デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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どもども、勇者の挑戦です。

はい、続きを書いていこうと思います。




四話 パラダイスです!

士道は八舞姉妹と足を捻った十香を連れて、資料館へと戻ると令音に引っ張られるように、空いた部屋へとぶち込まれた。 

 

足を捻った十香の処理をした後、令音がタマちゃん先生に事情をただいま絶賛説明中だ。

 

「さあ士道。貴様はただ選べばよい。この八舞耶具矢に忠誠を誓い、その身、その心までも捧げると言えばそれでよいのだ」

 

「否定。耶具矢を選んでも何も良いことはありません。是非夕弦に清き一票を」

 

ベタベタと自分の腕に密着してくる耶倶矢と夕弦に、士道くんは王様気分だ。

 

「いやあ、感無量だぜ―――ぐへへへへへへへへ!!」

 

制服越しに感じる耶倶矢と夕弦の体温、吐息、感触そして匂い。鼻の下と鼻血をビヨーンと伸ばしながら、密着する美少女を味わっていた。

 

「………随分と幸せそうだね、シン。十香と六華は、霊力を放出した天使を片手に、この部屋に突撃を掛けようとしているのに」

 

「―――怖いこと言わないでくださいよ!?」

 

幸せの絶頂にいる士道に、現実を突き付ける令音。気配を探ると………外からは凄まじい霊力の波動を感じ、その言葉が嘘では無い事を察した士道くんなのであった。

 

「くく………むしろ役得であろう? 僅かな間とはいえこの我の寵愛を受けられるのだ。幸運に噎せび泣きこそすれ、嘆く必要などあるまい」

 

「懐疑。夕弦ならまだしも、耶具矢に言い寄られて喜ぶ男性がいるのでしょうか」

 

「ふ、ふん………いくら斯様な挑発をしようと無駄だぞ。全ての決闘の決着を見れば明らかになる。さあ士道よ、言うが良い。私と夕弦、どちらが女として魅力的だ?」

 

「質問。夕弦とへちょ耶具矢。どちらが可愛いですか」

 

「待て、なんだその微妙に貶した感じは!」

 

「無視。べちょ耶具矢より夕弦の方が」

 

「何悪化させてんの!?」

 

一向に収まることの無い士道くんの取り合いバトル。そして再びグヘグヘと笑みを浮かべて鼻血を流す士道に令音はコホンッと咳き込み、士道を現実に引き戻す。

 

「―――ハッ!?て言うか、耶倶矢と夕弦は何で争ってんだよ?」

 

士道が疑問を口にすると、耶倶矢と夕弦の誘惑攻撃が止まった。

 

「………ん?ああ―――言っておらなんだか」

 

「失念。忘れていました………裁定役の士道にはそれを知る権利があります―――夕弦と耶倶矢はもともと一人の精霊でした………その名を八舞と言います」

 

耶倶矢と夕弦は自身の境遇を語り始めた。

………纏めると、こんな感じだ。

 

―――別れてしまった耶倶矢と夕弦はいずれ一つの精霊に戻る。その時、耶倶矢と夕弦の両方の人格を維持することは不可能であること。

そして、本来の八舞の人格は既に消滅しており、真の八舞としてこの世に顕現できるのは、耶倶矢か夕弦のどちらか片方だけ。

故に、どちらが真の八舞に相応しいかを先程そして、今のように競い合っているのだ。

 

………勝負の内容は多岐に渡り、殴り合いや徒競走のような、凄まじいスピードで動く際に発生する衝撃波によって、周囲を無作為に破壊するものから、けん玉や大食いと言った平和的なものまである。

そして、記念すべき一〇〇戦目の結果で、真の八舞を決めようと耶倶矢と夕弦はしているのだ。

 

その時士道が心の中に引っかかった嫌な思いについて二人に訊く。

 

「………それで、負けた方の人格はどうなる?」

 

耶倶矢は一切表情を変えることなく士道を見つめて真実を告げる。

 

「当然、消え失せる」

 

「な―――ッ!?」

 

慌てて夕弦の方に士道は視線を向けるが、夕弦も無言で首を縦に振るだけだった。

グヘグヘと幸せそうな表情を浮かべていた士道の顔が急に険しくなった。

そして………再び耶倶矢と夕弦の誘惑攻撃が始まる。

 

