ガンダムビルドブレイカーズ Snatchaway   作:ウルトラゼロNEO

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舞い戻りし流星

 いよいよ文化祭当日を迎えたガンブレ学園。今を生きる若者達が中心となって執り行われた本行事の熱気は満開の青空に轟かんばかりに響き、それだけの盛り上がりを見せているのは遠くでも分かる。

 

「何とか今日まで漕ぎ着けられたな」

 

 廊下を歩きながら活気溢れる人々で賑う様子を見て笑みを零すアラタ達生徒会役員。その笑みには文化祭を無事に開催できたことへの安堵や文化祭を楽しんでいる生徒達を見ての嬉しさなど様々な想いが込められていた。

 

「SNSを見る限り、参加してくださってる一般の方達にも概ね好評のようよ」

「一般の人達がガンブレ学園に足を踏み入れられる時って言うのは限られちゃうからね。こういう時こそ楽しんでもらわなくっちゃっ」

 

 SNSをチェックをかけ、文化祭について調べていたイオリの言葉にユイは今日という日が実現して良かったとばかりに声を弾ませる。

 

「そろそろ来賓の方達によるトークショーが始まる予定ですね……」

「世界的に有名なビルダー達が来てんだもんな。よく来てくれたってーか、それだけこの学園がスゲェって言うのか……」

 

 すると文化祭のプログラムが記された資料を眺めながらマリカはこの後に行われるイベントについて話す。どうやら招待した来賓の人物達は世界でも有名なビルダー達らしく、そんな人物達が今、同じ場所にいるということにリュウマも現実味がないのか、何とも言えない様子だ。

 

「折角だ。様子を見に行こう。こんな機会、中々ないだろうしな」

 

 そんな人物達によるトークショーに興味があるのか、先頭を歩いていたアラタはリュウマ達に振り返りながら話すとリュウマ達もナイスアイデアとばかりに頷いて一同はトークショーが行われる予定の講堂を目指す。

 

 ・・・

 

「あれって、MCの子とアールシュ君だよね」

 

 著名なビルダー達によるトークショーということもあって講堂は既に人で一杯だ。到着したアラタ達はそのままトークショーに備える来賓の方々が待つ裏口へ向かおうとするが、そんな中、ユイがなにやら裏口近くで話しているアールシュとMC姿のアサヒの存在に気付く。

 

「なにやってんの?」

 

 唯我独尊が服を着て歩いているような人物であるアールシュと話をしているというのもあってか、遠巻きでも涙目で圧され気味のアサヒを見かねてか、アラタが二人に声をかける。

 

「ア、アールシュさんが間近で来賓の方々に会いたいって……」

「いや無理だろ。トークショーで我慢……ってタイプでもないのは分かってるけど」

 

 助けがきたとばかりにささっとアラタに駆け寄ったアサヒはアールシュと繰り広げていた会話の旨を明かすと、なに言ってるんだとばかりに呆れた様子を見せるアラタではあったが、アールシュという人物を考えれば何ら不思議なことはなく思わず嘆息してしまう。

 

「フンッ、駄目元という奴よ。だからこそそこの痴女に頼み事をしたまでのこと」

「痴女……」

 

 とはいえ、いくらアールシュといえどある程度の良識は弁えているのか、不服そうに鼻を鳴らしながらも無理を押し通そうという気はないらしく、アサヒに何か頼み事をしたらしい。一体、なにを頼んだのかとアラタが何やらショックを受けているアサヒを見やると……。

 

「サ、サインを頼まれました……」

「直接会って自ら頼みたい所だが致し方あるまい。くれぐれも俺の名前を入れてもらうのを忘れるなよ」

 

 アラタの視線に気付き、おずおずとアールシュより渡されたまっさらな色紙を取り出すアサヒ。間近で会うことが叶わぬのならせめてサインだけでも強請ろうとしてらしく、ズイッと怯えるアサヒに顔を近づけながら念押す。

 

「意外と可愛いところがあるんですね……」

「ってか、コイツがサイン欲しがるってよっぽどだぜ」

 

 サインを欲しがるという意外な一面を見せたアールシュにどこか苦笑するイオリの隣でリュウマはただただゲストに招かれた来賓の人物に戦慄してしまう。

 

「──あれ、アサヒじゃん」

 

 そんな矢先、ふとアサヒが声をかけられる。

 キャラメルのような甘い声に誘われて一同が顔を向ければ、そこには二人組がいた。一人は癖っ毛のある黒髪と右頬に一文字の傷跡が特徴的な青年だ。そして何よりもう一人は……。

 

「えっ、アサヒちゃん……!?」

 

