FGO×REBORN 〜人類最後の希望達の物語〜 作:ただの名のないジャンプファン
大空INオルレアン
のどかな木々風に揺れて右往左往と揺れる草木にツナ達は足を置く。
心地の良い快晴だ、太陽の光を遮る雲は殆どなく太陽の恩恵が直に感じられる。高層ビルや建物そんなものは一切なく、本当に自然のみで形成されていた。
ここは日本ではない、ここは時代も場所もツナが生きていた所より遠い、遠い過去、遠い地2000年代の人は誰も踏みしめたことの無い地面に不思議な気分で立っている。
「これが...レイシフト.....本当に過去に来たのか俺は」
沢田綱吉と藤丸立香、そして彼のサーヴァントであるマシュ・キリエライトは周りを見渡した。ここにいる3人は景色を見渡した。
ここまで緑の地平線が広がっている景色はツナも藤丸も見慣れないために、彼らは体感した。目で緑を見て風の匂いを感じ肌で照らしつける太陽を感じている。
コンクリ舗装なんてのもされていないので、ツナは靴から感じられる小石の感触をちょっとした好奇心で転がしていた。
藤丸も実感が湧いていないのだろう。ツナと同じでちょっとした好奇心とドラマやアニメだけだと思っていたタイムスリップを体験したという事に未知に対するワクワクとした好奇心とそれと対の不安感でいっぱいなのだ。
「はい、レイシフトは成功しました。ここは紛れもなく歴史のターニングポイントとなったフランスです。」
そんな中マシュだけは冷静で落ち着いていた。マシュはずっとカルデアにいて元々どんな作戦かも前社長のオルガマリーに聞いておりその為の準備をしていた。
だから彼女がこの3人の中で1番落ち着いている。
「心配しなくても、1431年のフランスで間違いないよ。」
「うわぁ!?」
「驚いたかい?魔術を併用しての空間通信さ。」
何も無い空間に突如Dr.ロマンの顔が映っている映像が映った。色は少しあせているが、音は十分に聞こえてくる。
科学でも至っていない技術の領域だ。
画面で可能の通信なんて映画やSF風のCMでしか見た事がなかった。
SF世界のような技術には藤丸も男の子なので驚くと同時にするのと同時に少し目を煌めかせた。
だがツナはそれよりもマシュの盾に何やらゆらゆらしている影が見えており、何これとその影の様子を伺っていた。
「フォウ!」
「ひぃ!」
「「どうした!(綱吉君)」」
「な、何ですかあの生き物」
狐のような生き物にも見えるが、毛は雪の様に白くもふもふしている、触り心地は最高だろう。手で簡単に持ち上げられるくらい小さく、人の肩に簡単に乗せられそうなくらい小さかった。
そんなに怖がるのかは不明だ。この小動物はどちらかというと可愛い部類に入ると思う。
「あ、フォウさん私の盾の裏に入ってついてきたのですか?」
「フォウ...さん」
「あ、君にはまだ紹介していなかったね。この動物はカルデアに住んでるんだけど僕達もなんの生き物かわからないんだ。」
「にしても、驚きすぎじゃない?そこまで驚くもんか。」
「ツナはチワワも怖いからな。見たことの無い生き物を目にしたらそりゃ驚くさ。」
ロマニに変わって、次はリボーンが話した。
ツナの意外な弱点に藤丸もまた微妙な顔になった。
「ちょ、リボーン!言うなよそんな事!?」
「チワワって...俺でもチワワには怖がらないぞ。」
さすがに小学生の怖がらないだろうと藤丸は思った。
だが目の前に丸くなって耳まで塞いでるツナは、可愛らしい小動物に見えてつい頭を撫でてやりたくなる。
だけどぼのぼのとした空気も長くは続かない。
「皆さん!来てください!!」
突如マシュが大きな声で呼びかけてきたので二人ともすぐにマシュの元に行き、何を見たのか状況を確認した。
そうしたら三人は揃って息を呑んで言葉につまる。
「「!?」」
