デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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どもっす、勇者の挑戦です。

今度こそ正真正銘の八舞編のフィナーレです。

ここまで話数を使うとは、思いませんでした。何気に狂三編と同じ話数まで行きました(笑)

それでは、最後までお楽しみ下さい!



十二話 修学旅行の終わり

八舞との戦いにも勝利し、降り注ぐ災難も見事に跳ね除けた士道は、十香に手を引っ張られて宿舎へと足を進めていた………当然、耶倶矢と夕弦も従えて。

 

「いででででで!!十香、あの十香さま!?なぜそんなに全力で、俺の手を握られているのです!?」

 

十香は何かに腹を立てるように、顔を真っ赤にして士道の手を全力で握っていた。十香は分かっていた。耶倶矢と夕弦の霊力を封印するために必要なことを………その行為を士道が自分以外の女とする事が、たまらなく嫌だったのだ。

 

「うるさい!バーカ!バーカ!」

「なんでそうまで怒るんだよ………いっでえええええ!!」

 

グギリッ!という音と共に、さらに力を込める十香ちゃん。それに合わせて士道が飛び上がり、悲鳴が漏れた。

その様子を見守っていた耶倶矢と夕弦が士道に言う。

 

「ほれ士道、さっさと我と夕弦の霊力を封印してみせよ」

「同意。善は急げです」

 

二人がそう言うと、士道は難しい顔を浮かべて頬をポリポリとかく。

 

「封印には色々と準備がいるんだわ………明日の朝にするから、それまで待ってくれ」

 

「その言葉、嘘ではなかろうな?我らに嘘など吐こうものなら、骨すら残らぬと思え」

「私刑。ぼこぼこです」

 

士道は内心「また裸にされたいのか?」とツッコミそうになったが、喉まで上がったところでそれを止めた。

そして、今度は耶倶矢と夕弦は十香に訊ねる。

 

「ところで十香よ。少しの間、我らに士道を貸してはくれぬか?」

「要請。お願いします」

 

「か、構わぬが………何をするつもりだ?」

 

十香の許可を取るなり、耶倶矢と夕弦は士道の両手を取ってそそくさと森の脇へと駆け込んだ。

 

「手を全力で握られる次は、こんな所に連れ込まれるとは………それで、十香がいて言いにくい事でもあったのか?」

 

右手を潰されそうになるわ、こんな森の中へと連れ込まれるわで、次から次へとたらい回しにされる士道は、ため息を吐いた。

 

「………士道、ありがとね。色々と助けられた」

「多謝。士道のおかげで耶倶矢と最後まで争わずにすみました」

 

二人はペコリと最敬礼のように頭を下げると、士道は鼻で笑った。

 

「そんな事かよ。俺は自分の意思に従ったまでさ。それだけなら、俺は戻るぞ?」

 

「ま、待って!」

「静止。お待ちください士道」

 

手を振って森の外へと向かおうとした士道の手を耶倶矢が掴む。そして、気づけば夕弦ももう片方の手を掴んでいた。

 

「最後に一つ教えて―――どうして私たちに攻撃をしなかったの?アレだけの力があれば、私たちに簡単に勝てたんじゃない?」

「同調。士道は夕弦たちの攻撃を受け流しましたが、それ以外で素手や武器で夕弦たちを襲う事はありませんでした………それはなぜですか?」

 

真剣な眼差しで回答を待つ耶倶矢と夕弦に、士道は頭を掻きむしりながら答える。

 

「―――仮に俺が、お前たちのどっちか片方を一方的に追い詰めて、お互いを思う心を利用した人質作戦で勝ったとしよう。そんな卑怯なことをする俺を認めてくれるか?」

 

「「………」」

 

士道がそう言うと、二人ともだんまりした。確かにそれができれば、士道も傷を負う事なく耶倶矢と夕弦を完封できたはずだ。しかし、それでは二人を心の底から納得させる事は不可能だ。

故に、こんな回りくどい手を選んだのだ………その分大きな収穫があったのだが。

 

「こっちにも事情があってな。精霊の霊力を封印するには、その精霊に認めてもらう必要があるんだわ。絶対に勝たなければならない勝負でも、お前たちに痛い思いをしてほしくなかった………これは俺の自己満足だけどな」

 

 

………それと同時に、なぜ十香やくるみん、六華に令音といった魅力的な女性が、士道を求めるのかを二人は理解できた。

このように誰かのためにここまで馬鹿正直に優しくなれる男など、世界がいくら広かろうとこの男だけだろうから。

そして、自分たちもその士道の信念によって救われたのだから。

 

 

「まあでも『乳語翻訳(パイリンガル)』と『洋服崩壊(ドレス•ブレイク)』は本当にすまなかった。アレ無しじゃあ俺は負けていた………それだけは、許してくれ」

 

「なっ―――」「卑猥。エッチです!」

 

裸にされたことを思い出した耶倶矢と夕弦は、顔を真っ赤にして士道から離れた。

………普通の女の子なら一生残るトラウマものだからだ。士道はポリポリと後頭部を描きながら二人に言う。

 

「………だから悪かったって………代わりに一個だけ言うこと聞いてやるから、さ?」

 

手を擦り合わせて頼む士道に、耶倶矢と夕弦は目を合わせて頷いた。心なしか、頬を赤らめて………

 

「んじゃあさ………目を閉じてよ」

「請願。夕弦たちにお礼をさせてください」

 

「お、おう………」

 

士道は二人の言葉に従い、目を閉じた。

すると―――唇の右と左に、同時に柔らかい感触が生まれ、士道は目をパチパチと瞬きする!