 そう、何ともう一人はアサヒと瓜二つと言って良いほどの容姿を持った人物がいたのだ。

 

「どーも、ナグモ・ユウヒです。妹がお世話になってまーす」

「お姉さんってことか?」

 

 アサヒの身内であることには違いないであろうが、それでもその容姿には驚いているアラタ達にユウヒと名乗る人物はちょこんと敬礼のような仕草と共に挨拶をしてくる。その容姿やアサヒを妹と呼ぶことからひょっとしたらと考えたアラタがアサヒに話しかけるも当のアサヒは微妙そうに眉を顰めて……。

 

「……兄です」

「お兄さんねー。えっ、おにい、さ……?」

 

 ニコニコ顔のユウヒに対して頭が痛そうに答えるアサヒだが、その言葉の意味を理解した一同はさながら錆びれたブリキ人形のような鈍い動きでユウヒを見やる。

 

「んー? 女の子なんて言った覚えはないよ。だって僕、オトコの子だし」

 

 信じられないとばかりに刺さる視線もどこ吹く風か、ウインク交じりに話す。それだけ見ても可愛らしい為、アラタ達はアサヒとユウヒを交互に見つめてはいまだ驚いている様子だ。

 

「……それで今日はどうしたの?」

「可愛い妹の晴れ舞台だしね。後ついでに”あの子”の様子も見に来たんだ」

「……まあ、エイジさんと一緒にいますから、そんなところだろうとは思ったけど」

 

 どこかトゲのある物言いでユウヒに話しかけるアサヒだが、そんな態度も知ってか知らずか相変わらずマイペースに答えるとアサヒはユウヒの隣に立っている男性に視線を送る。

 

「……挨拶のタイミングがなくてな。アキシロ・エイジだ」

「お久しぶりです。ユウヒさん、エイジさん」

 

 アサヒに続くようにアラタ達も男性を見やると、彼はおずおずと自身の名を明かす。

 するとここで今まで黙っていたイオリがユウヒとエイジにそれぞれ会釈をして挨拶する。

 

「知り合い?」

「まあ、ちょっとね」

 

 ユウヒとエイジもそれぞれイオリに快く対応していることから知り合いなのだろうが、予想外の繋がりにアラタ達が驚いていると、イオリは苦笑交じりに答える。

 

「イオリちゃん、今日の来賓で来てるゲスト、あの娘じゃない? ちょーっと様子見に行かせて貰って良いかな?」

「えっ……それは……」

「僕の見立てだと相当ヤバイことになってると思うんだよねぇ」

 

 するとそんなイオリの隣に歩み寄ったユウヒはある事を頼むとイオリも今日のゲストが誰であるのかは知ってはいるもののだからといって一般客であるユウヒを待機室に向かわせること難しいのか、渋った顔をするがユウヒは無理を承知で頼む。

 

「まあ、少しだけなら良いんじゃないか。来賓の方の知り合いなんだろう? 俺達もイベント前に改めて挨拶しに行く予定だし」

 

 どうしようとアラタに視線で意見を求めるイオリにアラタは少し考えた上で了承する。普段のイオリなら突っぱねるところだが、彼女も知り合いの頼みを無碍に出来ない部分もあったのだろう。その辺を配慮して、あくまで特例ですよと念を押した上で承諾するとイオリは安堵の表情を見せると、アラタを先導に来賓が待つ控え室へ向かう。

 

 ・・・

 

「……ユウヒさん達は大丈夫だろうけど、アンタは絶対に大人しくしてろよ」

「フンッ、案ずるな」

 

 程なくして目的の部屋の前に到着したアラタだが、ふと生徒会やアサヒ、ユウヒ達とは別にアールシュを見て念押しする。何とアールシュ、あの後、自分も行くとこうして強引に着いて来たのだ。

 

「生徒会です、入ります」

 

 扉の前に立ったアラタは一度深呼吸すると、意を決したように小気味よくノックをする。扉を隔てた部屋の奥から反応が返ってくると失礼しますと他の面々と足を踏み入れる。

 

「アマミヤ・イチカさん、お知り合いの方がいらっしゃっています」

 

 部屋に足を踏み入れたアラタはソファーに腰掛けている茶髪のポニーテールの少女……そう、来賓として招待されたアマミヤ・イチカに声をかける。

 

「やっほー、イチカ」

 

 どこか強張った表情のまま特に何も言わないものの知り合い、と言われて誰なのかと眉を顰めるイチカにアラタの横をすり抜けてユウヒがひょっこりと姿を表して声をかける。

 

