IS スカイブルー・ティアーズ   作:ブレイブ(オルコッ党所属)

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第86話【国際IS研究機関本部】

 

 

 

 俺こと、疾風・レーデルハイトは悩んでいた。

 

 おしゃれのこと? それについては悩んでいない。

 髪なんて1日そこらで伸びるわけない。日本人形じゃあるまいし。

 服についてはある程度目星はつけた。

 だからこれは解決。

 

 セシリアとの同居期間終了。

 それについては悩んでも仕方ない。今でも絶賛悩みの種であることは否定しないが。

 事前に期間が決められた以上延長されれば他の生徒の反感を買う。

 自惚れる訳ではないが。諸々の活躍から女子からの認知度が高くなっている。

 セシリアの怪我も完治。怪我を理由に期限を伸ばすことも出来ない。

 期間内に告白、も考えたが。俺はどうもヘタレのようだ。

 相手が一夏と違って答えがわからない段階ではそのような強行策を取ることなど出来ず。

 それとなしにアプローチしてるが、思った以上に効果はない。

 

 余談だがヘタレ一辺倒だった一夏ラバーズも最近本の少しだけ攻めの姿勢を見せ始めた。

 もしかしたらヘタレ度合いを抜かされてしまうかもしれない。ある意味由々しき事態である。

 

 とりあえずこれらはそこまで深刻な問題ではない。

 

 なら何に悩んでいるか。

 

 サイレント・ゼフィルスのパイロットについてだ。

 

 織斑先生を俺や一夏と同じぐらい若くしたような。そんな容姿。

 

 実を言うと。あの時のログは取っていた。

 見返してみたらバッチリとエムの顔が見えた。ホログラムフィルターの疑いも睨んだが、イーグルの計算ではその兆候はないとのこと。

 査問委員会には見せていない。見せれば織斑先生の世間的立場が悪くなることは間違いないから。だが秘密裏に保存している。

 

『織斑千冬に聞いてみればわかるんじゃないかしら』

 

 亡国機業(ファントム・タスク)の実働部隊、モノクローム・アバターのリーダー。スコール。

 彼女の言ったことが本当なら織斑先生はエムがどういう存在かわかっているはず。

 

 それとなしに一夏に「織斑先生以外に従姉妹とか女性の親戚がいるか?」と聞いてみたが本人は「いない」と答えた。

 なんでも、織斑家では家族、親戚関係の話題はタブー視されている。

 わかっていることは、一夏には織斑千冬以外に家族はいない。それどころか、親戚の一人もいないのだと言う。

 珍しいと思った。家族がいないのはまだわかるが、親戚が一人もいないなんて。

 

 偶然か、それとも訳ありか。あるいは、アンタッチャブルの領域に入るのか。

 

 いずれにしろ。一度聞いてみないことには話が始まらない。

 だが織斑先生も多忙の身、なかなか時間が取れない。

 

 どうしたものかな。

 

「レーデルハイトくん」

「はい?」

「返事をしてくれると嬉しいかなぁ?」

「え?」

 

 現在帰りのSHR。目の前には困ったようにこちらを覗く同世代と言われてと納得する山田先生の童顔(+大胆に開いた双丘のマザーポイント)

 

 情報収集完了。

 

「すいません先生。聞いてませんでした」

「ではもう一度言いますね。ホームルームが終わり次第織斑くん、オルコットさん、篠ノ之さん、レーデルハイトくんは。織斑先生のいる職員室に向かってください」

「わかりました。ありがとうございます山田先生」

「いえ、最近大変だったからついボーっとしちゃったんですね。次はないように」

「はい」

 

 危なかった。織斑先生がいたら出席簿(弱バージョン)を食らうところだった。

 専用機メンバーの中で出席簿をくらったことがないのは俺の密かな自慢なんだ。

 

「それでは、ホームルームを終わります。日直の相原さん、お願いします」

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

「疾風が上の空なんて、珍しいこともあるもんだなぁ」

「一夏はしょっちゅう織斑先生に叩かれてるがな」

「人のこといえたぎりか?」

「あれは一夏のせいだ」

「おかしいだろ」

「何はともあれ運が良かったですわね疾風」

「うん、マジでそう思う」

 

 今月の運使い果たしたかもしれない。

 

「なんか悩みでもあるのか?」

「相談なら乗ろう」

「気持ちは嬉しいが他人に話すのが難しい悩みなんだ。ポッシブルレベルで」

「そうか」

「相談に乗るときは嫌だと言っても話すからその時は頼むわ」

 

