FGO×REBORN 〜人類最後の希望達の物語〜 作:ただの名のないジャンプファン
~side並盛町~
並盛町、日本の某県にある何の変哲のないこの町は特に有名な観光スポットとかもないごく普通な町である。
綺麗な町並みを見せてくれる住宅街を分かつ舗装された道路には鳥のさえずりと子供達の声、それにごく普通の爆音が今日も晴天の空に響き渡る。
そして爆音の発生源と思われる所には煙が吹き出る窓は少し焦げ、ガラスが庭に散らばっていた。
これがこの町の日常である。
爆発何て日常茶飯事、他にもパンツ一丁で町を走る変態や爆弾魔、裏社会を支配する中学生などもいるが特にほかの町変わらない……のかな?
だが、決してこの爆発はテロによるものではない。
そして、場面は最初に戻り煙の立つ地点に戻る。
ここも誰が見ても普通の二階建て住宅である。
ここは沢田家、現在はここの家主の妻である奥さんとその一人息子、後何人かの居候が住んでいる。
この家の評判は様々あり、いい噂もあれば悪い噂もチラホラと耳にするがまぁそれは彼の日常を見て判断をしてみてくれ。
「…ガハッ!おい、リボーン!!いい加減に問題を間違えるたびに爆発されるのを止めろ!!」
「何俺が悪いみたいに言ってんだ?何度教えても間違えるお前が悪いんだろう。いい加減理解しろ。これぐらい犬だって理解出来る内容だぞ」
煙の発生地点には1人の少年と赤ん坊がいた。
少年は黒焦げとなり赤ん坊に怒鳴り、赤ん坊はそのつぶらな瞳でその少年を見ていた。
少年の名は沢田綱吉、ここ並盛町に住むごく普通だった中学生である。
「間違える度に爆発させる常識なんて何処にあるんだ!」
「ここにあんだろう?これが俺のやり方だ。」
赤ん坊の名前はリボーン。
見た目は可愛らしい赤ん坊に見えるが沢田綱吉の家庭教師であり、裏社会で名を轟かす殺し屋だ。
此処で疑問なのが、何で、赤ん坊で、殺し屋のリボーンがこんな所で家庭教師なんて事をしているかって?
それは最も抱く疑問だ。
これを説明するには沢田綱吉について説明をした方がいいだろう。
沢田綱吉、友達はツナと呼ぶが彼の渾名はダメツナ。
成績下位者で運動もダメ、ドジで何をやらしても上手くいかないそれが彼の中学1年生までの人生。
そんなある日に現れたのがリボーンである。
リボーンに彼は実はイタリアの裏を取り仕切る巨大マフィアのボス候補である事を聞かされた。
リボーンはそのマフィア『ボンゴレファミリー』の9代目である人物と仲が良くその伝でツナの面倒を見ている。
ボンゴレファミリーの後継者候補というのを聞いてからは大変だった。
争いが嫌いなのに運命に翻弄され無理矢理戦わされて、ついこの間にもボス候補をかけた決闘をさせられた。
ツナはこれまでの戦いを見事勝ち抜き生き抜いた。
それでも元来の甘さはなくならず、今も現在進行中でボスにはなりたくないの一点張りだ。
だが、リボーンもツナをボスにすること以外は考えていない。
水と油のように全く合わさることが無いこの2組だが、リボーンはツナに無茶振りをさせているがそれでもできるからと、常日頃信じている。
ツナは振り回されているがそれでも今まで導いて貰い、彼は無茶だけど間違っていない。
普通に考えれば3日と持たないコンビの様であるが、2人の仲はこれまでの戦いでとてつもない強固な絆と信頼関係が築かれていた。
「さて、間違えたから罰で100冊追加な」
「んなっー!?ページじゃなくて冊!?」
「ヴァリアーとの戦いで溜まっていた補講分だ。ん?」
ツナが頭を抱えて駄々をこねている時にリボーンに向かって何かが飛んできた。
リボーンはその飛来物を受け取る。これは何か...包みかな先の方にはCのマークが刻まれていた。
「これは‥‥」
「ん?どうしたんだ?リボーン。」
「こいつはアルコバレーノだけが使える暗号だな。」
リボーンが胸についているおしゃぶりの光を灯す。
おしゃぶりから光灯された綺麗な黄色い光が白紙を照らす。すると炙り出しの様に文字が手紙に浮かんできた。
でもそれは日本語ではないためにツナには読めない。だが読めるリボーンはその手紙を見ると険しい顔つきで手紙を睨んでいた。
「ど、どうしたんだよ?リボーン。」
「しばらく出る。数週間は帰ってこれないってママンに伝えといてくれ。」
「お、おい!リボーン!!」
ツナの言葉に返事もせずに彼は空へと飛び立った。
「何だ?どうしたんだよ。リボーン‥‥」
それから本当に暫くリボーンは帰ってこなかった。
彼がいない日常は平和といえば平和だった。
ゲームもプレイできて、勉強も自分のペースでできるし朝ごはんもいつも横からかっさわられていたが居ない事でそれもなく、ただ彼を強く好意を寄せているもう一人の居候ビアンキはその間少々荒だっていた。
そんな日常が崩れたのはそれから2週間が過ぎようとしたある日の事。
「はぁ、リボーンの奴いつになったら帰ってくるんだよ。ビアンキも今は暴れてないがずっとピリピリしているし...!?」
突如変な感じがした。
背中のあたりがゴワゴワと登ってむず痒いら何かとてつもない力が足の下に宿った気がした。
すると足元が突如変な光が灯って変な形に線を結んでいた。
「逃げろ!!ダメツナ!!」
「っ!?リボーン!?」
空から声をかけられて戸惑うツナの足元はどんどん光が強くなり、2人は並盛町から突如消え去ることとなった。
〜side???〜
熱い...