「お、お前……」

「イチカのことだからトークショーを前にすっごい緊張してるんじゃないかなって」

 

 するとユウヒを見て、今まで強張っていた表情が驚きに変わり、その間にユウヒはイチカの隣に腰掛ける。今までマイペースに振舞っていたユウヒがここで初めてイチカにだけ柔らかで優しい表情を見せる。

 

「おいで」

 

 するとユウヒは慈しむような柔らかな表情で両腕を広げると、その姿にイチカは倒れこむようにその胸に顔を埋める。

 

「……こういう時、“アイツ”がこうやってギューッってしてくれたから頑張れたのに今日は来てない」

「店番で遅れてくるって。だから僕が様子を見に来たんだ。代わりになれないけど少しでも気が紛れればなって」

 

 ユウヒの胸の中で静かに弱音を零すイチカの頭をそっと慈しむように撫でる。よくよく見ればイチカの身体は震えており、トークショーを前にかなりの緊張や不安に襲われているのが分かる。

 

「……そう気負うな。終わったら褒美に幾らでもデザートを食わせてやる」

「……お前も来てたのか。なにか目当てでもあったか?」

「まあ、な」

 

 そんなイチカにユウヒの横に立ったエイジが声を駆けると、顔を埋めていたイチカは顔を上げてどこか驚いたような様子を見せると、エイジがわざわざここにいるのには理由があるのか、どこか複雑そうにそれでもイチカから目を逸らさずに答える。

 

「……なんか想像していたより普通の人なんだな」

「人というのは案外、そういうものよ。でもだからこそそこに秘められた強さが一層に輝く。ね、アラタ」

 

 イチカはガンプラ界では名をとどろかす有名な人物だ。しかしトークショーに対して自信がなかったり、緊張で弱気になっていたりとそんな彼女のありのままの姿にどこか面食らった様子のリュウマだが、イチカという存在を生徒会の面々の中で一番に知っているイオリは破天荒に振舞うもその実同じように弱さを持っていたアラタに声を駆けると彼は軽く笑う。

 

「──何だか騒々しいね」

「げっ」

 

 そんな中、ふと控え室の奥から聞こえてきた声に今まで弱弱しかったイチカが目に見えて顔を顰める。

 

「もうトークショーの時間になったのかな?」

「ッ!?」

 

 ゆっくりとした足取りでこちらに向かってきたのはニコニコと人当たりの良さそうな笑みを浮かべながら柔らかな質感のナチュラルブロンドの髪を持つ一人の少女であった。その傍らには黒紫色のサラリとした艶やかな髪を腰まで垂らした細身の女性と小柄のカチューシャで髪を留めたくせっけのある肩まで届いた青緑色の髪の少女が侍女のように付き添っている。とはいえ、ここでアールシュが明らかに動揺したように身体を震わせる。

 

「セ、セレナ・アルトニクス……!」

「フルネームでどうも。一緒に招待されたって言うのにイチカにずっと邪険にされてたから奥にいたんだけど」

 

 なにやら高揚した様子のアールシュにウインクしながら金髪の少女ことセレナはチラリとユウヒに慰められているイチカを見やる。

 

「フンッ」

「振られちゃったかぁ。やれやれ、ボク達の妹はあんなに仲良くしてるのになぁ」

 

 当のイチカはセレナを前に口をへの字にしてそっぽを向く。その取り付く島もない状態にセレナはわざとらしく肩を竦める。

 

「セレナ・アルトニクスといえば世界大会の常連でイチカさんやそのチームとバトルをしたって聞きましたけど、なにかあったんですか」

「イオリちゃんとイチカが知り合った大会あったよね? そのシングル部門のワールドカップ決勝でイチカとセレナちゃんが一対一でぶつかり合ったんだけど、熾烈を極めた末にセレナちゃんが勝ってね。その時のことが相当悔しかったみたいでリベンジしてやるってこんな感じになってるんだよ」

「子供ですね」

「可愛いよねぇ」

 

 セレナに対して露骨に態度に出すイチカを不思議に思ったイオリがユウヒに尋ねれば困ったように答えられる。負けた悔しさは理解できるがまるで幼子のような態度に苦笑するなか、ユウヒは胸の中のイチカの頭を撫でる。そんな中、アールシュはセレナに歩を進める。

 

「活躍はいつも調べている。芸術のようなガンプラから行われるバトルは暴力的でありながらも悪魔に魅了されるような蠱惑さがある。会えて光栄である」

「嬉しいなぁ。君のことも知ってるよ、アールシュ・アニク・カルナータカ君。更なる活躍に期待しているよ」

「ふむ、太陽の如き存在であることは自負しているが、これは名誉と言っても良い」

 