 

「お、おおおおおおい!?お前ら、今!?」

 

「何よ、その反応………超絶美少女のファーストキスよ、もっと喜び舞うものと思ったけど」

「謝罪。ご迷惑でしたか?」

 

いきなり口付けされた事に士道くん、声を裏返す。何回たってもこれはなれないのだ。

そんな様子を見た耶倶矢と夕弦は困惑の表情を隠さなかった。

 

―――その時………二人の服が光の粒子となって消えていってしまった。

 

「え、うっきゃあああああ!」

「驚愕。本日二度目!?」

 

二人が揃って胸元を隠し、その場で蹲った。そして慌ててフォローに入る。

 

「お、落ち着け二人とも今のは、霊力封印に必要な行為で―――」

 

しかし、もう遅かった………二人は両頬に一筋の涙を垂らしていた。

 

「ううっ………また士道にいきなり服を剥ぎ取られた」

「落涙。もうお嫁にいけません」

 

「―――やれやれ。俺がいるっていうのに、他の男の嫁に行こうってか………随分とまあ、ひっでえこと言うじゃねえか」

 

士道はその場で蹲る二人を優しく抱きしめる。

 

「心配すんな。俺が責任持って二人とも嫁にもらってやるからさ。お前たちの嫁ぎ先は此処だ」

 

ニカッと笑っていったセリフに耶倶矢と夕弦がハッ!と顔を上げて訊ねる。

 

「それ、嘘じゃないでしょうね?」

「確認。本当ですか?」

 

「当たり前だ。最後まで責任はとる―――絶対に後悔させない」

 

士道がニカッと笑うと、涙を払って意を告げる。

 

「後でやっぱなし―――なんて言ったら許さないんだから!」

「決定。今の言葉、確かに聞き取りました。士道には責任をとって、夕弦たちを幸せにしてもらいます」

 

「おう!任せとけって!」

 

士道は、いつも通り封印した精霊を安心させるために言った言葉だったが、耶倶矢と夕弦はその言葉を本気と捉え、士道に責任を果たさせようと考えていた。

この食い違いが、後でとんでもないことを呼ぶのは、また別のお話―――ではなかった。

 

ピロリン

 

士道の胸のポケットのスマホが動画撮影を終了させる合図を出した。士道は大慌てでスマホを確認する。

 

「あ、やっべえ!無音にすんの忘れてた。よしよし、ちゃんと撮れてるな。いやぁ危ない危ない。バレるところだったぜ………」

 

しっかりと封印した精霊の裸体をそのスマホに収めた事を見て、すぐにズボンへとスマホを仕舞い込んだ。

………これには、耶倶矢と夕弦は笑顔で手を差し出した(目は全く笑っていない)

 

「士道、そのスマホ、出して?」

「請願。確認させて下さい。夕弦たちは寛大ですから、それを壊すだけで許してあげます」

 

「ま、待て夕弦!それは許した時の処分じゃねえ!!」

 

裸を撮られた耶倶矢と夕弦が、霊力を放出させながら迫る!!しかし、このスマホは士道にとっての元気の源、そのスマホの中にあるエロ画像に誰だけエネルギーを充電させてもらっているか………

 

―――このスマホは士道にとって、精霊攻略のモチベーションを最高まで引き上げる今では必須アイテムだから!

 

「まずはそのスマホを渡しなさい!話はそこからよ!」

「警告。今ならまだ許してあげます。これ以上は女神のように優しい夕弦も許しませんよ?」

 

………もはや言い逃れはできないと判断した士道くんは、最後の手段に出る!!