 話さない方向だとありがたいが。

 

「それにしても私たち四人が呼び出しってなんなんだろうな」

「やはり先の市街地戦闘でしょうか?」

「それなら箒が一緒に呼ばれてるのはおかしいだろ」

「日本代表候補生組だとしてもセシリア余るしなぁ」

 

 職員室に到着。最初こそ緊張していたが、生徒会の仕事としてここの出入りも増えてきたから慣れたものだ。

 

「失礼致します。織斑先生はいらっしゃいますでしょうか」

「ここだ」

「うわっ!!?」

 

 中にいると思ったら後ろに織斑先生が! 

 思わず驚き方がシンクロしてしまう俺たち。

 

「そんなに驚くことはないだろう」

「すいませんまさか後ろから声をかけられるとは思わなくて」

「瞬間移動?」

「トイレだ馬鹿者。ほら、さっさと入れ」

 

 織斑先生のデスクに移動。

 あービックリした。

 

「さて、今日呼んだ件についてだが。次の日曜日、お前たちには国際IS研究機関本部に出向いてもらう」

「国際IS研究機関本部!?」

 

 思わず出てしまった大きな声に職員室内全員の視線が一点集中。

 

「あ、すいません」

「研究機関って。俺がISを動かして直ぐに検査を受けに言ったところか?」

「いや、あれは支部だ。お前たちが行くところはIS研究において世界含めて中枢に位置するところだ」

 

 ていうことは。IS研究のトップ施設に行けるということか? マジで? 

 

 国際IS研究機関本部。ISの発祥国である日本に置かれた。IS国際委員会直属の最高機関。

 世界中の最先端の科学力が集結し。セキュリティもIS学園と同じか、それ以上の代物。

 防衛用ISが軍以外で3機以上置かれることを許可される唯一の場所だ。

 

 そんな難攻不落トップシークレット&トップテクノロジーの巣窟に行けるなんて。夢のようだ。

 

「レーデルハイト」

「は、はい!」

「トリップするのは良い。だが話を聞かないと困るのはお前だぞ」

「すいません」

 

 うおお、出席簿回避。

 またも運気を使ってしまったぜ。

 

「オルコット以外の三名は先日代表候補生となった、篠ノ之は暫定だがな。それを気に一度研究機関で精密検査、そしてISのデータを取る為に行く。これは国際政府からの正式な依頼である」

「わたくしは何故?」

「オルコットのブルー・ティアーズの第三世代能力の到達点である偏光制御射撃(フレキシブル)は他の第三世代に比べてISのイメージ・インターフェースの恩恵を全開で受けている。その脳波パターンは今後のIS研究において重要なファクターとなる、というのが向こうの言い分だ。お前の親会社の了承も受けているから安心しろ」

「わかりました」

 

 聞いてみるに、やはりセシリアの偏光制御射撃(フレキシブル)は他とは一線を画しているんだな。

 AICや衝撃砲、水流操作にシールドエネルギー転換。そして俺のプラズマ固定能力。どれも通常ならなし得ない技術だが、偏光制御射撃(フレキシブル)の特異性には及ばないというのがひしひしと伝わってくる。

 

「あの、織斑先生。私の紅椿はどうなのでしょうか」

「束か」

「はい。姉さんは政府に対して紅椿の調査、接触を禁ずると抗議文を出したのは耳にしています。今回の暫定代表候補生という決定でさえ姉さんの琴線に触れてしまうのではと思っていました。それなのにこんなことをしてあの姉が何かしでかさないか………」

「その心配はない」

「え?」

「束にも確認を取った。了承してくれたよ」

「え!?」

 

 箒が心底信じられないという顔をした。

 それは声に出さないまでも俺と一夏とセシリアも同じだった。

 

 篠ノ之束は今の世界を築き上げた無類の天才にして天災。

 誰にも従わず、誰にも同調せず、目に止まった人にしか心を開かない。

 そして何を考えてるのかわからない。というより常人の思考とはステージが違うから理解しようとしてる時点間違いなのかもしれない。

 

 そんな彼女が国際機関の要請にオッケーサインを出した。

 一体どんなからくりだ? 