「感謝しておるぞ、士道。お主のおかげでこれまでにない戦いができる」

 

「肯定。最後の決着がこの勝負であれば、依存はありません」

 

二人の言葉を聞いてより一層表情に力が入る士道。

この二人の覚悟は相当なものだ。この勝負で例え自分が負けたとしても、後悔はないと………

 

「………おかしい。何度やってもフラクシナスと通信ができない」

 

令音がタブレットに手を触れながら、上空一五〇〇〇メートルに位置するフラクシナスと通信が途絶えている事を明かす。

そして、耶倶矢と夕弦の前に立ち静かに唇を動かした。

 

「………耶倶矢と夕弦、このシンという男は非常に難物だ。攻略法を教えるから少し来てくれないか?」

 

令音がそう言うと、耶倶矢と夕弦は初めて令音に目を向けた。

 

「はっ、誰にものを言っておるのだ人間、貴様の言葉なぞ必要あるか」

「不要。夕弦たちはあなたの助けなど必要ありません」

 

耶倶矢も夕弦も人間である令音の助言を、邪魔だと言わんばかりに一蹴。

それを見た令音は、静かに息を吐いた。

 

「………やれやれ。仕方ないか―――」

 

―――バサッ!

 

令音が来ていた上着のボタンを外して、その下に着込むシャツをまさかの、キャストオフ!!

上半身のみ下着姿になった令音を焼きつけた士道くんは――――――それはもうこの通りだ………

 

「―――お、おっぱいいいいいいいいいい!!」

 

それは、まるで閃光を思わせるほどの勢いで、令音の豊満な二つの双丘へと顔面を突っ込む士道くん。

―――その顔は、まるで幸福の絶頂にいるかのように………

 

「なっ―――嘘でしょ!?」

 

「驚愕。こんな事が………」

 

士道はたしかに耶倶矢と夕弦は見惚れてはいた。しかし、特に手を出す気配はなかった。

………それが、令音がひとたび上着を脱ぎ捨てた途端に、餓えた獣の如く令音のおっぱいを目掛けて突進したからだ。

そして、突っ込んできた士道を優しく受け止め、母親のように令音はその頭を優しく撫で始めた。

 

「………シン、いい子、いい子」

 

「にゅううううううううう♪」

 

令音の豊満なおっぱいに顔面を突っ込み顔を左右に揺らしながら、幸せそうにスー、ハーと深呼吸をしているのだ。

これを見た耶倶矢と夕弦は屈辱に打ち震えていた。

 

「たかが人間如きにこの我が………」

「屈辱、くっ………」

 

―――自分達と令音との間に、ここまで圧倒的な差が存在するのかと………

 

「この通り、シンは大人の女性が大好きで、重度の巨乳好きだ。私が見てもキミたちは非常に可愛いらしく、魅力的な美少女だ。

………しかし、結果はこれだ。私とキミたちでこれだけ反応に違いがある。

残酷なようだが、はっきり言わせてもらう―――キミたちに私の助言なしで、シンを攻略する事は不可能だ」

 

「「………」」

 

耶倶矢と夕弦は完全に黙り込んでしまった。そして、幸せそうに自分のおっぱいへと顔面を突っ込んでいる士道を撫で続けながら令音は言う。

 

「………それで、私の助言を聞く気になってくれたかな?」

 

「良かろう………」

「懇願。ご指導よろしくお願いします」

 

耶倶矢と夕弦の瞳は屈辱の炎に燃えながらも、令音の言葉に従う事に決めた。

しかし、令音が動く事は無かった。何故なら、約二週間ほどお預けになっていた癒しの時間が返ってきたからだ。

 

「………随分と長かったよ。この二週間ずっと六華に取られていたからね。耶倶矢、夕弦。すまないがあと一分ほど―――」

「―――むぎゃあああああああああああああ!!」

 

あと一分ほど癒し成分を吸収しようとしていた令音を悲劇が襲う………失礼、悲劇は士道くんでした。

何者かが、扉を物凄い勢いで開けて、槍の石突きの部分で士道の脇腹を強襲したからだ。

 

………それと同時に、士道の体を凄まじい電撃が襲い、部屋内にけたたましい叫び声が轟き、黒焦げになった士道が床へと倒れ込んだ。

 

