デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜   作:勇者の挑戦

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※投稿が送れてしまい、大変申し訳ございませんでしたぁ!!

前回のあらすじ

士道「真那は間一髪で折紙を救い、俺との修行で新たに目覚めさせた力が今解き放たれる!」

真那「血祭りに上げてやります!」

士道「真那………殺すなよ?」

真那「分かってますよ兄様。さあ、行くでやがりますよケロちゃん!」

士道&ドライグ「『ケロちゃん!?』」

レグルス『こにゃにゃちはー、ではありません!!兄上殿………お恥ずかしながら、私の呼び名でございます………私の背中に翼が生えてからと言うもの、我が君はずっと私を「ケロちゃん」と呼ぶのです!私は以前のように「レグルス」と呼んでもらいたいのですが―――』

※レグルスは、神器が禁手に至ったことで翼を手に入れた。それは獅子へ変身した時にも現れている。
真那は最近見た、小学生の女の子が怪物的な魔力を有したカードを封印するアニメに出てきた、空飛ぶ関西弁の甘党獣と同じ名前をレグルスに付けたのだ。

士道「ええ!?ケロちゃんは色々とマズくないか!?」

真那「でぇじょうぶでやがりますよ!シャルベーシャだろうが、ケルベロスだろうがネメアの獅子だろうが、小せえことは関係ねーです!」

ドライグ『崇宮真那よ、それは小さな事ではないと思うのだが………」

真那「二天龍の片割れ『赤き乳龍の帝王』ウェルシュ•おっぱいドラゴンの貴方がそんな事を気にしてはいけません!」

ドライグ『赤き乳龍、ウェルシュ•おっぱいドラゴン―――うおおおおおおおおおおん!!』

真那「さてさて、それでは続きと参りましょう!さあ、ケロちゃん!火炎放射でやがります!」

レグルス『我が君ィィィィィィ!?』

※本作品でのケロちゃんことレグルスの声優は宮野真守さんです。


十一話 最強の襲撃

「それは………」

 

真那が纏った黄金のプレートアーマーを見た折紙は、圧倒された。

先程までの真那とは異なり、圧倒的なまでに力が跳ね上がり、感じられるプレッシャーは先程の比ではない。

 

―――今の真那は、アルビオンの力を具現化した鎧を纏った折紙を遥かに凌駕している。

 

それを証拠に、真那が現れた事でDEMの魔術師の一人が恐怖のあまり体が震えて、武器が手から滑り落とすほどに。

 

「なぜ貴方ガ神器を、それも神滅具『獅子王の戦斧(レグルス•ネメア)』ヲ!?」

 

ジェシカは真那が持つ『獅子王の戦斧』を見て自然と口が裂ける勢いで広がった。

………彼女の記憶の中では、その神滅具はまだDEMサイドが有している。使用予定者は未定で、適性を持つ者を魔術師部隊から捜索している最中のはず。

 

ところが自身の記憶とは異なり、眼前に立ち塞がった真那が操っており、さらに禁手にまで至っているというオマケがついて………

 

「―――敵のお前に喋るとでも思いやがりましたか?」

 

真那が視線を槍の如く鋭くして眼圧を飛ばすと―――ジェシカ達は真那から放たれる圧倒的な威圧間に、自然と体が後ろに下がった。

………だが、彼女もまたDEM社が誇る精鋭の魔術師だ。ウェストコットに忠義を見せる為に、ジェシカはビームウェポンを構える!

 

「怯むな!数ではこちらが圧倒的に有利ヤ………後ろにいる鳶一一曹ごとアイツを波状攻撃で落とすのヨ!」

 

『イエス•マイロード!』

 

ズドドドドドドドド―――ズドオオオオオオッッ!!

 

魔術師部隊がビームウェポンを一斉掃射し、バンダースナッチ達がビームとマイクロミサイルの雨を真那へと降らし、真那がいた場所が爆煙に包まれる!

