死をもって、救済する   作:STM

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 キャラのしゃべり方が凄く難しいぃ。
 考えてみれば、こうは話さないなとか考える。

 では、本編へどうぞ!


『主神』と『悪徳商人』

 

 

 

 

 憤怒・強欲・嫉妬・怠慢・色欲・暴食・傲慢。

 七つの大罪と言われる、人間を罪に導く可能性があると見做されてきた七つの欲望。

 魔物となるものの多くは、これらの欲望に取り付かれている。先程、ケルベロスとなった男は村を捨てようとした住民に『憤怒』を抱いたことが始まりだ。

 

 村を守ろうとした衛兵からしたら、怒りを抱くのもおかしくはなかっただろう。

 

 だが、殺すとあっては黙っている者はいない。

 だから、リブロムが派遣された。村に住む化け物を殺せ、と。

 リブロムは何も言わずに依頼を受けた。最初からわかっていたのだろう。化け物が元々人間であったことを。

 

 自身の主神とも話をし、許可を得てから村へと赴いた。結果的にケルベロスは死に、衛兵はもとに戻った。

 成果としても上々だ。

 

 リブロムは、直ぐに戻った。

 自身が帰るべき場所へと。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 一本の巨木。

 その中に作られた家へと入るリブロム。玄関を抜け、ある人物が待つ部屋へと向かった。

 

 部屋へとたどり着き、数回ノックをする。

 

「入りなさい」

 

 返事を聞き、中へと入る。

 綺麗に整頓されたスタンダードな内装の部屋。その中心に彼女はいた。

 

「今帰った、ロムルス」

 

「その様子だと、無事に任務は完了したようね」

 

 黄金の髪の色に、小柄な体、青い瞳。だが、神性のオーラを強く感じる。

 理性と秩序の神・ロムルス。

 ここ、ロムルス・ファミリアの主神である。

 とある神話では、この世界を作ったとされる。天となり、昼夜・四季・時を作ったとされる神だ。

 

 リブロムはロムルスに対して、右腕を差し出した。

 

「…しっかり、救済したようね」

 

 リブロムの右腕からは、青い光が溢れ出ていた。

 これは、衛兵を助けたときに体から出てきた『気』という物質。ケルベロスだったエネルギーだ。

 これが抜かれた事は、相手を救済したことになる。

 

「今回はどれぐらい『消費』したのかしら?」

 

「癒しの種と岩盾の欠片、鉄風車の翼片に針鋭石の破片だ。特に鉄風車の翼片の消費が激しいな」

 

 この世界には、魔法という概念がある。

 本来の魔法は自分自身の魔力を使って、自身が身に付けている魔法を使う。他には、魔法の力を持った武器、魔剣がある。

 

 だが、リブロムの魔法は他とは違う。

 

 リブロムの使用している魔法の名称は『代償魔法』。

 

 自身の持っている『供物』を右腕に生贄として捧げ、その力を魔法として使っているのだ。言わば、魔物化と同じ原理だ。

 力を得るために、供物を代償としている。

 供物は、生活している中で得られる物から、魔物から得られる物まで多くある。魔物から得た供物ならば、その魔物の特徴のある力を使える。

 

「あら、癒しの種を使ったの?貴方が傷を負うなんて、珍しいわね」

 

「油断していた。悪い癖だ」

 

 癒しの種。

 自身の傷を癒すための供物。

 ケルベロス戦にて、赤い雷が直撃したときに使用した。血の臭いがしたのに、傷がなかったのはその為だ。

 

 針鋭石の破片は槍。

 鉄風車の翼片は投擲の破片。

 岩盾の欠片は盾。

 

「油断していても、貴方を瀕死まで追い詰められるやつなんて、存在しないと思うけど」

 

「過大評価だ」

 

 相変わらずね、と溢してからロムルスはベッドへと移動する。

 神には、一つの力がある。

 自身のファミリアとなるものに神の恩恵(ファルナ)と言うものを刻む。この力で、魔物と戦うのだ。基本的に、ファルナは背中に刻む。

 

「さ、更新してしまいましょう」

 

「あぁ」

 

 リブロムは上着を脱ぎ、ベットに腰かける。

 ロムルスは、リブロムの背中へと手を向ける。背中が光だした。

 これはステータスの更新。

 経験値を、力へと変えるのだ。

 

 リブロム・アーカイブ。

 LV.6

 力:E405→E412

 耐久:S912→S935

 器用:B732→B741

 敏捷:F395→E402

 魔力:A803→A842

 耐久:B

 対異常:B

 不滅:A

 《魔法》

 『代償魔法』

 代償として捧げるものにより、能力変換。

 供物を消費していく。

 《スキル》

 『聖の腕IV』

 自身の耐久に補強がかかる。

 腕のレベルに応じて、上昇。

 『刻印』

 刻んだ刻印の効果を得る。

 ステータス上昇。

 『魂を捧げよ(ソウル・サクリファイス)

 瀕死の魔物・人間を救済、もしくは生け贄にする事でステータス上昇。

 腕に変化を与える。

 スキルを使用した相手の魂もしくは気を吸収する。

 生贄にした場合、相手の経験・記憶を手にする。

 

「救済したから、耐久が上がっているわね。けど、腕の影響で力の上昇はあまりよくないわ」

 

「いつも通りだ、何の問題もない」

 

