後の展開を考えるにあたってこれまでの話を読んで、「あれ、普通に赤ん坊の頃から魔力量の高いオリキャラ出せばよくね?」と考えてしまい、最初っから書き直すことにしました。前の状態でも楽しんでくださった方がいらっしゃいましたら、それ以上に楽しめる作品にできる様に頑張ります。
1話 魔竜と竜王
X370年
とある草原にて二人の人物がいた。片や褐色の肌の腰に届くほどの長い髪の男。もう片方は言葉を発することさえできない生後数ヶ月~一年といったところの赤子。
褐色の肌の男──名はアクノロギア──は赤子を視認するとその子へ手を伸ばし、優しく抱き上げる。
「何故このような地に赤子が?···もしかしてうぬも我と同様にドラゴンに親を殺されたのか?···分かるわけもないか···しかしこの赤子、一体どうするか···」
考え事をしていると突然、赤子はアクノロギアの服を掴み抱きつくようにその身を寄せる。
「ふっ、懐かれたか?しかしこの赤子、一体どうするか······いや、待てよ。この赤子、相当の魔力を持っている。我の魔法を教えるのも面白いかもな······それに、村や集落に預けてところで安全が保障されるわけでもない」
そうしてアクノロギアは拾った赤子をその手に抱きその場を去った。
~5年後~
「ねぇ、アクノロギア、魔法を教えてよ」
「ほう、教えるにはまだ早いと思っていたがいいだろう。日頃の鍛練をこなし、飯の確保も自力でこなせるようになったしな。···着いてこい”ノア“」
アクノロギアの後に着いていった。
アクノロギアに拾われた当時赤子だった少年は5年の間にすくすく育った。アクノロギアは赤子を拾って3年後には鍛練、もう1年後には狩りを教え、本日は本人たっての希望で魔法を教えることとなった。ちなみにノアという名は、アクノロギアが与えたものでフルネームは ノア クロア だ。
「滅竜魔法は竜の力を付加術によって人間に
「どんとこい」
「それじゃあ先ずは体に纏う魔力を解き、肉体に自身のものと異なる魔力が流れることへの抵抗をなくせ」
「分かった」
言われた通り魔力を解除すると魔力を込めた拳で殴られた。
「ぐっ···かはっ」
「今、うぬの体に滅竜の魔力を流し込んだ。その魔力を自身の魔力と結合させるイメージで魔力を循環させろ」
「わ···分かった」
激痛に堪えながらも言われた通りにやった。
「ほう、1回で成功するか。2、3回やる必要があると思ってたのだがな」
「···4年間、体の使い方だけでなく魔力の扱いも学んだからな···で、次はどうすればいい?」
「特に無いな。あるといっても酷使して肉体にその魔力を慣れさせる位しかない」
「じゃあ後は独学みたいなものか」
「そうだな。そして、今後は1人で生きていくのだ」
「どういうこと?」
「もううぬには教えることはない。それに我はやるべきこともある。それじゃあな」
「···そうか···それじゃあ···ふっ!」
アクノロギアに飛びかかり殴りかかるがあっさりと返り討ちにあった。
「次に会うときには一発顔面にぶちこめるくらいには強くなるよ。じゃあなアクノロギア···いや父さん」
その言葉を聞き少し笑いながらアクノロギアはその場を去った。
「ははっ······ようやく言えたな。ありがとうございました。恩人にして師匠にして···尊敬する······父さん」
ノアは、既にその場を去った者に対して、捨てられた自分を拾い、育て、生きる術を教えてくれた親に感謝の言葉を、涙ながらに呟いた。