 

「撃ち方、ヤメ!」

 

爆煙に包まれてから一〇秒ほど経ったところで、集中砲火をジェシカが止めた。いかに神滅具の防御力でも、これだけの集中砲火を受ければ蜂の巣になっている筈だと………

 

しかし―――

 

立ち込める爆煙を横薙ぎの光が一閃されると………煙は上っているものの、鎧には目立った傷が一つもない状態の真那が現れた。

 

「………どうやら私は過小評価されてるみてーですね」

 

「バカな!?アレだけの攻撃を受けて無傷ですっテ!?」

 

これが『獅子王の戦斧』の能力の一つ、飛び道具への耐性。通常時からそれは発揮されており、禁手になった今ではその能力も飛躍的に上昇している。

 

「鳶一一曹も限界ですし、この後には兄様の救出も控えているので―――このまま一思いに決めてやりましょう」

 

バギィッ!

 

真那の姿が陽炎のように消えると―――ジェシカのビームウェポンを掴み、そのまま指に力を込めると―――そのまま音を立てて砕け散った。

ジェシカはビームウェポンを砕かれた事によって、武器を失い丸腰になった。それなのにジェシカは、狂気の笑みを浮かべた………彼女の武器はビームウェポンだけではなかった。

 

そう、本命は―――

 

「ハッ!ハハハハハハ!喰らエッ!」

 

ズビィィィィィィィィィィ!!

 

ジェシカのバックルから、折紙の鎧を貫通した光線が放たれる!今放たれたビームは獣殺しの能力を有しているものだ。

それを集約したものが真那を襲ったのだが………予想だにしなかった光景に、思わず声が裏返る。

 

「う、嘘ヨ!?確かに獣殺しの能力を付与したハズナノニ!」

 

「まあ、そんなもんでしょうね………」

 

神器『重殺創造(スレイヤー•ビルド)』で作られた武装の一撃が、真那の鎧を傷付けたのだが………ほんの数ミリ程度の微小の欠片を散らしただけ。

隠し持った切り札でもダメージを与えられなかったジェシカに、真那を退ける術はもう無い。

 

そして今の真那はジェシカの懐に入り込んでいる。真那は拳を握りしめてそれを引き上げる!

 

「チッ―――」

 

ジェシカは迫り来る真那の拳を防ぐべく、随意領域(テリトリー)を防性の物に変化して最大出力で展開するが………真那は真正面からジェシカの防御を打ち破るべく拳を振り抜く!

 

「はあッ!!」

 

「グ、ハッ………」

 

真那が裂帛の気合と共に振り抜いた拳が、随意領域を容易く突破し大地を砕くほどの拳が、ジェシカの溝に突き刺さった。

ジェシカはあまりの衝撃に悶絶するも無く気を失った。真那は落ちゆくジェシカの頭を掴んで、魔術師の一人にそれを投げつけた。

 

「………今回は見逃してやります。そいつを連れてとっとと消えやがりなさい」

 

自分たちの相場では、真那に傷一つつけられない事。そしてジェシカすら圧倒した事を見て、勝てる相手でない事がわからない連中ではない。

DEMの魔術師達は、気絶したジェシカを大事に抱えながら、彼方へと消え去った。

 

魔術師達が撤退した事を確認すると、折紙は最後の力を振り絞って真那に感謝の意を述べる。

 

「真那………あり、がとう。士道をおね、がい………」

 

それだけを言い残すと、折紙は意識を失った。真那は折紙を優しく受け止める。

 

「こんなになるまで………ナイスファイトでしたよ、鳶一一曹」

 

『………真那、先に鳶一折紙をASTの隊員に預けてくれ。近くに一人ASTの隊員がいる。その子に鳶一折紙を渡してあげてくれ』

 

「了解でやがります」

 

真那は令音の指示で、ASTの隊員がいる場所を目指した。真那の働きによって上空から士道を付け狙う集団の脅威は去った。

後は天宮スクエアの〈ディーヴァ〉と操られた精霊達の処理を残すのみ。果たして、うまく事は運ぶのだろうか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――◇◆―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