 レベル6。

 世界に少数しかいないほどの実力者。

 リブロムは、その内の一人である。

 

 ファミリアにも何人かいるが、リブロムはその中でもNo.2である。

 

「他のやつらは何をしてる?」

 

「全員出払っている。良くも悪くも、個性の強いメンバーだからな」

 

 確かにそうだ、とリブロムは納得した。

 同じファミリアであろうと、それぞれの目的がある。その為に動くのであれば、ホームに居ることの方が珍しいのだ。

 リブロムは上着を着て、その場から去ろうとする。

 

「今日は休みなさい。癒しの種を使ったとはいえ、体力や精神は疲労してる」

 

 ロムルスの言葉に返事はせず、そのまま部屋を出ていくリブロム。無茶をする人間ではないと、ロムルスはそれ以上何も言わなかった。

 

「ここも騒がしくなってきた」

 

 ロムルスは外を見た。

 此処はオラリオ。

 世界で唯一、モンスターが湧くダンジョンが存在する場所である。

 多くの人間は、此処に理想をもってやってくる。

 

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

 

 

 リブロム・アーカイブ。

 レベル6として、その名は世界に知られている。彼の使う魔法の多彩さ。魔法戦闘での発想力。それらから、彼はこう呼ばれている。

 

 禁書(アーカイブ)

 

 魔法を使うもの達の間では、魔法図書館と呼ばれることもある。

 そんなリブロムは、現在ある場所へ向かっていた。

 見えてきたのは、一つの店。

 

 万屋の取引張。

 

 リブロムがもっとも信頼している店。

 ここの店主が、リブロムと旧知の仲である。共に冒険もした。

 中へと入ると、一人の男がいた。

 

「ガッハハハハハ!!」

 

 下品な声で笑い、自身の欲望が形となったのか、体の至るところが黄金に輝いている。

 この太った男が、今回の目的の人物だ。

 

「ボーマン」

 

「あ?なんだ、リブロムか。金になる話か?ガッハハハハハ!!」

 

 ボーマン。

 オラリオでは『悪徳商人』として知られている。冒険者に無理矢理リンゴを食わせ、何百万ヴァリスといい、金を取るのだ。

 そう言われても仕方がない。

 

「相変わらずだな、ボーマン。今回は魔石を持ってきた。半分はお前の足しにすればいい」

 

「そりゃあいい。少しはスラムもマシになる」

 

「やはり、金欲に溺れる者は居るのか?」

 

「最近は減ってきた。冒険者になるって、ダンジョンで死ぬ奴が増えたからな」

 

「……そうか」

 

 貧困者。

 金がなく、盗みを働くことで今を生き永らえている者達のこと。ボーマンは、その者達に支援金を出していた。貧困な子どもが少ない金で買った『リンゴ』を食わせて、その代金を稼がせる。

 荒っぽく、それでいて正しい行動とは言えないだろう。だが、それでもボーマンが間違っているとは言えなかった。

 

「それと、もう一つ聞きたい」

 

 リブロムは換金した残り半分の魔石をそのままボーマンに差し出し、情報料とした。

 

「最初からそのつもりだっただろ。金さえありゃ、知ってることなんでも教えてやる」

 

「ソーマ・ファミリアについて聞きたい」

 

「あそこか。あそこの何が聞きたい」

 

「奴等の金に対する『執着』の理由だ。もしかしたらお前よりも金に飢えている。それも、ファミリア全体がだ。異常と言える」

 

「金への執着ねぇ」

 

 ボーマンは棚から一つの本を取り出した。

 

「奴等の金への執着は、ソーマから来てる」

 

「ソーマ?つまり、主神を崇めての行動だと?」

 

「違う。神の酒を通称『神酒(ソーマ)』と呼ぶんだ。団員の多くが金と引き換えにその酒を飲むんだ」

 

「……酷い中毒性でもあるのか?」

 

「ある意味そう捉えられる。あの酒は『美味すぎる』。その酒を一度飲めば……おそらく、ずっと求め続けるんだろうよ」

 

 ソーマ・ファミリアの闇。

 以前から良い噂は聞いていなかった。少なくとも、素行の悪さなどに目が行く。そして、金への執着心。

 何がそうさせるのか。

 その原因は、神の作る酒。

 

 それが知れただけでも、収穫はあった。

 

「そうか。助かった、ボーマン」

 

「ハッ、仕事をしただけだ。金がねぇなら帰れ」

 

 不器用なのだと、リブロムは思いつつ外へ出た。

 

 リブロムがそれを聞く意味はあったのか。

 他のファミリアがどのように動いていようと、自分の意思で出した結果にリブロムが介入するのはおかしい。

 ならば、何故か。

 

 ボーマンは理解した上で、情報を出した。

 

 リブロムは懐から一枚の紙を取り出す。

 

 『冒険者が失踪。捜索と調査を依頼する』

 

 

 

 

 





 ボーマンって、悪いやつに見えてるかもしれないけど、めちゃくちゃいい人なんだよねぇ。尊敬する。

 リブロムの主神は、ソウル・サクリファイスに出てくるボスクラスの敵、ロムルス神にしましたー。救済とするなら、こっちかな。
 本来は男性ですが、女性にしてみました。イメージは皆さんにお任せします。

 ではでは、次回もお楽しみに。ばいばい~。

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