 

「よし、逃げる!!」

 

「待てコラーッ!!」

「追跡。逃しませんよ」

 

夜闇が覆う森の中、おっぱいドラゴンと半裸の双子の追いかけっこが始まった。

周囲を吹き飛ばしながら、迫るサイクロンツインズ相手に撮影した動画を見ながら、大喜びで逃げ回る士道くん。

夜空に輝く満月は、その様子を微笑むように照らしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

「………く、ぁ………」

 

うめきのような声とともに、折紙はうっすらと目を開けた。

視界に映るのは、四角い照明に照らされた旅館の一室の天井である。脇腹に鈍い痛みで先ほどの出来事が夢でない事を物語っていた。

 

顔をしかめながら胸元に触れてみると、湿布と包帯で手当が施されている事が分かった。

 

「一体、何が………」

 

「………ああ、目覚めたかい」

 

と、枕元から、眠たげな声が聞こえてきた。副担任の村雨令音だ。

 

「先生………ここは」

 

「………私の部屋だ。悪いが運ばせてもらったよ。他の生徒に見つかっては騒ぎになってしまうだろうからね」

 

「あの男は―――」

 

「………あの少年は、仁徳正義が追い返してくれた。彼は疲れてもう休んでいる」

 

「―――そう」

 

折紙は短く言うと、軋む体をどうにか起こした。

 

「………無理をしない方がいい。今日は大人しくしていたまえ」

 

「この治療は、先生が?」

 

「………ああ、私と六華でね。あの後すぐに六華が駆けつけてくれて手当てを手伝ってくれた」

 

「いえ………感謝します」

 

「………礼を言うのはこちらの方さ。私を救ってくれてありがとう」

 

言って、令音が頭を下げ、折紙はコクンと唾液を飲み下してから声を続けた。

 

「先生………私の力とあの人形のことは―――」

 

「………誰にも言っていないさ。その方が都合が良いだろう?」

 

折紙は無言で令音を見返した。それと同時に、令音に対して警戒感のようなものを感じた。

………この女は、何か異質だと。士道や、あの少年を迎撃した仁徳正義とは別の何かを折紙は抱いた。

 

………そして、もう一つ気になった事を令音に訊ねる。

 

「―――士道は、どこですか?」

 

「………自室で休んでいるよ。キミが目覚める少し前に戻って来てね。彼はキミ同様に疲れている。キミもそうだが、今日は大人しくしているさ」

 

「………士道!」

「鳶一折紙、無理は禁物だ。大人しく―――」

 

この目で士道を一目見るまで信じられない、と言わんばかりに折紙が立ち上がろうとする。

令音が慌てて止めるが折紙は聞かない。そこに相棒となったドラゴンも諫める。

 

『………マスター、その女が言うように、ドライグの波動をこの建物内に感じます。嘘では有りません―――今はどうか休んで下さい』

 

アルビオンの言葉を聞いて冷静さを取り戻した折紙は、再び体を布団に預けた。そして、令音に一言詫びる。

 

「………すみません、取り乱しました」

「………良いんだ。さて、何か飲み物でも買ってこよう。キミはそこで休んでいてくれ」

 

令音はそれだけ言い残すと、部屋から出て行った。部屋に完全に一人になったところで、折紙はアルビオンへと語りかける。

 

「アルビオン………私、強くなりたい。士道を守れるくらいに」

 

『なれますよ、マスターなら。自信を持って下さい―――私と共に力を高めていきましょう、汝ならきっと何処までも強くなれます』

 

涙に濡れた声で折紙が言った言葉を、アルビオンは肯定した。逆境に立たされようが、奇跡を信じて諦めず戦い抜いた折紙を見てアルビオンは確信した。

 

―――この少女を宿主に選んだ自分に間違いはなかったと………

 

士道を守れる強さを目指す事を、誓った折紙は心に大きな焔を燃やしたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時刻はニ一時になろうとしていた。この時間は四糸乃が瞼を擦って布団の中へと入る時間だ。

しかし、この時間ならまだ、士道にとってはまだまだ元気に活動できる。

例えそれが、灼熱の太陽が輝く日中に全力でビーチバレー、約一時間ほど前まで八舞ツインズとドンパチをしていてもだ。

 

「ドライグの野郎、言いたい放題言いやがって!!見てろ、絶対に今日こそは大人の階段を走破してやるからな!!」

 

布団を敷いた部屋の中で士道は「うおおおおおおお!!」と気炎を吐き、戦場に行くかのように士気を高めていた。しかしそれとは裏腹に相棒は至って冷静だった。

 

『相棒にはまだ早いな。同じ屋根の下に住む六華にすら手を出せんようではな………痺れを切らして今日の深夜にでも、六華が押し倒しに来るのではないか?良かったな相棒、それで童貞卒業だ』

 

酒のつまみのネタにするかのように、士道に言うドライグ先生。これには士道もちゃぶ台へ拳を叩きつけた後、立ち上がる!