「何だこれ...」
空にでかく浮かんでいる光の輪、怪しく奇怪な光景はある意味ミステリアスな魅力のある光景と思うものもいるかもしれない。だが彼らには恐怖を与えた。この奇怪な現象は今後の厄災の前触れのようで、見ているだけで背筋がゾクゾクしてきた。
「ドクター...14年代にこのような事があったという歴史は...」
「いいや、こんな事があったって言うのは聞いたことが無い。」
「あれは?」
光の輪から視線を落とし、ツナが目を細めて遠くを見ていたら一瞬だけ変なシルエットが目に入り疑問を口にした。
「どうしたんだツナ?何か見つけたのか?」
「空にトカゲ...?みたいなのが」
空にトカゲとは、非現実すぎてツナ自身も信じられなくてあまり自信が無い。そもそも遠すぎて見間違いの可能性が大きい。
「空にトカゲですか?」
「ん、いや気のせいかも」
確かにツナが示した方向に何か飛んでると思える物がマシュにも見える。
しかしとかげか?と聞かれれば首を傾げ出しまう。
そこまではっきりと見えない。
「皆あれを見てみろ、町が燃えている。」
藤丸がマシュやツナとは少し離れて違うところを見ていて、黒い煙がたっていたのを見つけて元を探すべく辿っていたら町が燃やされていた。
ここからじゃ町ひとつが火に飲み込まれててしまってるくらいしかみえないが、もしあそこが人のたくさんいる町ならその被害を思い浮かべるだけで、ツナはゾッとし、マシュはした唇を強く噛み、藤丸は苦虫を噛み潰したような顔をした。
「近くにまだ被害のうけてない町があります。そこで情報を集めましょう。」
この冷静さはツナも藤丸もまだまだ未熟で、マシュは冷静な判断はとても助かった。
「俺もそれに賛成だぞ。ツナ、藤丸ここは俺達の知っているフランスじゃない、何がどうなっているが聞くのが最前だ。」
1431年のフランス、ここが最初の特異点である。フランスは後の歴史に、いや世界に大きく影響を与えている。そんなフランスが現代に至るまでの大きな変化はこの時代に起きた戦争「百年戦争」にある。
百年戦争、イギリスとフランスんが起こした大きな戦争。ここでもしイギリス側に負けてフランスがイギリスの植民地になっていたら今のフランスは存在しない。世界経済の中心でで色んな文化を生み出した。そんなフランスだからこそ特異点となったのだろう。
ツナたちはヴォークルールという町で聞き込みを行っている。
だが、ツナも藤丸もこの時代の事は何も知らない。その為に、この時代の歴史に一番詳しいマシュを中心に情報の整理を行った。
そうしたら、ある怪現象が起きていたことがわかった。
「ジャンヌ・ダルクが蘇った。」
「リボーン、ジャンヌ・ダルクって?」
「フランスを救った聖女と呼ばれているぞ。お前はまだ授業でやってないから予習には丁度いいな。ジャンヌ・ダルクってのは嘘か本当かは知らないが神のお告げを聞いた女性で神のお告げ通りにフランスを救ったという。たがジャンヌは救った国から見捨てられ火刑に処されて死んだはずだ。お前達が今いる少し前にな。」
世界でも1番有名な聖女として名を残しているジャンヌ・ダルク。ただツナ達がいる今の時代は既にジャンヌは火刑に処された後のフランスでジャンヌは既に死んでいるとリボーンは教えてくれた。
「普通、死人は生き返らない。何かが起きてジャンヌ・ダルクが生き残った多分そこが歴史の歪みかも知れないな」
「しかも、どうやらそのジャンヌさんが竜を操っている。」
「竜?そいつは悪い情報だ。」
「あれ、ダ・ウィンチちゃん?そういやドクターは?」
「ロマニなら少し席をはずしている。大丈夫さ私とリボーンがいるし。カルデア職員一同トップの分までやってやるぞの意気込みでいるから大丈夫さ」
「そうだぞ、それよりも竜か...そいつは確かな情報か?」