士道は護星天で十香と凛袮を守りながら、四糸乃と八舞ツインズの攻撃を凌いでいた。

彼女たちは霊装を限定解除した状態のため、霊力封印前ほどの火力は出ていないため、護星天の結界には傷一つ入っていない。

 

「………フラクシナスから感じられた圧倒的な魔力が消え失せた?まさか、琴里が正気に戻ったのか?」

 

士道はインカムを叩いてフラクシナスに通信を入れるが、通信が返ってくる事は無かった。それを怪訝に思っていたその時―――氷結傀儡が白いウサギの姿を解除し、左手を守護する殺戮パペットの姿へと戻り、士道たちに迫って来る!!

 

『よしのん必殺マジシリーズ―――マジ頭突き!!』

 

令音の乳気を吸収するとき、そして六華との夜の営みを何度も妨害してきた『フラクシナス』の最終兵器、よしのん。

マジ頭突きはよしのんの最強火力を誇り、六華の結界すら容易くぶち抜く程の威力。一点集中の破壊力なら『塵殺公(サンダルフォン)』や『灼爛殲鬼(カマエル)』を遥かに凌ぐ程の高火力を持つ。

 

これを見た士道は、結界を解除して迎撃体制を取った。よしのんを懐まで引き寄せると、護星天の奥義をよしのんにぶつける!!

 

「跳ね返れ!『護星天(ミカエル)』―――【天盾(シャハル)】ッ!!」

 

バギィィィィィィッ!!

 

『いっだあああああああああい!?』

「―――よしのん!」

 

衝突音と共に、凄まじい閃光が辺りを包む!

光が止むとよしのんは吹き飛び、四糸乃が宙へと舞い上がって再び左腕へと装着した。

 

………【天盾】は物理攻撃を反射する能力がある。よしのんはその威力をそのまま跳ね返され、吹き飛ばされたのだ。

しかし、士道の『護星天』も音を立ててその場で崩れ去ってしまう。

 

「よしのん、お主の仇は我らが取る!」

「感謝。これで士道の防御は無くなりました。後は夕弦たちにお任せを」

 

ゴオオオオオオオッッ!!

 

耶倶矢と夕弦がお互いの天使を合わせた弓矢を顕現させると、お互いに全く同じタイミングで離し、凄まじい風を纏った風の矢が士道を襲う!!

 

「―――アスカロン!」『Blade!!!!!!』

 

ズバァッ!

 

士道はアスカロンを振り上げると、風の矢を消滅させた。しかし、士道は懐にまで入り込んだ耶倶矢と夕弦の姿を見て、驚嘆の声を漏らした。

 

「しまっ―――」

 

風の矢は囮だ。士道は迎撃に意識を集中させた事を見た耶倶矢と夕弦は、それを見て気配を殺して迫ったのだ。

………或美島での手痛い敗戦の後、八舞ツインズは士道への雪辱に燃えていた。夏休みに士道から明鏡止水を学び、それを今ここで実践して見せたのだ。

 

「―――貰ったぞ!」

「陥穽。引っ掛かりましたね」

 

八舞ツインズの攻撃が士道を捉える―――かに思われたが、士道に守られていた精霊が天使を手に持ち、窮地を救うべくそれを振るう!

 

「―――させるかああああああッ!!」

 

「ぬおっ!?」

「油断。くっ!」

 

その精霊は―――十香だ。十香が放った斬撃が八舞ツインズに迫り、咄嗟に天使で防御したが勢いを殺しきれず、地面を転がりながら吹き飛んだ。

十香はそのまま士道に駆け寄ると、視線を美九へと向けたまま訊ねた。

 

「シドー、無事か?」

「すまない十香、助かった」

 

十香のサポートのおかげで一難去った。それでも八舞ツインズは防御に成功したため、戦闘不能に陥ってはいない。よしのんを吹き飛ばしたとはいえ、四糸乃自身にはダメージがない故に戦える。

