ガンダムビルドブレイカーズ Snatchaway   作:ウルトラゼロNEO

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予定を前倒しにして、この後、投稿される話と一緒に今日中にプロローグ編を終わらせえようと思います。後、G-cubeの設定は結構変えています。


始動!サイド0

 リョウコとショウゴ、そして取り巻き一名によるラプラスの盾による軍事基地の施設内を思わせるステージを舞台にバトルが始まった。

 

 《さあ、今回のG-cubeは争奪戦ですッ! 果たして、どちらのチームがキーパーツを奪取できるのか!》

「争奪戦? ずっと気になってたけど、G-cubeってそもそもなに?」

「あぁ、そっか。アラタ君はG-cubeを知らないもんね」

 

 BATTLE STARTの文字とともにバトルに意識を集中させていたが、リンコの実況を耳にしたアラタの頭上に?マークが浮かび、傍らのリリィに通信を入れて、聞いてみる。

 

「簡単に話すと、G-cubeは3対3のチームに分かれて制限時間10分の間に競うこの学園独自のバトルシステムなの。さっきモリタ君達と行った決戦型はアラタ君も知ってる相手とバトルをする一般的なものなんだけど、G-cubeは他に二つの形式があって、一つはフィールド上に第3勢力として出現するNPC機を倒し、総合的な撃破数で勝敗を決める殲滅戦と、もう一つはフィールド上に出現したデータパーツを回収装置に納品することで勝利することが出来る争奪戦ね」

 

「なるほどね。形式によってはチームとしての側面が求められるわけか」

「うん、単純に一人がバトルに強いだけで有利になるってことではないってこと」

 

 G-cubeの説明に納得しつつも、それはそれで面白そうだと笑みを浮かべる。ただのガンプラバトルよりも、バリエーションがあると言うのなら、その分。楽しめるということだ。

 そうしていると、ずっとキーパーツを探していたのだろう。イオリからの通信が入る。

 

「キーパーツを見つけたわ! 行くわよッ!」

「よし、それじゃあ行きますか」

 

 マップ上のキーパーツの反応があるポイントを送信され、すぐさま三機を行動を起こす。

 程なくしてキーパーツであるデータパーツは見つかった。丸々としたベアッガイⅢのヘッドパーツが今回のキーパーツらしい。一直線に向かっていると、やはりと言うべきか、センサーが反応する。

 

 注意を向けてみれば、そこにはショウゴとその取り巻きのガンプラだけではなく、リョウコのものだろうと思われる大柄のガンプラも確認できた。

 機体名はガンダム・パルフェノワール。Sガンダムをベースにカスタマイズされたガンプラだ。両腕にジオングのパーツを組み込んでおり、オールレンジ攻撃にも注意をせねばならないだろう。

 

「お前の実力、見せてもらおうッ!」

「あぁそう。なら、書記の人は俺が引き受ける」

 

 パルフェノワールはアラタのガンダムを狙って、接近してきた。転入してきたばかりの自分の実力を知りたいと言うのだろう。であればと望むところだと、ユイ達に通信をいれ、パルフェノワールの相手を引き受ける。

 

「ユイ先輩、他の二機は私が引き受けます!」

「でも二機を相手に……!」

「今後、チームとして動くんです! 信じてください!」

「ッ……! 分かった!」

 

 ショウゴ達の相手もイオリが引き受けてくれるようだ。そうすることでユイにキーパーツの回収を任せようというのだろう。

 しかしそれではイオリが二対一の状況になってしまうではないう。そのことを渋るユイだが、イオリの言葉に覚悟が伝わってきたのだろう。表情を引き締めて、キーパーツの元へ向かう。

 

「させるかあッ!」

「こちらのセリフよッ! さあ、楽しませて頂戴ッ!!」

 

 すかさずショウゴ達もリリィの後を追おうとするが、その前に躍り出たサファイアによって防がれる。既にスイッチが入ったのだろう。イオリは口角を吊り上げながら、ショウゴ達とのバトルを開始するのであった。

 

 ・・・

 

《これは凄まじい攻防だぁあっ! オールレンジ攻撃を掻い潜るガンダム! ア・バオア・クーの戦いを見ているかのようだぁっ!!》

 

 一方でガンダムとパルフェノワールの戦闘は熾烈を極めていた。パルフェノワールの前腕部を切り離し、インコムと共に有線によるオールレンジ攻撃を最小限の動きで回避し続けていた。

 

(流石、生徒会ってところか。だが、この人……)

 

 5連装メガ粒子砲とインコムの嵐を避けながら、アラタはパルフェノワールの動きから ビルダーであるリョウコの実力を認めつつも、ある考えが浮かぶ。

 

(……楽しんでない、と言うよりは抑えこんでいるような……)