 

「国際IS研究機関本部の所長の御厨麻美(みくりや あさみ)は知ってるな?」

「篠ノ之束が立ち上げた初期のIS開発プロジェクトのメンバーとしか」

 

 というのも。御厨麻美と呼ばれる人は篠ノ之博士以上にメディアに顔を出さない。

 故にIS開発に携わった女性としか公には知らされていないのだ。

 

「あの人は私と束の恩師なんだ。あの人が相手では束も無下には出来ないのさ」

「姉さんにそんな人が居たなんて………」

「凄い人さ。あの束でさえ頭が上がらん。私もそうだ」

「えっ!?」

 

 今度は一夏が声をあげた。

 あの世界最高のレニユリオンが頭が上がらず、世界最強のブリュンヒルデに凄い人と言わせる人。

 

 一体どんな女傑なんだ………

 

「そういうわけだ。日曜の朝9時に迎えの車が来る。制服とISスーツを着用して正面ゲート前に集合。異論はないな?」

「はい」

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

「わかっていたけどさ。落ち着けよ疾風」

「なに言ってるの。微動だにしてないだろ俺」

「いや、さっきから震えてるじゃん」

「これでも抑えてるんだが」

「ほんとかよ………」

 

 興奮から震えが止まらない。

 昨日も遠足を待ち遠しく感じる小学生宜しくなかなか寝つけなかった。

 

「だってさ。国際IS研究機関本部だぜ? 一般人はおろか政府高官でさえ厳重な許可申請が必要なんだ。胸が踊るだろ」

「分かってると思いますけど施設内では撮影禁止ですからね。破ったら国際法で裁かれますわよ」

「わかってるよ。ていうか福音の時も思ったけどそこら辺の俺に対する信頼皆無過ぎない?」

「「「疾風だから」」」

「冤罪だ!」

 

 裁判起こしてやろうかコノヤロウ。

 

 コントをしてると織斑先生と山田先生。そして会長が来た。

 

「みんなおはよー」

「おはようございます楯無さん」

「おはようございます。会長も来るんですか?」

「そうよー。といっても中には入らないけどね」

「そうなんです?」

亡国機業(ファントム・タスク)の動きが収まった保証がないからね。私は外で警備に加わるのよ」

「成る程」

 

 ただでさえ最先端技術の宝庫。

 そこに、最重要人物三人+偏光制御射撃(フレキシブル)を成功させた代表候補生。テロリストに知られれば格好の的だろう。

 

「本当は私も中に入りたかったのよ。でもね。私って色々訳アリだし?」

「ああ、ロシア国家代表」

 

 と、日本の暗部のドン。更識の長。

 

「まあ研究機関の最大の目的はわたしのBTデータね。データだけを入り口で渡す手筈になってるわ」

「そこだけは通すんですね。てか公にされてない情報を渡して良いんです?」

「研究機関が積み上げた一部データをロシアに譲渡することで交渉成立よ」

 

 うわぁなんてエグい物々交換。

 アラスカ条約で情報の随時開示を求められる現状だが。表面的な物を見せて水面下では………というのがザラなブラックワールドなIS情勢。

 第三世代技術では未だ試作中という大義名分をもとに、公的情報よりもっと進んでいる。というのが暗黙の了解となっている。

 

「迎えが来たぞ」

「あのワゴン車か。ん?」

 

 あれ? 

 俺の眼鏡込みの視力に誤りがなければレーデルハイト工業のロゴがあるのですが? 

 

 車が止まり。運転席から出てきたのは。

 

「おはよう疾風! 今日は良い天気ね!」

 

 我が母、アリア・レーデルハイト。

 爆誕。

 

「………」

「どうしたの? 目頭なんか抑えて」

「母さん。事前に連絡して?」

「さぷらぁーいず」

 

 殴りたいこの笑顔。ダブルピースするんじゃない。

 

「ていうかなんで母さんが迎え?」

「私は疾風の付き添いとして中に入るからよ」

「成る程」

「あと久しぶりに麻美ちゃんの顔見てみたいし?」

「麻美ちゃん?いま麻美ちゃんって言った?」

「うん、だって友達だもの」

「はっ!?」

 

 私、聞いてない!!

 開いた口が塞がらない俺に母さんが耳元で囁いてきた。

 

「それにレーデルハイト工業はちょくちょく研究機関本部にもの送ってるしね」

「へぇ!?」

「ふふっ、秘密よ?」

 

 ウィンクをしながら口許に指を当ててシーとする母さん。

 

 そんな我が道を行く母を前に一つ気づいたことがある。

 いつも一緒にいる秘書のグレイ兄がいない。

 

「運転席から出てきたように見えたけど」

「うん。私一人だからね」

「グレイ兄は?」

「グレイは別件で忙しいから会社に置いてきたわ。それにグレイが乗ったら定員オーバーだし」

 

 後者が本音じゃないよな? 

