頂きを夢見るイカ   作:オーレリア

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感想欄でフォローして下さった方々、有り難う御座います。
でも折角ですので、作品に響かないように何処かで指摘されたことは活かせるよう頑張ってみたいと思います。

私自身小説の書き方をまだあまり理解していませんので、こうした方が良い、こう書いた方が良い等御座いましたらアドバイスをお願い致します。

今回も日常回になります。
※差別等の人によっては不快になる描写があるかと思いますので御注意願います。


第9話

 時が進み、三年の月日が流れ、カンカンと日が照りつけ、番を求める蝉が五月蝿いほど鳴いている時期。

 

 彩人は小学4年生になっていた。

 

 

 

 彩人の小学校生活は、最初は順風満帆とは行かなかった。寧ろ前途多難と言えるものだった。

 元々彩人は活発に活動したりはするものの、実際の気質としてはどちらかと言えば大人しい方であった。

 唯一の友人である八百万百も腕白な性格とはあまり言えない。

 

 その為、入学当初は走り回り、大騒ぎする同学年の子供達の高いテンションについていけなかった。

 一緒に遊ぶのは良い、だが些細なことで喧嘩したり、走り回っている時に転べば痛みで大泣きし、誰かが他の子供に悪戯すれば追いかけっこが始まる。 

 そんな本能や感情表現を剥き出しにしたかのような同年代の反応に戸惑ってしまっていた。

 

 

 彩人自身にそういう時期が無かった訳ではない。しかし、最も幼い頃から自分を見て、泣きそうな表情になる両親の顔を見てきた彩人は、両親が笑顔若しくは誉めてくれる様に様々な事に努力し、時には我慢していた。

 そういった子供特有のやんちゃな時期を彩人は既に通りすぎていた。だから他の子供達に戸惑ってしまう。

 今では、子供達の様子を見て、初めて遠くに親と一緒になって出掛けた時の自分の反応を思い出して恥ずかしくなってしまう程だ。

 

 それ故に、入学して1~2年間の彩人の友人関係は、心身共に成長の早い、八百万百を中心とした女子生徒が大半になってしまうのは、仕方の無いことだった。

 それに彩人は女子の輪の中にすんなり入れていた。八百万百の仲介があったのもあるが、女子の様な見た目なのも受け入れられやすい理由の一つだったのだろう。

 

 勿論、小学生男子の中で彩人だけがそんなことをしていれば、男子の中から、お前女かよ!、と言ってはからかう者も出てくる。見た目の事もあって、そういう輩は学年が上がっても一定の人数はいた。

 

 しかし、しばらくすると彩人が気が付いた時にはからかう者は居なくなっていた。

 単純な理由である。彩人は無闇矢鱈と振り回すという事は無かったが『個性』の影響もあって力が非常に強い。それに教授達や八百万百と学んだり、訓練しているのもあり、周りより運動神経が良い上に頭も良かった。

 基本的に男はどちらが上か比べたがる単純な生き物だ。精神的に幼い男子では特にその傾向が強い。自分が勝てる物がないと感じると皆自分からからかうのを止めていったのだ。

 

 

 

 

 

 しかし、子供は年齢を重ねれば成長のするものである。彩人が四年生に上がった頃には、周りを見ることが出来る子供も増え、自然と彩人の友人関係に男子生徒が増えていった。

 

 

「なぁ、気になる事が出来たんだけど聞いても良いか?」

 

 

 昼休みに、彩人に言葉を投げ掛けたのはその数少ない男子生徒の友人からだった。

 

 

「良いよ。どうしたの?」

 

 

「いや、なんかさ、クラスとか良く見ると『個性』とかの違いで集まってるやつが大体決まってきてるよなぁって思ってさ。何でかなぁって思ったんだよ」

 

 

 その言葉に隣にいた同じく友人の一人が同調するように答えた。

 

 

「あー、確かにそうだよな。俺達だって大体、『異形型』の『個性』で集まってる様なもんだしな」

 

