我輩は○○である IF   作:far

9 / 10
書いているさなかは、荼毘の出番がまだだったので、ノータッチですませましたが
出ちゃったあと、どうしようか。どうしたらいいのかずっとわからなくて
それが頭の片隅にありましたが
もう、これでいいかなって思えたので、出力してみました。
本編終了後のIFということでひとつ。


あとお勧めをひとつ。
属物氏の 鉄火の銘 ニンジャスレイヤー世界への転生もの。もちろん、無双できません。ソウカイヤの一員でもなく、独立したまま動きます。
ほの暗く、怪しい原作世界テイストたっぷり。そんな世界で、孤児院の学生カラテマンとして生きていたらニンジャソウルでイヤーッグワーッな世界へ。
ソウカイヤ所属のニンジャにも目をつけられて、戦わなければ生き残れないけど、勝っても身を隠さねば死あるのみ。調子に乗ったり、闇系のお仕事についたら、ニンジャ・スレイヤー=サンが出てくるぞ!
という日々を生き抜くオリ主さんの物語。サツバツ。


【これで】荼毘の後始末【いいのか】

 

 我輩はドキドキしているのである。

 と、いうのもだ。さすがの我輩も、仲間をだまして利用する。

 そういうのは、初めてで。罪悪感を覚えてしまって、少し興奮するのだ。

 

 

「くっ、お前は… お前は何がしたいんだ! いったい何を企んでいる!!」

 

 苛立ちと困惑。焦燥を顔に浮かべて、エンデヴァーこと轟炎司が叫んでおる。

 それに対照的な、喜悦の感情を満面の笑みで表す、荼毘こと轟燈矢が答えた。

 

「そう言うな。俺はただお前を、幸せにしてやりたいだけなんだよ」

 

 もっと、もっとだ。これ以上に、もっと。

 

 フルフルニィ

 

 湧き上がる感情を抑えきれぬのか、ぷるぷると小刻みに震えて。

 そんな自分の身体を、抱きしめながら。崩れた笑みを浮かべる荼毘くんは。

 その。なんだ。

 かなり、気持ち悪かった。

 

 だがまだ先があったようで。彼の独壇場はまだ続く。

 

「お前の嫁の轟冷は、俺編集のエンデヴァー面白動画と、個性カウンセリングで立ち直った」

「夏く… お前を嫌っていた轟夏雄は、学生の身で デキちゃった んで結婚せざるをえなくなった。

 当然、お前を経済的にも頼らなきゃならくなって、渋々だが和解した。孫の顔も見れそうで良かったな?」

 

 なお夏雄くんについては、荼毘は何もしていないらしい。

 原作でも、家にあまり帰りたくなかったみたいであるし。

 転がりこめる恋人の家とかできたら、まあ、できちゃう確率も、そこそこあるのだろう。

 

「だが、まだ足りねぇ! お前はこの先、たくさんの孫と! 焦凍より下の弟妹と! 色んなヤツに囲まれて、幸せなまま寿命を迎えるんだ!」

 

 えっ、冷さんにまだ産ませるの?

 そんな我輩たちの疑問には答えてくれず、荼毘くんの演説は締めくくられる。

 

「今際の際ってやつだ。その時にネタバレしてやるよ。それまで楽しみに待ってな」

 

 う~ん。気が長い。そしてこじらせておる。

 

 まあ、そんなふうにヒネッたのは我輩なのであるが。

 ああ、うん。はい。

 

 洗脳しました。

 

 いや、待つのである。違うのだ。

 これでも。これでもまだマシな結末で、解決なのである。いや、マジで。

 

 だからといって、味方を洗脳するな?

 

 まあ、それはそう。

 だが我輩たちは、ヴィランであるぞ?

 目的のために、卑怯な手段を捨ててどうする。

 みんなが幸せな結末を迎えるためには、やむをえぬ犠牲であったのだ。

 荼毘くんの尊厳は犠牲になったのだ。

 

 犠牲の犠牲にな……

 

 

 

 この一件の始まりは、ドクターからのタレコミであった。

 荼毘くんの正体が、ダメオヤジ、轟炎司の行方不明からの死亡認定中の長男である。そう、教えられたのだ。

 で、まあ、なんかこじらせておるらしく。

 ダメオヤジ絶対許さねえ。

 そんな感じであり、ダメオヤジの全部をぶっ壊したいです。そんな思いで、いっぱいらしいのだ。

 

 で、まあ。ドクターの思惑としては、だ。

 現状、なぜか全てが丸く収まっておるので。

 変にかき乱したくはないので、この爆弾を処理してくれ。

 そういう事であるらしい。

 