 どうやらアールシュの目的はセレナであったようだ。いつもの態度ながらも高揚感を抑えきれないのは傍から見ていても分かる。

 

「よろしければサインを頂きたいのだが……」

「いーよー。何なら2ショットでも撮ろうか」

 

 おずおずと色紙を渡すアールシュにセレナは侍女からペンを受け取り、手馴れた様子でサインを書くとアールシュの腰に手を回しながらそのまま侍女達に写真を撮らせる。

 

「さっきの話じゃないけど、人って等身大の一面があるよね」

「はい、あんな姿、初めて見ました」

 

 2ショット写真を撮りつつ、傍から見ても強張っているアールシュに先程のリュウマとイオリの会話を思い出しながらユイはクスリと笑みを零すと、今までのアールシュを思い出しながらマリカも釣られて笑う。

 

「あっ……そろそろお時間です」

 

 和やかな時間もすぐに流れていき、いよいよ来賓であるイチカとセレナのトークショーの時間となった。そのことを告げるアサヒにイチカとセレナの顔つきが変わる。

 

「イチカ、大丈夫?」

「……励ましてもらったから」

 

 ゆっくりとユウヒから離れながら起き上がるイチカに声をかけると、コクコクと頷いたイチカは最後に安心させるように微笑を見せながら、セレナとMCのアサヒと共にトークショーに臨むのであった。

 

 ・・・

 

「……レン、遅いですね」

 

 一方、ガンブレ学園の校門付近には以前、アラタとバトルをしたドロスの姿があった。

 誰か人を待っているのだろうか、腕時計で時刻を確認しながら心配したような様子を見せる。

 

「……ッ!」

 

 そんなドロスの横を文化祭に参加する人物達が通り過ぎていく。そんな何気ない光景の筈だったが、ドロスの横を過ぎた一人の女性にドロスは大きく目を見開く。

 

「あの方は……まさか」

 

 慌ててその姿を追うように先程の女性を探すのだが、この人混みの中ではすぐに見失ってしまった。先程の人物に何か心当たりがあるのか、ドロスは神妙な表情を見せるのであった。




セレナ・アルトニクス(Snatchaway)

【挿絵表示】

「大人っぽくなったって? 何の話か知らないけどそりゃボクも成長はするよ」

ナグモ・ユウヒ(Snatchaway)

【挿絵表示】

「僕ってやっぱり最終章に縁があるよねー」

<いただいたオリキャラ&俺ガンダム>
エイゼさんからいただきました。

キャラ設定:
秋城 影二(アキシロ エイジ)
年齢:20
容姿:ゴッドイーターシリーズの雨宮 リンドウ(PVバージョン)に右頬に一文字の傷痕有り
性格:一矢の世界のエイジと同様
キャラ背景:
此方の世界では、御剣 コトとは結ばれて無い事。現在はイチカの住んでる所の近くに姉のクレハとの二人暮らしで、洋菓子店のパティシエの仕事とガンプラビルダーとしての活動を両立させている。
過去の対戦ではイチカに敗北したものの、この時イチカに心惹かれるが元来の性格から中々告白出来てないらしい。
オリ機体
ヘイズルベヴァイス
head:アドバンスドヘイズル(ガンダムベット)
body:ライトニングガンダム
arm:ガンダムAGE-3
leg:アカツキ
backpack:ダブルオークアンタ
shield:ジェガン
weapon①:ビームサーベル(Sガンダム)
weapon②:アサルトライフル(アトラス)
機体解説:ヘイズルをベースに実弾並びに近接戦を主眼に置きつつ、汎用性も兼ね合わせたガンプラ。
当初は複合型兵装も考慮したものの、敢えてシンプルかつ自身の反応に着いて来れるガンプラを製作するに至って複合型兵装を取り外して、アサルトライフル・ビームサーベル・シールドの基本兵装にソードビット等の追加兵装によって汎用性が向上した経緯を持つガンプラである。
機体カラー
head:ほぼベース通り、アンテナ部分のみメタリックゴールド
body:アドバンスドヘイズルカラー
arm:青の部分をアドバンスドヘイズルカラーに
leg:エースホワイト
backpack:青の部分をアドバンスドヘイズルカラー
シールド:シールドブースターカラー
ビルダーズパーツ
backpack:シールドブースター×①、ブースターユニット×②
arm:右腕部グレネード×①
leg:GN粒子コンデンサー×②(左右leg②な部分)、コンバットナイフ×①
グローカラーは青です。

素敵なオリキャラと俺ガンダム設定、ありがとうございます!
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