live in bloody AmazonZ   作:サードニクス

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ご注意!!この作品最後の審判から盛大なネタバレあります。


But he was dead

ブーブー!

 

アラームが鳴る。

 

ブーブー!

 

警報が響く。

 

「はあ・・・はあ・・・」

 

赤い光を受けながら逃げる少年。腕にかかった鎖で動きづらそうに走っていた。

 

「逃げなきゃ・・・死にたくない・・・!」

 

目の前で殺された他のアマゾンたちを見て、自ら死を選んだはずの彼はなぜか生存欲求に駆られた。

 

いじめに耐えかねて自殺を選んだ少年にアマゾン細胞を植えたもの。それが彼、蓮原光だ。

 

「見つけた!」

 

そんな中、曲がり角から真が現れる。諦めて死を覚悟した彼の腕を引っ張って走り出した。

 

「ほら何やってるんだ。逃げるよ。ボクに付いてきて!」

 

どうやら自身を逃すつもりだと光は気づき、素直に付いて行った。

 

「お姉さんはなんで・・・」

 

「富田真。もう結構なおばさんだよ」

 

「・・・真さんはなんで僕を逃して・・・」

 

「それで問題ないとボクが判断したからだよ。いいから逃げるって」

 

警備員を蹴倒し、二階の窓ををこじ開けて外へ。道を通った野座間のトラックの荷台の上に飛び降りた。

 

「よし!サンキュー山さん!」

 

運転手はどうやら真に知り合いらしい。運転したまま左手でサムズアップを見せた。

 

「ちょうどいいとこで降りるよ。これは機械系の廃棄物輸送トラックだから・・・一緒にスクラップになっちゃう」

 

「ありがとうございます・・・!」

 

「追っ手は来ない・・・よし。君は確か蓮原光。よろしくね」

 

軽く挨拶を済ませて息をついた。

 

「改めて。ボクは富田真。あそこの研究員だ。一応元人間のアマゾン。人は食べないから安心して」

 

そういうとバッグの中のベルトを見せ、優しく笑った。

 

「君も人を食べたら・・・」

 

「・・・真さんに始末される?」

 

「そう。まあボクじゃなくて水澤悠とかの可能性もあるけど・・・っていうか山さん運転下手になったね。こんなに揺れ・・・!?降りろ光!!」

 

「え!?」

 

運転席を覗き見た途端慌て出す真。光をつかんで荷台を飛び降りた。

すぐにトラックも止まり、慌てて光は中を覗き込んだ。

 

「フーッ・・・フーッ・・・」

 

アマゾンだ。すでに山さんはおらず。血と肉片とネズミのバケモノだけがそこにあった。

 

「どうやって侵入したんだか・・・」

 

「くそっ・・・食っちまった・・・どうせお前らは俺を殺すんだろおおおお!!」

 

理性のタガの外れたそいつは大声をひねり上げて突進。真へと向かう。とっさにベルトを出す・・・が、そいつの一撃で遠くへ跳ね飛ばされる。

 

「全く・・・!」

 

今度は蒸気を吹き上げてオオカミアマゾンに。ネズミアマゾンを殴りつけた。

 

だが相手のランクが高いのだろう。むしろ押されていた。

 

「強い・・・!」

 

「真さん・・・僕が・・・!」

 

今度はこちらがアマゾンに。蒸気の中から赤のクワガタアマゾンが飛び出た。

 

「うあああああ!」

 

アゴのツノで攻撃。叩きつけ、叩きつけ、挟む。

 

「この・・・」「おら!」

 

そこにオオカミアマゾンの引っ掻き。軽く傷を負ったため、トラックに乗って撤退を決めた。

 

「待て!ボクのアマゾンズドライバー・・・ったく・・・」

 

深々とため息。歩いてそれぞれ目的地へと向かった。

 

 

「ここが君の家か・・・いいのか?虐待があったんだろ?」

 

「でも・・・僕の住む場所なんてここだけですから」

 

暗い顔とともにドアを開け、自宅へと入って行った。

 

 

「えっと・・・ただいま」

 

「ひ、光!?なんでここに」

 

たまたま玄関にいた母親はその顔を見て腰を抜かす。そのまま逃げ惑うようにリビングへ入って扉を閉じた。

 

「幽霊!!おばけ!」

 

焦りのあまりか言葉になっていない。光はドアを叩いて開けてくれと頼んだ。想定外だったのはドアが壊れたこと。

 

「バケモノ!」

 

「そんな・・・お母さん達なんでしょ?僕の遺体を実験に使わせたのって」

 

「でも死んだはず・・・」

 

「それは・・・蘇らせる実験なんでしょ」

 

「私達を・・・殺す気!?やめて!!来ないで!!」

 

恐怖のせいか言葉が支離滅裂だ。焦った様子で警察に電話をかけた。

 