 

 友人達が言っている事は強ち間違いでは無かった。彩人達は周りを見てみる。見た目だけなら『異形型』とその他の子供に分かれているように見えるが、彩人が覚えているクラスメイト達の『個性』で分けると、大体が「異形型のみ」、「異形型と変身型」、「変身型と発動型」、「発動型のみ」、「無個性のみ」、「無個性とその他」の6グループで大きく分かれていた。

 

 そして彩人達のグループもその型にはまるように、殆どが異形型だった。

 

 

 

「多分皆、意識的でも無意識的でも自分と同じ人といると安心するからじゃないかな」

 

 

「どういう事さ?」

 

 

 彩人の説明に余計に疑問に感じた友人は更に疑問を投げかけた。

 

 

「分かりやすく言うと、人が多い中で周りが大人ばかりの場所で且つ、子供は自分だけだったらどう思う?」

 

 

 その言葉を聞き、内容を自分の視点で思い浮かべたのだろう。友人達は非常にいやそうな顔をした。

 

 

「…確かにそれは嫌だな。言葉にできないけど、何か…すごく嫌だ」

 

 

「僕もそう思う」

 

 

 そして納得したのだろう。友人達は頻りに頷いた。

 

 

「でしょ?皆自分だけ違ってたら嫌なんだよ。だから、出来るだけ自分と似ている人で集まりたいんだと思う。

 そうでない時は誰かがリーダーみたいになってる場合も多いかな?」

 

 

 彩人は、窓から外を見る。友人達も釣られて外を見ると、隣のクラスのグループがサッカーをして遊んでいた。彼らの事は皆知っている。一人は去年同じクラスで、彩人をからかっていたガキ大将の様な人物だった。

 そんな彼は異形型ではあるが、先程彩人の言う通り、グループ内の中心におり、グループメンバーの『個性』は発動型や無個性だったりと皆バラバラだった。

 

 

「成る程なぁ、確かに改めて考えるとそんな感じで集まってるな」

 

 

「流石、男子の中でも一番頭が良いだけあるよな!」

 

 

「止めてよ。僕の場合、教えてくれる人が良いからだよ」

 

 

 彩人の発言に感心した彼らは言葉的な意味で持ち上げた。それに抵抗した彩人は違う違う、と言って頭を横に振った。頭を振ると同時に大きな二本の触手も振り子の要領で、大きく振られる。

 友人達は危ない!と笑いながらも頭を下げて避けた。彩人も周りを確認してから出来るだけゆっくり振っただけなので巻き込まれる人は居なかった。

 

 

 この話題で、彩人は意図的に言って無かった事があった。それは自分達異形型は、一部の人間からは避けられる傾向にあるというものだった。教授達に彩人はこの話題について教えられていたが周り、特に自分の周辺の異形型の子供には、口外しないように言われていた。

 

 人間は昔から自分達となにか違いがあれば排斥したがる傾向にある。それは見た目だったり、言葉だったり、文化だったりと様々であるが、それが原因で戦争や人死にが出た事など教科書が証明するように幾らでもある。

 見た目ですぐ分かる自分達なら尚更だ。それが原因で陰湿ないじめ等も発生すると聞いている。

 

 もし、感情が制御出来ていない子供の頃からこの問題を知って、実際に体感してしまったら、疑心暗鬼になって将来に悪い影響を与える危険性があるからだ。最悪そのまま(ヴィラン)になってしまう恐れもある。

 その為、彩人はそれを誤魔化すように一見その問題と関係無い一例を出したのだ。

 

 

「ぅおっ!それ止めてくれよ!その触手地味に威力あるからイテェんだよ」

 

 

「そうだぞ!」

 

 

「そう言うんだったら、毎回変なからかい方するの止めてよ。それに、家に来たら識深先生に『個性』も含めて色々教えてもらえるよ?」

 

 

 あんまり時間は取れないけどさ、と彩人は言葉を切った。彩人のその発言を聞いた友人達は、顔を青くし、また嫌そうな表情になった。

 

