我輩はヒーローである。
そういう名称の、職業に就職したのであるな。
なんとこれ、国家資格であってな。厳しい試験を通り抜けた者のみが名乗れる、名誉職でもあるのだ。
更新とか引退とか、そのへん実はふわっふわであるしな。
そもそもがだ。治安悪すぎて、自警団乱立して。
そんな中で、それでも何とか出来る手を打とう。
そうやってがんばった、政治家などの方々が 泥縄で こさえた制度のひとつであるからなあ。
ふわっとしてるのも、ガバガバなのも。まあ、やむなしなのである。
我輩は、生まれて間も無く捨てられて。そんなヒーローの一人に拾われて。
そうして我輩もヒーローを目指して。
天下一の学校に入学したり、除籍されて他所に編入したり、独自の組織を秘密裏に 洗脳で つくり上げたり。
それを拡大したり、うっかり悪の組織の科学者的な人まで取り込んでしまったり。
研修先が公安関係であると、つい見抜いてしまったので。よし、こっちも乗っ取ろうと決意したり。
まあ、なんだ。けっこう 地道に やってきた。
世間さまにはあまり目立たず、こっそりと。ひとりひとり、丁寧に。バレないように優先順位を間違わないように引き入れて。
そんな感じなので、きっとこれは地道でいいのである。だってコツコツやってるし。
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」
イチローもそう言っていたから、きっと間違いないのである。だってイチローだし。
実際、わが身を省みてみると、だ。とんでもない事になっているような気もしないではない。
そんな我輩にも。
ああ、やらかしたなあ。
そう、思ってしまうような事件も、いくつか…… いくつも…… ……いや割と、あるな。
うん、まあ。なんだ。
それをいくつか、抜粋で語ってみようと思う。
うむ。反省という奴だ。
たまには過去を顧みて、そこから何か教訓を学び取る。
そんな事もあってしかるべきであるからね。うん。
まずは、あれかなあ。
ヘドロヴィラン爆破事件であるかなあ。
ヘドロヴィランと言えば、あれだ。原作開始の時報でもある、アレだ。
緑谷少年がオールマイトと出会い、個性ワン・フォー・オールの継承者に見込まれるキッカケとなる事件であるな。
そこにうっかり、介入してしまったのである。
いや、違うのだ。
緑谷少年を、主人公から落としてみようとか。そういうのでは決して無いのだ。
ただ単に。
我輩は、たまたまその場に居合わせて、うっかり原作の事件と気付かずに。
つい。最善を尽くそうと。そう思って行動しただけで…!
そう。つまり…
良かれと… 思って…!
個性でドカンドカンと爆発を振りまく。そんな危険な現場で。
ヘドロの個性を持つヴィランが、学生に取り憑こうとしている。爆発は学生の個性によるもの。
駆けつけて、周りで手を出しあぐねていたヒーローたちにそう聞いた我輩は。
「デステゴロさん! 相手がヘドロなら、この小麦粉をまぶせば!」
そう言って、近くのお店にある小麦粉の大袋(業務用25kg)を指差しただけで…!
まさか、そのまま犯人に投げるとは思わないであろう?
頑丈な茶色の袋に包まれた小麦粉は、吸い込まれるようにヴィランたちへと飛んでゆき。
そこで我輩はようやく「あっ、あれ爆豪だ」と気付くも、時すでに遅く。
飛んできた物を、爆豪か反射的にか爆破で迎撃してしまい。
小麦粉が、パァンッと広がって……
次の爆発で、本当に爆発した。
うん。粉塵爆発というやつであるな。
あっ。あ~… あ~… あっ。ああ~~……
袋が飛んでいって、爆発するまでの間。我輩の心境はそんな感じであったよ。
まあ、幸い爆発は閉鎖空間でもなかったので、小規模なもので、被害者は爆豪とヘドロヴィランのみでだったし。
実行したのはデステゴロさんであったので。
我輩は別に悪くはないのであるが。
間が悪かった。というか、うん。
緑谷少年が、飛び出す前の段階であったようでね…?
うむ。ふらぐが折れた。という状態であるな。
そこで我輩は考えた。
・緑谷少年を、我輩がオールマイトに代わって育てる。題して、君はヒーローになれるのである。
・原作風になるように、我輩が別の事件を演出する。題して、我輩P。
どちらにしようか。
師匠になったら、育成の手段はどうしようかとか。事件を起こすなら、どのヴィランを使って、どんな事件を起こそうかとか。
しばらく考えていたら、いつの間にかオールマイトと緑谷少年らが師弟になって、原作が始まっていたのは笑ったのである。
原作補正。そういうのもあるのか。
それを確認した、初めての事例であったな。
思えば、これからかなあ。多少の無茶をしても、自由にやっても。
原作補正さんがあるから大丈夫だよな。と、原作が関係してきても、雑にいじるようになったのは。
そのせいで死柄木 弔が開幕死亡してしまった事件もあったが。
逆にオールマイトの内臓その他が全部復活した事態にもなったし。
そこから我輩の差し金で、さらって改造して、脳改造前に逃げられるという仮面ライダーコースを経ての、No.1ヒーロー復活劇とかもやったので。
まあ、許されてもいいかなって。
誰に許されるのかはわからないが。まあ、たぶんイケる。と思う。
だがしかし。これ以上思い出していると、ボロボロとこの自信も崩れていきそうなので。
ひとまずは、これまでである。