「そんな・・・!」

 

家にいても意味はないらしい。自分の部屋から持つものを出して家を出た。

 

「予想通りだね。可哀想に」

 

家の外には変わらず真がいた。呆れ混じりの困り顔でつぶやいた。

 

「そうそう。この辺にホームレスのコミュニティがあるんだとさ。そこに行ったらどうだい?案外、アマゾンも居たりして」

 

「そうかもしれませんね・・・」

 

真と別れ、川辺に向かうことに。たしかに結構な人数のホームレスがボロテントで生活していた。

 

「・・・新入りか?」

 

「結構若い子ですね」

 

そこにはくたびれたおっさんもいれば、中学生ほどに見える少女も居た。

 

「・・・あの、よろしく・・・お願いします・・・蓮原光です・・・」

 

「よろしくなボウズ」

 

「よろしくお願いします」

 

丁寧に。しかしオドオドと挨拶を済ませ、テントの横に座った。

 

「ごめんなさい・・・今あなたの入れるスペースがないんです」

 

赤髪と野球帽の少女は申し訳なさそうにテントを見た。

 

「いいんです。僕なんか外でも・・・」

 

「卑屈だなボウズは・・・あんたが一番綺麗ななりしてんな。よし。この金でテント買ってこい。近くにホームセンターあんだろ」

 

「ガンさん!?それ、工事現場で稼いだ・・・あなた、久々にご馳走食べるって息巻いてたじゃないっすか!」

 

「うるせえな。このボウズの歓迎会に変更だ。俺一人でいい飯食ってられるかよ」

 

「でも・・・僕・・・」

 

「いいから買ってこいって。早くしろ!」

 

「あ、ありがとうございます・・・」

 

もらった一万円を握りしめ、ホームセンターへと走った。

 

 

「あのアマゾンどもが・・・どこかに!」

 

同刻。公道ではトラックが爆走。逃げたいのと復讐したい気持ちが混ざっていた。もっとも、ベルトがその手にある以上気が強くなっているのだ。復讐がメインだろう。

 

「ここかぁ!?」

 

そしてそのまま商店街前で止め、トラックから降りた。ちょうどその坂の下に光。光は焦った様子で逃げようとするが、転んでしまう。

 

「ハハハ・・・このベルトで・・・ガハッ!」

 

アマゾンズドライバーを持って近づくが、横からの青い影にぶっ飛ばされる。真のバイクだ。吹っ飛んだ際に離したベルトをキャッチした。

 

「よし・・・もう許さないぞ。フゥゥゥ・・・」

 

そしてベルトを装着。ゆっくりと息を吐いた。

 

 

「ウ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッッ!!!ゥ゛ア゛マ゛ゾ゛ン゛!!

 

『DELTA…』

 

白い熱波。周りの木々に白い火をつけてその姿を現した。

 

『bite and fang!fa fa fa fa fa fa fang!』

 

「はっ!」

 

バトラーグリップを抜き、手鎌へ。軽く回すと、構えてネズミアマゾンへ走った。

 

「死ねっ!」

 

そして振り下ろす。が、かわされる。逆に奪われ、追い詰められる。

 

「このっ!」

 

アームカッターで反撃、しかし折られる。苦しんでるあいだにトラックに叩きつけられる。

 

「ベルトが有っても大したことねえなあ!」

 

そして倒すように蹴り込む。トラックはそのタイヤを踏み外し、坂を落ちていく。

 

 

その下には光。このままでは。

 

アマゾンデルタはとっさにトラックの下に回り、光を突き飛ばした。

 

「あああッ!」

 

だが彼女まで出る時間はなかった。その内臓を押しつぶされる。

 

「ううっ・・・ああ・・・」

 

「真さん!・・・僕が・・・!」

 

煙を吹き上げアマゾン化。しかしトラックは持ち上がらない。

 

「ボクは助けなくていい・・・戦うんだ!」

 

「でも・・・」

 

「ボクと一緒に下敷きだって?・・・確かトラックの廃品にあるはず」

 

その言葉を受け、中を漁る。確かに黒いたれ目のドライバーが出てきた。

 

「させるか!」

 

ネズミアマゾンが駆け寄る。光は焦ってグリップを捻った。

 

『SHIGMA・・・』

 

「ううっ!」

 

しかし光に負担が入るだけ。苦しみの声をあげて彼はしゃがんでしまう。

 

「何で・・・」

 

「シグマ用の調整をされてるんだ・・・コンドラーコア・・・目のところをひっくり返して入れ換えろ!ファイだ!」

「分かりました・・・!」

 

坂を滑って接近するネズミアマゾン。焦りはいっそう強まる。

 

「こうかな・・・?」

 

つり目へ入れ換え、グリップへ手を置いた。

 

「・・・あ、ま・・・・・・ゾオオオオオオオオオン!!!