「おい、起きろ。」
今は夏だったけ?いや夏だったとしてもこれは暑すぎる。まるで何か燃えているような感じもする。
「起きろ」
そういや耳に嫌な音が聞こえる。何か風に何かが揺れている、それに焦げ臭い。
自分の肌に接触してる何かはまるで焼かれた鉄板のようちりちりとした熱さを持つ気がする。
「起きろって言ってるだろう!!」
「へぶ!?」
突如、頬にものすごい衝撃が走る。そしてツナは、空中を3回転して地面に落ちた。
「いったいな!何すんだよ、リボーン!!」
「やれやれやっと起きたか」
「う〜いつつ、ここは?...何だよ?これ‥‥?」
息をすると周りの炎を吸い込んだように熱い。
これはまずい息をする度に苦しくなる。
痛みに現を取られたがすぐに現状を理解することが出来た。
何故ならば視界に広がるそれがもう語っていた。燃え盛る業火に焼かれた町。
人の気配1つしない、それどころか動物の気配すら全く感じられない。
地震でもあったのか町並みは崩れ去っていた。
そして何より信じられないものが...
「避けろ!ダメツナ!!」
リボーンが隣からまた蹴飛ばしてきた。
ツナはその勢いのまま地面を擦っていくがそれは良かったのかもしれないなぜなら、彼の先程まで立っていた場所がピンポイントで爆発したのだ。
「んな!何がどうなってんの急に爆発したぁ!!」
「違う、狙撃されたんだぞ。」
「狙撃!?」
「来たぞ。」
リボーンが確認した狙撃してきたポイントから数百は離れていたはずだ。だがそんな距離をすぐに詰めてくるあたり只者ではない。
「よく避けた。一応褒めておこう。だが、君達は一体何者だ?先程の漂流者とは少々違う気がする。かと言って一般市民が生きている...ということはないだろう。魔術師とも思えん、極めつけに私の矢に反応したのはその少年ではなく君だ!!赤ん坊。」
「あ...貴方こそ、貴方こそ何者なんですか?」
ツナは震える体を制して聞いた。
彼の特徴30代にも満たない好青年のような感じがし、頭は白いが若そうな感じはすごくする。袖無の黒の服から見える筋肉質だけでも相当鍛えられている感じがした。
「おっと、これは失礼をした。尋ねる前に自分から名乗るのが流儀というものだったな。と言っても私の名前は伏せさせてもらう。...そうだな、アーチャーとでも呼んでくれ。」
「アーチャー...魔術師...ふむもしかしてこれが聖杯戦争ってやつか?」
リボーンは顎を手で擦りながら聞いたことがない単語が聞こえた。
「リボーン、何だよ?聖杯戦争って‥‥?」
「俺もそこまで詳しいわけじゃない。噂程度を耳にしたって感じだ。いいかツナ俺達もオメルタっていう掟に守られて重要機密が外に元はない。魔術師も似た掟があるんだ。それによりマフィアと魔術教会はお互いがお互い干渉させないでも噂程度は耳に入ってくる、聖杯戦争もその一環で手に入った情報の一部だ。聖杯戦争ってのは、7人の魔術師が7人全員サーヴァントってのを使って行う、勝者には何でも願いが叶う願望器である聖杯を手に出来る。」
「んな!?魔術って魔法の事かよ、そんなものある訳が‥‥」
「存在しないと思うか?だがな、俺達にだってそんな不思議な力があるだろ...死ぬ気の炎だ。俺たちの象徴が死ぬ気の炎なら魔術師の象徴は魔術って事だ。で、魔術の中でも最も危険なのが聖杯戦争で召喚されるサーヴァント」
「サーヴァント...」
「サーヴァントってのは、お前がやってるゲームに出てくる犬や猫なんかじゃない。聖杯戦争に召喚されるサーヴァントってのは、本当にやばい奴らだ。ここのサーヴァントってのは人類が歴史的に認める過去の本物の英雄ってやつをサーヴァントして戦うらしい。」
「過去の英雄...」
ツナはゴクリと唾を飲み込む。
