悠人の声援を受けて、私は嬉しくなり彼に対して笑みを答えた。
私は穂乃果とことりたちの元に急いだ。穂乃果とことりは玄関の前で立ち止まっていた。
外は予想以上に吹雪が吹いていて、視界も良好ではないハッキリ言って予選会場に向かうには絶望的な状況でした。
「行こう!」
穂乃果は一歩を踏み出して、私達はそれについて行くように足を前に出した。
やはり穂乃果は凄いです、私達が臆してしまうところも飛び越える勇気を持っている。
しかし、その勇気を嘲笑うかのように足を進めれば進めるほど吹雪は強くなっていった。
もう駄目かと諦めかけたその時、吹雪が止み始めて傘と退けると、なんと全校生徒のみんなが雪かきを持って除雪していました。
そして、彼女の協力と声援を受け私達は走り出してやっとの思いで会場に着く事ができました。
会場に着くと絵里達が私たちが来るのを待っていて、穂乃果が絵里と熱い抱擁を交わすと
涙を流し始めました。
「怖かったよー!」
人一倍心の強い彼女も本当は不安で仕方なかったのでしょう。
会場には既にA- RISEの皆さんが着いていて、彼女達に挨拶をする。
「お互い良いライブにしましょう」
綺羅ツバサさんが笑顔でそう言うと他の二人と準備室に向かう。
そう私がラブライブ に進むには彼女達を越えなければならない。
いや、彼女達だけじゃない他のアイドル達だってきっとこの日の為に相当な練習を積んで来たのに違いない。
私達も早急に衣装に着替え始める。今回は雪をイメージした白を強調した衣装で着替えている時にふと学校で悠人にかけられた一言を思い出す。
「頑張ってくださいね」
あの言葉を思い出すと、不思議と嬉しくなり自然と笑みが零れた。
必ず、ラブライブ に進む! そう決心して私は衣装に身を包んで舞台に立った。
舞台から見た景色は舞台に設置されているライトとお客さんのライトペンで色鮮やかになっていて、空から降ってきた粉雪がライトに照らされて幻想的な美しさになっていた。
会場内からは私達を呼ぶ声が中には私達の馴染みのある声も聞こえる。
曲が始まる前みんなが目を閉じてそれぞれの想いを浸る。
今回は私だけじゃ書けなかったμ'sのみんなで一緒に作った初のラブソング。
そして、音楽が流れ始めるとともに私達は踊り始める。
参加していた全てのアイドルのパフォーマンスが終わり、舞台には参加していたアイドル達が並んで立っていた。
結果発表のドラムが鳴り始め私は心の中で必死に祈りました。1次予選の時は震えて結果発表の瞬間を逃しましたが、今回は逃しません! 例えそこにどんな結果が待っていようとも!
「ラブライブ 出場が決定したのは・・・音ノ木坂学院高校 スクールアイドル μ's!!」
司会者が高らかに宣言した後、会場のお客さんの感性が飛び交う。
それと共に私達は喜びのあまり、涙を流して互いに抱きしめ合いました。
みんなでつかんだ勝利です! これでラブライブに出られる!!
「おめでとう」
綺羅ツバサさんが穂乃果の元に来て、祝いの言葉をかけて二人は熱い拍手を交わしていた。
衣装の着替えを終えて、ふと携帯の画面を確認した時に思わず目を見開いた。
そこからはお母様からの大量の着信履歴が表示されていました。
見た瞬間、胸騒ぎがして恐る恐るお母様に電話する。
2コール目に入ろうとした時に電話が繋がった。
「もしもし、お母様? 何度も電話しておられたようですがどうなさいました?」
電話の向こうで聞こえる母の声はどこか疲れていて、そしてなにやら怯えているようにも聞こえました。
「海未さん・・・落ち着いて聞いてください・・・園田家が・・・・・・襲撃されました」
「えっ?・・・・・・どういう事ですか? 誰が、そんな・・・」
私は驚きのあまり、言葉が途切れ途切れになってしまった。
「襲撃して来た人物はー」
私は続きを聞いた時、勢いよく椅子から立ち上がり、準備室を飛び出した。後ろから私の名前を呼ぶメンバーを気にも止めず、ひたすら走り続けた。
会場を出て、まだ雪が積もって歩きにくい道を足に力を入れ、早く走りながら先程の母との会話を思い出す。
「襲撃して来た人物は海未さんが以前連れて来たあの青年でした」
そんな、まさか・・・
そんなはず・・・予選突破からの喜びから一転、私の心には動揺、焦り、不信感が蠢いていた。
私の心を包もうとする負の感情を振り切るように私は走り続け、やっと家が見えて来た。
家の前に着いた時、私は絶句しました。
大きな門が破壊されて、そこから見た我が家はことごとく荒らされているからです。
門の近くを見ると傷心しきっているお母様が横たわっていました。
「お母様! ご無事ですか!」
「う、海未さん・・・彼が中に・・・」
お母様が道場の方を指して、私は立ち上がり向かおうとした時に、道場の壁が壊れて
誰かが飛んできてその勢いで地面に転がる。
倒れていたのは何と刀を手にしたお父様でした。
「お父様!」
私はお父様の元に駆け寄り、体の状態を見る。
体は所々、切り傷があり服は血で滲んでいた。
「海未か・・・すまない・・・もっと早く気付くべきだった・・・」
「お父様、何を?」
私はお父様の言葉の意味を理解出来ないでいると、道場の方から足音が聞こえ、目を向ける。
「悠人・・・」
彼は刀を右手に持ち、刃先から血が垂れていた。
怒り、憎しみ、それらの感情より動揺となぜ彼がこんな事をしたのかを考えるのに必死だった。
「何故、こんな事を・・・」
「おやおや、これはこれは園田道場師範のご息女ではありませんか・・・」
彼は道場から外に出てくると、頭を急に下げ始めた。
「改めてご挨拶申し上げます。私は村雨悠人、改めて園田悠人・・・園田家の分家 村雨の一人息子でございます」
彼の言葉に私はついて行けなかった。園田悠人? 園田家の・・・分家?
すると父は上半身を起こして口を開く。
「彼は園田家にかつて存在した分家、村雨の末裔・・・我々の遠戚の血縁者だ」
今回もありがとうございました。
とうとう悠人君の正体が明らかになりましたね。
ちなみに以前後書きで書いた 山というのはここの部分です。はい
いつも通り誤字、脱字、その他のご指摘ありましたらご連絡ください!!!!
ありがとうございました!!!!