「なぁ、リボーン竜ってゲームとかによくでるあの?」
「だろうな、でもそんなことがあるのか?竜は空想上の産物だろ」
「そうというなら、神話の英雄や伝説により生まれた英雄たちの存在も否定してると同じさ。でもその時代のフランスにはいないはず、なら何でこの時代にいるか、それはジャンヌ本人が竜を召喚したんだろうね。」
「召喚って、そんなことは可能なのですか?」
「想像の域はでないが、英霊召喚ににた術式だと思う。」
「なら、聖杯は」
そんなことが普通の人にできるはずがない。
例え聖人と呼ばれる人でも、まず不可能だ。だが聖杯があれば可能だ。元々馬鹿げた英霊召喚を可能とさせる聖杯の式を少しいじれば可能。その可能性に気が付いたマシュはいち早く声を上げた。
「本人が持っている可能性が大きいね。」
様々な考えが彼らの頭に浮かんでくるが、最悪こそあるがまだましというものは仮定は浮かんでこない。当然だ、最悪な情報ばかり集まりそれを元に作られた仮定ばかりだ。
ただよかった情報が一つだけあった。先程見た燃えている町「ドンレミ村」の住人は避難をおえて助かったらしい。
この情報に三人とも胸のつっかえがとれ撫で下ろす。
「よかった、さっきの村の人達は避難していたんだ」
「そうだね、でも油断はできない。ここも安全って訳じゃないんだから」
「やはり、解決するにはこの特異点を作り出している原因を見つけ出さないといけません」
「よし、一旦情報の整理をしよう。ここで聞けた情報は2つ」
「ジャンヌ・ダルクと普通はいないはずの竜」
「竜を召喚している原因は聖杯かも...ですよね」
「そう言えばツナがここに来る前に見た空のトカゲってもしかして」
「そういえば言ってましたね。どうなんですか?」
ツナは頭の中の記憶で先程の光景を思い出してみる。
正直に言えば、あの時見えたのはトカゲみたいに見えたけど殆ど黒い点みたいに見えていたような。
「え?う〜ん遠かったからどうなんだろ、それよりその...聖杯って言うのはジャンヌ・ダルクが持ってるのかな?」
「それが一番可能性が高いかと」
ツナとマシュそして藤丸達は情報を整理して情報から推測を立てる。
「そこまで決めつけるのは早いぞ」
「え、でもこれが一番自然な考えだと思うだけど」
「まだ、情報が少ない。俺はまだもう少しあると思うぞ」
「もう少しって」
「それはまだわかんねぇが、確信して視野を狭めるより何かあるかもって視野を広めておく方がいい」
「わかりまし」
「ドラゴンだぁぁぁぁぁ!!」
荒々しく上がった恐怖の声は周りにいた住人達にも恐怖を伝染させていく。それは空中を覆ういくつもの翼が目に入ったからだ。個体差はあれど人よりは大きく石にも食い込む鋭い爪や牙、竜たちの猛々しい方向が轟と人々は膝を地面につけて、耳を塞ぎ体を震わす。
その声に三人とも膝が曲がり少し少し足が下がっていく。
だけど、三人はわかる。今竜と戦えるのは自分達だけだ。それがわかった藤丸はマシュに指示を送りマシュはそれをくみ取って走り出した。
だが、それは
「よし、ここでの情報収集は切り上げ、みんな今すぐそこから離れることにしよう」
やるべき事ではない。おうべきリスクではない。
「え」
「それは、ここの人たちを見殺しにするということですか!」
「そうだ、今この時代において死んではいけないのは君たち三人だけ、他の人たちは人理修復と同時に生き返ることができる。ここで死んでしまっては人理修復はおろか、綱吉君のお友達も救うことができないよ。今一度考えるんだ君たちの判断には人類の全てがかかっている。」
その言葉の重さに勇みがかった二人の足はとまる。
ダ・ヴィンチの言っていることは正しい。そしてツナ達は改めて確認した。自分達が背負っている大きすぎる物を、自分達手には人類のこれからが乗っかっている。取り返しの出来ないことをしてしまえばそれは全て乗っかっているものに帰ってくるのだ。