彼自身英雄と言われても名前をあげることが出来ないが、スケールのでかさだけは理解出来た。ようは教科書なんかに出てくる人達のことを指しているという認識をもてたからだ。
「ふむ、君は本当に何者だ?魔術師の秘匿は絶対、それをそこまで知っているとは...いや私も少々君の事に心当たりがある...世界には呪われた赤ん坊が7人存在する...とね。そうか君がアルコバレーノだな。実際にこの目で見たのは初めてだな。」
「俺もサーヴァントなんてのを見たのは初めてだぞ。」
「アルコバレーノ、君はここでは少し厄介な立ち位置にいてね、悪いが消えてもらう。」
アーチャーの鷹のように鋭くなった眼で彼は持っていた弓を獲物に向けて構えた。
リボーンはすぐ様ツナに臨時体制を取らせるが本人は未だにこの現状についていけてない。
「おい、リボーンやばいって!」
「あぁ、これは最初から全力でいかねぇとまずいな。」
「な、どうすんだよ。」
「そんなもん決まってんだろう。お前が何とかしろ。」
「この期に及んで何でそんな無茶なことを言うんだ!?相手は英雄なんだろう!?」
「うるせー、ごちゃごちゃ言っている暇があったらポケットの中に入っているグローブをつけろ」
リボーンの指示にツナはポケットの中身をゴソゴソと探ると、普段自分では絶対入れないアレが入っていたことに驚く。
「んなーー、何でこれがここに「来るぞ」」
そんなコントをしている間をアーチャーが狙わないわけが無い。
アーチャーの矢が2人のいたところに炸裂した。
リボーンは当然のことのそれを交わしていたがツナはそこから出てこない。
「流石はアルコバレーノと言ったところか、だが良かったのかね?あの少年を見殺しにして」
「アイツを舐めるなよ、アーチャー、それと俺を誰だと思ってやがる俺は世界一のヒットマンだぞ。」
ニヤリと不敵な笑みを不敵な笑みを浮かべるリボーンに疑問を抱いたがそれはすぐに違うものに移った。
自分の矢が貫き土煙が立ちこめている中それはすぐ様オレンジの炎に包み込まれた。さらにその中から何かが飛び出してきたが、アーチャーは油断してそれを目視できなかった。
「どこを見ている「!?」お前の相手はここだ。」
声のする方を...自分の後ろを振り向くとそこには彼が立っていた。先程までとは一転して冷静で静かな声、眼も恐怖に染まっていなく寧ろ何色にも染まっていない澄んだ瞳に額にはオレンジの炎が灯っていた。
先程の少年と姿は同じに見えるが全くの別人にしか見えない。
アーチャーはそんな彼に殴り飛ばされ地面に激突した。
「奴は仕留めた筈だが...それと死ぬ気の炎を灯した額」
頭に疑問がよぎっているがやることは変わらない殲滅の一言が彼を動かした。
彼は牽制するように3発矢を放つが、ツナはそれを悉く躱していた。
「バカなっ!?魔力もなく空中移動だと!?」
そう、彼は矢を手から放っている炎をジェットとして扱い彼はアーチャーの矢を全て躱した。
(あの少年のキーは、恐らく手に灯っている炎、遠距離系の武器も見られない。とするとタイプ的には完全近接型だな。スピードは中々のものだ。そしてパワーも彼の見た目からするとかけ離れているな。)
ツナに矢を放ちながら彼の戦闘スタイルを分析しているアーチャー。
それはツナも同じで彼にはいくつもの疑問が浮かんでいた。
(あの矢はどこから出ているんだ?先程から矢が突然現れている。いやさっきまでの会話にも彼は弓を持っていなかったな。なにかの能力か、手から突然武器が発生しているようにしか見えない。)
次々と放たれる矢をツナは旋回しながら躱していった。
お互いがお互い探り合いをするような戦いで未だ目立った動きは見せていなかった。
「ならば、これは‥‥どうかな?」
先に動いたのはアーチャーだ。