 

しかも、彼女達を洗脳している美九は完全な精霊だ。十香は自身の天使『塵殺公』を構えながら、四糸乃達に声を上げた。

 

「どうしたのだお前たち、正気に戻るのだ!」

 

十香の声を聞いても、四糸乃達は美九への道を明け渡す様子はない。自身の王を守る兵士の如く眼前に立ちはだかるだけだった。

 

「何を………言ってるんです?士道さんや………十香さんこそ、どうしてお姉様に酷いことをするんですか?」

『………よくもやってくれたね士道くん!よしのんマジおこ、ブチおこ、激おこプンプン丸だよ!』

 

「何やら士道が酔狂なことを述べておるぞ、夕弦よ」

「失望。士道たちには良心というものがないのでしょうか?」

 

美九の声によって、最優先事項を美九へと書き換えられた三人の精霊たち。こうなってしまった以上やる事は一つだ。

 

「………十香、さっきはありがとう。でも、今度は凛袮を守ってやってくれ。俺なら大丈夫だから」

 

「嫌だ………私もシドーと一緒に―――」

 

十香は最後まで言おうとしたが、士道に鋭い視線で射抜かれ言葉が途切れた。―――十香は視線を射抜かれるや否やすぐに察した。これは士道の嘆願である事を。

 

誰かが凛袮を守っていなければ彼の性格上、戦闘に集中できない事を。決して十香の力を疑っているわけではない。むしろ信頼しているからこそ、凛袮を任せられる事を。

 

十香は士道の言葉に首を縦に振り、再び凛袮の所まで下がっていった。それをみた士道は、右手を振り上げ後方に杖を飛ばした。

杖はステージに突き刺さると、十香と凛袮を覆うように結界を展開した。

 

「………分かった。シドー、必ず四糸乃達の目を覚まさせてくれ………」

 

「ああ。絶対だ」

 

それだけを言い残して美九へと意識を戻そうとした時、凛袮が駆けてきて結界を強く叩いた。

 

「士道!士道!!どうして士道がこんな事をしないといけないの!?私嫌だよ………このままじゃあ、士道が本当に―――」

 

「凛袮、大丈夫だ………俺はここにいる。お前を置いて何処かへ行ったりはしないさ。もう少しだけ待っててくれ、ちゃんと全部話すから」

 

凛袮はこれ以上士道に戦ってほしくなかった。いくら自分を守るためといえども………傷付いて痛い思いをするのは士道だから。

幼馴染であり、愛しい人でもある士道が傷を負う事は自分の胸が裂けるように痛い故に。

 

そんな凛袮が恋い焦がれたその人物は、危機に直面する人物を見たら引き下がるという真似はしない事をよか分かっている………その姿に凛袮は何度も救われてきたのだから

 

「士道約束したからね?破ったら、許さないから………」

 

凛袮が涙ながらに言った言葉に首を縦に振り、今度こそ精霊たちを支配する根源へと意識を集中させた。

 

………そう、ここから先は―――乳龍帝の戦争だ。

 

「美九、悪いが四糸乃たちは返してもらうぞ!それから、約束は守って貰う!!」

 

士道がアスカロンの剣先を美九に向けると、美九はキーボードに手を触れ精霊としての力を振るう!

 

「………本当に不愉快な声ですね。その汚い声で私や私の精霊さんたちの鼓膜を汚さないでくれますかぁ?オトコは目障りなんで即消えて下さいよ!『破軍歌姫(ガブリエル)』―――【行進曲(マーチ)】ッ!!」

 

身が立ち奮い力が漲るような音が響き渡ると―――士道が『颶風騎士(ラファエル)』の真空波で気絶させたはずの、観客たちが再びゾンビのように立ち上がった。

いや、それだけではない!四糸乃と八舞ツインズから放たれるオーラが大きくなった。

 

『相手を意のままに操るのみならず、味方の力まで引き上げる事ができるのか………』

 

「なるほどなるほど、O☆NE☆GA☆Iで振り込め詐欺やら女の子を好き放題する以外にも、イッた女の子をマグロにしないで無限に楽しめると―――こりゃあ、思った以上に最高だな!」

 

『はあ………相棒は本当にブレないな。何故そのように力を悪い方面やらエロい方面に考える事ができるのやら』

 

封印した後に美九の天使をどのように使うかシミュレーションしている士道くん(悪い方面で)。

彼はこういう事には一切妥協はないのだ!自分のピンチにも関わらず、エロが有れば彼はお構い無しでぶっちぎる!これがおっぱいドラゴンだ!