「―――士道さま、私と言う妻がありながら………これはどう言うことでしょうか?」

「な、なななななななにをしているのだ令音!?服を着んか!!」

「………幼なじみの次は、ラスボスの登場ですか。やってくれますわね」

 

精霊トリオが入って来て、令音から強引に士道を引き剥がした。ちなみに士道くんを黒焦げにしたのは、六華ちゃんだ。

アテナが持つ『神槍•アイギス』には、攻撃時に神雷を纏う能力があり、レプリカの槍にもその能力は付与されている。

 

十香とくるみんも、上半身のみ下着姿の令音を見て何をやっていたかを悟った。

 

精霊トリオが現れた事に令音は憎しげな表情を浮かべ、上着を着直すと耶倶矢と夕弦に視線を戻す。

 

「………耶倶矢、夕弦。待たせたね、シンの攻略法を伝授するから来てくれ」チッ

 

令音は最後に誰にも聞こえないような音で舌打ちすると、耶倶矢と夕弦を連れて何処かへと消えた。

 

「………まさか、村雨先生まで参戦という事には、ならないかと思いますが………」

「いいえ六華さん。もはや、確定でしょうね………あれはラスボスですわ」

 

六華とくるみんは、凛袮に続けて令音まで士道の争奪戦に参加する事が分かり、戦慄していた。

 

「あが、あがががががが………」

 

黒焦げになった士道くんは、十香ちゃんが担いで宿舎まで連れて行った。

それぞれの思惑を残して、時刻は間もなく一七時になろうとしていた………それは、温泉が使用可能になるまで残り二時間という時間になろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻は現在一七時三〇分。

日が落ち始め、気温が下がり始めたところだ。士道は温泉に入ろうと宿舎の外へと出て向かっていた。その途中で令音に出会った。

 

「あ、令音さん。お疲れ様です」

 

「やあシン………すまないね。私のせいで六華に黒焦げにされてしまって」

 

令音が頭を下げると、士道は「気にしていません」と首を横に振る。そして、令音が遠くを見つめる。

 

「八舞姉妹―――精霊〈ベルセルク〉は非常に素早く動き回るため、ラタトスクの方でも調査が困難な精霊だった。今回のように、一つの場所に長く滞在するケースは非常にレアだ。プレッシャーをかけるようで申し訳ないが、この機会を逃してしまうと、二度と封印するチャンスは来ないだろうね」

 

令音が儚げに空を見つめていた。相手は風を司る精霊で、音速にも迫る速さで動き回る為に調査隊はまともな成果を上げられなかった。

 

………しかし、士道はそこまで落胆する様子は無かった。

 

「そんな心配そうな顔しないで下さいよ、令音さん。今の俺なら楽勝で追いつけます―――ていうか、逃しませんよ!あのおっぱいはもう、俺のものですから!!」

 

令音の前でVサインをする士道くん。確かに耶倶矢と夕弦のスピードは凄まじいが、士道は最初の激突のタイミングで、神速を使って割り込んだ士道に反応できていなかったからだ。

それ故に士道は、逃すことはないと令音に胸を張って言ったのだ。

 

「シン、キミがそう言ってくれるなら私は何も言わない。自分を信じて全力でやりなさい………キミは私たちの希望だ」

 

令音はそれだけを言うと、宿舎の方へと歩いて行った。そして、士道も温泉の方へ歩いて行くと、ガサガサと近くの茂みが揺れた。

 

「―――耶倶矢、夕弦。出てこいよ」

 

士道が茂みに視線を向けると―――耶倶矢と夕弦がズーンッという効果音を出して茂みの中から顔を出した。

 

「なんで分かったの!?」

「溜め息。それは耶倶矢の隠れ方がへたっぴだからです」

「なんですってえ!?」

 

「ちげぇよ。お前らは姿は隠せていても、気配を隠すことはできていない。それだけのことさ。それより―――何やってんだ?」

 

士道が耶倶矢と夕弦に懇切丁寧に回答したところで、何故こんなところにいるのかを訊ねた。

すると耶倶矢と夕弦は、お互いに視線を合わせて士道に言う。

 

「くく………貴様の身体は現世の汚れによって常闇の穢れを蓄積し過ぎた。その身を浄化することを許す」

 

「翻訳。お風呂に入って下さい」

 