彼の攻撃の手が数秒ほど止めた。ツナはそれをそこまでの疑問に止めなかったが、アーチャーはこの間に合わせたのだ。
彼が次から放たれた矢は先程までとは一転してさらに細めにしてスピードが上がった。
「!?」
急にあがったスピード、ツナは形状が変わったことに気がついた。
さっき間よりも細くなって風の抵抗がさらに弱まったのだろう、その証拠に風を切る音が先程よりも鋭くなっていた。
だが、それでもギリギリ反応できない速度には至っていない。
ツナは、どうにかして近距離に持ち込みたいがスピードが上がった矢は連射性能がよくさっきよりもスキがなくなりました入れなくなり距離が離れる一方だ。
「馬鹿め!!油断したな、上がガラ空きだぞ!!」
ツナはその言葉に上を見ると確かに1本上から飛来していた。
今までの間にアーチャーは一本だけ上に向かって放ち時間差攻撃を仕掛けていたのだ。
躱しそうにも彼の矢が退路を塞ぎ逃げることができない。
「貰ったぞ!!」
誰もが当たると思ったその瞬間彼は右手の炎を強め1枚の幕を貼りそれをシールドとして扱ったのだ。
「ほう」
「今度は俺の番だ。」
今が最大の隙と思ったツナは一気に攻めに転じた。炎を強め最大加速でギアをあげるツナ、アーチャーの矢は炎のシールドを貫けない、彼は陽動もいらないこの事実が彼の頭に残っている今を叩く。
接近している間もアーチャーの矢は飛んでくるが、スピード型から前までの矢に戻っても炎のシールドを貫けずにいる。
「ふっ」
「油断するな、ツナ!」
それなりの距離にまで詰められたその時アーチャーの手からは稲妻が迸る。
「
矢と言うには剣にも見られるその1発は簡単にツナの炎のシールドを貫き肩に深く突き刺さった。
「あぁ...」
ツナは撃ち落とされ地面に倒れ込んでしまう。
貫かれたその肩からは激痛が走り、血が流れ落ちていて、片方の手でその部分を抑えている。
「君の炎、最初は驚いたが別に大したことは無い。人1人を簡単に飛ばす炎なんだ、それなりのエネルギー量である事は容易に想像できる。ならばその炎には別の使用方法もあると思ってね...やはり相殺系統のシールドとしたか」
ツナの事は簡単に見抜かれていたようだ。
アーチャーはそれを確かめるために矢を使い分けてツナの行動を分析していたのだ。ツナも分析はしていた、だがそれはアーチャーとツナの圧倒的な経験値から天と地程の差が生まれた。
「何、悲観する事ではない君の敗因は若さ故だ。年を重ね経験を積めばもっと強くなっただろうな。中々のものを体験させてくれた例に私の能力を最後に教えてあげよう。私の魔術はただ一つ、作り出すことだ。」
アーチャーはそう言って手をツナの方にかざしまた光が迸る。
すると手に何も無かったのに一振りのナイフが形成されていた。
「魔力がある限り生み出し続けられる私の魔術に翻弄されたのが君の1番の敗因だな。さらばだ少年!」
振り下ろされ心臓が貫かれるかと思ったその時突然アーチャーが吹っ飛ばされた。
「おいおい、ガキ相手に語るだけ語って大人気ねぇなアーチャー。」
見るとそこには杖を持った青い髪の大人と、白い紙の若い女性とピンクの大きな盾を持った少女に青年もいた。
「キャスターか。」
「ガキに気を取られすぎたなアーチャー、おいあの坊主を拾ってやれ。それと時間もねぇ俺がここをやるからお前達は早くセイバーの方にいけ。」
「わかりました。」
ツナは、その人達に担がれた。
「傷が深い。魔術師でもないのに、たった1人でサーヴァントと戦っていたなんて」
「そんなことよりも早くここから離れるわよ。サーヴァント同士の戦いに私達は邪魔でしかないし、手当なら途中でできるわ。」
「おい。」
リボーンがツナの元にまで来ていた。リボーンを初めて見た反応はただの赤ん坊以外の何者にも見えない為に早速保護しようと青年が抱き上げるが...