 

「やっかましい、大きなお世話だ!!上等だ、六華だろうがくるみんにだろうが俺の必殺技―――『ムーンサルトジャンピング土下座』を使ってでも頼み込んでやるよ!!」

 

『相棒、以前リンドヴルムも言っていたではないか―――できない約束はするものではないと』

 

相棒のドライグにここまでにコケにされ、完全に頭に血が上りきった士道くん。ンフー!!と鼻息を荒げ、夢の舞台を目指して部屋を出ようとしたその時だった。

 

………部屋の外からペタペタとスリッパの音が聞こえてきて、その音は扉を開けようとした士道の目の前で止まった。

 

ピーンポーン

 

士道は呼び出し音を鳴らした人物を見ようと扉を開けると―――黄金の髪を靡かせ、巫女服に身を包んだ少女の姿を確認した。

その少女は、呼び出し音が鳴り終わったすぐ部屋の扉が開かれたことに、目を大きく開けた。

 

「あっ………士道さま。そのすぐに扉が空いたもので、少々ビックリしました」

 

部屋を訪れたのは、六華だった。六華を見るなり士道は突然出るしゃっくりのような声を出す。

 

「り、六華!?ど、どうしたんだよ?こんな時間に!」

 

………先程までドライグに貶され、覚悟を決めて部屋を出ようとしたのだが、その覚悟が固まりきる前に、六華が訪ねてきたのだ。

士道同様に、六華もまた少し様子がおかしかった。

 

「………し、士道さま。そ、その、お話があるのです―――とても、大切な………」

 

士道との大切な話の時は、いつも視線を射抜くように目を見つめてくる六華だが、今の六華は心なしか頬を赤らめ、視線を士道と別の場所とを行き来していた。

 

とにかく、こんな場所で大切な話があると言った六華を、そのままにするわけにもいかない。

士道は今までの邪念を忘れるよう大きく息を吸い込み思考をリセットする。そして、部屋の中へ六華を入れる。

 

「そういう事なら入れよ六華。俺は飲み物の用意をしておくからさ」

 

「………お邪魔します」

 

士道の許可を出すと、六華は士道の部屋へと入りスリッパを脱いだ。

部屋の中にある冷蔵庫から飲み物を出しながら、考えていた。

 

(大切な話………か。アレから浮気はして―――………やべえ!?耶倶矢と夕弦の全裸の映像がスマホにある!!あんなもん見られたら、その場で即消し炭確定じゃねえかッ!?いやでも、アレを消すなんてとんでも無い!!あのオカズには、消し炭になるだけの価値がある代物だ!!)

 

妻(自称)が部屋の中にいるのに、なに考えてんだこの男―――とメタいことを言うのはやめよう、いつものことだ。

とりあえず、近くのスーパーで買った六華が好む十六茶を、ちゃぶ台へと士道は運んだ。

 

「………遅いな六華、部屋の外で誰かと話してんのかな?いや、部屋には入って来てたよな?」

 

………士道は怪訝に思っていた事があった。それは、六華が部屋に入ってから役二分ほど経過したが未だに、襖を開けて和室に入って来ない事だ。

 

「………トイレかな?ドライグ、お前はどうも思うよ?」

 

『………………』

「無視かよ!?」

 

相棒のドライグへと訊ねたが、しかばねに話しかけるが如く返事が返って来なかった。

ドライグは、気を遣ったのだ―――覚悟を決めて、ここに来た六華に………

 

そして、士道もまた先程まで忘れ去ろうとした欲望が心の中で不気味に渦巻いた。

 

「同じ部屋で男女が二人きり………やる事は、一つだよな―――まさか六華も―――」

 

士道は六華の話そうとした大切な話について、浮かんできたものがあった。そして、最後まで言おうとした時に襖が開かれ、六華が部屋へと入って来た。

六華は、士道に正対するようちゃぶ台に腰を落とした。

 

「………お待たせしました士道さま。少々準備に手間取ってしまいました」

 

「お、おう!気にするな。それで大切な話ってなんだ?」

 

その場でペコリと頭を下げる六華。心臓が喉から飛び出そうなほど緊張していた士道は、それを誤魔化すようにお茶を流し込んだ。

訊ねられた六華は、頬を染めぐるぐると目を回して何か呪詛のように呟いていた。

 

士道さまなら大丈夫士道さまなら大丈夫士道さまなら大丈夫士道さまなら大丈夫士道さまなら――――――

 

「六華?おーい、六華」

「ひ、ひゃい!?」

 

士道が顔の前で空間を仕切るよう、手を何度も上下させると六華は声を裏返した。

………やはり、いつもの六華ではなかった。しかし、六華はその瞳に士道を映して胸の内を明かした

 

「聞いてください、士道さま。私、その―――………子供が欲しいです!」

 

「ブフッ!?ゲホ、ゲホッ!!」

 

六華が明かした願いを聞くなり、飲んでいたお茶を気管に詰まらせた士道。その士道を見た六華は、慌てて士道の背中をさする。

 

「士道さま!!大丈夫ですか!?」

「ううっ、ゲホゲホッ………だ、大丈夫だ。そ、それより六華―――お前今、子供って言ったよな!?」

 

「………はい」

 

咳き込みながらも、士道は六華の顔を覗き込む。六華は自分の言った言葉を思い出し、一瞬ビクッと震えたが士道を射抜いて首を縦に振った。

 

「―――いきなり子供が欲しいって言われてもだな………どうしてそんな唐突に?」

 

士道が手を大袈裟にバタバタと動かしながら、六華に訊ねた。六華は天井を見上げ、記憶を回想するように言う。

 

