デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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六華「鍛え上げた肉体のせいで女装に失敗した士道さまは、ソロモンさまのお力を借りてついに女性へと大変身を遂げました。しかし、ソロモンさま―――このままでは士道さまとの子作りができなくなってしまいます!」

ソロモン「性転換銃の効果は二四時間。さらに禁手の鎧や霊装を纏うと効果は切れるから、子作りには何ら影響はないよ?」

六華「良かったです。これで今晩の子作りに今日はなさそうですね」

令音「………子作りのことなら心配いらない六華。今日からは私も五河家で生活をする事になった。子作りは問答無用で阻止するから、そのつもりでいることだ」

六華「―――そんな!?琴里さまはどう仰っているのですか!?」

琴里「これ以上士道が誤ちを犯させないための苦肉の策よ(士道の妻には私がなる。それから、士道との赤ちゃんだって………ッ!)六華、今日から令音も一緒だからよろしくね」

六華「そんな!?このままでは士道さまが村雨先生に犯されてしまいます!!私はこれから士道さまのお部屋で着替えと睡眠をしなければ!」

士道「デジマ!?ありがとう六華!これでオカズに困る事はないぜ、ぐへへへへへ!!」

琴里&令音「「そんな事を許すと思う?(思うのかい?)」」

ドライグ『すまないな。これ以上の茶番は読者がキレるため、ここらで打ち切る。それでは続きだ―――待たせたな』




四話 征けッ、士織ちゃん!

幾度と無く聞いた終業のチャイムの音が、士道の鼓膜を震わせる。

九月一一日、月曜日。

ここから先は天央祭実行委員の仕事が幕を開ける。チャイムの音と同時にフラクシナスへ駆け込み、性転換銃を自身に撃ち込むと―――ミッションスタート!

 

「あ、あの………二年三組の仁徳正義くん、だよね?」

 

会場に一緒に向かう予定だった来禅高校が誇る世界屈指のペドフィリア―――仁徳正義に後ろから声を掛ける。

正義は振り返って声を掛けられた少女へと視線を合わせる。正義は一瞬怪訝な表情を浮かべたが、すぐに正体を見破った。

 

「その女体は性転換銃だな………何故その姿になった、五河」

 

「よく分かったな………どうして俺だと思ったんだ?」

 

変装を見破られた士道はすかさず正義に理由を訊ねた。正義は鼻でため息を吐きながら呆れた様子で首を左右に振る。

 

「お前………俺がアテナさまの依頼を熟している事を忘れちゃいないか?それに、明鏡止水は俺も相当自信がある………お前のオーラを見ればすぐに分かる。逆に俺を騙せるとでも思ったか?」

 

正義の説明に士道は「確かに………」と苦笑いを浮かべていた。正義もまた神速を発動できる領域まで明鏡止水を極めている。彼にもなれば気で騙す事は不可能である事を士道は失念してしていたのだ。

 

「事情がある事は分かった。天央祭関連の仕事は俺に任せろ………お前は自分の仕事に全力でリードしろ」

 

「すまない、恩にきる」

 

正義に頭を下げると、二人は天央祭の会場を目指して足を進めた。途中までは二人とも空を掛けてショートカットし、正義は来禅高校のブースで十香や折紙、亜衣麻依美依トリオに指示を出して準備を整える。

 

士道は会場の天宮スクエアの竜胆寺女学院のブースを目指して歩き始めた。

一号館に到着すると、奥の方でセーラー服に身を包み同校の生徒たちと笑顔で話し込む美九の姿が。

 

「………さすがは天宮市最高の美少女偏差値を誇る竜胆寺。殿町がオススメする理由も分からぁ。これに勝たなきゃいけないって………無理だろ」

 

『言っては悪いが―――この美少女たちと模擬店で競うとなると………精霊クインテットと他数名以外は戦力にならんな』

 

士道とドライグは竜胆寺の戦力を分析していた。竜胆寺女学院最大の強みは圧倒的な美少女を揃えた模擬店部門。

これを超えなければ来禅に優勝はない………おまけに今年はステージ部門では今回のターゲット精霊でもある、誘宵美九がステージに立つという情報も入っている。

去年以上に竜胆寺女学院に付け入る隙は無くなったのだ。

 

