あなたがいるから、わたしがいるから   作:鎌寺正一@D-Alderz/神咲ハルカ

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どうも、鎌寺正一です。
お久しぶりでございます。
今話は蛇足になります。
2人がカゲロウデイズを抜けたあとの話。
そして後書きに少しだけ解説を入れようと思います。
解説らしい解説になるかわかりませんが読んでいただけると幸いです。



わーにんぐっ!
今回は完全に蛇足回です。
ブラウザバック推奨です。
それでも観るって言う方は・・・どうぞ、覚悟を決めてご覧下さい

例のごとく批判は受け付けません。
読むのは自己責任でどうぞ


全ての終わりが、願いの世界で・・・

「・・・ヒヨリ・・・帰ろう?」

 

「・・・全く・・・そういう所よ・・・バカヒビヤ・・・っ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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8月16日。

 

「・・・昨日は・・・散々だったね・・・」

 

「・・・そうね・・・」

 

2人の少年少女が、夕焼けを背に歩いていた。

 

「・・・でも、良かったよ・・・僕達・・・無事でさ・・・「いいわけ無いじゃないっ!!」・・・ヒヨリ・・・?」

 

突然大声をあげる私。

 

「・・・あなた・・・心が・・・死んじゃったじゃない・・・」

 

そう、ヒビヤの目は何色も映さない濁った黒色へと変色してしまっていた。

 

「・・・それでも・・・僕はそれでいいって思った。僕の感情が代償で君を救えたなら、それで。」

 

虚ろな目には何も映らず、それでも強い意志を感じ取ることが出来た。

 

「でも・・・目も、見えてないんでしょ・・・?」

 

目に光が映らないのは、そういう意味でもあった。

彼の目は、風景をも映さなくなっていた。

 

「ふふ・・・君の命には、変えられないからね・・・」

 

くすり、と笑うヒビヤ。

その姿が、とても儚くて・・・私には、眩しく見えた。

 

「・・・まったくもう・・・バカヒビヤ・・・」

 

気がつけば私は目の前がぐにゃりと歪んでるのに気がついた。

 

「・・・ヒヨリ?」

 

「・・・うんん、なんでもないわ」

 

それが涙によるものだと気がつくのに少し時間がかかった。

少しだけ漏れた嗚咽に気が付かなければ涙を流してたなんて気が付かなかったでしょう

 

「・・・ヒビヤ・・・ありがとう・・・」

 

「・・・どういたしまして」

 

そんな私たち二人を夕日が照らす。

水平線の向こう側、蜃気楼が見える辺りで2人のヒトカゲが仲良く手を繋いでいるように見えた。

1人は紅く、1人は蒼く。

まるで、私たち二人を写すかのように歩く2人は・・・

瞬く間に揺らぎ消えていった。

 

それが私たち・・・いや・・・

 

()()()()()()()()()()()()()

 

仲睦まじげに歩いて消えていくカゲロウたち。

消えかけた片方のカゲロウが、その時ふと振り向き・・・

 

 

笑った。

 

 

それはもう綺麗に、奇麗に。

 

「・・・ヒヨリ?」

 

「・・・なんでもないわ」

 

しばらく声を失ってその様子を見ていた私を訝しげに見ながらヒビヤが声をかけたから、私は頭を振り目を閉じでなんでもないと告げる。

再び目を開いた時には憎いくらいの眩しさを放つ夕焼けの太陽と何の変哲もないいつもの風景に戻ってた。

 

私はヒビヤに気づかれないよう前を向いて。

確りと足を踏み締めて。

今、生きていることを実感して。

 

「さぁ、帰ろう?」

 

「・・・うんっ!」

 

わたしとヒビヤは笑った。

屈託のない、綺麗な笑顔で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これもまた、ひとつの結末。

本来有り得なかった特殊な結末。

私ですら予測できなかった、幸せだけど悲しい結末(トゥルーエンド)

でもこれだと、みんなに出会わない。

だから、この結末は受け入れられない。

 

・・・それでも、夢見るくらいは、いいよね?」

 

夕焼けの時計塔。

赤いマフラーをまいた少女が、1人、夕焼けを背に涙を流す。

 

「きっと・・・恨まれちゃうな・・・」

 

閉ざされた目が開き、赤く光る。

涙は止まらない。

彼女の、心を代弁するかのごとく。

 

「・・・さ、これでこのお話は終わり。

みんなはいつかこのお話を忘れちゃう。

だから、私だけは語り継いでいくの。

 

違う世界線の、語り継がれなかったお話(エクストラストーリー)を・・・」

 

時計塔から、影が消えた。

そして、その時計塔の時計が、とある時間をもって止まる。

もう二度と、その針は動かないーーー




こんにちわ、こんばんわ。
作者の鎌寺正一です。
これにて短編「あなたがいるから、わたしがいるから」はおしまいとなります。

軽い解説。

1話
ヒヨリ視点でのカゲロウデイズ。
本来のストーリーとなるべく沿うように執筆致しました。
実は既に冒頭からカゲロウデイズに入ってしまっています。
ですが、2週目なのでまだ気がついてないという設定です。
そしてヒビヤに庇われた結果、一回目を思い出し発狂。
現実を受け入れられずにまた繰り返してしまったわけです。

そして、そのあと何回も何十回も何千回も繰り返して、ヒビヤを助けるためだけに自らの命を投げ出す覚悟を決めました。

最後の一言は彼女の本音です。
何度も救われるうちに恋心を抱いてしまったようで、原作にはない一方的な心です。


2話はヒビヤ目線。
基本的に楽曲、カゲロウデイズに寄せて作ってあります。
ここでヒビヤが身代わりになった結果、カゲロウデイズから一時的に脱出してしまったと言うのがこの話の結末。

第3話、この話ですが・・・完全に駄文です。
まず、ヒビヤが代償を払ってヒヨリを生き返らせている点。
いや、どうやったらそんなの出来るんだよ・・・
本来の世界線ならば、コノハに取り付いていた冴える蛇にコノハが願ったからヒヨリが生き返ったのですが・・・

ヒビヤが払った代償は2つ。
ひとつは視力の永遠剥奪。
もうひとつが笑う以外の感情全ての剥奪。

これらを用いてカゲロウデイズそのものに願いをかけて全ての蛇から願いを叶えてもらった、という強烈なこじつけ設定。

絶対起こるはずがないものですが、例えばこんな設定でもいいんじゃないか、そんな世界線もあるんじゃないかという私の妄想が筆を動かせました。

そして最後にサラッと登場、アヤノ。
彼女はこの世界観では神の存在に等しく、ほぼ全知存在であると言える存在になってます。
だからこの世界、というセリフが言えるしストーリー、という言葉も使えます。

最後にこの世界の時計塔が止まりました。
世界の針が止まる、それはつまり世界の時が止まることと同義。
・・・ここまで言えばヒビヤとヒヨリがどうなったか、分かりますよね?
・・・わからないです?やっぱヒントが少なすぎました?

ヒビヤとヒヨリの世界は永遠に凍結、二度と時を刻むことは無いのです。
ヒビヤとヒヨリはもう二度と動けない、考えることも出来ない。
世界の針が止まる、とはそういう事なのです。

と、ここまでが全容となります。
3話はほんとに蛇足なので正直書かなくてよかったかなと思ってますが、もし気に入ってくださればうれしいです。
文字数が全体的に少ないのがなぁ・・・
まぁその辺はおいおい頑張っていきます。
それでは皆様、また逢う日まで!

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