 

「………しっかし観客共に乱入されるのは、ちとこまるな!」

 

士道が右腕を直角に上げると―――ステージを観客席から切り離すように巨大な氷山が現れる!これで美九の天使でパワーアップして観客たちをステージから切り離す事に成功した。

 

「んな、これは!?」

 

美九は士道が四糸乃の力を彼女以上に操る様を見て、狼狽した。美九の狼狽に口の端をつり上げた士道を見て、四糸乃達の顔付きが変わった。

 

『あれまぁ………士道くんは本気だね。四糸乃、手加減してると士道くんに大事なお姉様とられちゃうよ?』

「………うん、分かってる!」

 

「奴め、本気で姉上様を屈服させようというのか?」

「警戒。耶倶矢、お姉様、注意を。あの下品な笑みを浮かべた士道は、精霊を軽く凌駕するほど厄介です。決して油断なきよう」

 

下品な笑みを浮かべているが、士道をよく知る四糸乃達だからこそ分かるものがある。

………彼が心に決めた信念を折ることはない事を。例えそのせいで命を落とす事になったとしても。

 

士道から放たれる圧倒的なまでのプレッシャーを感じて、最初に動いたのは………四糸乃だった。

 

「お姉様に、勝利を!『氷結傀儡(ザドキエル)』―――【凍鎧(シリヨン)】ッ!」

 

四糸乃が巨大な雪兎から手を引き抜くと、眩い閃光と共に四糸乃の霊装が変化を遂げた。

頭には、先程の雪兎の頭部を模倣した兜が現れ、体全体を覆う雪のような真っ白な鎧のような衣装。

そして両腕には、如何なる外敵をも貫く氷柱でできた鋭い爪が顕現する。

 

その武装を顕現させた四糸乃から放たれる霊力の波動は、霊装を限定解除した時を超えていた。

 

『修行の成果だな。奥手で物静かな四糸乃が………見違えた』

 

士道の左腕からドライグの音声が漏れ出た。夏休みに士道が修行をしているのを見て、精霊たちも各々修行に取り組んでいた。

士道の手助けを少しでもするために。自分が士道の足枷にならないため………今の四糸乃は美九のために士道を倒そうとしているが、大きな成長を遂げた四糸乃を見たドライグは、思わず舌を巻くほどの驚愕を覚えた。

 

「やあっ!!」

 

ズドオオオッッ!!

 

四糸乃が爪を振り抜くと、士道に冷気を纏った衝撃波が襲いかかる!!

 

「―――はっ!」

 

その冷気を士道はアスカロンで迎撃!聖なるオーラを纏った刃がその衝撃波とぶつかる!

勝ったのは、士道のアスカロンだ。ところが、士道の相手は四糸乃だけではない!

 

「『颶風騎士』―――【穿つ者(エル•レエム)】ッ!!」

「援護。『颶風騎士』―――【縛める者(エル•ナハシュ)】ッ!!」

 

八舞ツインズがそれぞれの天使から風を放つ!!迫り来る風を見た士道は、籠手からアスカロンを引き抜き、地面に刺す!

 

「ドラゴニック•ゾーンッ!!」

『Shining Sword Of Zone!!!!!!』

 

士道は、迫り来る八舞の嵐を聖なる波動を噴出させて防御!!そして―――ドラゴニック•ゾーンが発動したことによる副産物が四糸乃達を襲う!!