 

雄叫びで気合いを入れ、全力でグリップを捻る。

 

『FAI・・・』

 

起動。ドライバーの目が黄色く発光する。

 

「何い・・・」

 

赤の熱風。赤い火を広げ、その姿を現す。

薄紅の体と黄色の目。アマゾンシグマに似たそいつは仮面ライダーアマゾンファイ。

 

「助けます・・・!」

 

そしてゆっくりとトラックを持ち上げてどかし、アマゾンデルタを助け出した。

 

「ありがとう・・・さ、奴を倒すか」

 

腹を抑えてふらふら立つデルタ、トラックに寄っかかって鎌を持った。

 

「真さんはあまり動けないし・・・僕が戦うしかないのか・・・戦いたくはないのに・・・」

 

少し迷いながらアームカッターで斬りかかる。しかしこれは掴まれて効かない。アマゾンファイはネズミアマゾンを押しのけ、バトラーグリップを引き抜く。

 

「・・・変な形の剣だね」

 

アマゾンファイはそれを見たあと、なにかを思いついたかのように剣を分離させた。この武器はそういうもの。双剣である。

 

「うあああああああ!!!」

 

悲しみ交じりの咆哮。ネズミアマゾンへ斬りかかった。右は防がれるが、左はフリー。そのギザギザした刃で引き裂くように傷をつけた。

 

「うう・・・!」

 

その隙に連撃を叩き込み、壁へと押さえつけてその腕を振り上げる。

 

が、彼はその腕を振り下ろせない。隙を見たネズミアマゾンに頭突きを食らう。

 

「くっ・・・」

 

殺す覚悟ができていないのだ。迷った手で剣を持った。

 

「彼には無理か・・・やっぱりボクが・・・」

 

無理矢理起き上がり、近づく。しかし力を出せるわけもなく、食らった蹴りに再び坂を叩き落される。

 

「ふん・・・大したことないな」

 

そしてネズミアマゾンが坂を下りる。

 

『violent…slush』

 

・・・その背中へアマゾンファイの斬撃。怯んだネズミをメッタメタに切りつけた。

 

「ぐっ!」

 

血を吹き出しながら坂を転がり落ちる。今だとばかりにアマゾンデルタもグリップをひねった。

 

『violent…strike』

 

「死ねっ!!」

 

ネズミアマゾンへ爪を利用した回し蹴り。体を上下に分割されると、ネズミアマゾンだったそれはすぐに黒いドロドロへと変わった。

 

「終わった・・・」

 

「はあ・・・はあ・・・」

 

 

 

 

「ありがとね。わざわざボクを」

 

「別にそんな・・・ぼ、僕も助けてもらいましたから」

 

「ん、そっか・・・そうだ。君にプレゼントがある」

 

真は思う出したかのようにカバンを漁り、腕輪を取り出した。

 

「君は実験中食人欲求が見られたらしいね。これ、痛いけどつけて。食人欲を抑える薬が入ってる。五年分」

 

青いアマゾンズレジスターだ。光は怖がりながらもゆっくり腕につけた。

 

「痛い・・・!」

 

「ごめんね。こうするしかないんだ。くれぐれも人は食うなよ?」

 

少し申し訳なさそうに光を見た。

 

その様を遠くから見届けるものが。

 

「蓮原光・・・か。冨田真は人間だからなんとも言えないが・・・アイツはいつか狩らなきゃな」

 

そう言って、カバンの中のネオアマゾンズドライバーを見る。男はひとまず帰路についた。




NEXT HUNT
誰だって殺してる!何かを殺してる!

「アマ・・・ゾン!」

bursted!oh目には目を!鏡に映るmurder!お前が異形のバケモノだ!

「僕は・・・今も昔も人間だ・・・!!」

その血を流しても涙を流しても!

「ボクは対象じゃないのかい?」

bursted!ohもっと強く!無様晒しても、ひたすら生きるためだけに!

「僕は・・・あなた達を守る!」

Eat() kill() all()

『OMEGA…』

Eat() kill() all()

「アマゾン!」

Eat() kill() all()

episodes3

Cool and black


はい。こんにちは。読者参加型が増えてすごい嬉しい反面待ち遠しいサードニクスです。あ、私テスト近いんで更新一ヶ月ほど遅れます。さーせん。
しかし私ってあれですかね。アラサーのお姉さんが若々しいことしてるの好きなんですかね。ロボット物の読者参加型・・・って、言われたら多分読者の九割は何か分かるし作者さんも読んでるし・・・まあその企画に娘持ちのお母さんパイロットを送った男ですからね!!
で、次回予告はやっぱEDじゃなきゃ。って訳で生きろです。歌詞あってるかね。
ちなみにタイトルは法則性おじさんサードニクスですし無論法則性あります。元ネタと同じですね。アルファベット。

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