 

 このステージではこの二機のバトルが一番、苛烈だ。それはお互いの実力の高さによるものだろう。アラタがその実力を発揮すればするほど、リョウコの操作に微かなぎこちなさを感じるのだ。

 

 ならば、そこを突くのみ。ガンダムは踏み出すと周囲に展開する前腕部を足場に利用して、パルフェノワールに接近する。

 ビームライフルを投げ捨て、ビームサーベルに手をかけると、そのまま振り下ろそうとするが、ここで違和感があった。

 

「さあ、どうする──ッ!」

 

 パルフェノワールは一切、動揺した素振りを見せないのだ。するとパルフェノワールは前傾し、バックパックの背部ビームカノンを向けてきたのだ。

 これが動揺しなかった理由なのだろう。例えオールレンジ攻撃を掻い潜って、懐に飛び込んだとしてもこうやって対処するつもりだったのだ。

 

 

 

 

 

 

「天才ガンプラビルダーを……舐めんなよッ!」

 

 

 

 

 だが、だからといって撃破されるつもりはない。全てスラスターを最大稼動させ、強引にその機体を捻って、ビームカノンによる迎撃を回避したのだ。

 

「ほぅ……ッ!」

 

 これには流石のリョウコも感心する。心なしかその口元にも笑みが。そのままビームサーベルがパルフェノワールに放たれ、パルフェノワールも自身への被弾覚悟で前腕部をガンダムの背中に向けた時であった──。

 

 

 

 《──バトル終了ぉおおっ!! 勝利を手にしたのは、レジスタンスチームだァアッ!!》

 

 

 アラタとリョウコの決着がつく前にリンコからバトル終了を告げられる。どうやらユイがキーパーツを回収装置への納品に成功したようだ。

 

「……やるな」

「……先輩こそ」

 

 パルフェノワールのコックピット前にはビームサーベルが突きつけられ、ガンダムの背中には今まさに放たれようとした前腕部とインコムがある。お互い後一手で勝敗を決したかもしれない状況に人知れず笑みを浮かべながら、バトルを終了するのであった。

 

 ・・・

 

「くそっ、くそっ……! 今回はなぁ、急なバトルで準備が出来てなかったんだよ! 次こそはぶっ潰す!」

「格好悪いにも程がありますね……」

 

 バトル終了後のバトルルームでは、敗北してしまったショウゴは地団駄を踏みながら、捨て台詞を吐いて、取り巻きと去っていってしまう。あまりに情けないその姿にイオリはため息をつく。

 

「リョウコ、あなた今のバトル……」

「負けは負けだ。今回は大人しく退くとしよう」

 

 先程のバトル、リョウコはショウゴ達のようにキーパ-ツを狙わずに初めからアラタを狙った。それはアラタの実力を量る意図はあれど、この場は勝とうとは、いや、形式上は勝たせようとしたかのようだ。

 しかしリョウコは一切の詮索は受け付けず、ただ負けを認めるのみだった。

 

「だが、これで終わりではない。お前たちが生徒会へ反抗の意志を持つ限り、その芽を潰そうと刺客が現れるだろう。どこまで抗えるか……楽しみにしているぞ、ユイ」

 

 忠告をしつつも、それでどこか期待しているかのように微笑を浮かべると、そのまま視線はアラタへ移す。

 

「それと……ソウマ・アラタ。お前もな」

「そいつはどうも」

「では、失礼する」

 

 先程のバトルで気に入られたのだろう。微笑を投げかけられたアラタは飄々と三本指をクルリと回して答えると、表情を引き締めたリョウコはバトルルームを後にする。

 

 ・・・

 

「私たちは試された……のでしょうか」

「そうね、リョウコに一つ、借りを作ってしまったみたい」

 

 ラプラスの盾とのバトル後、アラタ達は第08ガンプラ部に戻ってきていた。

 先程のバトルを振り返り、イオリはリョウコの意図を口にすると、ユイも同じことを思ったのか頷く。生半可な実力では太刀打ちできないから、そう思ってだろう。

 

「……何にしても、これで私達が生徒会と敵対するのは、明確になってしまった。アラタ君、イオリちゃん、大変なのはここからよ!」

「はい、でもこの動きはなるべく他の人には知られないほうが良いですよね」

「ええ、どこに生徒会の支持者がいるか分からないもの」

 

 できるだけ内密にして動こう。そうやって今後の方針を決めていた時であった。

 

 

 

「ぶぇーっくしょい! ッくしょい! あ、やばっ」

 

 

 

 空気を打ち壊すど派手なくしゃみが部室内に響いたのだ。三人は固まり、そのまま発生源である奥の机の下を見る。

 