夕弦の通訳を聞いて士道は「なるほど」と手を叩くと、特に気にする事なく赤い暖簾が垂れた方へと入ろうとした。

―――その時、耶倶矢と夕弦が慌てて士道の前に立つ。

 

「ちょっと待って士道!そっち女湯だよ!?」

「動揺。士道どう言うつもりですか?」

 

「ああ、だからお前らと一緒に女湯に入ろうと思っただけだよ―――お前らは『俺を攻略する為に、一緒に入ってる』って言えるし、俺も合法的に後から入ってくる女子どもの裸を見れるんだ………こんな好条件を前に、俺が女湯に入らないとでも思っていたのか!?ていうか―――お前ら暖簾逆にした?」

 

「ギクッ!?そ、そそそそそそそんなことしてないし!」

「吐息。はあ………耶倶矢、今ので士道にバレました」

 

修学旅行のしおりで見たものと、今の温泉の入り口とを比較すると、暖簾の配置が逆になっている事に気付いた士道くん。

これには、拳を握りしめた。

 

「お前ら、俺を舐めんなよ!!お前らの裸を見るためなら、社会的に死ぬ事くらい痛くも痒くもねえ!!俺が入った後暖簾を元に戻そうとか、そんな気遣い要らねえよ!!俺は堂々と女湯に入る、社会的な死なんざ怖くもなんともねえ!!ほら、暖簾を元に戻しとけよ?俺は堂々と女湯に入ってやるからよお!!」

 

チュドオオオオンン!!

 

何かが爆発したような音が響き渡ると、えっへんと胸を張る士道くん。

―――教師や警察が怖くてエロはできない。

これはイッセーの頃も、そして今もなお大切にしているポリシーだ。

 

耶倶矢と夕弦にそれだけを言い残すと、暖簾を戻す前の方の女湯(正規の方)へと入って行った。

その後、二人で暖簾を戻した後、耶倶矢と夕弦もそれに続いた。

 

「――――――」

 

士道は身体を洗い、湯船に浸かっていた。そこに耶倶矢と夕弦が入って来て、思わず言葉を失った。

 

「そ、そんなに見つめんなし!」

「羞恥。恥ずかしい、です………」

 

―――なんという事でしょう!?耶倶矢と夕弦は、一糸纏わぬ姿で同じステージへと上がってきたのだ。

士道をデレさせる為に、敢えてタオルを身に着けていない事を選択し、生まれた時の神々しい姿をしているのだ。

 

………そして、一心に見つめる士道の視線に頬を染めて恥じらう様子が、士道の興奮をさらに加速させた。

 

耶倶矢は、女性の象徴たる部分は夕弦よりも控えめだが、細っそりとした華奢な体は保護欲を掻き立てられる。

―――後ろから抱きしめると、どんな反応をするのだろうか………などなどさまざまな欲望が士道の中で掻き立てられていた。

 

反して夕弦は、耶倶矢とは対照的に豊満な肉付きで『人類の至宝』と名付けた、六華にも引けを取らないほどのスタイルだ。

おまけに、士道くんの大好物は「おっぱいだ」非常に発育した、たわわに実ったマシュマロメロンに視線が釘付けになっていた。

 

―――士道は、タオルの一つでも纏っていようものなら、強引に脱がせて辱めてやろうと思っていたが………この通り、二人は何も纏っていないのだ。

出鼻を大きく挫かれた士道は、思わず二人から視線を外した。

 

「ご、ごめん!そ、その―――二人とも、スゲー綺麗だ………」

 

「と、ととたとと当然だし!」

「か、感謝。ありがとう、ございます」

 

その世界は三人の世界となっていた。耶倶矢と夕弦は、湯船に浸かる前に身を清めてあり、士道は後ろで身を清める二人にチラチラと視線を送っていた。

それと同時に、心の底から湧き出す欲望と戦っていた。

今士道の頭の中では天使と悪魔が壮絶なバトルを繰り広げていた。

 

(ぐへへへへへへ!!今すぐ二人とも押し倒しちまえよ、夢の舞台(脱童貞)は目の前だぜ!?)

 

(堪えろ!!押し倒したらお前の負けだ―――でも、それで夢の舞台(脱童貞)なら安くねぇか?よし、押し倒そう)

 

(いや、ここは冷静になるべきだ。押し倒したらそれ即ちあの二人の魅力に堕ちたも同然、ここで溜まった欲望は、別の女にぶつければ―――いや待てよ、夜中は教師が見回りで巡回するから―――うん、無理だわ。さっさとこの二人を押し倒して、夢の舞台(脱童貞)へ駆けあがれ)

 

(これ逆に、押し倒さないというヘタレな選択肢あるの?)