 いや、急な無茶振りはやめるのだ。そういうのは、先生の所業である。

 ワシもできれば、平穏に研究できるに越した事はないとか、知らねーのである。

 

 とはいえ、放っておくわけにもいかないわけで。

 

 仕方がなしに、とりあえず個別の話し合い、今後の進路相談ということで、連合の面々に呼びかけて。

 荼毘くんとも、 1対1 での話し合いの機会を設けて。

 情報を買うぜ。という(てい)で、彼の身の上話を、お小遣いを徐々に積み上げながら聞いてあげて。

 

「親父みてぇなヒーローに。あの頃は、純粋にそれだけを望んでたんだ… なのに一方的にそれを取り上げられて…」

「個性が暴走して… 火が消えなくて。気付いたらドクターに拉致られて改造もされてたが、でなきゃ普通に死んでた」

「家にこっそり帰ったけど、もう死んだってあつかいで、終わった事にされてた」

「だから俺はっ…! ……だが、今は少し違うんだ。俺はアイツを、幸せにしてやりたくなった」

「その幸福の絶頂から、地獄の底まで! いっぺんに叩き落してやりたいんだ!」

 

 わかる。辛かったな。

 我輩はそんな顔をしつつ、札束を積み上げ。

 

「今は、このヴィラン連合で、荼毘くんは笑えておるか?」

 

 そう問いかけ。

 

「悪くはねぇよ。ほんっと意外とだけどな」

 

 そう返す荼毘くんに、はははコヤツめ。と、札束で軽く頭をハタいて洗脳したわけだ。

 

 この札束で叩いて洗脳する個性は、先生とドクターと、我輩のボスこと死柄木弔くらいにしか教えておらぬ。

 S少年こと、心操くんのように公開する勇気なぞ、我輩にはないのだ。

 

 いざという時、こうして使えたりするし。

 

 いや、しかし身の上話を聞きつつ、カネをつむというのは。

 洗脳のための仕込みであり、我輩からやり始めた事ではあったのだが。

 なんか、キャバ嬢に騙されておる、チョロいオッサンみたいな気持ちであったな。

 

 まあ、無駄ではなかったが。

 

 当初は、荼毘くんを記憶喪失キャラにでもしてしまおうかと、考えておったのだが。

 幸せにしてから、落としたい。というのならば、ハナシは別だ。

 

「出す…! 出すが… 今回まだ その時と場所の指定まではしていない

 そのことを どうか諸君らも思い出していただきたい。 つまり…

 我々がその気になれば、金の受け渡しは10年後20年後ということも可能だろう………ということ…!」

 

 荼毘くんのネタバレを、ダメオヤジの人生の最後の最後、ギリッギリの際まで、引っ張ってやるのである。

 きっとその頃になれば。

 

 いや、今更そんなことを言われても……

 

 みたいな空気ですむ、はずである。そうだといいな。そうなれ。

 実際、洗脳後の荼毘くんは、ただのエンデヴァーの厄介強火ファンと化しておる事であるし。

 まあ、これで。

 一件落着で、いいのではなかろうか。

 

 

 後に。

 

 

 荼毘くんが、ダメオヤジの死に目まで、俺は死ねない! と言い出して。

 健康に気を使い出した。のは、いいのだが、食事と運動にも気を使い始めて。

 ドクターだけに相談していたら良かったものを、マッチョな面々 にも相談をしてしまい。

 気付けば、荼毘くんもマッチョの一員として、違和感なく溶け込み。

 

 クロビカリの荼毘 という異名まで取ってしまうのだが。

 

 そんな事は露とも知らぬ我輩は、そうのんきに構えておった。

 

 

 

 




・フルフルニィ
NARUTOより。初代火影の柱間さんに、異常なまでの執着を見せた うちはマダラが、柱間のチャクラを感知した時の歓喜した、その時の擬音。この時の顔芸すごいですね。

・犠牲の犠牲にな…
同じくNARUTOより。特に深い意味はない。

・「出す…! 出すが… 今回まだ その時と場所の指定まではしていない
 そのことを どうか諸君らも思い出していただきたい。 つまり…
 我々がその気になれば、金の受け渡しは10年後20年後ということも可能だろう………ということ…!」
カイジより。中間管理職、というにはすでに役員で幹部だったっぽいが、利根川さんのセリフ。彼には名言が他にも多い。
大人は質問に答えたりしない。 カネは、命よりも重いっ…! 人は金を得るために、その時間、人生の多くを使っている。自分の存在、命を削っている。存在そのものを「金」に変えているんだ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。