これはゲームではない。コンテニューなんて無い、やり直す事なんてできるはずもない。
1を捨てて多くを救う。
ツナも拳が震えた。その手に持つXグローブと死ぬ気丸をツナはどうすればいいか迷う。
正しい答えは分かっている。それが正解なのは頭では理解出来てるんだ。
個人の感情にまかせてここで命をかけて戦うか、生き返ると思い仕方がないと高を括りここから離脱するか。
「きゃぁぁぁぁぁ」
悲鳴がする方向を見たら、そこには小さい子抱えた女性が竜に牙を向けられていた。
あの二人は親子なのだろう。あの二人と自分の守護者たちどちらの方が大事かなんてそんなものは比べるまでもない。
「好きにしやがれ、ツナお前の力は後悔をしないための力だ。お前が本当にしたい事叶える力なんだ」
そんなの比べること自体間違いだ。
彼女たちが死を覚悟したその時、彼は既に竜の口を押さえていた。
「逃げろ、そして生きのびるんだ」
「ああ、ありがとうございます、ありがとうございます」
彼女は礼を言いながら子供抱えてすぐにその場を離れていった。
それを横目で確認したツナは竜を思いっきり地面に叩きつけた。それからすぐにツナは飛び立って竜の群れのド真ん中に身を置いた。
死ぬ気状態に入ったツナは、先程までのツナから一転して凛々しくそこにいる。
「正気かい!?君は、君が死んだら」
「わかっている。でも、そんなの俺には比べられない。だけど俺は皆を助けるために貴方たちに協力するって言った。だから俺は皆を助けてまた再会するって決めたのに誰かを見捨てて、仕方ないって切捨ててしまったら皆に合わせる顔がない!!」
次々と襲ってくる竜たちをかわしていき、隙ができた個体を見つけたツナは、空いた背中に向かって勢いをつけた蹴りを入れた。
だが、思った程のダメージは入っていないだろう。
(思ったよりも硬い。)
「沢田さん!」
「マシュ。」
「今度は私も戦えます!」
「マシュは地上に降りてきた敵を頼む!思ってる以上に皮膚は硬いから半端な力で攻撃するとこっちがダメージを受けてしまう」
ツナの言葉にマシュは頷き地上に降りてきて人を襲おうとするワイバーンを片っ端から盾で殴り飛ばす。
「綱吉の指示通りに、俺は住人の避難を手伝う」
「助かる。...藤丸済まない、君だけは遠くに避難させてから戦えば...」
「...いや、良かったよ。むしろ見捨てた瞬間思いっきり顔を叩いてやろうと思っていた所だ」
「!?、沢田さん!!」
「う!?」
竜の放つ火球が自分に向かっているのに気が付かずに慌ててXグローブで受け止めた。
「これぐらい...うぉぉ」
それをツナは利用した。あの硬い皮膚は自分ではあまりダメージを与えることが出来ない。ならば、この攻撃をあいつらにぶつければいい。これならばそれなりのダメージになってくれるだろう。
ツナはできだけ勢いを殺して、人の密集の少ない所の竜の群れの中心にぶつけた。
その様子を画面で見ていたカルデア、そして現在指揮をとっているダ・ヴィンチちゃんはため息を漏らした。
「全く、人がいいにも程がある。君もだよリボーン君。」
「別にいいじゃねぇか、あいつらにはできるだけ戦闘経験を積ませたいところだし、じっとしてるよりは戦況が動くってもんだ」
「まぁ、確かに。一理はあるけど...仕方ないな、皆周囲を警戒、何かあったら...」
「もう、既にやっています。」
「お、全くみんな人が良すぎるよ。」
「数が減らない。」
倒しても倒しても次々と湧いてくるワイバーン、まともに相手をしていたらこちらのスタミナが先に尽きてしまう。
「これは罰だぁ!俺達が見捨てたせいで、彼女は竜の魔女となって俺達を!この国を根絶やしにするつもりだ。」