「誰っ!?」

「あー、誰って言うか、ここ私の部室で……机の下でガンプラ作って、お昼寝してたんですけど、寧ろアナタ達、誰です?」

 

 そこには小柄のくせのある紫髪の眼鏡の少女がいたのだ。目が合い、まさかそこにいるとは思わなかったが、アラタ達にしろ、少女にしろ、まさにこの場の一同全てが思ったことをイオリが口にすると、そのまま少女からも返される。

 

 少女の言っていたことは本当なのだろう。何故、机の下なのかは分からないが、そこには道具が収納されたケースがあり、机の上には作りかけのHGUC νガンダムがあった。

 

「俺は二年に転入したソウマ・アラタ。天っっさ「同じく二年のコウラ・イオリよ」……天才キャンセル、だと」

「あははっ……。私はミカグラ・ユイだよ、よろしくね」

「わたしは……サクライ・マリカ……。一年です……」

 

 自信に満ち充ちた自己紹介をしようとするも、イオリに被せられてショックを受けている。その横で苦笑しながらもユイが自己紹介をすると、少女も名乗ってくれた。

 

「あの……今の話、本当……ですか? 生徒会に対抗する……とか」

「ええ、もう逃げない、逃げたくない。今の生徒会は間違っているもの」

「私もユイ先輩と同じ気持ち。だからもし貴女が生徒会側の人間で、このことを密告するというのなら……」

「なにするつもりか知らないけど、酷い事は止めときなさいよ」

 

 人見知りする性格なのだろう。おどおどと先程の会話について尋ねると、ユイも迷いなく答え、イオリも同調しつつ、脅迫めいたことを口にしようとして、アラタが制止していると……。

 

 

「わっ、わたしも……! わたしも、今の生徒会、嫌です!」

 

「え……?」

 

 

 イオリの圧に縮こまりながらも、勇気を振り絞って発したその言葉に睨むように鋭くしていたイオリの眼も丸くなった。

 

「わたし……この学園に来れば、好きなガンプラが好きなだけ作れるって……そう思ってました……。でも……実際は全然違ってて……もう……限界なんです……っ!」

 

 それは気弱な少女の今にも泣き出しそうなほど、悲痛な言葉だったのだ。

 

「あっ……あのっ……。でも、私のことなんかより……皆さん、新しいチームを作る……。そういうことですか……?」

「うん、そうよ。ね、アラタ君?」

「俺達はチームである。名前はまだない」

 

 マリカの言葉に一同が黙っていると、その空気に耐えかねたマリカは話題を変え、希望になりえるチームの話題に触れられたことでユイは嬉しそうにアラタに視線を送ると、おどけながら肩を竦められてしまう。

 

「それならその……っ……わ、わたしにもお手伝い、させてください……」

「キミが?」

「といっても、わたし……バトルのほうは全然、ダメで……。でも、モデラーとしてガンプラの制作や調整には結構、自信があります」

 

 まさかの表明に驚いていると、モデラーとしてアラタ達のサポートをしてくれるようだ。確かに作りかけのνガンダムを見ても精巧に作られており、自信があるというのも頷ける。

 

「それは勿論、大歓迎だけど……いいの? 生徒会に歯向かうってことは……」

「はい……。覚悟は……出来てます」

 

 マリカの気持ちは嬉しいが、それは彼女への危険が及ぶということだ。しかしマリカの決意は固いようで、気弱に感じられていた表情はその覚悟が伝わってくるほど真剣なものとなって、答えられる。

 

「そうだ……。皆さんのガンプラ、見せてもらえませんか? 色々アドバイスでけいることあると思います」

 

 早速、サポートモデラーとして動いてくれるようだ。アラタ達は言われたとおり、ガンプラを取り出し、机に並べる。

 

 ・・・

 

「……皆さんのガンプラ、とても素晴らしいです。愛が籠もっていて、カスタマイズされたお二人のガンプラも良いパーツ構成だと思います。これなら少しの調整でグッと良くなりそうです!」

 

 暫らくして、全てのガンプラをチェックしたマリカは声を弾ませながら話す。どうやら出来の良いガンプラに触れられたことを心から喜んでいるようだ。

 

「けど、ソウマ先輩のガンプラは……カスタマイズされていない純正なんですね。あっいや、他にも純正を好んでバトルしている生徒はいっぱいいるので良いのですが……」

「あー……いや、そういうわけじゃないんだ。実は俺もカスタマイズしたガンプラを作っててね」

 

 するとマリカの視線はアラタのガンダムに注がれる。まさにRX-78-2そのもので出来栄えは良いが、一切、カスタマイズという面では何も施されてはいない。

 そのことにアラタは苦笑すると、その言葉に三人はそうなの、と目で問いかけてくる。

 