『士道、取り巻きがいなくなるまで接触は控えてちょうだい』

 

士道が琴里からの指示に首を縦に振って、慎重に機会を窺っていた。約五分ほど待つと―――美九が他の生徒から離れてブースの外へと出ていった。

 

『………士道、追ってちょうだい』

 

「あいよ、相手が精霊だから人間のオーラとは違う。だから追跡は楽勝だ」

 

士道は闇に紛れて単独行動をした美九を追跡(やってる事はただのストーキング)する。美九に気付かれないよう、距離を空けて物陰に隠れて様子を伺いながら。

 

「………しっかし、やたらと下がスースーする。おまけに走るとおっぱいが擦れて痛いし。

………これで家の中ではノーブラでいる六華は本当にすげ〜よ。帰ったらソッコーで『三時のおっぱい』と洒落込もう」

 

『士道あなた、よしのんの必殺マジシリーズ―――「マジ頭突き」を喰らいたいの?』

 

士道は今の感覚を隠す事なく呟いた。走るとパンツは見えそうになるわ、下からの風で下半身は寒いわ、おっぱいが擦れるわで踏んだり蹴ったり。

そんな状態にも関わらず、家の中では巫女服の中にブラを着けない六華を、士道は心の底から尊敬していた。

 

………ちなみに、士道の『三時のおっぱい』という台詞を聞いた琴里は、フラクシナス最強の殺戮兵器よしのんの必殺技をチラつかせて士道に牽制。

非常に堅固な六華の結界すら容易く破壊するよしのんの究極奥義『マジ頭突き』。

よしのんがこれを解放してくれたおかげで、最近の琴里と令音はノーストレスで六華の子作りを妨害できるようになったのだ。

 

話が脱線して申し訳ない。その後に美九は『関係者以外立ち入り禁止』と書かれたロープを潜ってセントラルステージの中へと入り込んだ。

 

当然士道も、少ししてから中へと入り込むと………ステージの中央に立って会場を一望する美九の姿がそこにあった。

自分の歌うステージの確認そして、ファンからの視線を考えているのか………真剣な表情で感触を確かめるように周囲を歩いて。

 

「………オーラは正にトップアイドルのそれだな」

 

美九のトップアイドルとしての貫禄を目の当たりにして、気圧されそうになったが、そうも言っていられる状況じゃない。

 

―――自分の役割はこの子をデレさせその霊力を封印すること。

 

ステージの階段を降りてステージを一望する美九の後ろに立った。歩み寄る少女を見た美九がくるりと振り返る。

 

「あら〜?」

 

少し驚いた様子で目を見開いた美九。士道はバレるかも知れないと緊張で高まる鼓動をなんとか抑え込もうと息を吸い込んだ。

 

「あなたは………?」

 

「え!?お、俺は―――」

 

この時士道は、緊張のあまりいつもの口調が出てしまった事に慌てて口を隠した。インカムからは『何やってんのよアリジゴク!』とけたたましい罵詈雑言が響き渡った。

 

「俺………?」

 

(………やらかした。とにかく何か別の話題を――――――)

 

美九も士道から出てきた『俺』という言葉に、キョトンと首を傾げる。なんとか誤魔化せないかを頭の中で考えていたその時、美九が優しく笑ってみせた。

 

「変わった言葉使いをしますねー。うふふー………でも、個性的で素敵ですよぉ」

 

「へっ………?」

『命拾いしたな相棒。どうやら相手に男だと悟られてはなさそうだ………口調はそのままでも問題無いだろう』

 

なんとか俺と言った事を誤魔化そうとしたが、美九は士道の口調を受け入れた事に、士道は素っ頓狂な声を上げた。

そしてドライグが言った通り、上空で待機する『フラクシナス』からも機嫌は悪くなっていないと報告が入ってきた。

 

「………確かここって立ち入り禁止だよな?」

 

「ふふ、そうですねー。でも、それを言うならあなたもじゃないですかぁ」

 

………完全にブーメランである。しかし、弁解してもしょうがないため、士道は美九に手を合わせた。

 

「うっ………じゃ、じゃあさ二人だけの秘密ってのはどう、かな………ダメ?」

 

ここで士道くん、日曜日を丸一日使って覚えた乙女の必殺技、上目遣いでのO☆NE☆GA☆Iを発動!!こんなもの女が女にしても気味悪がられるだけだ………しかし、今回の相手はただの女の子ではない。

百合っ子の美九には―――効果バツグンだ!!