叫んでいるのは兵士のようだ。
あまりの状況に乱心をしているようにしか見えない。
狂ったような目つきでで高々に叫んでいる。
「何ですかあれは?」
「わからないフランス軍の兵士にみえるけど」
藤丸の思った通り彼はフランス軍の兵士だ。
武器を持たず、避難誘導にも手を貸さずに辺りを混乱させるような行動をとってる。
だがこういう輩はこのフランスには珍しくない。
ジャンヌ・ダルクを審判したピエール・コーション司祭が死んでからワイバーン達の蹂躙は勢いづき、たくさんの死亡者が出た。
だからそれを少しでも抑えようとした兵士達はワイバーン達の力を知り、恐怖に飲み込まれてしまった。
そういう輩が戦場から逃げて色んな町で騒ぎ出してるのだ。
そんな彼に近づく女性がいた。
とても悲しそうに今にでも泣きそうな瞳で兵士を睨んでいた。
「そこの兵士さん。」
それからすぐにその人は、兵士の顔を思いっきり引っぱたく。
乾いた音ともにその瞬間空気が止まった。戦っているツナでさえ一瞬そちらに気を取られてしまったぐらいだ。
「ん?彼女は」
その状況を見ていたカルデアにいるリボーンとダ・ヴィンチ達は彼女が誰かというのに一人該当する人物が頭に浮かぶ。
「あの子は決してこんなことをする人間ではないわ!!」
その人はジャンヌ・ダルクの為に怒ったのだろう。なぜ怒ったのかはわからないけど、まるでジャンヌ・ダルク知っているような言い分で不思議だった。
だが、兵士にとってはそれが何であれ彼女が誰かなんてどうでもいいこと、叩かれたことに腹を立てて頭に血が上っていた。
その為に、周りの状況がわからなくなったのだろう。
「二人とも上だァァァァァァァ!!」
だからこそ戦う片手間でツナが叫んで二人の危機を知らせた。ワイバーンがそちらに向かっている。今すぐ逃げろと。
だが、間に合わなかった。兵士は竜に食い殺されてしまった。
その為に近くにいた女性も飛んできた血飛沫に心が乱れてしまった。動かなければ殺されてしまうのに、腰から下に力が入らずに動けなくなってしまう。
「くそぉ!!」
ツナはフルスピードで降下するが、正直間に合わない。それと同時に、藤丸もまたその人を助けようと走り出した。
(間に合わな...!?)
ツナも藤丸も間に合わない...助けられないと思った時に第三者が介入してきた。
しかも、その人はツナですら手こずっていた硬さに対して簡単に皮膚を貫き体が飛び散った。
ツナは焦って炎の向きを変えてスピードを落として地に足をつけた。
「お前は...」
改めてその人を見た。
上からマントをかぶっていてよく分からないが身長や体つきからツナはこの人が女性であること思った。
彼女はそんな視線をいにも返さずに彼女から声をかけてきた。
「こちらは大丈夫です。貴方は上の敵を下にたたき落としてください。私がやります。」
「...。」
それからは簡単に戦闘は終わった。
したに落とせば下のマントの人が一撃で屠った。
マシュも手伝ってくれたために被害は軽減され住民達はラ・シェリテに避難してもらった。
戦いが終わって自分たちは、マントの人に連れられてだいぶ人里から離れた所に連れてこられた。
「さて、見ず知らずの私に着いてきてもらってありがとうございます。ここまで来れば大丈夫でしょう。」
周りを見渡してそう言った、もしかしたら人気の無さを確認したのかもしれない。
それから隠していた顔を見せる。
眩しい輝きの金色の髪と、凛々しい顔つきに鋼の防具をつけている。女騎士と呼べる人だ、ツナもゲームでしか見たことがなかったが生では初めて見た。
「サーヴァント裁定者、真名はジャンヌ・ダルクと言います」
ツナ達3人はは呆気にとられた。
ジャンヌって言ったら、今フランスを襲っている原因の竜を操っている竜の魔女...