 

―――天使なんて存在しなかった………

そして、士道が理性と欲望との狭間で摩耗している時、ついにその理性を崩壊させる事が起こった。

 

「し、ししししし士道!我が貴様の隣に座ってやろう、ありがたく思え!」

「失礼。お、お邪魔、します………」

 

耶倶矢は声を裏返らせ、夕弦は目をぐるぐると回しながら、士道を挟み込むように座った。

 

「これで、しまい………ぞ」

「突撃。とうッ………」

 

「――――――ッ!!」

 

そして、二人はお尻を動かして肩を士道に付けた。上目使いで、その目潤わせながら挟み込むように、士道の腕を自分の胸へと押し込んだ。

 

―――これが、士道の理性の壁を完全に崩壊させた。

 

………ドライグ、俺夢の舞台(脱童貞)へ駆け上がるわ

『知らないぞ?村雨令音や六華に怒られても………まあ、これも若さ故か」

 

「耶倶矢、夕弦………ごめん、先に謝っとく!!」

 

「へ?」

「確認。何を―――」

 

士道はこれ以上、自分の欲望を我慢することを辞めた。そして立ち上がって耶倶矢と夕弦の肩に触れて―――今、欲望のアクセルを全開にしようとしていた。

 

後は、肘に力を入れて二人の背中を床へと倒すだけ―――緊張で震えていた手がピタッと止まった事を確認して、今―――おっぱいドラゴンは夢の舞台(脱童貞)へ駆け上がる!!

 

「………おお、こいつは思っていた以上だ――――――おい五河、随分といい身分だな」

「じ、仁徳(じんとく)!?いや、お前こそ―――ここ女湯だぞ!?」

 

士道の記念すべき夢の舞台(脱童貞)を阻止したのは、二年三組の問題児―――仁徳正義(じんとくまさよし)だった。

士道よりも頭ひとつ大きく、さらに体格も一回り大きい。一七歳にして、既にプロレスラーなような体格を持つ大男だ。

 

………この男が、調子に乗って弱者を虐げる不良たちの姿に腹を立て、転校初日に全員血祭りにあげた結果、問題児を一箇所に固めるよう学校から命令が出たのだ。

そして士道同様に、次元の守護者と関わりを持つ数少ない人間で、その実力は士道と互角に殴り合うほど強靭な肉体を持っている。

 

―――修学旅行の前日に、手合わせ目的で士道の家を訊ね、出てくるなり顔面パンチをかまして来るほどの戦闘狂。

神速を発動する士道と、互角に殴り合うさまを見た六華が、霊装を纏ってアイギスを振るわせたほどの人間だ。

 

………そんな彼の趣味は幼女観察で、昼休みに屋上から見える近所の小学校で、戯れる幼女たちを双眼鏡で観察しながら、癒される事だ。

戯れる幼女たちを微笑みながら(鼻血を出して)見守る紳士オブ紳士(ただの変態)だ。

 

「―――ッ!!」

「狼狽、キャア!!」

 

耶倶矢と夕弦は入って来た仁徳を見て、慌てて士道の背中へ隠れる。

士道はその二人の前に立ち塞がり、神々しい裸体を仁徳の視線から遮った。

 

「お前は、幼女にしか興味のないロリコンだろ!?そのお前がなんで平気で女湯なんざ入って―――」

「ああ、お前だったのか―――()()()()()()()()()()暖簾が逆の状態で入った大バカは」

「嘘つけ!?俺が入った後に耶倶矢と夕弦は暖簾を元に――――――し、しまったああああああああああ!!!!」

 

………確かに、耶倶矢と夕弦は士道が女湯に入った事を確認したら、大慌てで暖簾を元に戻していた。

そして、叫び声を上げると同時にハメられたことに気付いた士道くん。

―――令音は始めから、士道を女湯に突っ込ませないために、()()()()()()()()()()()()暖簾を逆にしていたのだ。

そして、耶倶矢と夕弦のため―――失礼、女性の裸を見るため士道が女湯に入る事を計算に入れた令音の行動だ。

そして、ものの見事に士道くんが女湯に入った事を確認して、暖簾を元に戻したのだ。

 

―――令音の策に気が付いた頃には、包囲網は完成していたのだ………

 

バアアアアアアアアアアアアアンンッッ!!