 

「はぁっ!」

「なに?」

「1人オーバーなら疾風の膝の上にセシリアちゃんを乗せて良い雰囲気に持ち込めたのでは? このアリア、一生の不覚!」

「織斑先生出席簿貸してください! この四十代恋愛脳の頭かち割るので」

「生憎いま持っていない」

 

 織斑先生に助け船を求めたが我関せずとそっぽを向かれた。

 泣きたい。

 

「やっぱ疾風の親すげーな」

「やめろ一夏てめぇコラ」

「大丈夫だ疾風。姉さんよりマシだ」

 

 あの奇人と一緒は流石に嫌だぞ! 

 と口に出すことをどうにか飲み込んだ。

 もしかしたら聞き耳立ててる可能性もなきにしもあらずだし。

 

「疾風も良いお友達を持てて。お母さん嬉しい」

「ああそうだな。母親がまともだったらもっと嬉しかったな」

「あら酷い」

 

 知人の前で親の奇行を見せられる俺の身にもなってくれ社長。

 セシリアのほう怖くて見れないんだけど。

 

「ねえ疾風くん」

「なんですか会長」

「あなたのお母さんと気が合いそうなのは気のせいかしらね」

 

 疾風は黙秘権を発動した。

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

 母さんが運転する搭乗満員の車の中は大変賑やかだった。

 一夏と隣に座った箒をからかう会長。それに狼狽えるというか満更でもない一夏に詰め寄る箒。

 普段それを一括の元に静まらせる織斑先生は学校外だからと特に突っ込むことはせず。助手席から窓を見て時々母さんの話し相手になっている。

 

 俺? 俺は前の席の三人をなだめながら山田先生とお喋りをした。

 セシリアのほうは、なんとなく顔を向けれず。セシリアから話しかけられるまで少し気まずかった。

 

 余談だが、途中俺は車のなかで寝てしまい。セシリアの方に寄りかかって驚いたセシリアに突き飛ばされ。

 そのまま山田先生の胸にダイブしてセシリアにシバかれかけたのは秘密な。

 

 そんなこんなで目的地に到着したのだが。

 

「デケーなぁ」

「あ、ああ」

 

 世界最大のIS研究機構というのは伊達ではない。

 山奥に設置された研究施設は途中道路から見てもその大きさが伺えた。

 地下にも施設が広がってると見ると。いやはや。

 

 過去にレーデルハイト工業の実験施設を訪れた事があるが。そんなのと比較にならない巨大さだ。

 

 そして。

 

「疾風、上に」

「ああ、ストライカーだ」

 

 アメリカの第二世代ISにして世界シェア1位のストライカー。

 さっき遠目で打鉄とラファールも見れた。シェアトップ3が揃い踏み。しかも拠点防衛用装備だ。

 更に多数の銃器を持った警備員が常駐。対空砲まで備えている。

 

 IS学園のような教育機関では見れない。殺伐とした雰囲気が漂っている。

 

「会長会長」

「なーに?」

「更識はこの中で何をやってるかってのは分かってるんですか?」

「ここは日本であって日本じゃないところだから。更識も下手に手を出せないのよね」

「IS学園と同じ法的区間外ということですか?」

 

 コクりと頷く会長。

 IS学園の運営には更識も一口噛んでいると聞く。

 つまりこの施設がIS学園より厳重だという証拠だ。

 

「お前たち。間違ってもここでISを起動するなよ。直ぐに取り押さえられる」

「初っぱなからビビらせることを言うなって織斑。鞭ばっかじゃ子供は育たんぜ?」

 

 陽気な声と共に現れたのは。

 白衣にスク水(ISスーツ?)な奇抜な格好の女性だった。

 頭に水中眼鏡をつけ、銛は………今回持っていない。没収されたのだろうか。

 

 そんな一見、ていうか完全に不審者な女性を俺はよく知っている。

 

「篝火。なんだその格好は」

「私の正装」

「はぁ………」

 

 頭を抱える織斑先生。

 分かりますその気持ち。

 

 織斑先生の脇をササッと通り抜けた篝火さんは一夏の前に立って水中眼鏡を外した。

 