 

「あーん!かわいい、可愛いですぅ!!あなたお名前は!?」

 

ンフーッ!と美九が鼻息を荒げて迫って来て、士道の両手をその透き通った乙女の手で包み込んだ。士道は今度はしっかりとキメた。

 

「士織………五河士織です」

 

「名前までちょぉキュートですぅ!士織さん、この後お茶しませんかぁ?なんなら、その後には私のおうちでいけない遊びを―――」

 

「い、いや………そ、それは困ります!」

 

グイグイ迫り来る美九に、慌てて距離を取ろうとする士道―――失礼、士織ちゃん。しかし、美九はがっしりと士織の両手をホールドして離してくれない!

………今の美九がしている顔は、士道が精霊達のおっぱいを触る時と同じ顔をしている!!下品な笑みとやらしい手付きこそないが、美九にとっては士織ちゃんが可愛くてしょうがない状態なのだ!

 

『―――困るな!!日焼け止め塗りで胸を触られそうになった耶倶矢や夕弦、それから狂三や六華だって今のあなたと同じ気持ちだったのよ?それを平気でやってきた当の本人が拒んでいいわけないでしょ!?』

 

『五河琴里に異議なし。相棒、今の時代は同性愛もOKになっている………木場祐斗との「プリンス&ビースト」が懐かしいではないか。

今度はまた別の薄い本を作る時がきたのだ―――誘宵美九を受け入れるんだ、士織ちゃん!SMT―――士織ちゃん•マジ•天使!むおおおおおおおお!!』

 

………この通り、味方はいない。インカムからは琴里の声以外に『美九×士織キターッ!!』とか『いいや、ここは士織×美九でしょうが!?』などなど大盛り上がり。

そして、相棒のドライグ先生も百合を受け入れたのか、援護は無かった。それどころか、百合百合なこの状況にテンション爆上がりで猛っている!!

そして、少し時間が経つと―――美九が士道化した………

 

「士織さん大丈夫ですぅ怖くはありません!何事も初めては不安です―――が、しかし!この誘宵美九は男は無理ですが、女の子は大好きなのですぅ!さあ、私と一緒に新しい世界を見に行こうではありませんか!この私がガンガン士織さんを開拓(意味深)してあげますよぉ―――ふひひひひひっ」

 

「―――ひぃっ!?」

 

くるみんが士道にエロいことを迫られた時にあげるような悲鳴を士織が上げた。だが、彼女は止まらない!純粋無垢な士織ちゃんを開拓しようと、下品な笑みを浮かべてゾンビのように迫って来たのだ!!

 

このまま士織ちゃんが美九に襲われる誰もがそう思った―――その時だった!!

 

ガタガタガタ………ッ!!

 

何か小さな物体が火花を散らすと―――同時にステージの真上の吊り金具を破壊された。

そして………重さ数トンはあろう金属フレームが美九に降り注ぐ!!

 

「―――危ないッ!!」

 

ズドオオオッッ!!

 

それを見た士織は、神速を発動して美九を抱き抱えると―――間一髪でフレームを掻い潜り、舞台下へと逃れた。

砂塵が収まると、天宮スクエアのセントラルステージは瓦礫の山が散乱する、見るも無惨な姿へと変貌を遂げた。

 

「………美九、怪我はないか?」

 

抱き抱える美九を地面に下ろすと、士織は最初に美九の安否を訊ねた。美九は助けてくれた士織に感謝の意を述べる。

 

「は、はい………助かりましたよぉ、士織さん」

 

「とにかく、ここを出よう。騒ぎを聞いて人が集まってくるだろうからさ」

 

「はいですぅ!」

 

天宮アリーナのセントラルステージのすぐ外からは、先程聞こえてきた大きな音の詳細を知るため、ドタバタとここを目指して来る人の足音が聞こえてくる。

士織は美九の手を引っ張ってそのままステージから逃げるように出て行った。近くにある竜胆寺のブースを目指して駆けていたその時………美九が士織の服を掴む。

 

「うわっ!ど、どうしたんだよ美九?」

 

