一時的でしたが、日間ランキング51位。
ありがとうございます!
いやぁ、ここまでなるとは思ってませんでした。嬉しいですねぇ。
ではでは、本編へどうぞ!!
ドーム状の空間。
ピエロのマークをした旗を掲げて戦うロキ・ファミリアを、リブロムは静かに見守っていた。こちらを攻撃してくる魔物に対して、炎悪魔の矢尻を供物として捧げ、敵に矢尻を投てきしていた。
スライムやグリフォンとは違い、防御を軽く貫通して倒していく。
深層へ行くにつれ、敵の強さが増すダンジョンでは、他の冒険者との連携が重要視されている。リブロムのような多様性のある魔法は心強い。
ロキ・ファミリアはフィンの指揮のもと、全体的に無駄のない陣形を保っている。
それぞれの与えられた役割をしっかりと理解した団員たちもたいしたものだと、個人戦闘が基本のリブロムは称賛する。
ただ、1つ懸念がある。
「アイズさん!!」
陣形の崩れた場所へと急行した1人の女性。
アイズ・ヴァレンシュタイン。
剣姫と呼ばれる実力者。
その成長速度は現在の冒険者の中でも随一。世界的に有名な女性だ。
ただ、彼女には問題がある。
それは剣鬼と言われるほどの戦闘センスと、他者を信じない鋭い視線。どこか焦りを感じさる行動。彼女はひどく、強さに固執している。
それがいずれ、問題へと発展するのでは?
リブロムはそう感じていた。
陣形の組み立てが可能なほど、アイズは周りの敵を倒した。だが、それでは満足いかないのかそのまま敵陣へ突撃していく。
リブロムはため息を吐いた。
「レフィーヤ!アイズの援護だ。周囲の敵を可能な限り倒せ!俺も援護する!」
「はい!」
「フィン!俺はこのまま陣形を保つ!リヴェリアを急がせろ!」
「分かったよ」
炎の矢尻を通常の何倍も生成する。
アイズの実力は知っているが、それが安全だと言う証明にはならない。焦る理由は知らないが、死なれては困る。
「いきます!」
レフィーヤは魔法を放った。
合わせるようにリブロムも炎の矢尻を投擲した。それぞれの魔法が天から降り注ぐように敵へと炸裂した。
アイズの邪魔にならず、援護もできるように調整したのだ。
「……ありがとう、レフィーヤ、リブロム」
「そう思うなら、次は勝手な行動をするな」
敵を切り裂きつつ、こちらに礼を言うアイズにリブロムはため息を吐いた。フィンの苦労が忍ばれる。
「そろそろもどれ、アイズ。リヴェリアの魔法が完成する」
三人が走り出したと同時に、敵は炎に包まれた。
サラマンダーほどの火力はないが、それでも強力な魔法だ。代償なしに放てるリヴェリアに、リブロムは少し羨ましさを感じた。
それを口にすれば、勉強付けになるため、口にはしない。
母親のような彼女が、やはりリブロムは苦手だった。
「殲滅完了。みんな、お疲れ様」
フィンの言葉に全員が安堵した。
気を抜くものたちはまだ未熟だ。ここはダンジョン、安全な場所など本当は存在しない。
だが、休息も必要だろうと、リブロムは理解して何も言わなかった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★
戦闘を終え、夜営の設置へと目的を変更したロキ・ファミリアの手伝いをしているリブロムは、他の団員から距離をとられていた。
半分は右腕のせいだ。
彼の腕は魔物に呪われたと言われても否定できない代物だ。怯えてしまうのも無理はない。
元々、ロムルス・ファミリアは他のファミリアとは違い異質だとの評判だ。そこに、リブロムの腕では近づきたく無くなるのも分かる。
慣れているのか、リブロムは気にしない。
「リブロム、団長が呼んでたわよ」
「分かった、すぐ向かう」
ティオネに言われ、リブロムは3人の幹部が待つ場所へと向かった。
幹部クラスの者達はリブロムとの交流もあるため、避けるようなことはない。殺気を飛ばすこと(1名)はあるようだが……。
1つのテントについた。
リブロムは中へとはいる。中にはフィン・リヴェリア、そしてロキ・ファミリアのもう一人のLV6『ガレス・ランドロック』。
リブロムがいなければ、オラリオで1、2を争うほどの耐久を持つドワーフの戦士。
そして、アイズがいた。
「きたね、リブロム」
「何のようだ、フィン」
「なに、反省会のようなもんじゃ。気にするでない」
アイズが項を垂れているのをみて、リブロムは察した。