「おっ、君が織斑の弟くんだね? 私は篝火ヒカルノ。倉持技研第二研究所所長さ」

「倉持技研第二って。もしかして白式の?」

「ザッツライト! って言いたいところだけど。完成までこぎつけなくて結局アイツに」

「ゴホンッ」

「おっと。すまんねこれ以上は喋れないや。とにかく開発元の所長さ。そして君の姉さんとは同級生なのさ」

「「「えっ!?」」」

 

 俺と一夏、箒が揃って声を上げた。

 織斑先生と同期というだけでも驚きだが。それってつまり。

 

「もしかして姉さんとも?」

「そうだよ」

「友達だったんですか?」

「いやいやいやないないない」

 

 篝火さんは手をブンブンふって笑った。

 

「友達というのは対等な存在のことを言うんだよ。篠ノ之にとって対等なのは君のお姉さんと、あと数人ほどかな。私は学生時代から何回も下克上しにいって返り討ちされまくった。まあ結局足元に及ばなかったさ。だから私と篠ノ之は友達じゃない、ただの同級生さ」

「そうなんですか」

 

 学生時代の篠ノ之博士かぁ。今より酷かったってのは一夏談だけど。

 それに食い下がりまくった篝火さんも篝火さんだな。

 

「まあ織斑とは友達と言えないこともなかったかな。なあ織斑」

「お前みたいな変人と友達になった覚えはない」

「あーひっど! てか変人じゃないって織斑が言う!? 織斑の武勇伝ここでぶちまけてやろうかコラ!!」

「やってみろ。その前にお前の頭かち割ってやる」

「ヘイヘイやってみろ! 今もなお下克上狙いまくって鍛えた私のステップについてこられるかぐぁぁぁ! なに今の! 縮地!? 縮地でも使ったのかお前ぇ!!」

 

 織斑先生に喧嘩を売りまくって瞬殺された篝火さん。

 てか今の織斑先生にマジで見えなかったな。元々いた場所の地面が少し凹んでる気がするけど多分気のせいよね。

 

 しばらく織斑先生のアイアンクローの洗礼を受けた篝火さん。

 解放されたあとサッと織斑先生の射程圏外に退避した。

 

「あいててて。相変わらず人間離れの馬鹿力だなお前。実はミュータントとかない?」

「どうやら公衆の面前で全裸をお望みのようだ」

「当たり前のように手刀の構え取るな! てかそれでやれちゃうのお前!? 助けて眼鏡くん!」

「ちょっ、俺ぇぇぇ!?」

 

 待ってください篝火さん! 俺を盾にしたら俺の全裸がフルオープンになるのでは!? 

 男の全裸の何処に需要があるんですか! あと何気に胸当てるの止めて! 

 

「うちの副会長を離してくれませんか倉持技研第二研究所所長さん」

「これは更識ロシア代表」

「どうも」

「「………」」

 

 ………え? なに? 

 なんなのこのピリッとした空気。

 どっちも笑み浮かべてはいるけど目が笑ってないよ? 

 なんで二人とも黙ったまま動かないの怖いよ? 

 

「はいっ!」

「っ!」

 

 膠着した空気に針を入れたのは母さんだった。

 

「双方いろいろあるだろうけどこれ以上入り口でまごつくのは駄目じゃない? さっさと入ろうじゃない」

「分かりました。すいません篝火博士」

「あー、いや。あんたはなんも悪くねえだろ」

 

 先程の陽気さとは真逆の居たたまれなさを醸しながらガシガシと頭をかく篝火さんと。特に気にしてない風を装いながら扇子で口許を隠す会長。

 二人にどんな接点があるんだろうか? 

 暗部関連でバチバチやったのかな。

 

 ビーー!! 

 

「うわっなんだ!?」

「狼狽えるな馬鹿者」

 

 ブザー音と共に分厚い正面ゲートが開いた。

 

「まさかここに来れるとはな」

「ええ」

 

 世界一と言っても過言ではないトップシークレットエリア。

 

 国際IS研究機関本部の扉が。今開いた。

 

 





 どうも作者です。
 活動報告にあるとおりですが。作品が増えました。
 エースコンバットの連載系です。

 メインは変わらずこちらですが。少し更新の感覚が開く可能性があります。
 今まで以上にギアを入れて書いていこうと思いますので。こちらを疎かにすることはないのでご安心を。

 これからも応援宜しくお願いします。
 
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