 

「な、なななんですかぁ!?この光は―――」

「きゃあッ!」

 

「バルスッ!?」

「発行。眩しい、です」

 

美九を含めた全員がアスカロンの眩しい輝きによって、四糸乃達は光を防ぐべく目を腕や手で覆い、美九達の動きが完全に止まった。

 

………ここから士道の逆襲が始まる!

 

「まずは―――お前だ!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!!!!!!!』

 

士道は倍化をしながら、目を両手で塞ぐ四糸乃を目掛けて一直線!!

 

「―――来ないで、下さい!」

 

四糸乃は、巨大なオーラが近くに迫った事を察知し、氷の爪を振り抜いたが―――四糸乃の爪は士道を切り裂くこと叶わず、虚しく空を切った。

 

士道は神速を発動して四糸乃の爪を避け、背後へと回り込んだのだ。その後、用意していたある薬品を染み込ませた布を取り出し、それを四糸乃の口へと当てる!

 

「う―――むぅぅぅぅ!」

 

四糸乃は士道の腕を引き剥がそうと懸命にもがくが―――もう遅かった………

 

「―――赤龍帝からの贈り物(ブーステッドギア•ギフト)ッ!!」

 

『Transfer!!!!!!!』

 

士道が倍化した力を薬品を染み込ませた布へと力を譲渡すると―――四糸乃の抵抗が突然弱くなった。そして瞼がどんどんと降りて来て………完全に意識を失いぐったりと士道に体を預けるように倒れた。

 

「いやぁ、折紙からクロロホルム強奪しといて良かった。て言うか、このシチュエーション興奮パネェ!」

『相棒、それ犯罪だからな?』

 

………先日に折紙に拉致られそうになった時に強奪したクロロホルムが、こんな形で役立つとは夢にも思わなかった士道くん。

コレは本来美九が約束を破った時に使う予定だったのだが、四糸乃が急遽『氷結傀儡』を纏ったために、急遽対象を四糸乃へと変更したのだ。

 

………先程の衣装も四糸乃が気絶すると、光の粒子となって消滅し変身前の服装と、左手には殺戮パペットよしのんを装着した状態に戻った。

 

『おのれ士道くん、よしのんはまだ―――ぐえっ!?』

 

「お前も寝てろ」

 

頭突きをかまそうするよしのん。そのほっぺたを親指と人差し指、それから中指の三本で掴かむと―――もう片方の手で首に手刀を叩き込み、よしのんもまた気絶させた。

 

四糸乃の敗因は一つ、雪兎状態の『氷結傀儡』を鎧に変えた事。雪兎状態の『氷結傀儡』では、ビームやら地面から氷柱を生やしての妨害を受ける以外に地上や空中を目まぐるしく動き回られると、神速を発動できる士道といえども手を焼く。

しかし、四糸乃がそれを身に纏ったために、士道に付け入る隙を与えてしまったのだ。

 

「これで四糸乃は終わった。さて、次は―――っとと………危ない危ない」

 

アスカロンの光が止んだ事で、耶倶矢が槍を投げ、夕弦のペンデュラムが士道を捕縛しようと足に巻きつく!

しかし、士道は迫り来る耶倶矢の槍ごと夕弦のペンデュラムを『塵殺公』で斬り裂き、難を逃れた。

 

「チッ、流石に士道よな。一度我と夕弦を屈服させた唯一の男。なれど―――」

「必滅。今度は先程のようにはいきませんよ?」

 

八舞ツインズは士道が凛袮を守る結界の前まで行った事を見て―――士道に斬り刻まれた天使を復元し、最強の一撃を放とうとしていた。

二人の翼が弓となり、夕弦のペンデュラムが弦を、耶倶矢の槍が矢として二人の手に握られていた。

 

美九の天使で戦闘力が引き上げられているため、彼女達の力は、封印前と大差ない程にまで霊力に満ち溢れている!