今回、戦闘で前に出すぎたことに対してのお小言を言われていたアイズ。ティオナが少し騒いでいたので、ティオナにも言われたのだろう。
「リブロムも、ごめんなさい」
「反省したのなら、次はどうするか考えておけ。俺はあれが失敗だとは思わんが、正しくもない」
リブロムは、アイズが魔物になると考えていた。
自分の傷のことは二の次で、敵を倒して強くなろうとする。圧倒的な強さへの執着。それを、原因として。
「……あまり一人で背負い込むな。お前はもう、一人ではないんだろ?」
「…はい」
アイズも理解はしているのか、リブロムの顔を見て返事を返した。ここからは、三人とリブロムの話になるため、アイズは外へと戻った。
途中、ティオナやティオネ、レフィーヤが彼女の周りへと集まる。
「……強さへの執着は、いずれ欲望となる。もしかしたらと考えていたが……大丈夫そうだな」
「昔、君に色々言われてたからね。その影響もあるんじゃないかな」
「あれか。ガハハハハっ!珍しくリブロムが怒ったときのことじゃな!あのときは、どうなることかとおもったぞ」
「全くだ。アイズを殺してしまうかと思った。ロムルス・ファミリアと全面戦争などごめんだ」
懐かしむように、四人は笑みを浮かべた。
「さて、懐かしむのは後にして、これからのことを話そう。リブロム、君には具体的に話をしていなかったが、ディアンケヒト・ファミリアから依頼を受けているんだ。『カドモスの泉』から要求量の泉水を採取する予定だ」
「メンバーは、儂とフィン、ティオネにティオナ、ベートにアイズ、レフィーヤとラウルも連れていくつもりじゃ。いい経験になるじゃろう」
「私は他の団員の為と、魔力の回復に集中するつもりだ。だから、レフィーヤは温存させてやりたい」
「なら、俺はリヴェリア達の護衛でいいだろ。俺なら全員をカバーできる」
ディアンケヒト・ファミリアの依頼。
そのメンバー編成を考えていく。今回の目的となるカドモスの泉にある泉水は採取の量が少なく、必然的にいくらかの泉を回らなければならない。
今回の依頼された量から考えれば、二つ行けば集まるだろう。
「うん、これで行こう」
「……それで?本題は?」
リブロムの一言で、少し空気が凍った。
ディアンケヒトの依頼程度なら三人だけで十分、リブロムがいる必要はない。
フィンはため息を吐き、リブロムに聞いた。
「リヴィラ手前で見た冒険者の魔物化、あれはなんなんだい?」
オラリオ最強の一角、ロキ・ファミリアですらあんな現象は知らない。見たことも、聞いたことも。
故に、それについてフィンはリブロムから問いたださなければならなかった。
冒険者の魔物化は、どんなことをすれば起こるのか。
条件は?魔物化の確率は?人間に戻れる可能性は?もう一度魔物化する可能性は?
聞かなければならない。
あれがオラリオで起きれば、都市は壊滅する。
「お前らには関係のないことだ」
だが、リブロムは教えなかった。
そうなることもわかっていたのか、フィンは次の質問へとうつった。
「もう一度魔物化する確率は?オラリオの人間が魔物化する可能性は?」
これだけは聞かなければならない。
放っておけば、オラリオが魔物の蔓延る街に成り果てるからだ。
「魔物となった者は、半分の確率でまた魔物となる。オラリオが魔物の巣窟になることはない。あそこは夢と希望が溢れる町だ。貧困者以外は、おそらくならない」
「なぜ、魔物の巣窟にならないと言える?」
「なるとしたら、お前らロキ・ファミリアが先だからだ。むしろ、もうなっていてもおかしくない」
胃を押さえながらリブロム答えた。
その姿に三人の幹部が申し訳なさそうに苦笑を漏らした。心当たりしかないからだ。
「貧困者の方はボーマンと協力しつつ、金の寄付で何とかしている。ロムルス・ファミリアの資金も少しわけているから、心配はない」
絶対的な安心はない。
世の中、必ずという事柄は1つもないのだから。
だからこそ、リブロム達『ロムルス・ファミリア』は出きる限り人々を救済するように動いているのだ。
穢れた世界に救済を。
救済に違いはあれど、それがロムルス・ファミリアの行動理由である。
一日たっても92位でした。
ハーメルンもYouTubeも盛り上がってきたぁ。
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ではでは、また次回お会いしましょう。
またね!!