 

「やだよ。あの鬼教師、内容がめちゃくちゃ難しい上に、進むスピードがすげぇ早いんだぞ。しかも厳しいし」

 

 

「ほんとだよ。良くあんな奴に勉強とか教えて貰って着いていけるよなー。俺なんか一時間も持たないぜ?」

 

 

 友人達の非難めいた発言に、彩人は心外な、と言いたげに頬を膨らませた。彼らは以前、彩人の家に勉強を教わりに来たが、その時偶々来ていた識深教授に勉強を見てもらったが、指導の厳しさに直ぐに匙を投げてしまった。それ以来彼らは彩人の家に行くこと自体を避けるようになっている。

 

 

「確かに厳しい所もあるけど、凄く親身になって教えてくれる良い先生だよ。難しいって言っても面白い知識を沢山教えてくれるから、幾らでも覚えられるし。

 それに何年もお世話になってる僕が言うんだから間違いないもん」

 

 

 これは本心だった。昔から自分の為に、忙しい中でも頻繁に来て様々な事を指導してくれていた。

 一人では立つ事すら出来なかった自分に人として生きられる様に、手を尽くしてくれた。

 まさに彩人にとって人生の恩人であり、最も尊敬する人達の一人だ。そんなことを言われたらむくれてしまうのは無理もなかった。

 

 

「悪い悪い、別に悪口で言ったつもりじゃないんだ。あの先生は俺達には厳しすぎて無理だったってだけさ」

 

 

「そうそう、それに彩人にとっての良い先生が俺達にとっての良い先生になるとは限らないよ」

 

 

 友人達は人が尊敬してる人を悪く言ってしまった事に罪悪感を覚えたようで、彩人に謝罪とフォローの言葉を返した。

 

 以前、自分が尊敬するヒーローは誰かと言う話題で皆がオールマイトと言う中、彩人だけがリカバリーガールと答えた事で、彩人対複数で激しい論争が起こった事があった。

 その時は結局人それぞれと言うことで落ち着いたのだが、複数人でも一歩も引かず一人ずつ論破していく彩人を見た友人達は、それ以来彩人を怒らせて言い争いに持ち込まれるのを避けるようにしていた。

 

 

 友人の言葉で彩人は納得した。寧ろ自分の考えを押し付けてしまったと感じ、少し後悔した。

 

 

「…それもそうだよね」

 

 

「そうだよ。じゃあこの話題はこれで終わりにしてさ!今日の放課後誰かの家で遊ばない?今新しいゲーム買ったばかりでさ、対戦相手が欲しいんだ」

 

 

「良いね。彩人はどうする?」

 

 

 友人達は場の空気を変える為に話題を変える事にした。そのついでに彩人を遊びに誘った。

 

 

「ごめん、今日も先生が来るから遊べない」

 

 

「あー、それじゃ仕方ないか」

 

 

「そりゃそうだ。彩人の『個性』は大変だから、毎日練習しないといけないって言ってたからな。急に予定は変えられないらしいし」

 

 

 友人達は彩人の事情を詳しくは無いが教えられていたその為、彩人の言葉に、付き合いが悪いな、等と反感を持つ事なく納得した。

 

 

「うん、今日も先生と『個性』の制御訓練があるからね。でも、ありがとう。前もって言ってくれれば予定は開けるようにするから」

 

 

「ああ、分かった。じゃあその時は一緒に遊ぼうぜ!」

 

 

 その言葉の後に、昼休みの終わりを知らせるチャイムが学校全体に鳴り響き会話は一旦終了となった。

 

 そして授業も滞りなく終わり、放課後はそのまま烏墨家の訓練場に向かい、彩人の『個性』制御訓練、ひいてはヒーローになるための訓練が行われた。

 




読了有り難う御座います。


心理描写とか難しい、他の作者様方のを読んではいますがなかなか自分の作品に反映できない。上手い言葉回しも出来ませんしどうすれば良いんでしょう?

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