 

女湯と男湯の仕切りとなっている簾が、勢いよく吹き飛んだ。

簾を吹き飛ばしたのは、神雷を放出した槍を片手に霊装を纏った士道の妻だった。

いや、それだけじゃない!嫁を自称する少女と、ドMな『ですのお嬢様』も霊力を放出する天使を両手に、霊装を顕現させていた。

 

「士道さま、随分と幸せそうなお顔をしていますね♪なにか、いいことでも、ありました?」

「シドー、私という嫁がありながら………!」

「これはキツいお仕置きが必要ですわね」

 

………精霊トリオは、再封印が必要なレベルまで精神状態が不安定になっていた。

そして、扉の前に複数の男子の影が見えた耶倶矢と夕弦は悲鳴をあげる!!

 

「キャアアアアアアアアア!!」

「逃走、キャアアアアアア!!」

 

耶倶矢と夕弦は、隣の女湯へと避難した。

これで、士道を守る取り巻きは全て無くなった。仕切の簾がなくなった今、女湯は覗きたい放題になっている―――かに思われたが、既に六華が時の砂で簾を元に戻していた。

 

―――殺されると思った士道くんの次の行動は当然これだ!!

 

「じゃ、じゃあお前ら―――達者で、な?」

 

「「「逃がすとでも思いましたか(思ったか)!?」」」

 

いそいそと入口の扉へと向かおうとした士道を見て、精霊トリオは退路を塞いだ。十香とくるみんは入口の前に立ち、六華は背後へと杖を構えて立った。

それを見た士道くんはキザな笑みを浮かべる!!

 

「お前ら、俺だってやられっぱなしじゃないぜ。おっぱいドラゴンの意地ってやつを見せてやらぁ!!」

 

彼は、こういうピンチには場慣れしている。彼は迫り来る危機を幾度も踏み台にして来たのだ!!

おっぱいドラゴンは、今日もピンチを踏み台にして遥か彼方へと舞い上がる!!

 

―――何か仕掛けてくる………

 

精霊トリオたちは、全員が息を飲み込み士道の行動に注意をしていた。

そして、何かを見つけたように空へと指さす!!

 

「あ、あそこにUFO!!」

『―――おい!?あれだけ伏線を巻いておいて、最後にそれか!?』

 

士道くんの言葉にチーン………ッと言う効果音が鳴り響いた。

士道くんは「そりゃ止まりませんよね………」とピタッと止まって目線を左右に動かすと同時に、ドライグは盛大にため息。

 

完全に詰んだ。誰もがそう思った次の瞬間―――

 

「む?UFOなんてどこにもないぞシドー」

「士道さん、UFOはどこにあるんですの?」

「士道さま、UFOというのはどんなものですか?」

 

精霊トリオの動きが、全体止まれの如くピタッと静止した。

 

―――こんな事があるのだろうか………

 

士道とドライグのツッコミがシンクロした瞬間だった。

………これには士道くん、思わずダッシュ!!

 

「よし、必殺―――三十六計さっさと逃げる!!」

 

「な―――嘘だったのかシドー!!」

「や、やられましたわ!!」

「十香さま、狂三さま………UFOというのは、どういうものですか?」

 

完全にしまったと言う表情を浮かべる十香とくるみんに、士道の出した言葉であるUFOについて教えを請う六華。

とんだ奇策で、士道はボケーっと佇む六華を躱して、海へと飛び込み難を逃れたのであった。

 

脱童貞及び、耶倶矢と夕弦の攻略するための戦いは、まだまだ続く!!

 

 

 

 

 




解説です。

仁徳正義

六華や凛袮と同じ時期に、来禅高校へと転校して来た次元の守護者アテナが見出した少年。守護者の任務に付き合うほど、人助けにやりがいを持っている変わり者。
ロリコンで、幼女が放つオーラ―――ロリウムを愛する紳士の中の紳士だ。

その他には、弱者をいたぶるものを叩き潰すことに生き甲斐を感じており、カツアゲやらを見ると悪即斬してしまう問題児へと変貌する。

フィナーレで再登場する予定です。
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