞬見せたが、ふるふると首を横に振った。

 

「………よし、それじゃあホームルームがもう始まる。戻ろうぜ折紙」

 

「―――待って、ひとつ確認したいことがある」

 

「ん、なんだ?」

 

屋上の入口にある扉に触れようとしていた士道が、くるっと体を回して折紙を見た。折紙は士道の顔をじっと見つめる。

 

「士道。あなたは人間?」

 

「………っ」

 

士道は思わず息を詰まらせた。これ以上誤魔化す事は無理だと判断したからだ。

………今の折紙には琴里の件と、くるみんの件も含めた二つの大きな借りがある。

これ以上嘘を重ねようものなら、折紙が心変わりして、くるみんのことを上に報告されたら全てパーになってしまう。

返答に困る士道に折紙が言う。

 

「士道が赤い鎧を纏って私と戦った事も、私が撃ってしまった時に傷一つ無い状態で学校に来た事も、上には報告していない。

でも万が一、士道が精霊であると判断された場合、あなたの討伐命令が出る可能性がある」

 

折紙の言葉は的を得ていた。今の士道は精霊の天使を操り、一度鎧を纏えばASTと互角以上に渡り合う超常の存在だ。

精霊と断じられてもなんら不思議はない。スーッと大きく深呼吸した後、口を開けた。

 

「………俺は人間だ。でも、ただの人間じゃない―――伝説のドラゴンが宿った人間なんだ。

あの装備を纏った折紙と戦えたのは、そのおかげだ―――来やがれ赤龍帝の籠手(ブーステッド•ギア)ッ!!」

 

士道が左腕を突き出すと左腕に赤い籠手が装着された。折紙は士道の左腕に視線を集中させていた。

 

「これが俺に宿った神器『赤龍帝の籠手』。二天龍の片割れ―――赤き龍の帝王ドライグの魂が封印されたものだ。俺にはこいつが宿っている。

………それともう一つ、俺は精霊の霊力を封印する力を持っている。折紙に撃たれた時や、オーシャンパークでの死闘の時に負った傷が瞬時に治ったのはそのためだ」

 

折紙は士道の説明を聞いて全ての現象が彼女の中で繋がった。それと同時に、士道が以前言っていた事にも納得がいった。

 

―――今は琴里は人間であり〈イフリート〉の力は、自分が有していると。

―――狙うなら、自分を狙え、と。

 

「………士道、とても話し難いことを話してくれてありがとう。もちろん上には報告をしないから安心して」

 

「すまない折紙、恩に着る―――じゃあ、教室に戻るか」

 

話が終わったところで、士道と折紙は教室へと戻って行った。

士道と折紙が教室に戻ってきた時には、時刻はホームルーム開始まで後三分になっていたのだった。

 

 

 




良ければお気に入り登録、感想、評価の程お願いします。

今回は少し短めにしました。

仕事の変則勤務が終了したため、ここからは頻度がかなり落ちます。
良くても週に一話投稿するのがやっとになると思います。

ですが、まだまだ続けていくので、よろしくお願いいたします。

☆おまけ

士道が教室に帰って来ると、くるみんの席に何やら人が集まっていた。士道はクラスメートをかき分けて様子を伺うと――――――くるみんが涙を流しているのだ。

士道「くるみん!?どうした、誰にやられた!?」

士道が心配そうに身体を揺すると、くるみんが慌てて涙を払った。

くるみん「士道さん、なんでもありませんわ!大丈夫ですから」

士道「大丈夫で涙が流れるわけあるか!!おい、くるみん泣かしたやつ出てこい!!」

士道が怒鳴り声を上げるが、誰も名乗りを上げない。士道が怒る様子を見たくるみんは慌てて諌める。

くるみん「士道さん、本当に大丈夫ですわ。それから、ありがとうございますわ―――わたくしのためにあそこまで言ってくれて。本当に嬉しく思いましたわ」

士道「何の話してんだよ、くるみん。これ、六華のスマホ―――あ!!」

くるみんの机の上にあるスマホは、よく見るとくるみんのものではなかった。士道同様に、次元の守護者によってハイパースペックに改良されたものだった。このスマホの持ち主は六華だ。

そして、士道が自分のスマホを見た時に確信した。
くるみんの机にあるスマホと、士道が持つスマホの画面には、音声を共有するモードがONになっているのだ。
モードがONになったスマホ同士では、常時音声の共有が可能になる―――要は電話をしている状態だ。
つまり、折紙との会話は全てくるみんに全部聞かれていたのだ!

―――くるみんの為に命を賭けるなどなど恥ずかしい台詞を連打していた事に気付いた士道くん。思わず赤面!

赤面した士道にくるみんは悪戯な笑みを浮かべて士道に耳打ち!

くるみん「大好きですわよ、士道さん♪」

士道「やめてくれええええええ!!」

恥ずかしい台詞を聞かれた士道の断末魔の叫びが教室内に響き渡った。
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