「赤ん坊までいるのかもう大丈夫ぶぅぅ!」
それが気に食わないらしく思いっきり蹴り飛ばした。
「気安く触んな。」
「先輩!」
「おい、目的地があるんだろう。向かいながら状況を説明してくれ。後俺達はここら辺の地理もないんだ。」
「え、わ、せん、わ、わかりました。」
リボーンの方はここら辺の状況がわからないと言っているが、こちらの方もこの謎すぎる2人組が分からない。
取り敢えず、青年も立ち上がり蹴られた部分をさすっている。
少女もそれにほっとして手をなでおろす。
「いてて」
ツナも貫かれた肩を抑えながら立ち上がる。
「大丈夫ですか?で肩お貸ししましょうか?」
「これぐらいなら大丈夫だ。後で包帯を巻いてやるから早くいくぞ。」
〜sideそれから〜
それから暫く走ってアーチャーとキャスターの戦場から大分離れられた今、敵の気配も感じられないのでツナに包帯を巻いて最低限の止血を行っている。
そんな中軽い自己紹介と情報交換を行い始める。
「さっきは危ないところを助けてくれてありがとう。俺は沢田綱吉でこっちがリボーン。」
「ちゃおっス、よろしくな。」
「えっと、俺は藤丸立香」
「と、先輩のサーヴァントのマシュ・キリエライト」
「オルガマリー・アニムスフィアよ。で、状況説明だけどアンタ達は私達に協力しないと死ぬだけって最初に言ってあげる。」
「!?」
「それはわかっている。元々こんな地獄絵図で生きながらえるのは無理だろう、どうやったら生き残れるんだ?」
「生意気な赤ん坊ね。それは協力するってことでいいのよね?」
「あぁ、協力してやるぞ。」
どちらも自分が上ということを主張している。
何か目からバチバチと火花が飛び散っている気がする。
「何か、張り合っていますね。」
「張り合っているな。」
「あの、何かすみません。プライドが高くて」
張り合っている2人に少々呆れている3人はちょっと通じる何かが生まれた。
「で、状況だけどアンタ達魔術師じゃないわね。」
「...はい、貴方達は魔術師何ですか?」
「余計な質問はしない!」
「はいぃ!」
「一応聖杯戦争のサーヴァントが暴れているってのはわかってるぞ。」
「っ!?魔術師じゃないくせに何で聖杯戦争を知っているのよ!?」
「余計な質問をしている時間はないんだろう?取り敢えず踏み込まない立ち位置だと思ってくれ。」
少しオルガマリーの顔がこわばった感じがした。
だがすぐにため息を吐きさっきとは一変して落ち着いた
「わかったわ、これ以上は追求しない。んで問題を完結にいうわ、問題はこの先の山にいるセイバーが所有している大聖杯がここを作り出している。私達はセイバーに勝って大聖杯を手に入れる。キャスターが言っていたアーチャーと戦っていたのはあなたなんでしょ赤ちゃん。今見たらそのおしゃぶり、アルコバレーノって言うのなんでしょう?初めて見たわ。」
さっきまでの犬猿の仲と思われた2人がある一言で通じあっていた。
リボーンはニヤリと笑う。何故なら彼女はひとつ間違えている、アーチャーと戦っていたのは彼の生徒であるツナだ。
「おっと、また出たわね。」
「マシュ!」
「はいマスター!」
「アンタも戦いなさい、アルコバレーノ。」
「いや、俺は掟で戦えない、俺の生徒が片付けてくれるはずだ。」
「え?」
「下がっていろ。」
ツナの感じがまた急に一変した。
燃えるオレンジの炎を額にともして彼は颯爽と一陣の風のように飛び出した。
目の前の敵は人の様で人ではないと確信できた。
敵には肉も皮もなく骨だけで構成されており、手には剣を持っている。
魔術により産み出された骸骨兵だ。
骸骨兵が武器を持って襲ってくる何て見慣れていないツナにとってはおぞましい以外に表す言葉がない。
まさにホラー映画かホラーゲームの様な光景だ。
骸骨兵は剣をツナに向かって振り下ろしていくがそれは、全て紙一重で避けていく。
1人1人先程のアーチャーとは比べ物にならないぐらい劣っているために簡単に躱すことができた。
「あまり時間が無い、すぐに終わらせる。」
ツナは振り下ろしたばかりの骸骨兵が次の行動に移る前に蹴り飛ばした。ツナが上手いこと破壊しなかった為に衝撃の逃がすことができなかった骸骨兵は周りを巻き込んで吹っ飛ばされた。
ツナは次々と骸骨兵を砕いていく。
砕かれて残骸になっていく骸骨兵を見て3人は唖然としていた。
「何よ‥これ、これってちょっとしたサーヴァント位の力があるじゃない?」
「信じられません。彼からは魔力もサーヴァントの気配も感じられない...どこからどう見ても普通の人ですよ。」
「しかも俺やマシュよりも年がしただろう...高校...いや中学生にしか見えない。」
「ふっ、ツナあらかた片付いたら先に上に上がれ!」
3人が驚き戦いに目を奪われる中リボーンは、骸骨兵がほとんど無くなれば1人で山の方に飛んで先に戦っておけと言った...だがそれはあまりに無謀な事だ。
サーヴァント、それも最優と呼ばれるセイバー相手に1人何て自殺行為も同然だ。
「ちょ、アンタもセイバーを相手に一人で何て無謀もいいとこよ!彼を死なせる気!!」
「そうだ、俺もキャスターや他のサーヴァントの戦いを見たけど人が1人で勝てる筈がない!!」
「わかった。」
藤丸やオルガマリーが考え直させるように談判していたのだがそれを気にもせずにツナは先に先行していった。
「あ、ちょ...」
「どうするんだ?えっと‥リボーンだっけ?彼はアーチャー相手にだって負けていたんだろう!?俺たちの中じゃ1番戦えるのは間違いなさそうだけどそれでも死んじゃうかもしれないんだぞ!?」
