つまりは、ネコがAFOの中の人になって、色々な世界をふらついて、救出されて。
AFOが健康体になって、世界のあちこちで遊びつつ、それをオールマイトが残り少ないOFAを搾り出すように使って妨害中。そんな世界。
我輩は尋問中である。
尋問と言っても、受ける側なのである。
今、すぐにでも逃げ出したい。そんな気持ちで一杯なのだが。
「答えろ。何をやった? どうやって『未来』を変えた? それも何度も何度も何度も何度も! どうやってだ!!!
こ た え ろ 」
相手が必死すぎて、逃げる隙が見当たらぬのだ。
ボスケテ
久しぶりに、心の底からそう思う。
だが我輩がヴィラン連合の一員であるとまでは、まだバレていないか。あるいはそれがどうでも良い様子であるので。
実際に助けに来られても、それはそれで困るのだが。
「お前の『未来』を見た。だが、おかしい。明らかに『未来』が確定せずにブレている! お前の個性の影響か!? それとも別の何かなのか?
こ た え ろ 」
いや、知らんのである。
そもそも、どちらさまですか。身長が二メートルの、大食い女子高生探偵の居る世界で警察の幹部やってそうなあなたは。
「私か? 私はサー・ナイトアイ。ヒーローだ。さあ、私は答えたぞ
こ た え ろ 」
何を、どれから!?
もう、何もかもが怖いのである。
吊りあがった目が怖い。切羽詰った声が怖い。全身から湧き上がる何かが怖い。
そもそも。場所からして、強引に連れ込まれた車内であるし。
いつぞや、ウワバミさんたちにも連れ込まれた事のある、ハ○エースである。
それも後部と横側の窓が、最初からふさがれている型なあたり。なにやらガチっぽさを感じてそれも怖い。
何がこの人をここまでさせるのだろう。
未来なんぞ。誰にもどうにもならないものなのだから、放っておいて欲しいのであるが。
そんな、よくわかっていなさそうな吾輩の様子を見て。サー・ナイトアイは彼の個性について、説明をしてくれた。
予知の個性。
相手のこの先の行動を、最大で数年先まで読み取ることが出来る。制限時間は一時間。
そして予知した事は、変えられない。あるいは。見る事で、変えられなくなるのかもしれない。
予知。予知ねえ。ああ。そうそう、いたいた。原作に、いたであるなあ、そんな人。
ってマズい。数年先までだと、確実に色々とバレる。というか、数日でもヤバい。
どうする。どうする、どうしよう。
消すか? 消すのであるか? とうとう初の殺人をせねばならぬのか?
あわあわ、と慌てる我輩をよそに、サー・ナイトアイの興奮は収まらぬままだ。
「お前の『未来』は、ブレて霞んで、飛び飛びで! それもワケのわからぬ光景ばかりだ! お前はどこで何をしている!? 何者なんだキサマァ!」
あっ。これ、大丈夫かも。
色んな世界へ行って来たり、たぶんこの先も行くのであろうが。
彼の予知が、ある意味失敗しておるのは、そのせいであろう。
異世界にまでは、きっと個性が対応しておらぬのだ。基本、他の世界に個性などないし。
さて。
そう気付いたら、落ち着いた。
うむ。別に殺さずとも、いつものをやれば良いのであるな。
さいわいにして。今の彼は、逃げ出す隙はないが、こちらへと掴み掛からんばかりである。
背中側から手を伸ばして、後頭部をお札でハタくくらいは出来そうだ。
うむ。その隙をさらに広げるために。
どんな話題を振ってやるであるかなあ。
それで。異世界の話題を振ってみた結果。
「否定したいが…… 確かに、そうとしか言えない光景もいくつか、ある……」
意外と、信じてくれたようだ。
よし。考え込んでいる。狙い通りである。
だが、待てよ?
ふうむ。考えてみれば、異世界の事を話したのは、ボスと黒い人と先生以外では初めてになるな。
それに、先生に異世界というか。あのヒャッハーな世界へと飛ばされた事もあったであるなあ。
ニヤリ。
そういう笑みが、我輩に浮かんだ。
何事かと。サー・ナイトアイが、こちらへの注意を戻す。
さあ。ホラを吹こうか。口から出任せに、てきとうな事を言うとしよう。
異世界の因果を絡めれば、たぶん、『未来』が変わるのではなかろうか?
全く異なる流れを引き入れて。本来の流れを変えてしまうようなもの、であるかなあ。
何を目的にしておるのかはわからぬが。まあ。我輩だけでは、なんだ。足らぬというのなら、だ。
お前さんも、ちょっと異世界へ行ってみないかね?
なお、帰れるかどうかは保証ができぬ。無論、口にはしないがね。
夢へと向かって前進する。その姿勢を、我輩たちヴィラン連合は、心から応援するのである。
さあ。がんばれ。
その後。
異世界帰りの
六式なる、謎の武術を駆使して。オールフォーワンとオールマイトの、世界を股に駆けた追いかけっこに参加するまで、あと一年。
●六式
ワンピースより。海軍正式採用、っぽい武術。