堂々と自分の招待を明かした彼女に対して、咄嗟に全員臨時戦闘態勢をとる。
そんな彼らに対して、ジャンヌ・ダルクは宥めながら落ち着かせる。
「慌てないでください。私はジャンヌ・ダルクですが、この国を襲っているジャンヌ・ダルクとは別人です。」
「別人?」
「どういう意味ですか?」
この国にはジャンヌ・ダルクというサーヴァントは二体召喚されているらしい。
一体は国を襲い、もう一体は現在目の前にいる。
何でも目の前にいるジャンヌ・ダルクはサーヴァントとしての力を失っているらしい。カルデアで観測しているが確かにジャンヌ・ダルクにしては弱々しすぎる数値だった。 なんでこんなふうになってるのか、ロマニ達の推測では、現在フランスを襲っている為に聖女としての知名度が下がっているのが原因だとか、藤丸はともかくツナの方はこの話の三分の一も理解できなかった。
「私の目的は、この国をもう一度解放して救う事です。」
裏切られてなお彼女はこの国を救うと言った。その瞳には一切の淀みもなく嘘のない真意が伝わってきた。
だから、三人とも、ジャンヌに協力をすると言う形に収まった。
そして、自分達の事情を理解してもらうために自分たちの目的を話した。
自分達はこのフランスを救い人理を救おうとしてる者だと、ジャンヌ・ダルクとこちらの目的は一致している手を組むのにそう時間はかからなかった。
それから、一旦ここでキャンプを行うことにきめて夜を超すことにきめた。
理由は、サーヴァントのマシュやジャンヌはともかく普通の人であるツナや藤丸は、睡眠や休息が必要なのでここでとった。
テントの中に眠る子供達をジャンヌは思った。
人理焼却、人類の未来を取り戻すために戦う彼ら。自分の悩みがちっぽけに感じてしまうぐらい大きなものを背負っている。
自分にはなにかしてあげられないか、彼らの重荷をどうにかしてあげたいと思う。
だけど、手に込もる自分の今の力と霞んでいるサーヴァントとしての記憶、もう少し裁定者としての力があったなら...
そんなことを考えていたらふとテントの入口がふわりと開く。
「あれ、眠らないのですか?」
「少し寝苦しくて。あの少しお話いいですかジャンヌさん。」
テントから顔を出したのはマシュだった。
マシュは不安そうに瞳を揺らぎながらお願いした。
そんなマシュをジャンヌは暖かい笑みで迎える。
「いいですよ、マシュ」
テントから出て、マシュはジャンヌと一緒に焚火を囲む。
それから少し間を置くマシュは確かに話をしたいのだがどうやって話を始めたらいいか、もじもじとしながら考える。
だがいつまで経っても話さないというのはジャンヌに失礼だろうと思い、一旦深呼吸をして緊張を解し話し始める。
「私はついこの前サーヴァントになったばかりです。だから自信がないのです。」
「自信…ですか?」
マシュはツナたちと出会ったあの冬木の事件でサーヴァントになった。
彼女はもとから、英霊の座に登録されているサーヴァントじゃない。もとはカルデアにいた普通の人間なのだ。なら何故彼女が今はサーヴァントなのかは、冬木で死にかけていた所にカルデアにいたという英霊と融合することにより生き延びてデミ・サーヴァントととなった。
でも、サーヴァントと言っても自分は、自分の事がわからない。どんなサーヴァントが自分を助けてくれたのかもマシュは知らない。だからこそサーヴァントの力を引き出すことができない中でも深刻なのは
「私は宝具の真名を解放することができないのです。」
宝具とは、そのサーヴァントの持つ伝承や偉業が形となり技に昇華したもの。
サーヴァントの切り札といえるものである。
マシュは、英霊に救われてサーヴァントになったが、それが誰なのかどこの英霊で、どんな時代を生きていたのかわからない。名も知らない英霊なのだ。
それは、本当にサーヴァントにとっては致命的だ。
ジャンヌもそのことについての悩みはわかる。力を引き出すことができないことが自信の喪失となっている。
「すみません、私がちゃんと召喚されたルーラーであるのなら何かを言ってあげられたのですが、私にはどうすることも」