「士織さん、じっとしてて下さいぃ」

 

美九はポケットからハンカチを取り出すと―――士織の腕にそれを巻いた。先程の金属フレームが落下した際、フレームに固定されていた証明が落下の衝撃で弾け飛んだ。

その破片が士織の腕を掠めて服と皮膚を裂いて、そこからぽたぽたと鮮血が溢れていたのを見た美九の行動だ。

 

「悪いな美九、ありがとう。でも、こんなもん唾でも付けときゃ―――」

 

「そうですかぁ?じゃあ私が舐めてあげますぅ―――ふひひひひひっ」

 

士道同様に下品な笑みを浮かべて、腕に巻いたハンカチを取り除いて傷口をペロペロ舐めようと涎を垂れ流す美九。

それを見た士織ちゃんは、慌てて腕を隠す。これを見た美九ちゃん思わず頬をプクーッと膨らませる。

 

「そ、それはご勘弁を!」

 

「んもぉ!士織さんのいけずぅ〜」

 

『ああ〜癒されるなぁこのコンビ』

 

百合百合な士織と美九のコンビに何か安らぎを得たドライグ先生。しかし、そんな空気を斬り裂くように、何かが美九と士織の間に割り込んだ。

 

「一体これはどう言うつもり?」

 

その何かとは―――士道を心の底から愛する鳶一折紙だ。折紙はまるで親の仇でも見るよう射殺すような視線を美九へと向けた。

 

「あらぁ?あなたは―――ああ、あの時の………大丈夫ですよぉ、危害を加えるつもりはありませんからぁ」

 

「そんな事を私が信じるとでも?」

 

折紙も先日に戦場に訪れていたため、美九が精霊である事は知っている。それ故に最大限の警戒をしているのだ。

これだけの威圧感を前にしても美九はカラカラとした様子で士織を見て、人差し指を口へと当てる。

 

「士織さん―――今日の事は、内緒ですよぉ?」

 

美九はそれだけを言い残して、スキップしながら竜胆寺のブースを目指して歩いて行った。

一応は士織ちゃんモエモエ作戦は成功したと言うところだろう。しかし、まだ難は完全に消え去ってはいなかった。

 

「説明を求める士織―――いや、()()

 

………どうやら折紙は姿が完全に変わっても、この少女が士道であることが分かっているようだ。

士織が「士道………?誰の事かな?」とシラを切ろうとしたが………

 

「私の中にいるドラゴンがあなたの相棒のオーラを感知している。それから、あなたの相棒と話をしたい………と」

 

「………ッ!」

 

折紙の言葉に士織の眉がピクリと動いた。周囲に折紙以外の気配がない事を確認すると―――インカムを外して霊力を放出させて強引に元の姿へと戻る。

 

 

「………分かった。委員会の仕事に戻るがてら少し話そうか」

 

「ありがとう士道」

 

士道と折紙は来禅高校のブースを目指しながら歩き始めた。そして、士道の左手から音声が聞こえてくる。

 

『………貴様の中にいるドラゴンとやらが俺に話があると言ったな小娘。それで、俺に一体何の用だ?』

 

「………」

 

ドライグが訊ねると、周囲に人影がない事を確認して折紙が瞑目した―――すると、青白い光が折紙から放たれ―――白い翼が姿を表した。これには士道とドライグは飛び上がるほどの衝撃を受けた。

 

「―――『白龍皇の光翼(ディバイン•ディバイディング)』ッ!?」

 

『相棒が貴様の乳を突いたときに反応があった。まさかとは思ったが………本当に宿っていたとは』

 

折紙が宿す『白龍皇の光翼』と士道が宿す『赤龍帝の籠手』とは因縁深い神滅具。

神器に封印されたドライグとアルビオンは人間を媒体にして何世代に渡ってケンカを続けている。

そしてそれは士道と折紙も、二天龍の因縁という名の濁流に飲まれたわけではないが、激しく衝突した過去がある。

 

………折紙の翼を見たと同時に、士道の左腕に引き出されるよう籠手が姿を表した。それを見た時、折紙の翼が点滅を繰り返して音声を放つ。

 

『………ドライグ、私の事が分かりますか?』

 