「大丈夫だ、何も全部1人でやれって言ってるわけじゃない。いいか、ツナが正面から殴り込んでいる間に俺達はセイバーの後に回り込んでツナのサポートをするんだ。」
「確かにそこらの相手ならそれが有効打でしょうけど相手を考えなさいよ!!相手はサーヴァントでしかも最良のクラスのセイバーよ!!不意打ちなんて効くわけがないじゃない!!」
「そうですよ、効く効かないい以前に私達何て気にも...」
「そうだ、自信があればあるほど低レベルのやつ何て気にしないもんだ。ましてや、相手は英雄と呼ばれる部類、自信がない奴がなれる類のもんじゃない。だからこそ俺達はその隙でツナへの最大のサポートをするんだ。殺気も出さずに可能な限り消してな。」
「でも、彼がそこまで耐えられるか...」
「ふ、それこそ大丈夫だ。英雄って呼ばれる奴らからしたらそこまでの場数を踏んでいる訳じゃないが、あいつだってもう何度も死線を潜り抜けて生きてんだ。」
根拠としては乏しい...だけど何故かリボーンの今の目を見ていたら信じたくなる、だって彼の目に疑惑なんてのは一欠片も感じられない。感じられるのはただ1つ‥あいつを舐めるなという念押しだけだった。
「ついた。」
先に飛んで彼は着いた。飛べば普通よりも回り道をせずに数段早く登れるのは当たり前だ。
傾斜を走って登るより山に合わせて飛べば簡単だ。
それに敵に飛ぶことのできる者がいないためにたまに矢が飛んでくる程度で楽に登れた。
数もそこまでいなく、すごい数の骸骨兵が集団で固まっていたら倒そうと考えていたのだが、そこまでいなくてチラホラという感じなので置いていてもリボーン達なら片付けられるだろう。
そんな当たり前なことよりもこちらの方に意識を向けなければならない。
まだ視界に入っていないがとてつもない気配がする。
それはアーチャーよりも上かもしれない。
セイバー...恐らく名のある英雄何だろう。
そして感じられる死ぬ気の炎とは違う異質な力が集約され1つの大きな塊と感じられる。それがセイバーとは違って感じられる。この気こそが大聖杯と呼ばれるものだろう。
ツナは入口のようにも思える2つが裂けてできた道を通った。
近づけば近づくほど気配は強く濃くなっている。
臆していても仕方が無い、ツナは引き返すことの出来ない道を一人で進みそしてセイバーの前に立った。
「問おう、貴様何者だ?魔術師でもなければサーヴァントでもないな。」
物凄く薄い金色の髪が炎の光を反射させて、髪のとは真逆な黒いドレスがここの死地を物語っている気がした。
「俺は沢田綱吉、ただの中学生だ。そしてお前を倒す!」
右腕に炎を集中させて彼は一直線にセイバーに近づく。セイバーは持ち前の剣が彼の拳を迎え撃った。
「ほぉ、我が剣を震わせるその拳...よかろう‥ならば少し戯れに付き合おう。」
ツナは、持ち前の炎の噴射を軸とした高速移動でセイバーの後ろをとる。
「中々のスピードだ。」
だがセイバーにとってそれは余裕の範囲らしくすぐに反応して、剣を横薙ぎに振る。
「と言っても、私には通じないがな。」
ツナはそれを躱して距離をとる。背後に回った程度では、これっポチの意味もないらしい。
今度はセイバーから攻め始める。
セイバーの剣戟は、これまで見た剣士の中でも群を抜いている。
キレのある太刀筋に攻め込むことが出来ない領域が出来ているな感じがする。攻めに転じようとしてもまず斬られるだろう。
「どうした、少しはできると思い私の剣技を見せているのだが買いかぶりすぎたか?」
「ぐぅ」
ついにツナはかすり傷を付けられた。
それを好きと見たのか、セイバーはツナを貫こうと鋭い突きを放つ。
「今のはよく止めたな。」
ツナは両手で剣を受け止めた。
セイバーが押し込もうと引き戻そうともしても剣はピクリしか動かせなかった。
ツナは、剣を自分の元に引き込むように力を入れ、セイバーを3回転に回して投げ飛ばした。
空中に浮かんだセイバーに好機と見たツナはそのまま飛んで攻める。
「ふん、宙を飛べたとして、私がこの程度で崩れはせん。」
セイバーの不敵な言葉‥それは真実だろう、ツナもそれぐらい分かった。
彼女にこの程度で状況を崩せられるわけが無いぐらいわかる。
だけどこれならば...ツナは剣の間合いに入る前に炎のシールドで彼女の視界を覆う。
「何!?」
そしてその隙ツナはまた背後に回る。
しかしそれが愚行だったセイバーにはそれが読めていた。
「貴様の高速移動は中々のものだ、私じゃなければそれで崩せただろう。だがなお前が相手にしている私に1度封じられたパターンが通じると...思うな!!」
空中のバランスがとても綺麗に取れている為に見事な空中回転で空気を切り裂く。
「何?」
だがツナもそれだけで終わるツナではなかった。空中戦はツナの方に一日の長があった。
そこまで読まれることはツナも理解していた。
だからこそそこで止まらずツナは下方へ回り込んで顎から蹴り上げた。
更に、足をまた掴んで更に上空に飛ばしあげて、彼女の腹を3発蹴り込む
「ぐぅぅ」
「終わりだ!」
ツナは腕に拘束をかけて関節を決める。高速を外されないように力を込め、重力に任せて地面に激突させた。
ツナは飛び上がりセイバーから離れた。
「いいな、サーヴァントでも魔術師風情でもない貴様にまさかこれ程のダメージを受けるとはよかろう貴様を認め我が剣の錆としてくれよう。」
だがセイバーはなに食わない顔で立ち上がる。全くダメージとして効いていなかった。
それどころか今まで本気を出してすらいなかった。
(何だ‥?これは‥‥?)