「………前の世界から私はずっと夢見てきました。愛する人と結ばれ、幸せな家庭を築くことを………村の皆さまも子供が出来てからの生活は、さらなる幸せに満ち溢れていました。私も士道さまと暮らして行く中で、子供を授かりたいと強く思うようになりました。

士道さまに命を救われ、護られている私が………これ以上の幸せを望むことは、間違っていますか?」

 

「んなわけねえだろ!!誰だって今以上に幸せになることを願っているんだ。六華にだって当然その権利がある」

 

六華は天井を見上げていた視線を士道に戻すと、そのアクアマリンのような瞳が潤んでいた。

その瞳を見た士道は、その両肩を握り間違いを正した………六華の幸せは士道にとっても願うことだから。

 

「………ありがとうございます士道さま。士道さまなら、そう言っていただけると信じておりました………士道さま、私は貴方を愛しています。貴方との間に子供が欲しいです………この願い、叶えてくれますか?」

 

最後まで六華は言うと、巫女服をはだけさせた。

スルスル………と巫女服がその場に崩れ落ちると、その美しい裸体が隠されることなく晒された。

 

………部屋の灯りに照らされその透き通るような真っ白な肌が光を反射し、士道の恋い焦がれるたわわに実った美しい胸、キュッと引き締まった腰に、腰から孤を描くように発育した桃のような尻に、肉付きの良い太もも。

 

普段は隠れている部分が一気に露出された事で、士道のテンションは限界突破を迎えた。

士道はこのまま欲望のままに六華を押し倒そうとしたときに、ほんの僅かなところで踏みとどまった。

 

「六華、そこまで俺のことを………ありがとう。でも、まだ俺たちに子供は早すぎる。子供は大学を出て結婚してから………でもいいか?」

 

………士道は既にラタトスクから精霊の霊力を封印する対価としてラタトスクから給与を得ている。それも、女の一人や二人は簡単に養えるほどの………しかし、士道はまだ学生だ。

司令官である琴里の推薦で、ラタトスク機関への加入がほぼ確約されている状態でもだ。

 

それに六華の体のことも士道は考えていた。もしこの歳で子を宿す事になると、来年の今頃は学校に行けなくなっているかもしれないからだ。

 

いずれは子供が欲しいと思っていた士道だったが、それは今ではない事を彼は分かっていた。

 

「士道さまがそう仰るなら、私はそれに従います。ですが―――」

 

「―――んっ!!」

 

六華は士道の元まで歩くと両手を伸ばし、士道の顔を強引に引き寄せその唇を奪った。

今まで交わしてきたキスとは異なり、六華は士道の口内に舌を入れて絡ませるような熱烈なキスだった。

 

―――それはまるで自分の愛を伝えるかのように………

 

「………んっ、ちゅ………はぁ………ちゅうっ」

 

最初は六華だけが士道を蹂躙していたが、六華に応えるように士道も六華の後頭部を抱えるように手を伸ばし、這い回る六華の舌へと自分のものを絡ませる。

時には口を窄めて六華の舌を吸ったり、唇を離し舌先だけを合わせたりするなど、士道は不器用なりに六華の行動に応えてみせた。

お互いに激しく唇を貪り合うことで、二人の唇からは、お互いの唾液が漏れ出ていた。

 

「ん………じゅるっ、ちゅっ………六華………」

 

しばらくしてお互いに銀の糸を引きながら唇を離すと………六華は自分の裸体を士道に押し付けた。

熱烈なキスから解放された士道は、頬を染めて六華を見つめた。

 

この一週間ほど士道は、修学旅行の準備などで精霊たちに付き合いっぱなしで、溜まった欲望を処理する事ができず、完全な戦闘態勢が整っていた。

 

………その昂る士道を見た六華は、今からこれ以上の事が待っている事に、期待と不安が入り混じり唇が震えていた。六華はその震える唇で告げる。

 

「………士道さま、私に―――士道さまを刻み込んで下さい」

 

「っ!!」

 

ドクンッ!!

 

その言葉で、士道を縛っていた理性という名の鎖が、パチンっと音を立てて千切れた。士道は六華の肩に優しく触れ、包み隠す事なく本心を伝える。

 

「六華、俺もお前が大好きだ―――だから、六華の全てが欲しい。俺はもう我慢できない………」

 

子供は諦めた士道だったが、二人きりの部屋で、美しい裸体を晒して誘う絶世の美少女を前に、これ以上自分を押さえ込めなかった………六華は士道を優しく受け止める。

 

「………はい。私の全てを貴方に捧げます―――愛しています士道さま」

 

士道はそのまま布団に六華を押し倒した。お互いの愛を確かめ合うように、何度も激しく交わりながら………

二人の関係は大きく進む事となった。六華は、守護する世界を捨ててまで自分を選んでくれた精霊だ。その幸せを必ず守ることを、士道は再び誓ったのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コケーッ!コケーッコケコケーッ!!コオオオケゴッゴオオオオオオオ!!