「転入までに完成させる予定だったんだけど、自分だけのガンプラを、ってなるとやっぱり楽しくて、つい没頭しちゃって……。もっともっと作りこみたいって気付けば、転入日に……」

「アラタ君らしいね」

「まあでも、明日には持ってこられるよ」

 

 どこか気恥ずかしそうに話すアラタの姿に幼い頃と重ねているのだろう。微笑ましそうに話すユイに咳払いをしながら、翌日に見せることを約束する。

 

 ・・・

 

「なんというか、今の状況で言うことではないのですが、もっと強くなれると思うとワクワクしますね」

「あっ、それなら今、調整したガンプラでバトル……してみませんか?」

 

 調整を終えた自身のガンプラを手に取りながら、今すぐにでも試してみたいとばかりに高揚感を隠し切れず話していると、不意にマリカが提案した。

 

「でも、生徒会の許可なしに勝手にバトルシステムを使うわけには……」

「あ……大丈夫です。この部室……型は古いですが、バトルシステムがあって……通信が出来ないオフラインならバトルできます……」

「ホント!? すごい! オフラインでもいいわ、是非やらして!」

 

 とはいえ、ふざけた話だが、現在のバトルシステムは生徒会が管理している。

 しかしどうやら生徒会を介すざすともバトルが出来るらしく、マリカはある場所に視線を向ける。そこにはアラタがイオリにこの場所を案内された時から自己主張している旧型のバトルシミュレーターがあった。

 バトルが出来ると知るや否やユイは瞳を輝かせながら、マリカに詰め寄り、その手を取ると、若干、気圧されながらコクコクと頷いたマリカは準備を始めた。

 

 ・・・

 

「わー……バトルルームにあるのと殆ど変わらないのね」

「インターフェイスはほぼ同じです……。オフラインなので機能制限があるのと、動作が少し重いですが……」

 

 起動されたシミュレーターの画面を覗き込みながら、興味津々になっている三人を後ろから苦笑しながら、オフラインで出来る説明がなされる。

 

 《バトルシステム08、起動……。ユーザー名を登録してください》

「……? いつもはこんな表示は……」

 

 するとシミュレーターから電子音声と共に画面にインフォメーションが浮かび上がる。とはいえ、この事についてはマリカは知らないようで、顔を顰めて首をかしげていると……。

 

「なら初期設定のままで良いんじゃない?」

「……ユイ先輩って意外と雑な性格してますよね?」

「えぇっ? そう?」

 

 なんなのだろうかと頭を悩ませていると、一人、特に気にしていないユイが兎に角、バトルを早くやろうと急かしてくる。そんなユイに先輩とはいえ、イオリが思ったことを口にすると、どうやら心外そうだ。

 

「はい。すぐ頭に血が昇るというか、直情的ですし……。でも、そんなところも魅力というか……」

「うぅっ……反省します」

「委員長も他人のことはそんなに言える気は……「なにか言ったかしら?」……あぁうん、俺は今日も天才だなって」

 

 この評価に、魅力的と言われても、思うところがあるのだろう。しゅんと落ち込むユイを横目にイオリにもその気質はあるだろうと思ったアラタが何気なくは口にしようとするが、刺すような視線を前にそっぽを向いて、今朝、セットしてきた前髪を弄る。

 

「入力終わりました……。デフォルトのまま登録名は“サイド0”になります」

 

 そんな三人を他所に一人、作業を進めていたマリカが準備を整えてくれたようだ。

 

「サイド0か……。それならいっそ私達のチーム名もサイド0でどう?」

「そういうとこだぞ。ここはチームビルドジーニアスに「安直な気もしますが、特に異論はありません」……天才キャンセル再び」

「なら、私達のチーム名はサイド0で!」

 

 そのまま名前にまで流用しようといする雑さに呆れながら、チーム名を提案しようとするのだが、再び途中でイオリによって被せられ、チーム名はサイド0になってしまった。

 

「存在しないサイド0が、生徒会の野望を打ち砕き……革命を起こす……。熱い展開! 燃えます……!」

「チームビルドジーニアスは……? スゲーイよ? モノスゲーイよ?」

「……あぁ、ええ、はい」

 

 とはいえマリカはサイド0の名を感激して気に入っているようだ。そこに自称天才が自身の提案したチーム名を持ちかけるが、気のない返事をされて、のの字を書く。

 

「それじゃあ、早速、バトルしましょう!」

「はい……。先輩達が三人でチーム、私はサポートに回ります……。敵はCPUになりますが、結構強いですよ」

 

 早速、バトルをしようとユイが持ちかける。マリカがサポートに回るなか、一人寂しく床に天才の字を書いていた自称天才はイオリに首根っこを掴まれてバトルシミュレーターに引き摺られていくのであった。

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