それではどうぞ!
僕は今、自宅で数日後の修学旅行に備えて準備をしている。
にこ先輩の一件以降僕はμ'sメンバーと距離を取るようにした。
穂乃果に何度も誘われてはいるが、理由をつけて断っている。
僕が彼女達と関わったのは少しでも、園田海未に関する情報を得るためでこの期間で得ることは出来た。
後は穂乃果が途中で諦めるのを待つのみだが
彼女の性格を考えるとそれは難しいか、、、
そんな事を考えている時に携帯が鳴り、取ると園田海未から一件のメールが届く。
「明日の放課後、屋上に来てもらえますか?」
多分、μ'sメンバーが僕の事を不審に思ったのだろう。最初は迷ったがこれ以上穂乃果にも声を掛けられるのも面倒に思ったので行く事にした。
「分かりました」
一言メールを送り、携帯を机に置く。
次の日の放課後、僕は屋上に繋がる階段を登っていた。屋上に近づく事に話し声が聞こえてくる、恐らく僕の事だろうとそう思いながら足を進め扉の前に着く。
僕はドアノブに手をかけて、扉を開けた。そこにはμ'sのメンバー全員が揃っていた。
「みなさん、お待たせしてすみません」
僕はメンバー達に挨拶をして、皆それぞれの反応を示した。
「どうも、それで話ってのは?」
「そんなのアンタが一番分かってるはずでしょ」
にこ先輩が僕の発言に対して言及して来た。
「僕がここ最近、μ'sのサポートに来ていなかった事ですか?」
「穂乃果達、何か嫌のことしちゃったのかなって・・・それで悠人君が嫌な思いしたのなら謝る」
不安げな顔で質問する穂乃果に僕は返答する。
「いえ、別にそんな事はないです。単に行こうと思わなくなったです。別に僕がいなくてもこのグループは回るだけですし、ここにいるメリットがない事に気付いただけです」
「メリットって貴方は効率で物事を判断する人だったの? 」
真姫が腕を組んで聞いて来た。
「効率に考えてる事は悪いことではないでしょう」
「ウチら、悠人君のお陰で助かったことあるんよ。A- RISEのライブの時に弱気になったうちらを励ましたくれたやん。」
「あれは穂乃果に便乗して言っただけです。
あの現状を変えたのは彼女ですよ」
「悠人、貴方は私たちの仲間なんですよ。だからそんなこと言わないでください」
僕には疑問だった。何故、彼女達はここまで僕を信頼しているのか?
何故、たかがここを去るだけなのにこうも手こずっているのか?
何故、僕自身去ろうとする事に抵抗感があるのか。
そうか、きっと僕は彼女たちとの日々を楽しんでしまっていたのか・・・成すべきことを成さぬままに過ごしてしまっていた。
極めて怠惰な事この上ない。
仕方ない。ここは少し早めに泥を被ろう。
僕は必ずここを去れて、彼女達との関係性を壊す発言を彼女達に投げかけた。
「全く・・・仲間、仲間って、 所詮はプロでもなんでもない寄せ集めの女子高生がアイドルごっこをしているだけでしょ?」
彼の一言でメンバー達は顔が引きつる。
「アンタ今、なんて言ったの?」
予想通り、にこ先輩の逆鱗に触れた。このまま続けよう。
「寄せ集めの女子高生のアイドルごっこだと言ったんです。子供がおままごとをするのと変わらない。いいですか? 貴方方に限らず全てのスクールアイドルは所詮、ごっこ遊びに興じているだけなのですよ。穂乃果さんに声を掛けられて、初めて見に来た時は笑いを堪えるので必死でした。
なんて滑稽な事をしているのかと・・・」
「アンタふざけんじゃないわよ!! 」
にこ先輩が僕に向かって飛び掛かるのを真姫が止める。
にこ先輩を止めている真姫が僕の方に目を向けた。彼女は目に涙を溜めながら僕の事を睨んでいた。
フェンスの近くにいた花陽も真姫同様、涙目になり、その横の凛も僕を睨みながら泣いていた。
絵里先輩、希先輩は言葉を詰まらせているのか、僕の話を黙って聞いていた。
「そんな事ない!」
穂乃果が僕に対して、反論して来た。流石に彼女もこれには怒りの表情を浮かべていた。
しかしここで止めるわけには行かない。
「そんな事ない? 履歴に書いても何の得にもならない。将来性もない。それに何の意味があるんですか?
それに先輩方は今年、大学受験ではないですか? こんな事に時間を割いていていいんですか? にこ先輩は勉学を苦手と聞きました。
こんなものに費やしている暇があるのなら英単語の一つや二つ覚えたらどうですか?
数式の一つや二つ取れるようになったらどうですが? 」
「勉強も大切だけど今しか出来ないは必ずあるはず。私はμ'sに入ってそれを理解した。
貴方にも必ずそれが分かるはず」
絵里先輩が自負心を含んだ発言をする。
「それがこのグループですか? 前生徒会長は随分と甘いお考えのようですね。
数ヶ月後には無くなるお子様グループなんかに意味を見出す必要性なんかー」
僕が話を続きを言おうとした時、先に痛みが僕を頬を伝う。
そこには涙を目に浮かべた園田海未が立っていた。
「貴方は最低です。そんな人だとは思いませんでした。 貴方は最低です!!!! 」
よしこれでいい・・・これで僕に次に勧められる。軌道修正は完了した。
「ふふっ、そうですね。でもこれで分かったでしょう。僕がこのグループに不必要な人間だと」
μ'sメンバーは目を伏せていた。ただの一人を除いて、
希先輩だけは目を逸らさず僕の事をジッと見ていた。僕の考えを見透かすように・・・
「では、失礼いたします」
僕はそう言い、いつもより重く感じる屋上の扉を閉めた。
数日後、僕は修学旅行先の沖縄を満喫していた。
青い海、生い茂る緑、やはり本土とはまた別の空気感を感じる。
何より僕は故郷と東京以外の所を言ったことが無かったので何より楽しかった。
穂乃果達はどうやら海側に行っていて向こうは向こうで楽しくやっているようだ。
それから夜になり、僕は宿泊先の部屋に戻った。僕は他の生徒とは違って別の棟に用意された部屋に指定された。まぁ不純異性を考慮してとか事だろう。
僕はホテルで用意された食事を早急に食べ終えて、自室で食べる菓子類をコンビニで買おうと、外に出る。
コンビニで菓子類と飲み物を購入した後、宿泊先に戻ろうと道を歩いていると、園田海未が向こうから歩いて来た。
僕は彼女から目を逸らすと、彼女も僕から目を背けてそのまま通り過ぎた。
そう僕達はもともと無関係・・・あくまでこの学園では・・・
そんな事を思いながら、真夏の夜に似た暑さを感じで僕は宿泊先に足を進める。
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