『無論だアルビオン。しかしながら、俺は貴様の知るア•ドライグ•ゴッホではない。それでも、何か聞きたい事があるのか?』

 

士道に転生したイッセー、そして彼に宿っていたドライグはこの世界の存在ではない。しかし、アルビオンはそれを知っていてなお、話を続けた。

 

『勿論ですドライグ―――あなたの事を私は知りたいのです。ドライグを宿した少年、確か名は―――五河士道でしたね?ドライグの意識をこちらに送って頂く事はできますか?』

 

アルビオンは一対一での会話がご所望のようだ。それを聞いた士道はドライグに訊く。

 

「………だ、そうだ。ドライグお前はどうだ?」

『良いだろう。こちらも幾つか聞きたい事がある。俺の質問にも答えてくれるのであれば、受けてやるが………どうだ?』

 

『分かりました。私の答えられる範囲でよろしければになりますが………』

 

『ならばオレがそちらに出向こう………相棒、すぐに戻る故に変な事をするなよ?特に乳は自重―――「断る!!全力でお断りだ!!」即答か!!そろそろ本気で泣くぞ!?』

 

士道とドライグの赤龍帝コンビは今日も平常運転だ。士道の左腕の宝玉が光を放つと、その光は折紙の翼へと吸い込まれていった。

ドライグが何かいい情報を持ち出してくれる事を願って、士道は歩き始めたのだが………気がつくと折紙が士道の腕に手錠をはめて―――さらに自分の腕にも手錠をはめた。

 

「あ、あの………オリガミ、サン?」

 

いきなり手錠で腕を拘束された事に、士道は冷や汗を垂らしながら折紙に訊ねた。すると折紙は無表情だが嬉しそうに言う。

 

「私はアルビオンから『ドライグとはずっと一緒だった』と聞いている。あの二匹は私と士道のように深い愛で結ばれていた―――ちょうどこのように」

 

「折紙、それは俺が逃げられないように拘束しているだけですよね!?てか、折紙の赤白の天龍の認識はラブラブカップルなの!?」

 

「純愛ではなくてアルビオンからはドライグもメスのドラゴンと聞いていたから、百合やレズに相当する。でも、士道が宿していたドライグの一人称は『俺』だった………この食い違いは何?」

 

「知らねえよ!?てか、百合百合でレズレズな話を俺が一番聞きたいわ!!」

 

「だから士道の腕と私の腕を手錠で繋いだ。これで士道と常に一緒の生活ができる………食事にトイレ………それからお風呂と寝るのも一緒―――士道、子供は何人欲しい?ちなみに男の子なら『貴士』、女の子なら『千代紙』。他にも『慎士』や『伊折』などもある」

 

「真の狙いはそれか!?ていうかもう名前まで決めてるの!?」

 

悲鳴じみた声を士道が上げると、折紙はカバンから薬品が染み込んだような独特な匂いを放つ布と、怪しいカプセルが入った瓶を取り出して、士道に見せつける!!

 

「………さあ士道、私の家で愛の結晶を作ろう。この布は嗅ぐと眠ってしまうアレを染み込ませてある―――普通の行為に飽きたら昏睡◯◯◯(ピー)(自主規制)を楽しめる。さらにこのお薬は、飲むと何度でも発射できるようになる魔法の薬。さあ士道、今日の委員会の仕事は終わった。私の家でレッツ子作り」

 

「―――クロロホルムと精力剤じゃねえかッ!?無駄に用意がいいですねぇ折紙さん!?てか、俺に拒否権は―――」

 

「士道………返事は「はい」か「イエス」のどちらかだけ」

 

「強制かよ!?」

 

精霊たちにはグイグイと迫る士道くんだが、士織ちゃん状態での美九とこの折紙だけは、スケベ行為に自重がかかるようだ。

こうして士道は手錠を破壊しようと霊力を込めたが、折紙がクロロホルムを染み込ませた布を士道に嗅がせて、強制的に眠らせて家へと運び込もうとそそくさと天宮アリーナを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………あんたら、マジで言ってんの?」

 

低く響くような声を発して、燎子が目の前に居並んだ一団を睨め付ける。

陸自天宮駐屯地のブリーフィングルームには今、ニ〇名ほどの人間がいた。

燎子の側に座っているのは既存のAST隊員たち。そして対面に並んでいるのは、DEMインダストリーの出向社員たちである。

社員達の真ん中に立ったジェシカが、ニィと唇の端を上げてくる。

 