 

修学旅行最後の夜が明け、ニワトリが元気よく鳴く時間。聞こえてきたニワトリの鳴き声は、まるで出荷されて鶏肉にされることへの最後の抵抗を連想させた。

 

そして、一人の女性教師もまた、士道の部屋の前で悪戦苦闘していた。

 

「………くっ、スペアキーでも開かないか。これで確信に変わった―――六華、よくもやってくれたものだ」

 

スペアキーを鍵穴に差し込み、鍵穴を回して部屋の扉を開こうとドアノブを引くが、扉が開かない事を見た女性教師―――令音は何があったかを瞬時に理解した。

 

「村雨先生………何かありました?」

 

廊下をペタペタと歩いてきたのは、幼女好き好き侍の仁徳正義だ。一回の自販機で買ったであろうペットボトルを両手に部屋へと戻って来たのだ。

 

「………ちょうどいいところに来てくれた。仁徳正義、この扉を叩き斬ってくれないかい?私は教師として、この部屋で起きてしまった間違いを正す必要がある」

 

正義はすぐに状況を察した。スペアキーを持っていても中に入れないとなると、何か超常の力が働いている事を。

正義は、ドアノブに触ったその時―――バチッ!と手にスパークが襲ってきた。正義は顎に手を置き感じたものを令音に告げる。

 

「………これは結界か。触れてようやく分かるレベルのものを何重にも展開している。これは少しばかり骨が折れそうだ。

村雨先生、下の階へ避難して下さい。こいつを叩き斬るには、俺も力を使う必要がありそうですから」

 

「………すまない、礼を言う」

 

扉を見つめて言う正義に、令音は頷き一つ下の階へと避難した。

正義は、周囲に人払いの護符を貼り付けると―――黄金に輝く籠手の宝玉を光らせ、一本の太刀を取り出した。

 

それは緑をベースとしたドラゴンの鱗のような柄を持ち、鍔には鋭い牙のような突起が広がり、その少し先に水色の宝玉を持った太刀だ。

 

それだけでは無い!正義の籠手と太刀の宝玉が白い光を放つと、その太刀の刃が白い輝きに包まれる!!

正義はその太刀を振り上げると、扉に向かって斬撃を放つ!!

 

「空牙一閃•三連」

 

ズバババ―――ズドオオオオオオオオオオオッッ!!

 

正義はアルファベットのXを描くよう、十字の斬り上げを放った後、クロスした部分に横凪の一閃を目にも映らぬ速さで放つ!!

 

するとその三発の斬撃を放った数瞬後の時間差で、その斬撃部を辿るように光の斬撃が発生し、結界もろとも扉を粉々に破壊した。

 

「いっちょあがりです。後はお任せします」

 

「………ありがとう。これで中に入れる」

 

正義が籠手と剣を消滅させると、すぐ隣の自分の部屋へと入っていった。

そして令音は、士道の部屋に侵入して、襖を開けた。

 

するとそこには………生まれた時の姿で抱き合う士道と六華の姿を確認した。

 

「―――ゲッ!?れ、令音さん!!」

「村雨先生、どうやって中へ!?扉は私の結界で守られていたはず―――」

 

「それは仁徳正義に頼んで破壊してもらった。さて二人とも………随分と面白いことになっているね。昨日の夜から今日にかけて―――何をしていたか話してもらおうか」

 

令音は全身から嫉妬のオーラを放出していた。布団に着いた血、畳の上には避妊具が入っていたであろう箱が空っぽの状態で落ちており、ゴミ箱には破られた怪しい袋の山ができていた。

 

………これだけの状況証拠が揃っていれば、誰であろうと言い逃れはできない事は明らかだった。

 

「………六華、私が目を離した途端にこれか。シンの貞操は私が奪う予定だった。私の楽しみを奪った代償は高く―――」

 

「それは士道さまの妻である私の役目です。村雨先生―――何でも他人のものを取ろうとするのは、どうかと思います。どうか士道さまは諦めて下さい」

 

………脅しをかける令音に六華は一歩も退かなかった。しかし、これが二人に更なる災難を呼んだ。

 

「―――いい度胸だ。その勇気に免じて、岡峰先生を交えた説教一時間コースだ。心配しなくていい、間もなくこの部屋へと着くはずだ」

 

「なんつー爆弾を用意してるんですか!!」

「村雨先生、それはあまりに卑怯です!!」

 

「卑怯者はどっちだ。それは、私たちに断りを入れずシンを襲った―――キミではないのかい?」

 

令音の言葉に六華は何も返す事ができなかった。そして―――ドタバタというと音共に、タマちゃん先生(ニ九歳独身&処女)降臨!!