 

………夕弦の言った通り、士道は絶体絶命と言ってもいい。この一撃を避けると後ろにいる十香と凛袮が傷を負う。

仮に受け止めるにしても、四糸乃を庇いながらになる。それでも士道は静かに四糸乃を地面に下ろして剣を構えた。

 

「我ら八舞の究極奥義で沈めてくれる!」

「お姉様に、祝福を!」

 

それだけを言うと―――耶倶矢と夕弦は全く同時にお互いの手を離した。

 

「「『颶風騎士』―――【天を駆ける者(エル•カナフ)】ッ!!」」

 

「―――ドライグ!!」

 

『Starting Absolution Booster―――Boost!!!!!!』

 

士道の奥義極倍化だ。そして八舞の風に対応するには、風で対抗するのがベストと判断した士道。士道は大きく息を吸い込むと、八舞が誇る防御の奥義を発動する!!

 

「『颶風騎士』―――【斬烈なる鎧(エル•ガイア)】ッ!!」

 

ズドオオオオオオオオオオオッッ!!

 

士道は、鎧に霊力の波動を全集中させると―――そのまま一気に士道の鎧から風の刃が解放される!!

風の刃と八舞ツインズの風の矢が真正面から激突し、周囲に凄まじい突風が吹き荒れる!!

 

美九は声を響かせて、それを盾がわりにしてやり過ごす。士道がステージを覆った氷山にも、ビシビシと亀裂が入る程に威力は凄まじかった。

 

そして―――

 

「なっ―――」

「狼狽。そんな………」

 

風が収まると、八舞ツインズは目を疑った。先程まで真正面にいた士道の姿が消えている事に。

風の矢に当たって消滅したかと思ったが、十香と凛袮を守る結界が無傷な事と気絶した四糸乃に傷が一つもついていない事に説明がつかないからだ。

士道に風の矢が直撃したのであれば、結界ごと吹き飛ばしていた筈に違いない故に。

 

「―――お前ら、戦闘中は動きを止めるなって言わなかったか?」

 

「ッ―――」

「驚―――」

 

士道の声が聞こえたからの八舞ツインズは、全ての事象がスローモーションに感じていた。棒で叩かれたように振り返ると―――士道が背後で仁王立ちしていた。

 

そして振り返って身構えようとしたその時には、既に士道は目の鼻の先にいたのだから。

そこから、二人の意識を奪うまでは時間にしてほんの一瞬だったが、彼女達にはその時間が長く感じた。

 

士道は八舞ツインズにすれ違い様、手刀を首に軽く当てると―――二人はそのまま地面に倒れ伏した。

 

「………これで取り巻きはいなくなった。さて残りは美九、お前だけだ」

 

三人の精霊を従えた美九は、最初は圧倒的に優位な状態だったが、士道が鎧を纏ってからは格の違いを見せつけられるが如く、一瞬で戦局をひっくり返された。

 

「なんなんですか―――あなたは一体、なんなんですか!!」

 

美九は恐怖のあまり、震えながら士道を見ていた。霊力を封印されたとはいえども、四糸乃達は紛れもない精霊だ。

しかし、三人の精霊をこうも容易くねじ伏せる士道を見て、自分が勝負できる相手ではない事を悟ってしまった。

 

「こうなった以上は真実を言う。俺は五河士織じゃない―――俺の名は五河士道。お前の大嫌いな男で、女の姿はとあるアイテムで偽装していたんだ。今まで嘘をついて本当にすまなかった。これ以上意味のない戦いはやめよう、文句は後でいくらでも聞いてやる、だから俺の言う事を―――」

 

「うるさああああああい!!黙れ黙れ黙れ!!私はオトコなんかに死んでも従いません!!下劣で汚くて醜くいオトコなんざ、死んじゃえばいいんです!!」

 

士道が伸ばそうとした手を美九は取ろうとするどころか、明らかな拒絶の意を見せ聞く耳すら持たない有様だ。

………この美九の価値観は明らかに異常と感じた士道はたまらず美九に訊ねる。

 

「美九、お前はどうしてそうまで男を嫌うんだ?お前に一体何があったって言うんだよ………」

 

「はぁ?なんであなたなんかに―――」

 

美九が再び士道に拒絶の言葉を吐こうとしたその時だった!!

