悠人は亡くなって間もない母親の前で泣いている。
すると、父はまだ泣き続けている悠人に近づいて優しく抱き締めて耳元で囁く。
「逃げろ・・・」
「えっ?」
いきなりの発言に涙が止まり、父は再度目をしっかり見て逃げろといった。
悠人は泣きながら、先ほど来た道を引き返す。
男の一人が悠人を追いかけようとするが、木刀を片手に鋭い目つきをした父が立ちふさがる。
「息子のところには行かせん・・・妻の仇、とらせてもらうぞ」
「やれ!」
一人の声で複数の男が怒号を上げながら父の元に走っていく。
悠人は涙を流しながら、山を下っていく。
「誰か、誰か!たすけて!」
山を下り、涙を流しながら歩く。
「どうしたんだい?」
横から中年の男性が肩を叩いて話しかけて来た。
「お父様が・・・お母様が」
悠人は泣き続ける。
「お父さんに何かあったのかな?」
「山に・・・お父様とお母様が」
「分かった。おじさんもついて行くから一緒に行こう」
悠人は頷くと、男性と再びを下った山道を登る。
家の付近に着いた時、悠人は周りが妙に静かな事に気づく。
恐る恐る男性と家に入ると、彼は言葉を失った。
至る所に男達の倒れている姿があり、全員頭から血を流している。
悠人は辺りを見渡すと、縁側に二人の人を見つける、その正体はリーダー格の男と父だった。
「お父様!!!!」
悠人は一目散に父の元に駆け寄り、体を揺らす。 だが父は全く動かない。胸元を見ると穴が開いていてその周辺は血で滲んでいた。
近くに頭から血を流して気絶している男が倒れていた。
「たっ、大変だ! とにかく警察と救急車を!」
男性は急いで、携帯を取り出して警察にかける。
悠人は冷たくなった父の胸に顔を預けて泣いた。
その後、救急車と警察が来て、悠人の両親の死亡が確認された。
数日後、暴力団を雇った事業団体が逮捕されたが、過去の出来事がトラウマとなり彼の心は晴れる事がなかった。
その後は施設に預けられて、長い間施設で暮らすがそれでも過去に囚われ続けた。
悠人が両親の墓参りに行った時のこと。かつての実家の真横に墓を立てていた。
凄惨な出来事が起こったが、それでも楽しく過ごしていた場所なので、ここに立てる事にした。
両親に顔を出した後、コーションテープで囲われた我が家を見る。
両親の亡くなった時の姿が頭の中に鮮明に蘇り、少し体が重くなった。
暫く入ることを避け続けていたが、コーションテープを剥がして縁側から屋敷内に入る。
懐かしさを噛み締めながら、屋敷内を歩き回る。
両親の部屋に入ると、天井やら所々に蜘蛛の糸や埃が舞っていた。
部屋の押入れを漁っていると、古びた本の様なものを見つける。
悠人は気になり、それを手に取り中身を確認すると、悠人は目を丸くした。
そこには自分達、村雨のルーツ、この土地にいる原因、園田宗家との関係が記されていた。
真実を知ると同時に心の底から憎悪が湧き上がって来た。本当に憎むべきは両親を襲撃した連中ではなく、自分達の親族なのだと・・・
悠人は自分の生い立ちを園田海未に打ち明けた。
彼女の表情は暗く、伏し目がちになっていた。
「では貴方がここに来た目的というのは・・・」
「園田家宗家の壊滅及び、血縁者の抹殺です。 貴女の曽祖父が村雨を異郷に追放した際に縁を切った。それにより我々は永遠にあの場所に縛り続けられた!!!!」
彼は声を荒げて園田海未に吐露する。いつもの落ち着いた悠人はそこにはいなかった。
「さぁ、僕の事はもう分かったでしょう?
死んでください」
悠人は笑顔を二人に見せると、園田海未の父の方に入っていく。
斬りかかろうとした時に園田海未が父の横にあった刀を手に取り,父を守る。
「させません! 父を殺させることも! 貴方に人殺しをさせることも!」
園田海未が腕と下半身に力を入れて,悠人を押し返す。
「いいでしょう。当主を屠る前に貴女から斬らせてもらいましょう」
両者が刀を構えて、間合いを取る。
私は負けません。絶対に・・・園田家を守る! そしてみんなと一緒にラブライブ に出るために!!!
園田海未が強く地面を蹴り、走り出した。
読んでいただきありがとうございます!
悠人の過去が打ち明けられ,次話は海未さんvs悠人となります。
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