「もちろン。信じられないのなら、署名付きの書類をご用意しましょうカ?」

 

無礼とも取れる燎子の問いに、しかしジェシカは心底愉快そうに笑みを濃くした。

燎子は憮然とした様子で顔を歪めると、手元に置かれた命令書に視線を落とす

そこに書かれていたのは、にわかには信じられない作戦内容だった。

 

「百歩譲って精霊〈プリンセス〉の疑いを持つ少女は良いとしましょう。でも、なんで捕獲対象にただの人間も入っているのよ」

 

燎子はジェシカの出した資料の捕獲対象に精霊の疑いのある〈プリンセス〉の他に、詳細―――秘匿と書かれた五河士道について説明を求めた。

 

確かにAST側も精霊が学校に通っているという状況を見過ごすわけにはいかない。しかし、ただの人間を理由も無しに捕まえるわけにはいかなかった。

 

―――ただの人間を捕獲するために自衛隊が顕現装置を使用した。

 

この事実が世間にバレでもしたら、自衛隊は『ただの人間にすら武器を向ける』と、信用は失墜して支持を得られなくなる危険が出る故に。

 

「貴方にそれを知ル権利ハナイ」

 

「ならこれはなんなのよ!作戦ポイントが天宮スクエア―――それも天央祭の会場って………こんな人が集まる場所で精霊と戦争をおっ始めようって言うの!?」

 

顕現装置を使用した武装は、全世界共通で民間人には秘匿事項。その力を大衆の目の前で払い、夜刀神十香と五河士道を捕獲せよとの事だ。

普通に考えても頭がおかしいとしか思えないこの作戦には、まだ続きがある。

しかも、作戦を遂行する部隊は全てDEM社から派遣された社員のみで編成された部隊で、燎子たちは現場に近づくことは許されないのだ。

 

「これはセレモニーなのヨ。親愛なる………怨敵への挨拶ナノ」

 

「は………?敵?挨拶………?何を言って―――」

 

ジェシカはヒートアップする燎子には目もくれず、部屋の外を目指して歩き始めた。

 

「ちょっと、待ちなさい!」

 

燎子が止めると、何かを思い出したようにジェシカが足を止めた。そして振り返ってボソッと告げる。

 

「―――そうそう、言い忘れていたワ。今回の作戦は鳶一折紙一曹には知らせないように」

 

「は?そんな重要な作戦に折紙抜きって―――」

 

「これは上からの命令ナノ。依存がアレば上にまとめてドウゾ?もし撤回命令が下されれバ、大人しく従うワ」

 

ジェシカはそれだけを言い残すと、他の社員を引き連れて会議室から姿を消した。

 

「………な、なんなのよアイツら………」

 

悔しさのあまり拳を打ちつけた燎子。その時、ジェシカから渡された紙がヒラヒラと宙に舞い上がり、鬱陶しいコバエを掴むようにその紙を掴みもう一度目を通した。

 

「ん?『五河士道』………どこかで―――あ」

 

そこで燎子は折紙に作戦を知らせない事と、今回のターゲットの五河士道を掛け合わせて、要約事象が線でつながり始めていた。

 

そう………この五河士道とは、折紙の言っていた恋人の名前だったから。

 




………眠らされた士道くんは、精霊クインテットが強引に回収しました。

いつも平気でエロい事ばかりやってる士道くんだ―――パンツ売ってくださいのくだりはいらねえよな?

このまま行くと本当に美九編の前半後半合わせると三十話近くなりそうです。

ドライグ先生の次回予告

ドライグ『ついに天央祭が始まろうとしていた。相棒は誘宵美九と勝負をする事に―――来禅高校の総合優勝で誘宵美九の霊力の封印を約束させた。しかし反対に竜胆寺女学院が総合優勝をとった暁には、相棒と霊力を封印した七人の精霊たちが誘宵美九のものとなってしまう!!
相棒は、勝利し精霊たちを守る事ができるのか!?

次回 デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜
五話「祭りへのカウントダウン!」

精霊に愛されし女帝よ、準備に励め!!お楽しみに〜』
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