「いえ気にしないでください。これはやはり私の力不足で起きた事です。私でしか解決できないものですよね。」
「マシュ、これだけは覚えておいてください。宝具とはサーヴァントにとっては本能といっても過言ではないもの、切っても切れないものなのです。例え真名が伝わっていなくても力が貴女に継承されたのならあなたの中に必ずあります。この問題は貴女の心次第の問題のはずです。」
「ジャンヌさん、ありがとうございます。」
「貴女の心意が問われるときはいずれ来ます。その時になればその盾は必ず答えてくれます。さぁ貴女も寝なさい。貴女はまだ人間の部分が残っているのら休息は必要でしょう。」
マシュは少し晴れやかな顔になって頷いた。そしてテントの中に入り眠りについた。
その顔を見て釣られてジャンヌも微笑む。
私の言葉は少しは助けになったでしょうか、そうであれば嬉しいと思う。だがそれと半面して不安もよぎる。私には自信が無い、先程の言葉も本当に私の言葉かもわからない。
そして夜が明ける。
朝日が昇り人々は一日の始まりを迎える。
だがそれは希望ではない。
日が隠れてしまいそうなぐらい大きな声で黒い翼がはためいている。
彼女は告げる、今日も始まる絶望を知らせる鐘の音のように。
「えぇ、とてもすがすがしい朝です。こういう朝にこそ絶望ははえる。」
「「!?」」
何者かの声がジャンヌの心の中に入ってくるような感覚がした。
それと同時に、ツナにも何かを感じた。背中がぞっとする変なものが体を走った。
「皆起きてくれ!!巨大な魔力反応がする。」
今日な回線とロマニの大きな声にマシュと藤丸も飛び起きた。
そして即座に魔力元に向かう。
藤丸はサーヴァントの速度に追いつくことができないので抱えてもらい、ツナは死ぬ気状態でトップスピードを出した。
「さぁ、我が使徒よ目覚めなさい。死の御旗はここに、我が旗に死を私に人々の恐怖を見せてください。震えあがる魂を主に与えましょう」
ジャンヌ達は森を抜け、平地に出た。そしてやっと見えた。魔力の元が何なのか昨日戦ったワイバーンとそしてワイバーンとは比べ物にならないぐらい大きな竜がいた。
この竜は邪竜ファブニール、かつて伝説で打たれた竜である。
「口内部に巨大な魔力反応」
「やめて、」
何をするか嫌でもわかる。
絶望が私の大事な人の元へ行こうとしている。
「ダメですジャンヌさん!」
飛び出そうとするジャンヌをマシュが慌てて止めた。だが、ジャンヌだけではない飛び出したのはもう一人いた。
「沢田さん!!」
「綱吉君やめるんだ!」
止めなければ、是が非でも止めなければ!
飛ぶことが可能なツナは竜の元にまで飛んでいく。
このままやらせてはならない。
超直感が告げた。
どうしようもない現実はすぐそこまで来ていると。
「やめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
悲痛の叫びは虚無の彼方へ、懸命な思いは報われることはなく、彼は間に合うことができなかった。
ファブニールはまるで痰を吐く様にそれは町に放った。
それは町に飛来してそしてまるで原爆の様にそのエネルギーがあたりを飲み込んだ。
町は消し飛び、そこにいた人は例外なく死に絶えただろう。
「何よ、この羽虫は」
その光景にツナの顔は青白くなり何もできなかった。
そんなツナに声をかけるものがいた。
竜の上から見下ろして本当に外注を見ているようなその瞳にツナはだんだんと怒りの沸点が上がってくる。
「お前か、お前が命令をしたのか!!」
「そうよ、私が竜の魔女ジャンヌ・ダルクです。」
命をゴミの様にあつかい、あそぶ様に殺戮を行う。
「俺は」
許しては行けない。許せるはずがない。
歯をかみ締め怒気に満ちた瞳でツナは睨む。
「お前は絶対に許さない!!」
・・・・邪竜百年戦争ここに開戦
とりあえず、書けたので載せときます。
長い間放置していた作品でしたが、暖かい感想と的確なアドバイスをありがとうございます。