 

「おいゴラァ!!朝っぱら―――コホンッ!昨日の夜に何しとったんじゃあ!!学生の分際でセ○クスか!?セッ○スしとったんかぁ!?修学旅行でハメ外すたぁええ根性しとるなぁ!!」

 

「………岡峰先生、隠せていません。もう少し冷静になって下さい」

 

タマちゃん先生はどうやら本当に壊れてしまったようだ。その様子を見た士道と六華はその場で足を丸め、頭を畳に叩きつけた。

 

「「す、すんませんでしたあああああああ!!」」

 

士道はもちろんだが、タマちゃん先生が来るなり、先程まで戦闘姿勢を見せていた六華も見事にDO☆GE☆ZAを披露した。

朝食が始まるまでの約一時間半の間、みっちりと説教を受けた士道と六華。

しかし、お互いに後悔は無かった。誰にも邪魔の入らない二人の時間はそれだけ、至福の時間となったのだから………だが、この出来事がこれまで大人しくなりを潜めていた令音を本気にさせることは、六華も知るよしもなかった。

 

士道に想いを寄せるヒロインたちの壮絶なる戦いはまだまだ続く!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

心臓の音が嫌に大きく感じる。

琴里は広い廊下に靴音を響かせながら、苦笑いを浮かべた。今までも何度も訪れているが、どうにもここは慣れないようだ。

 

琴里は真紅の軍服をキチンと着用し、口にキャンディも咥えていない姿で、広い廊下を歩き、今までも何度も訪れたと言うのに、どうも慣れていないのか少し緊張し、廊下の先にある扉をノックする。

 

「五河琴里、参りました」

 

『入ってくれ』

 

「はい」

 

短く答えると、扉を開けて部屋の中に入ると、書斎のような部屋の最奥に、その男はいた。

 

「久しぶりだね、五河司令」

 

半ば白くなった髪と髭に、優しげな目元。五〇前後の年齢といったところの老人と言うには幾分か歳が足りないかもしれないが、好々爺と言った感じだ。

 

―――円卓会議(ラウンズ)議長、エリオット・ウッドマン

 

〈ラタトスク機関〉の創始者であり、琴里の恩人でもある人物だ。

 

「ご無沙汰しております、()()()()()()卿」

 

ズコッ!!

 

琴里が素で名前を間違えた事に、議長のウルトラマン卿―――失礼、ウッドマンは席から転がり落ちた。

秘書と思しき女性の肩を借り、先へと戻ると一咳入れたのち議題へと入る。

 

「五河司令!?ちょっとずつ間違えないでくれたまえ………ゴッホン、随分と活躍しているようじゃないか。円卓の連中も驚いていたよ」

 

「彼らは大仰に驚くのが仕事ですから」

 

琴里の辛口に、ウッドマンは愉快そうにくつくつと笑った。

 

「はっはっはっ。そうは言わないで欲しい。彼らは彼らで〈ラタトスク〉には必要な連中だ。時に五河司令、伝説のドラゴンの力を纏ったASTの隊員に襲われたと聞いて心配していたのだが………ご無事で何よりだ」

 

「………ありがとうございます。封印した精霊たちと―――そして何より、兄である士道に救われました。私がこうして生きているのは、士道のおかげです」

 

琴里がお礼を言うと共に、ウッドマンは机に両肘を突き手に顎を乗せた。

 

「そうだ―――君の兄上の件についてだが………天使を顕現させ、霊装すらも自在に操るそうだね?もしもの時は、封印した精霊たちにまた災難が降りかかるだろう。最悪の状況に陥ったその時は―――」

 

ウッドマンが全てを言う前に、琴里は泣きそうな表情を抑え込み、無表情を作り出した。

 

「………承知しています。万が一の時は―――()()()()()()()()()

 

「―――………そうならない事を心から祈る。五河司令、嫌な役を任せてしまい本当に申し訳ない」

 

ウッドマンは、琴里にその役を押し付ける以外に、方法の無い事を強く恨んだ。そして、琴里が手を下す日が来ない事を心から願うのであった。

 

「………すまないカレン。五河司令に飲み物を」

 

ウッドマンは秘書と思しき女性に命令を出した。その女性はウッドマンを見つめて首を縦に振る。

 

「了解しました()()()()()()

 

琴里に続いて秘書の女性―――カレンにもまた微妙に名前を間違えられたウッドマン。これには堪らず声を裏返した。

 

「五河司令に続いてキミもかね!?何故だろう、今この時をもって私の威厳は、地の底まで落ちているような―――」

「気のせいですよ、()()()()()()

 

「―――のおおおおおおおおお!!!!」

 

悪ふざけをやめないカレンに対してウッドマンは再び椅子から転がり落ちた。

精霊を守護する機関〈ラダトスク機関〉は、いつも平和で満ち溢れているのは、また別のお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

色々な思い出ができた修学旅行が終わり、また新たな日常が始まった。封印した新たな精霊たちも踏まえて、士道は元気に学校へと向かおうとしていた。

 

「ククッ、輝かしい陽光が我を照らす!我が忠実なる下僕よ、我を崇めよ!」

「会釈。おはようございます士道」

 

