After The BLEACH 作:ぬー(旧名:菊の花の様に)
あまりオリキャラ、オリ斬魄刀は出さない方向性(出さないとは言ってない)です。
感想を貰えると跳ねますし、推しを教えてもらうと出す可能性が上がります。
設定は多分矛盾しますが、なるべくないように頑張ります。
人と、死神と、虚、そして、滅却師。
昔から、これらは相入れることは無かった。
そこには、愛、憎しみ、すれ違い、間違い、様々あった。
その中心にいたのは、黒崎一護。
すべては終わった。
そう、終わってしまったのだ。
終わってしまったのだ。
しかし、彼はその先を残した。
ならば続かない道理がない。
「かーずーいー!!!」
黒崎診療所。
かつて、黒崎一護の父、黒崎一心が開業した診療所だ。
10数年変わらないその出で立ちの建物の前に、一人の女子がいた。
腰に届きそうなポニーテールに、強気そうな目付き。
年はちょうど17歳……いわゆる華のJK、くらいに見える。
そんな高校生女子の男勝りな態度と姿勢に、近所のおばさんたちは元気ねぇ、なんて言っている。
「はーい、ちょっと待っててね苺花ちゃん」
「あ、織姫さん、おはようございます!」
黒崎診療所から顔を出したのは、エプロンをつけた長く綺麗な茶髪を持った女性……黒崎織姫(くろさきおりひめ)。
織姫の姿を見るなり、その女子……阿散井苺花(あばらいいちか)は足を揃えて姿勢を正し、綺麗にお辞儀をした。
そんな畏まらないでねぇー……と言って玄関の扉の奥に消えていって数秒後、
「いってきまーす」
「行ってらっしゃい!」
黒崎診療所から出てきたのは、苺花より小さい体躯で、まだ制服に着られている感じが強い男子。
その髪の色は、オレンジがかった茶髪、その垂れ目を眠そうにこすっていた。
その間延びした言葉に、元気に返す織姫。
毎朝の事ながら、織姫の元気はどこから湧いてきているのだろうか、と苺花は考えながら、男子……黒崎一勇(くろさきかずい)に声をかける。
「おはよ」
「おはよぉ〜」
「今日はなんかあるの?」
「うーん、多分小テスト」
「あーと、境の?」
「そうそう、数学ね」
「うっわ、あの人の小テストってむずいんでしょ?」
「むずいむずい」
「いやぁ、学年違ってほんとよかったわ」
「ほい」
「何このプリント?」
「昨日いなかったでしょ?」
「ふむふむ」
「昨日苺花に宿題持ってきた人がいてさ、いなかったから渡しといて、って言ってたよ」
「あー、ありがと……って全部やってあるんだけど……」
「どうせ忙しいだろうからやっといたよ」
「これ高三のやつなんだけど……」
「あ、苺花ちゃん!」
「あ、香菜ちゃん!」
「おっと、一勇くんもおはようね」
「……香菜さん今俺の事見失わなかった?」
「そそ、そんなことないよ?!」
あくび混じりに返ってくる挨拶。
他愛もない会話。
友達との会話、挨拶。
そんな日常。
黒崎一勇、15歳、高校一年生。
阿散井苺花、17歳、高校三年生。
これは、そんな2人が中心の、物語。
(あ、見っけ)
黒崎一勇。
垂れ目で、ひょろっとしていて、少し男子としては弱そうな印象を受ける彼。
そんな彼は、その見た目通り、運動はからっきしだったが、代わりに頭がよかった。
親が二人とも地頭が良かったのかは知らないが、割と頭の回転は早く、理解が早い方であった。
そんな彼には、人とは違う特徴があった。
一勇の目線の先にいるのは、一人の女性。
スーツを着て、ハイヒールを履いて、いかにもOLと言わんばかりの格好をしている彼女は、校庭のど真ん中にいた。
普通だったらありえない光景。
だが、彼女は圧倒的に人とは違う部分がある。
それは左腕がない、という事と、死んでいる、ということだ。
一勇は生まれつき、死んだものの霊が見える。
ちなみに会話もできる……極力しないが。
(あの人……苦しんでる?)
何か嫌な予感がするなぁ、と思っていると、その霊の隣に、人影が現れた。
(あ、苺花じゃん)
それは朝にも見たばかりの、阿散井苺花であった。
しかし、朝の制服とは違い、その身に黒い装束を纏い、腰には刀を差していた。
多分普通の人が見たら、コスプレ?なんて思うだろうが、彼女がその刀を抜き、女性の霊と向き合い、その額に柄を押し付けた。
(なんとかなったか……)
その瞬間、女性の霊の真下が光り、女性の霊はゆっくりとその光に沈んでいく。
嫌な予感がしたから警戒はしていたが、杞憂だったことに、一勇は肩の力を抜いた。
阿散井苺花は、死神である。
霊をあるべきところに還す、そんな存在。
普通なら知覚できない、そんな存在である苺花は、この生者の世界で生きている。
普通ならば、そんなことはしなくてもいいのだが、苺花の両親の決定で、高校生まではこちら側で過ごすことになっている。
(あ、気づいた)
一勇がジロジロと見ていたせいもあって、女性の霊を見届けた苺花は、一勇に対して手を振っている。
一応授業中だし、と誰にもバレないように小さくてを振り返す一勇。
しばらく手を振ったあと、その場から飛び去っていった。
そんな苺花を見た一勇は、しばらく何も無い校庭を見つめ、ため息をついた。
「かずいー、勉強教えてー」
放課後、1ーAの教室。
部活に向かったり、家に帰ったり、遊びに行ったりして、誰もいない教室。
まだ日が沈まないけど、時間的には夕方という、不思議な時間。
だが、よく見ると、1人の人影がいる。
窓際の席に座り、眠そうな目を窓に向けて、オレンジがかった茶髪を触る、黒崎一勇の姿だ。
「どうしたの?」
そんな教室に来たのは、3年生の証である緑色のタイを付けた苺花。
苺花はよろよろと一勇の席に向かう。
「見て!」
「は?」
一勇の目の前まできた苺花は、後ろに隠していた紙を見せる。
その紙は、恐らく今日行われたであろう数学の小テスト。
既にそれは丸つけを終えていて、点数が記されてあった。
「100点じゃん」
「そう!100点なんだよ!」
小テストを一勇の机に叩きつける苺花に、一勇はしばらく考え、
「あ、ベリに受けさせたの?」
「…………なかなかお察しの早いことで……」
「あたしゃ別に悪いことはしてないのよさ!」
苺花の落胆の声のあとに聞こえる、甲高い声。
その声の主を一勇が探すと、苺花の頭の上にいつの間にか猫のぬいぐるみがいた。
「あぁ、ベリ、あんまり大声を出しちゃダメだよ」
「あ、あぁ、分かってるのよさ……私……」
「ベリ、別に言わなくてもいいよ、どうせ苺花が逃げたんでしょ?」
一勇がベリに注意すると、ベリは露骨にしょぼんとし始める。
それを察して一勇がフォローをすると、ベリはあたふたと慌て始め、苺花は下を向いてプルプルと震え始めた。
「え?苺花?」
「一勇なんて…………」
「苺花さん……」
「一勇なんて…………」
苺花は唐突に一勇の胸ぐらを掴んで、顔を突き合わせると、頭突きをしてから、
「大っ嫌い!!!!!!」
と言い放ち、教室を出ていった。
もう多分オリキャラは出ないです。