セイバーの周りから黒くおぞましい気配が漂う。剣もまた今まで以上に黒く染まり異様な光が剣から放たれていた。
ツナはこんなものを今まで見たことの無い。純黒に染まった異様な剣にいい気配なんてするはずもなく、そのまま放たれた。
「
「ぐ...ぐわわぁぁぁぁぁぁ!」
純黒に飲み込まれ、それは巨大な柱が立つぐらいの魔力が込められていた。
ツナが食らったこの技はサーヴァントが持つ奥義と言っても過言ではない宝具と呼ばれるもの。宝具とはサーヴァントが生前に行った偉業や伝承からなったモノ‥‥
ツナもまたこのエクスカリバーという名を聞いたことがあった。これが伝説の剣、今まで食らったどの攻撃よりも凄まじかった。
「ちょっと、あの子やられてんじゃないのよ!?」
リボーン達は宝具の光が見えて急いでこちらに駆けつけたが宝具を放たれたあと既に遅かった。
オルガマリーの大声に折角後から回り込みツナに気を取られて気づかれなかったかもしれないのにこれで完全に目指された。
「小娘、その盾...そこの名も無き娘、私が相手をしよう。」
「くっ!?」
藤丸はマシュが指名されたことに顔を歪めたが、マシュは覚悟を決めたようだ。
「マシュ・キリエライト行きます!」
「ねぇ、アンタ戦いなさいよ!」
マシュとセイバーの戦い正直に言うと勝ち目が見えなかった。そんな様子を見かねたオルガマリーはリボーンに共闘させる事を強要させるが藤丸はそれに反対する。
「所長...いくら何でも赤ん坊にそんな事無茶が過ぎます。」
「アンタは...馬鹿なのねやっぱり。コイツが普通の赤ん坊なわけないでしょ。」
「確かに凄く不思議な感じはしますけど...でもやっぱりこんな子に戦いを無理やりさせるなんて...酷すぎると思います。」
「言っただろ俺は掟で戦えない。そういうお前はどうなんだ?お前も魔術師の家系なんだろ。」
リボーンの言ってる事は当たっている。
オルガマリーの性アニムスフィアの家柄も魔術に関する家系である。
でもだからこそリボーンやツナよりもサーヴァントを強く見すぎている為に自分からでにくく、自分よりも強そうな人に頼ってしまう。
「まぁ、考えている事はわかるけどな。ビビるか強がるか俺にはどっちでもいいことだ。ただそれならそこの奴のようにあいつを信じてやれ。呑気かもしれねぇが、覚悟を決めきれていないよりはましだ。」
「...」
「なら、落ち着いている君は何を信じるの?」
藤丸は純粋な目でリボーンを捉え質問した。
「...人間生きていたら何かしら修羅場は来るもんだ。俺は俺の生徒に教えるのはそんな時が来たら畏まって冷静なふりをして逃げ道を探させる事じゃない。俺が教えるのはどんな場面でも死ぬ気なら乗り越えられるっつう事を教える。あいつはダメダメだが、それでも俺の教えを叩き込んだあいつは何かしてくれる。」
痛い、激痛が全身を今も走っている。
俺はこのまま...死ぬのか...心臓の音も弱ってきている。大地の振動が背中を通して自分も感じられる。
震えている強すぎる力がここに集中し過ぎて耐えられていないんだ。
大地の震え、大地の鼓動、大地の熱となってツナに感じさせているのはここに眠る霊脈だけじゃない、暴走しかかっている大聖杯の魔力だった。
ツナには魔力素質はない、魔術回路なんてものもない。でも今ツナが一番大聖杯というものを感じられていた。
熱が冷えきっていた体の熱を温め心臓を止まらせず、ツナの気力を絞り出させる。
(あの子は...マシュと言ったか.....今はあの子が戦っているのか...?...!?あの子震えているんだ。戦うの...俺と同じで怖いんだ...それはそうか...こんなに痛くて辛いものになれる訳ないんだ。今あの子の隣に立って彼女を助けられるのは.......俺だけだ!!)