 

ズドオオオオオオオオオオオッッ!!

 

「チッ!!」

 

突如天宮スクエアのステージの天板が大きく切断され、瓦礫の山が落ちる!!それを見た士道は神速で八舞ツインズと四糸乃を回収して、落下する瓦礫をアスカロンで切り刻む!!美九は自身の霊力で瓦礫を弾いてやり過ごす。

 

そして天板を切り落としたであろう犯人には、美九以外の者には見覚えがあった。

 

「ベイリーはともかく、グレンまで失敗するとは思いませんでした。やはり私を後詰めに回すアイクの判断は正しかったようですね」

 

その犯人の名は、エレン•メイザース。七月の修学旅行で十香と士道を狙って来たDEM社が誇る最強の魔術師だ。

 

「ステージ上空での折紙や地上で正義とドンパチしてたのは、お前らDEMの仕業だったんだな………狙いは俺と精霊たちだな?」

 

「ええ、そうです。物分かりが早くて助かりますよ五河士道。夜刀神十香だけでなく、気を失った〈ハーミット〉に〈ベルセルク〉もいるとは………これだけの精霊をプレゼントすれば、きっとアイクも喜ぶでしょう」

 

エレンの狙いは士道と精霊たちのようだ。それを聞いた士道は赤いオーラを噴出させた。

 

「俺を前にしてその態度とは、随分と余裕だな………或美島で手も足も出ずに負けた事を覚えてないのか?」

『妹の真那も言っていたが………確か、この女はもやしだと。こう言うところがもやしたる所以なのか?』

 

「―――もやし言うな!!」

 

士道は余裕綽々の状態でいるエレンの行動の一挙手一投足を慎重に観察した。

約二ヶ月前の或美島でのエレンとの戦闘は、士道が彼女を完封してみせた。それでも、まるで何か切り札を隠し持っているかのように余裕の表情をエレンは崩さなかった。

 

………ちなみに、ドライグの言った『もやし』と言う言葉には、びっくりするほどいい反応をしていたが。

 

しかし、次の言葉で士道はすぐに理解する事になった。エレンの余裕綽々な態度の理由を!!

 

「忘れてませんよ五河士道。貴方は確かに人間とは思えない程の強者です。ですが、既に死の罠に掛かってしまった貴方は、恐るに足りません」

 

「死の罠だと?そんなもの―――ガハッ!?」

 

エレンの言葉に士道は意味がわからず、彼女の言葉をなぞったその時―――突如何も無いはずの背後から、一本の魔剣が飛び出して来たのだ!!

 

その魔剣を士道は避けることができず―――飛び出して来た魔剣に貫かれてしまった。

 




ちわっす勇者の挑戦です。

活動報告にも書きましたが、本作品の本編で書けなかった空白部分を書いた外伝を只今作成しています。
※本編で言うと、デート•ア•ライブ アンコールのような感じです。

夏休みの士道の修行や、真那が禁手に至るまでの経緯などを書いていければと思います。
また、外伝の方には毎話アンケートを出すので、書いて欲しいものがあればどんどん投票して下さい。
※期待に応えられるかは、分かりませんが極力努力はするつもりです!

ドライグ先生の次回予告

ドライグ『〈ディーヴァ〉に操られた〈ハーミット〉と〈ベルセルク〉をねじ伏せた今、残りは大将首のみ―――かと思われたが、かつて倒したDEMの魔術師•エレンが相棒を強襲!
相棒は何者かによって、致命の一撃を受けてしまい絶体絶命のピンチに叩き込まれてしまう!果たして相棒に勝機はあるのか!?

次回デート•ア•ライブ 〜転生の赤龍帝〜

十二話 「赤龍帝の意地」

精霊を守りし帝王よ、切り札を使え!お楽しみに〜』
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