気付けば二千字超えてた件。時間も午前三時……
英霊の座。
それは世界の外にあるという、時間軸からも空間軸からも切り離された、それでいてあらゆる英霊に関する情報が詰まった場所で。
言うなれば。世界というメインPCの外付けHDDのようなものであるな。
ほら。エロ関連のものだけ、そこに離して補完してたりするであろう? あんな感じである。
そして、その中でも更に隔離された。ある意味特別扱いな場所が、ここになります。
おそらくは、聖杯くんのせいであろうよ。
仮にも、汚染された聖杯であるからね。純正の英霊は、影響を受けてしまうからね。仕方ない。
うむ。仕方が無いのだ。
決して、我輩もその同類として一緒にブチこまれておるとか。
むしろ我輩が主要目的であるとか。
そんなはずは、決してないのだ。
だって我輩程度に汚染されるほど、他の英霊の方々って薄くないし。
一部の方々など、隔離されておるはずのこの場所に、普通に遊びに来るのだ。
筋肉モリモリの大男とか。ジャージの金髪男とか。ダビデとかな。
ダビデだけ名指しかつ呼び捨てなのはな。あやつが自分の宝具の聖櫃を、管理が面倒だからと、ここへ置いていってしまったからである。
まあ、大男も大男で。現世から聖杯くんが持ち込んだゲーム機を略奪していきおったが。
そちらは、別のゲーム機もあるし。なんならまた聖杯くんが、どこからともなくひょいっと取り出すであろうから、まあ、いいとする。
金髪さんは来ないで下さい。お願いします。
ちょっとかき混ぜたい世界に放り込んでみる。とかもうホント、止めてください。
特に、宇宙から侵略者が群れで、それもどうしようもなく莫大な数でやって来てしまっておる世界とか、もうイヤです。
推理関連もダメです。
どういうわけか我輩が犯人になってしまうか、もしくは犯人さんが、何かを勘違いして我輩が殺されるか。
なんやかんやあっても、とにかく我輩は死ぬと判明したではありませぬか。
ネウロ世界ですらダメだったのですから、もうスパイラルとかでも無理です。やめましょう。
というか。アナタ最高の千里眼持ちなのであるからして、やろうと思えば、試してみずとも結果がわかるのではなりませんか?
それでは退屈だからという、お遊びなのはわかりますが。
我輩を、そのためのオモチャに使うのは、そろそろやめて欲しいのですよ。
ああ、もう。
いい加減、座から逃げる方法でも考えたら良いのであるかなあ。
あの過労死寸前のまま粘っておった、紅い錬鉄の守護者。彼も、こんな気持ちであったのか。
そう考えて。だが、ふと……だ。
我輩は一人では無かったな、と。そう思い当たり。相方の様子を見てみたところ。
何かを、覗き込んでおった。
聖杯くん、聖杯くん。何を見ているのであるか?
我輩が尋ねてみると。
予想よりも、わずかに胡乱な答えが返ってきた。
「ああ。ちょっと神様転生ってのをやってみてね。転生させたその子を観察してるのさ」
ちょっと何を言ってるのか、わかりたくなかった。
しかしわかってしまう。
さぶかる。と呼ばれていた文化を満喫しておった、前世が憎い。
いや。色々と原作知識とか、その他で助けられてきたけれども。
そして。わかってしまっておるがゆえに。我輩はひとつの質問をせざるをえなかった。
ほう。神様転生。
で、特典は?
そう、聞かざるをえなんだ。
一応、解説しよう。神様転生とは、別世界や過去や未来に、死者を転生させる。つまりは、物語の形式のひとつである。
転生させるための理由や舞台装置として、神様が転生をさせてくれる、のであるが。
その際に、何か特殊な能力や道具。協力者などを渡してもらえる事が多い。これがいわゆる特典であるな。
聖杯くんのことだ。きっと、渡してあるであろう。
まあ。十中八九、出刃包丁であろうが。もしかしたら、無意味に強力なものを渡してあるのかも知れぬ。
ひょっとしてしまえば、我輩も巻き込まれかねぬので。
ここはひとつ。確認しておかねばなるまい。
「ああ、特典かい? ボクが渡せる、ぎりっぎりのヤツを渡してあげたよ」
…………ちょっと待ってね。
………………えっ。ギリギリ?
「王の財宝とか、無限の剣製とかベタなの頼まれちゃってさー。そういうのって、萎えるよね」
指紋べったべたどころか、手垢付き捲っておるからなあ。
王道ではあるし、うまく調理すればもちろん面白いのであるが。
「それが期待できそうになかったんだよねー。だから、そっちに侵食されるよってウソついてね」
えっ。ウソなのであるか?
超級の宝具やら、他人の固有結界やらを付け足されたら、そうもなろうと思うのであるが。
たまにそういう二次創作あるし。
ここで聖杯くんは。ろくに表情もないくせに、ふー。やれやれだぜ。という外人の顔をした。
「本物を渡せるわけが無いじゃん。コピーコピー。それも手抜きなヤツだもん」
まー、それすらあげなかったんだけどね! だってイラッとしたから!
そう言ってワラう聖杯くんは。
久々に、汚染聖杯のオーラを放っていた。
ゆえに、ツッコミを入れた。
聖杯くん。聖杯くん。出てる出てる。中身漏れちゃってる。
おっといけない。
聖杯くんがそう言うや、しゅるしゅると影が彼?の中へと引っ込んでいった。
そういえば。いまだに性別知らぬのであるよなあ。
聖杯にオスメスがあるのかは、怪しいところであるし。正直、わりとどうでも良いのであるが。
そんな具合に我輩の思考が逸れておる横で、聖杯くんの話は続いた。
「それで彼に、ボクに出来るギリギリの能力を渡すよって言ったら、オッケーしてくれたからさ。渡してあげたんだよ。あの――――」
ハハッ♪ って高い声で笑える程度の能力をね!
うわあ。
それは確かにギリギリであるな。
千葉県浦安市や、ネットで使ってしまった場合は、さらに危険であるな。
で。その危険な能力を持たせて、どこへ飛ばしたのであるか?
え? ポケモン世界? なんで?
「いやあ。こんな能力持たせて、いかにも死にそうな世界に送っちゃったら、ボク完全に悪役じゃないか」
いや、一応我輩たちは
そうだっけって言われても、困るのであるが。
一応はそうなのであるよ。ほら、ポケモン世界のあの人らのように。なんだかんだと、あってもな。
それが我輩が、先生から受け継いだモノのひとつであるがゆえに。
それをすてるなんてとんでもない。のである。
●ハハッ♪
千葉県浦安市などに出没する、ある意味危険なネズミさん。