ガンダムビルドブレイカーズ Snatchaway   作:ウルトラゼロNEO

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燃えよレイジングドラゴン

「なにも全員で行く必要もないでしょうに」

 

 三連休ということもあって、いつにも増して人通りの激しい道のなか、リュウマに指定された場所へ向かっているアラタがチラリと横目で見ればそこにはユイ達の姿があった。

 

「あはは、まあ折角だしね?」

「それにリュウマ君が何の用なのか気になるし」

 

 呼び出されたのは自分だけだったのであの場で別れようと思ったのだが話を聞いたユイ達はそのまま同行の意思を示して今に至るのだ。

 そんなユイやシオン達にやれやれと言わんばかりにため息をついたアラタは視線を前方に戻す。そこにはリュウマに指定された待ち合わせ場所であるゲームセンターの姿が見えてきた。

 

「──アラタ?」

 

 約束と言っていたがわざわざこのタイミングで呼び出すとはどういう意図なのだろうか。そんな風に考えていると不意にアラタに呼び声がかかった。

 

「あっれー、イオリンじゃん!」

「みんなも……。旅行帰り……ってところかしら」

 

 そこにいたのはイオリだった。予期せぬ出会いに驚きながらもチナツを筆頭に喜びを見せる。

 

「お土産は後で渡すとして何でこんなところに?」

「私も出先から帰ってきたところなんです。だから調整がてらに近くのゲームセンターに行こうかと」

「目的地は俺達と一緒ってわけか」

 

 ちゃんと土産は用意していたのか、そのことを口にしつつユイは何故、この場にイオリがいることについて尋ねると、どうやら彼女は彼女で視線の先にあるゲームセンターが目的だったようだ。そんなイオリ達の横を通り過ぎながらアラタは一人、スタスタとゲームセンターへと向かっていく。

 

「そういえば、イオリちゃんの方はこの三連休、どうだったの?」

「……まあ、その……濃かったです」

 

 アラタの後を追いながら話題はイオリの三連休の出来事になる。純粋な好奇心で聞いてみれば、途端にイオリは遠い目で空を仰ぎ見る。

 

『……アマミヤさん、その娘って?』

『少しの間、世話してる』

『そんな飼い猫みたいn『世話ぁっ!?』 えっ』

『アマミヤさん、柄にも無いことして疲れてない? 私ならそんなアマミヤさんの世話が出来るよ。ねえ、どうかな? ね?』

 

 

『イチカの知り合いか。よろしく頼む』

『あっ、はい。えっとこの人は……』

『少し前に知り合った。お菓子の類ならこいつに言え。大概は作ってくれる』

『お前と言う奴は……。人の気も知らずに』

 

 

『へー、君が噂の……。イチカが迷惑をかけてない? この娘って大分アレだから僕みたいに見てあげる人がいないとダメなんだよねー』 

『いや、あの……とても良くして貰っています。ところでイチカさん、この人、所謂僕っ娘って奴ですか?』

『コイツはオトコだ』

『!?』

 

 脳裏に蘇るイチカとの時間。彼女を取り巻く周囲の人々を思い出して苦笑いと共にため息が自然と出てしまう。

 

「──……来たな」

 

 そんな想い出を振り返りながら、ゲームセンターに足を踏み入れてガンプラバトルシミュレーターへ向かっているとそこにはリュウマをはじめとしたマスミやショウゴ達の姿があり、呼び出してきた張本人であるリュウマがアラタ達を向かえる。

 

「随分といきなりだったな。それに見合うだけの理由もあるんだろうな」

「言ったろ、約束を果たすって」

 

 わざわざ足を運んだ甲斐があるんだろうな、とおどけた様子で話かけるとリュウマは静かにケースから取り出したガンプラを見せ付ける。

 

「お前、言ってたろ。“最高のガンプラを作って、バトルして欲しい”って。今がその時だってそう思ってな」

 

 それは彼が作成したレイジングガンダムボルケーノ。荒ぶる蒼き龍の意を継ぐ猛る炎の紅蓮龍だ。

 新たなレイジングのみならず、その完成度はいかにガンブレ学園に身を置くアラタ達であろうと純粋に驚かせるだけの価値があった。

 元々、出会った当時はモデラーとしては初心者に毛が生えた程度の腕前だった。しかし今、こうして彼が手がけたレイジングボルケーノを見る限り、彼に師事をしていた者達の存在もあるのだろうがその成長速度は驚異的だ。

 

「……最っ悪だ」

 

 誰よりもレイジングボルケーノを見つめていたアラタは頭を垂れるとやがて観念したようにため息をついて片手で頭を掻く。

 

「分かったよ。俺が言い出したことだ。それに日を改めるって言って分かる奴じゃねえしな」

「へっ、俺のこと分かってるじゃねえか。行こうぜ」

 

 先程、レイジングボルケーノを見てなにを感じたのか。それが分かるのはアラタだけだが彼はバトルに応じるつもりのようだ。そんな彼に満足げに笑いながらリュウマはガンプラバトルシミュレーターを顎先で指すと二人はそれぞれ乗り込む。

 

「……ホントに最悪だ」

 

 シミュレーターに乗り込んだアラタは一人、再び重いため息をつくとケースから己が手がけたガンプラであるG-ブレイカーを見つめる。G-ブレイカーに送る視線は複雑な感情が入り混じっており、彼はやがて重々しくG-ブレイカーを筐体にセットし、リュウマが乗り込んだ筐体とのマッチングを待つ。

 

「……G-ブレイカー」

「レイジングガンダムボルケーノッ!」

 

 モニターにカタパルト画面が表示され、それぞれが発進体勢を取りながら自身の愛機の名を口にする。

 

「出る」

「行くぜェッ!」

 

 カタパルトを突き進む視線の中にある感情はまさに正反対とも言って良いだろう。

 しかしバトルはバトル。ただバトルにだけ集中するようにとG-ブレイカーとレイジングボルケーノはバトルフィールドへ飛び出していくのであった。




ハッピークリスマス(アカリ&ミツル)

【挿絵表示】

ミツル「夏は第10ガンプラ部。そしてハロウィンはイチカ嬢。そんな中でのこの人選を消去法って言った者は処すでござる」
アカリ「本来ならば明日なのですが……まあ大目に見ていただけると幸いです」
ミツル「そんなことより何故、二人同時にいられるのかって? 何でもアリの後書きでそんなものに囚われてはいけないでござるよ。クリスマスは人手が足りないでござる」
アカリ「それでは早速、トモンさんのお宅から行ってみましょうか」
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