「おう。じゃあ行こうか」

 

朝っぱらから厨二病フルスロットルの耶倶矢と、それに反するように大人しい夕弦に挨拶を交わすと、士道は歩き始めた。

 

「遂に始まる我が栄光の青に塗れた世界!我はそれを味わい尽くしてやろうぞ!」

「翻訳。耶倶矢は学校という名の青春が楽しみだと言っています。昨日も夜遅くまで狂三や六華たちに勉強を教わっていました」

「ちょっ―――何バラしてんの!?」

 

勝手に士道に行動をバラされ、慌てて声音を変える耶倶矢。それを見た士道は口の端を釣り上げ脇へと手を伸ばす。

 

「うりゃ!こちょこちょこちょ〜」

「うっきゃああああああ!?なにすんだし!!」

 

士道にいきなり脇をくすぐられ、耶倶矢はその場で飛び跳ねた。士道は耶倶矢に入った肩の力を抜きたかったのだ。

 

「気負いすぎるなよ耶倶矢。そんなに慌てなくても青春は逃げたりしねえよ―――て言うか、今日は三組と四組は体育の授業があるぞ………ちゃんと体操服持ってきたか?」

「わ、忘れたああああああ!!」

 

耶倶矢は大慌てで精霊マンションの自室に体操服を取りに駆け込んだ。

………耶倶矢と夕弦は運動が大好きで、今日の体育の授業は楽しみで仕方なかったのだ。

 

「放置。耶倶矢は放っておいていきましょう士道。ここからは夕弦とのデートのお時間です」

 

満面の笑みで手を伸ばす夕弦ちゃん。しかし、士道はその手を取ろうとはしなかった。

 

「………うーん、確かにそれはこの上なく魅力的だが、今日は初めての登校なんだから耶倶矢を待ってやろうぜ。一人にすると途中で泣いて空間震でも起こされたら厄介だからよ」

「不満。夕弦は耶倶矢に劣ると言うのですか?」

「よく言うぜ、このまま手を取って歩いていたら『憤慨。なぜ士道は耶倶矢を待ってあげないのですか』とか言うだろ?」

「賞賛。まさか夕弦の考えをお見通しとは―――ぱいりんがる?を使用しましたか?」

「―――してねえ!!こんな人前で誰が使うか!!」

 

夕弦の顔には、しっかりと耶倶矢を待ってあげて下さいと書かれていた事を士道は知っていた。

だから魅力的な誘いだったが、士道はそれに乗らなかったのだ。そして数分程経つと、耶倶矢が息を荒げて戻ってきた。今度はしっかりと体操が入っているであろう手提げ袋を持って。

 

「ご、ゴメン。お待たせ………」

 

「待ってねえよ。ほら行こうぜ」

「同調。行きましょう耶倶矢、士道」

 

士道は耶倶矢を、夕弦は士道の手を引っ張って仲良く登校を始めた。新たな精霊が加わり、士道の日常はさらに賑やかになるだろう。

 

「耶倶矢、夕弦。今日の体育はバスケだ。俺とお前らのどちらが多く点を取れるか勝負しないか?」

 

「カカッ!先の戦いでの雪辱のチャンスがこんなに早く来るとはな」

「応戦。受けて立ちます。夕弦たちが勝った時は、夕弦たちとデートをしてください」

 

「分かった。じゃあ俺が勝ったら―――二人ともメイド服を着て俺様にご奉仕だ!!」

 

平常運転の耶倶矢と夕弦を見て、士道もまた通常運転。耶倶矢と夕弦は体育の時間の決戦に備えて闘志を燃やす!

 

「よ、良かろう!今度こそ真の八舞の力を見せてくれる!」

「同調。夕弦たちのスーパーパワーを見せてあげます」

 

………耶倶矢に夕弦―――真の八舞を決めるために競い合っていた二人を見事に和解させ、それと同時にデレさせる事に成功した士道。今日の一日を満喫するため、三人は学校を目指して駆けて行くのであった。

精霊たちを攻略し、ハーレム王を目指す士道の挑戦はまだ始まったばかりだった。

 

 

 

 




前話の解説に書かなければならない事でしたが、この話で書きます。

◆洋服崩壊と乳語翻訳

イッセーの場合は魔力を使用していましたが、士道の場合は霊力を消費します。精霊の霊装を吹き飛ばす時のみ『精霊王の守護霊装』を使用とするという設定にしています。

◆仁徳正義が六華の結界を破壊した『空牙一閃•三連』のイメージは、
モンスターハンターフロンティアの極ノ型太刀の奥義『解放連撃』です。

この話で八舞編も終了です。番外編を一話挟んで美九編へと入ります。

約二年半ほどかけた六華クライシスから一変、八舞編は僅か一月たらずで書き上げる事ができました。

ここまでご愛読いただき、本当にありがとうございました。まだまだ続けていきますので、よろしくお願い致します!
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