セイバーの剣に防戦一方のマシュ、苦渋に満ちた表情で今の現状をどうにかしたいと思っているのだが好機が訪れない。
「くっ...しまった‥‥」
マシュの守りが切り崩されてしまった。
セイバーはそれが好きと見て縦をはじき飛ばして懐に入り込んだ。
セイバーの無視さ表情な瞳に、マシュは目を瞑り死を感じた。
「終わりだ!グッ」
「え」
だがその剣は届くことはなかった。
振り上げる前にガラ空きだった横側を蹴り飛ばした者がいたのだ。
「あの」
「大丈夫か?済まなかったな、後は俺がやる。」
マシュの前に立ち拳を構える少年にマシュは命を救われた。
「俺があいつを倒す、だから貴女が後で彼らを守ってやってくれ、まだ簡単にしか名前を聞いてなかったな。えっと...マシュでよかったか?」
「はい、マシュ・キリエライトです。」
「俺は沢田綱吉だ。宜しくな」
柔らかに微笑む彼からは暖かさしか感じられなかった。今まであってきた人物の中でも、そして藤丸立香とも違う心が和らぐ笑顔に私はこんな状況なのに何故かほっとしていた。
「いくぞ、セイバー、次はお前を倒させてもらう。」
「ふん、我が剣をまともにくらい立ち上がるとは...もう一度私の前に倒れさせてやろう。」
「あの子...満身創痍じゃない。さっきの光宝具を1度受けたんでしょ!」
「もう、戦える状態じゃないんじゃ...」
オルガマリーも藤丸も2人ともツナの現状を見たらもう戦えないと言った。
それはそうだ、アーチャーに手傷を負わされて、セイバーに宝具を食らった。
ここまでのダメージ量...正直サーヴァントだって立ち上がる事はできそうにないのに生身のしかもまだ子供の彼が立ち上がるなんて奇跡でも起きたんじゃないかと魔術側の人間は思った。
それは当然だ、魔術側にしてみたら宝具の強さは嫌という程知っているし、藤丸だってサーヴァントの戦いぶりを見たことがあるんだ。
だからこそ信じられなかった上にまだやると言っている。
「...いいや、あの目のあいつは手強いぞ。」
だけどそれはリボーンも同じだ。
サーヴァントの戦いはアーチャーしか見ていないが、ツナの戦いぶりは誰よりも見て誰よりも彼の成長ぶりと、強敵を覆す奇跡を見たんだ。
それがある限りリボーンはそれを根拠として、ツナを信じ続けるだろう。
「再び、この剣を見よ!卑王鉄槌...
再度見るとさっきよりも、何故か体が動く。
天に突き立てる純黒の柱が見えた瞬間ツナは柱の元に行く。
「ほう、発動前に防ごうと無駄な努力だ。私が剣を抜いた以上これは大地をも引き裂く。」
炎を噴射して、一気にスピードをあげ加速する。
「「うおぉぉぉぉぉぉ!!」」
だがそれでも遅かったツナはセイバーに届かずにセイバーの宝具が振り下ろされた。
それでもツナの目は死を覚悟しなかった、振り下ろされ自分の額に届くその瞬間...それを狙っていた。
「届いた!」
「何!?」
ツナは収束された魔力を纏っているエクスカリバーを掴んだ。
真剣白刃取りという奴だ。
「俺が食らった部分はエネルギーの塊みたいなものだった、だからこそ掴むことができなかった。でもこれはこんな派手な技であっても柄もあって刃もある...ならそこを掴めばいいだけだ。」
何て事を言っているがこんなものは無謀もいい所、爆発し始めた爆弾に飛び込んで意味の無い解体をしようとするようなものだ。
「何考えてんのよ!?1度宝具食らって混乱してんじゃないでしょうね。ヤケになってどうにかなる場面じゃないわよ!!」
「...あいつあれをやる気だな。」
「あれ?...何何か秘策でもあるの?」
「秘策って程じゃねぇが勝てるチャンスは十分に生んでくれる大きな賭けだ。」
「賭けって、サーヴァント相手にそんな事を‥‥?」
「ゴチャゴチャ言うな...どの道このままやるより確実に好機を掴める筈だ。」
リボーンは賭けと言うが確信はあった。
ツナなら好機を掴み、そして勝利を掴む事を‥‥
感想などお待ちしております。